暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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一日ずっとSSと向き合っている時間があったので書きました。

何だか書きたいことがあり過ぎてグダグダになったかも・・・。

とりあえず、どうぞ!



第七十五話

 

なのはside―

 

今日は午後からはフォワード陣の訓練をお休みしてはやてちゃんのお仕事を減らす作業に移るはずだった。まさか、休暇のために街に繰り出したフォワード陣が事件を拾ってくるとは思ってもみなかったよ。どうやらエリオとキャロが路地裏でマンホールから出てきたボロボロの布きれを着た少女を見つけたみたい。その少女をヘリに乗せ少女が引きずっていたと思われるレリックを探すようにフォワード陣に伝えたところでガジェットの反応が出た。

大量の飛行型ガジェットが市街地へ向けて飛んでおり、このままだとひどい被害が出ることは自明の理だった。すぐさまフェイトちゃんと私が出撃してどんどん撃墜してたけど、ある程度壊した所で何故かガジェットの反応が一気に増えた。どうやら敵が実体のある幻影を作り出して本物と組み合わせて攪乱しているらしい。外見では見分けがつかないしロングアーチも混乱している。それにさっきから嫌な予感がしてて早くヘリと地下組に合流したいんだよね。

 

「フェイトちゃん、私が限定解除して一気に蹴散らすからフェイトちゃんはヴィータちゃんと分けてヘリと地下の手助けに行って。」

 

「でも、なのは。そんなことしたらなのはの限定解除の回数が・・・。」

 

「うん、確かに葵ちゃんを捕まえるにはちょっと物足りなくなっちゃうけどね。でも、今やらなくていつやるの?それにさっきからすごく嫌な予感がするんだよ。」

 

『割り込みごめんな?なのは隊長、その限定解除は許可できません。ですが、すぐにヴィータ副隊長とフェイト隊長を引き連れてヘリと地下へ向かってください。』

 

「「はやて(ちゃん)!?」」

 

『ここは私とアインスで止める。私が限定解除を行うんが一番ええんよ。』

 

『だから早くお前達は安全空域まで退避してくれ。そしてヘリと地下を頼む。』

 

「アインスさんまで・・・・。分かりました、ここは任せます!行こう、フェイトちゃん!」

 

「うん、お願いね?はやて、アインス。」

 

『任しとき!広域殲滅は私の十八番やからな!』

 

『そちらは頼んだぞ。』

 

この場をはやてちゃんとアインスさんに任せることにした私とフェイトちゃんは、ヴィータちゃんに地下を任せることにしてヘリの護衛へと向かった。鬱陶しいことに私達が進もうとする先から先からガジェットが現れるけど全部破壊していく。何とかヘリが目視できるところまで来ることが出来た。やった、まだやられてないっ!?

 

『市街地より魔力反応!砲撃魔法のチャージ確認!物理破壊型、推定Sランク!!!』

 

「なっ!?ここからじゃ間に合わっ!?」

 

一筋のオレンジ色の砲撃がはしり、ヘリが爆発に包まれた。その光景を見てフェイトちゃんも私もついその場に止まってしまった。自分たちの目の前でシャマルさんやヴァイス君、保護した少女が乗ったヘリが爆破されてしまったのだ。唇を噛みしめて砲撃が来た方を確認しようとした瞬間、爆炎の中から3発の炎を纏った砲撃が立て続けに放たれた。放たれた先のビルの屋上が爆発し、崩れ落ちていくのを横目に見ながら爆炎の中から無傷のヘリと1人のマントを来た少女が出てくるのを何も言えず眺めているしかなかった。

 

「やれやれ、果たしてアオイはこんなヘリを守らせて何がしたいのでしょうか?まぁ、頼まれたのですから任務をこなすだけです。・・・・何をしているんですか?ナノハ。先程の砲撃を撃った魔導師を捕まえなくていいのですか?」

 

「しゅ、シュテルちゃんなの?何でヘリを・・・・・?」

 

「なのは、それよりも今はあっちの魔導師を!」

 

「くっ!勝手にいなくならないでね、シュテルちゃん!!!行くよ、フェイトちゃん!」

 

一先ずシュテルちゃんが吹き飛ばしたビルの近くへと飛んでいったけれどそこには誰もいなかった。一応サーチャーを使った索敵もしてみたけれど誰もいない。はっきり言ってシュテルちゃんのあの砲撃を避けれたとは思えない。ならなぜ?あぁ、簡単だよね。回収した誰かしらがいたってことか・・・・。仕方ない、今回は見逃そう。だけど・・・・

 

「次は、絶対に、私の手で、倒す!何を言わせる間もなく撃ち抜いてあげるから!」

 

「なのは~、決めポーズとってるところ悪いんだけどそろそろヘリの護衛の方に戻ろ?というよりも今回はそれ何の影響?」

 

「ん~?わかんないや。葵ちゃんに適度に息抜きをしろって言われて適当に渡されたアニメを見てるだけだから。意外と面白かったり技の参考になったりするから気に入ってるんだけどね。」

 

そんな感じで締まらない会話をしながらヘリの近くに戻った時には既にシュテルちゃんはいなかった。ん~、いつも通りって感じかなぁ?シュテルちゃんって昔から何考えてるか分かりにくいからなぁ・・・。今回なんてマントのフードで顔が見えなかったからいつもよりもよくわからなかったし・・・。まぁ、次会った時に聞けばいっか!

 

 

sideout

 

 

浅上葵side

 

「という訳で限定解除の承認が欲しいんやけど・・・・。」

 

『いいのかい?君の制限解除は僕と騎士カリムの2回だけ。その1回をこんな場所で使ってしまうなんて。』

 

「ええんです。こんなところでも使わんでとっとくんが一番勿体ないと思いますんで。という訳で許可お願いします。」

 

『ふむ・・・・・、市街地での戦闘につき解除は3ランクまでとなるがそれでもいいか?』

 

「構いま「ちょっと待って頂戴。」・・・・なんでこんなタイミングで出てくるんや?葵ちゃん。」

 

私がビルの屋上にはやてを見つけたのはとってもいいタイミングだったようだ。限定解除を行っていないみたいだし、アインスとのユニゾンもまだしていない。空中に出している画面には驚いた表情の最高戦力君(笑)ともう1人知らない女性が映っている。まぁ、興味ないしどうでもいいけどね。

 

「いやぁ、この前無駄になのはとフェイトの限定解除許可を出してしまったはやてにとある提案をしに来たのよ。」

 

「一応聞かせてもらおか?葵ちゃんの提案なんてちょっと恐ろしくもあるんやけどな。」

 

『はやて!あまりにも危険です!すぐにそこから退避を!』

 

『まぁまぁ、騎士カリム落ち着いてください。久しぶりだね、浅上葵。闇の書事件以来かい?』

 

「えぇ、そうでしょうね、最高戦力君(笑)。でも、今あなた達には興味がわかないの。だから・・・・黙ってろ。」

 

『『っ!!??』』

 

少し殺気を込めて睨みつけただけで画面上の2人は腰を浮かせかけた。それに対してはやてとアインスは慣れているのか眉を少し引くつかせる程度で済んでいる。まぁ、殺気が向いているのが近くの画面だからこの程度で済んでるのかな?取りあえずもう用がない画面から目を離してアインスの後ろ側に回り込んで首に纏わりついた。アインスも満更でもなさそうな顔で私の手を握っている。私はそのままアインスの耳元ではやてに向かってしゃべり続けた。

 

「まぁ、さっきの続きなんだけどさ。はやてが限定解除をする代わりに私が戦ってあげようか?」

 

「・・・・・・・・何が目的なんや?」

 

「ん~、強いて言うなら暇つぶし、かな?いや、宣戦布告って言ったほうがいいかもね。スカリエッティに対しての黒蜘蛛、浅上葵からの宣戦布告よ。」

 

「・・・・・スカリエッティが共通の敵でほんまによかったわ。下手に葵ちゃんがスカリエッティと手を組んだら目も当てられんからなぁ・・・。まぁ、確かに葵ちゃんが戦ってくれるゆうんなら私的には楽でもありありがたいんやけどな?」

 

「なら任せてもらうわよ。はやては下がってなさいな。私の本気の片鱗を見せてあげるから。・・・・あっ、アインスを借りるわよ。」

 

「・・・へっ?葵ちゃんとアインスはユニゾンできへんやろ?」

 

「あれ?はやて、忘れちゃったの?私の体の中には闇の書の闇が入ってるのよ?そんな私が元々闇の書の管理人格であったアインスとユニゾンできないわけがないじゃない♪・・・アインス、ユニゾンするわよ。」

 

「葵と1つになれる。私は今日壊れてもいいかもしれないな・・・・。葵、行くぞ!」

 

「「ユニゾン・イン!!!」」

 

初めてのユニゾンだったけど不安は全くなかった。アインスが体の中に入って行くような感覚と共に私のポニーテールがほどけていくのを感じた。ユニゾンは成功したようで、とりあえず見た目がどのように変化したかが一番気になった。自分の姿をディスプレイに映し出してみると、髪が銀色に染まり目が赤紫となった自分がいた。顔にはいつも闇蛇を使う時に出る紋様が浮かんでいる。

 

<どうやら本当に成功みたいだな。>

 

「だから言ったでしょ?成功するって。アインスも信じてなかったの?」

 

<いや、今信じられないほど幸せでな。もしかしたらこれは夢なのではないかと思ってしまうんだ。>

 

「フフッ、変なこと言うわね。これは全て現実よ。後でデータでも見ておきなさいな。」

 

<そうさせて貰うさ。それよりもそろそろ敵の駆逐に入ろう。今なら私は何でもできる気がする!もう何も怖くない!>

 

「それは何だか死亡フラグのような気がするわね。まぁ、死になんてしないけど。・・・・へぇ?砲撃魔法が使えるようになってるみたいね。じゃあ、使ってみようかしら。」

 

<敵の補足と分別は任せてくれ。それにしてもこんな凄い力があったのか・・・。ん、準備できたぞ。>

 

「それじゃあ、私の魔法生活初の砲撃魔法を撃ってみることにしますか!―――闇蛇、展開。」

 

「<殲滅せよ!アンナイヤレート・バスター!!!>」

 

左右の腕から4本ずつ、合計8本出てきた闇蛇の口から黒いビームが発射された。更に闇蛇が口の方向を変えることで砲撃は自由に動き遠くにあったガジェットの反応をすべて消し去った。ついでに砲撃のうちの1発でこそこそと隠れて幻術を使っていたやつを狙ったんだけど、掠っただけかな?多分掠っただけでかなりのダメージ量だろうけどね。

 

<これは・・・・・・・・本当にすごいな。>

 

「驚いてるところ悪いけどまだいるわよ。徹底的に潰してあげなきゃね。」

 

<あぁ、葵の使っている魔法が手に取るようにわかるお蔭で私でもよくわかる。本当に便利な魔法だな。>

 

「細かい制御は任せるわよ!―――襲え、闇蛇!!!」

 

全力で先程の魔力反応の場所へと向かいながら闇蛇を伸ばした。魔力反応はよろよろと避けているが8本中2本が命中して海へと落ちていった。それを確認してからその場で停止し、落ちた場所へ行こうとしたが、急に現れた素早い魔力反応に横から掻っ攫われてどこかへ連れて行かれてしまった。まぁ、普通に考えて味方が来て撤収していったって感じね。反応が遠ざかっていくのを確認しながらもアインスとのユニゾンを解いた。髪の色が元へと戻り闇蛇も収納された。

 

「それじゃ、私は帰らせてもらうわね。シュテル、帰るわよ。」

 

「はい、アオイ。ティーダの方はどうしますか?」

 

「あっちはもう転移してると思うわよ?まぁ、今回は管理局もお手柄ね。レリック確保、重要参考人確保、この両方をきっちりこなせたんだから。それじゃ、またね、アインス♪」

 

それだけ言って私は多重転移でその場から離脱した。まぁ、今回のデートの邪魔をした分の仕返し兼宣戦布告は十分に出来たかな?それにアインスとのユニゾンのお蔭で砲撃魔法を撃てたから大満足ね。さてと、ティーダからの報告もきっちり受けておかないとね。

 

 

sideout

 

 

スカリエッティside―

 

「結局、今回は失敗ですね。」

 

「クックック、まぁ、そういう時もあるさ。それに彼女が出てきてしまったからね。ある意味仕方がなかったと言ったところか。セインがいなかったら全滅してただろうしね。」

 

「今回の被害はディエチが武装の大破と身体の中破、クアットロが身体の大破、ですね。トーレとセインは戦闘に参加しなかったので損傷はありません。」

 

「それくらいで済んだのなら安い物さ。ルーテシアも無事だったのだから文句を言える部分はないよ。とりあえず修理の準備を進めておいてくれたまえ。」

 

「わかりました。」

 

ウーノが立ち去っていくのを見ながら、今回の戦闘によってとれたデータの照合を始めた。はっきり言って今回の戦闘で得られたものは全くと言っていいほどない。出来ることなら隊長2名と司令の限定解除した強さの片鱗くらいは知りたかったがそれすらかなわなかった。更に手に入ったデータも普段なら絶対にないであろう現象のデータのみ。クックック、ここまで完璧に情報源を潰されるときついものがあるね。

 

「浅上葵か・・・・・・。君は一体どれだけ私を楽しませてくれるつもりなんだい?」

 

画面に表示された顔に向かって尋ねても答えが返ってくるわけもなくただ沈黙が流れた。はぁ・・・・、とりあえずは可愛い娘達の修理でもするとしようか。これを機に強化するのもありだな。まぁ、おいおいやっていくとするか。

 

 

sideout

 

 





葵とアインスでユニゾン・イン!!!

一度でいいからやってみたかったんです。
というよりもこうやってユニゾンでもしない限り葵に広域殲滅はできません。
砲撃・射撃が使えないという枷がここになって限定的とはいえ消滅。
チートさがあがったよ!やったねたえ、ゲフン、ゲフン・・・。



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