暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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テスト中だけど頑張って投稿!

死ぬかと思ったが・・・・。



第六十六話

 

ティーダside―

 

「侵入完了。」

 

突然だが俺は今、機動六課に来ている。まぁ、勿論隠れてるし、ちゃんとマントも着てるぜ?流石にマントもなしに侵入して目的の人に会うなんて言う葵みたいな真似はできない。それでも一応誰にもばれずにここまでやってこれた。今回の侵入の目的は俺の正体がどこまでばれてるのかのチェックとティアナの様子を見ることだ。葵には内緒で来たけどばれたら殺されるだろうなぁ・・・・気をつけよう。それよりも誰も屋内にいないな?外にある演習場にでも行ってみるか?

 

「でぇりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「シュート!」

 

演習場はビル群が立ち並んでいるような場所になっていた。確か、葵の話ではあれは設定を弄れば簡単にできるんだよな?やっぱり技術的にも俺がいたころとは全然違うな。・・・・リニスが似たようなものを作り出してた時には本当に驚いたもんだな。

 

「せぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

「アクセルシュート。」

 

それにしてもボロボロにやられてるな。確か高町なのはだったっけ?クイントさんの娘と2人がかりなのに全然攻撃を入れられてない。それにティアナがさっきから砲撃の構えをとってるが、あれはフェイクか?って、爆煙を利用して上から魔力刃で攻撃!?あんな危ないことをここでは教えてんのかよ!ふざけんな!もう見てられるか!

 

「おかしいよね。こんなこと私は教えてなかったのに。ティアナ、ちょっと頭・・・・冷やそうか?」

 

「私は!強くなりたいんです!!!」

 

「ティアッ!!??」

 

高町なのはが撃った砲撃魔法がティアナに当たる寸前にティアナの前に割り込んでシールドで守りきった。それと同時に俺のことを見て呆気にとられてるティアナに向かって銃口を向けて腹部に弱目の魔力弾をぶち当てた。ウイングロードの上を転がっていき下に落ちるギリギリで止まったらしい。起き上がれないのか俺のことを倒れたまま睨みつけている。

 

「あ、あんたは・・・浅上葵の!」

 

「≪さっきから見てたらなんだあれ?作戦にしてもちゃっちいな。あんな作戦が実戦で通用すると思うなよ?それどころかあのままだったら普通ならお前ももう1人もあそこで終わりだ。≫」

 

「あ、あんたなんかに何がわかるっていうんだ!犯罪者であるあんたなんかにっ!!!」

 

「≪わかるさ。これでも俺はかなりの実戦経験を積んできてるんだぜ?お前よりはわかってるつもりさ。それにあんなやり方じゃお前の目指している強さにはいつまでたっても辿り着けやしねぇよ。≫」

 

「う、うるさい!私が目指しているのが何かも知らないくせに!!!」

 

「≪はぁ・・・・、こりゃ伝わってねぇな。お前に言っておくように言ったはずなんだがな?ランスターの弾は敵を貫くためのものじゃない、誰かを守るものだ。そんなこともわからなくなったのか、ティアナ・ランスター?≫」

 

「えっ・・・・・?な、何でそんなことあんたが・・・・。」

 

「≪なんでそんなことを俺が知ってるかって?そんなもん聞かなくてもわかるんじゃないのか?≫」

 

ティアナの顔が驚愕に染まって硬直した瞬間、俺に向かってピンク色の砲撃が撃たれた。様子見なのか知らないが狙いが少し甘かったのでとりあえず避けておく。次の瞬間後ろから金髪の女性が黄色の魔力刃を出した鎌みたいなデバイスを振り下ろしてきたので片方の銃身で止めながらもう片方で腹部に魔力弾を撃ったが躱された。

 

「あなたの身柄を拘束します。大人しく武器を捨てて投降してください。“黒蜘蛛団”No.6のスィスさん。」

 

「≪残念ながら断らせてもらうぜ。まだまだやらなきゃいけないことが山のようにあるんでな。さてとっ、用も済んだしさっさと帰るか。≫」

 

「させると思ってるんですか?フェイトちゃん!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「≪ちっ!―――ソニックシュート!≫」

 

再びとびかかってきたフェイト・テスタロッサに向かって魔力弾を撃ったが簡単に躱された。これでも一応かなりの速度がある弾の筈なんだがなぁ・・・。下がりつつも右手のレクスをダガーモードに変形させて鎌を受け止める。ダガーモードとは言っても俺のは持ち手が少し変形して握りやすくなって銃口から魔力刃が出るだけだけどな。ついでに左のレクスで接近していた魔力弾を相殺しておいた。

 

「ハーケンセイバー!」

 

「≪あぶねぇな畜生が!―――スタンシュート!≫」

 

「アクセルシュート!」

 

回転する魔力刃をバックステップで躱してから相手を痺れさせる魔力弾を撃ったがそれは横からの魔力弾に相殺された。右のレクスをガンモードに戻しながらウイングロードの上を変化をつけて走りながら魔力弾を展開していく。それにしてもこの2人のコンビネーションは凄いな。コンセプトは早い斬撃で相手を攪乱させながらの一撃必殺の砲撃か?砲撃を警戒しすぎると一瞬で切り刻まれるしな。

 

「≪クロス・エクスターミネイション・シュート!≫」

 

「プラズマランサー!」

 

「ディバインバスタ―!!!」

 

高町なのはの方へ多めに撃った魔力弾は砲撃で相殺された。フェイト・テスタロッサもきっちり魔力弾で防いでるしな。あぁ~!この2人相手にするのマジでしんどい!だけど、ここで俺が捕まったら絶対に葵が怒る!そ、それだけは何とか避けないとまずいな。他の奴らが手を出してこない今のうちに何とか逃げ切らないと!ウイングロードからビルの上へと飛び乗りながらレクスへと指示を出した。

 

「≪レクス!全力で行くぞ!カートリッジ、ロード!≫」

 

<イエス、マイマスター!>

 

「フェイトちゃん!暫くの間お願いね!レイジングハート!カートリッジ、ロード!」

 

<オーライ、マスター!>

 

「バルディッシュ、ザンバーモード!カートリッジ、ロード!」

 

<イエス、サー。>

 

全員がカートリッジを4発ロードした。俺は高めた魔力で大量の魔力弾を展開して撃ったが、全てフェイト・テスタロッサの大剣のようなデバイスで叩き潰された。更に魔力弾を追加しようとした俺は高町なのはの方からやばい感覚を感じてそっちに注意を向けた。その瞬間、カートリッジ4発分の砲撃が俺のことを飲み込んだ。飲み込まれる少し前に体に何かしらが巻き付いてきたような感覚があったが・・・・・俺死んだかも。

 

 

sideout

 

 

なのはside―

 

ふぅ・・・・、これで終わりかな?先程の私のディバインバスタ―は確かにスィスさんを飲み込んだように見えた。多分あの状態ならいくらダメージが少ないとはいえ戦闘不能に近い状態まで追い込めてるんじゃないかな?取りあえず緊張は解かずに私とフェイトちゃんは煙の向うをじっと見つめて待っていた。

 

「払え、闇蛇。」

 

「「えっ・・・・?」」

 

次の瞬間、煙が3匹の黒い蛇によって吹き飛ばされた。その蛇は先程までの煙の中心辺りに立っている女性の腕に巻き付くようにくっついている。うん、間違いないね。葵ちゃんだ。よく見たら右手にさっきまで戦っていた人を掴んでいる。どうやら私のディバインバスタ―が当たる前に回収されちゃったみたい。葵ちゃんは急に右腕を上に持ち上げて先程まで私達が戦っていた人を持ち上げた。フードが破れて顔が見えてるんだけど、どこかで見たことがあるような・・・?

 

「なんであなたはこんなところにいるの?何の書置きもなく誰かに伝言を頼んだわけでもない。そもそもあなたは絶対に管理局に近付いては駄目と言う指示を私は出していた筈なのだけど?」

 

「あ、葵?ちょっと落ち着いてくれ。いや、本当に俺が悪かった!だから離していただけないでしょうか?」

 

「私の質問に答えてないのに私が離すとでも?まぁ、大体の理由はわかってるけどそれでも何か一言言ってから出て行くのが普通じゃないのかしら?それに私の指示を無視するなんて・・・・ちょっと頭冷やす?」

 

「ひぃぃぃぃぃぃ!!??すいませんでした!もうしないから許してくれぇぇぇぇぇ!!!」

 

「うふふ、駄・目♪―――喰らいなさい、闇蛇。」

 

「あぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

あ、葵ちゃんが怖い。顔がすごく綺麗な笑顔なのに目が全然笑ってないどころかハイライトが消えてる。さっきから男の人の首もとを掴んでる手にもかなり力が入っちゃってるみたいだし。それにあのお仕置きは私でも少し嫌かなぁ~?葵ちゃんの蛇が男の人からどんどん魔力を奪い取ってるみたい。しかも凄い痛みが走るみたいで体が痙攣しちゃんてるんだけど大丈夫なのかな?

 

「あっ!思い出した!」

 

「え?何を思い出したの?フェイトちゃん。」

 

「あの男の人だよ!どこかで見たことあると思ってたんだけどあの人間違いなくティーダ・ランスター、ティアナのお兄さんだよ!この前ちょっとあの事件について調べたからまだはっきりと覚えてるよ。」

 

「ティアナのお兄さん!?でもティーダさんは死んだはずなんじゃ?」

 

「だから、私は殺してないって言ってるでしょうに。私のこと疑ってたの?なのは、フェイト。」

 

私とフェイトちゃんの会話に急に葵ちゃんが割り込んできた。どうやらティーダさんのお仕置きは終わったみたいで今は蛇の内の1匹に縛られている。何だか生気が全く感じられないほどぐったりしてるんだけど大丈夫なのかな?そんなことよりも葵ちゃんのジト目が痛い。私も信じてなかったわけじゃないんだけど葵ちゃんならやりかねないかなぁ~と思ってたり・・・ねぇ?フェイトちゃんも同意見だったみたいで私の方を苦笑しながら見ている。

 

「へぇ~?あなた達そういう態度とっちゃうんだ?今度じっくりとお話ししなきゃいけなくなったわね。」

 

「葵ちゃんとのお話ならいつでもいいよ!それこそ今からだって!」

 

「なのはに同意。・・・・で、その人は本当にティーダ・ランスターなの?間違いはないと思うんだけど一応確認させてもらってもいいかな?」

 

「えぇ、間違いないわよ。この男はティーダ・ランスター。ティアナちゃんの兄で世間では私に殺されたと噂されている男よ。」

 

「ということはティーダ・ランスターの検死結果に認識阻害魔法をかけたのも・・・。」

 

「私よ。あの場にあった死体は私が殺したもので間違いはないけどね。」

 

そう言ってから葵ちゃんは私達にティーダさんのこれまでの話をしてくれた。まさか管理局の裏に消されそうになってるのを葵ちゃんが助けたなんて考えもしなかったよ。ティアナの前に姿を見せなかったのもティアナを守るためだったなんて・・・少し格好いいね。全部話し終わった葵ちゃんは私達の方を真剣な表情で見つめてきた。

 

「それで、この話を聞いてあなた達はどうするつもり?ティーダをここで捕まえる?いや、この場合保護と言ったほうがいいのかな?今ならティーダが私に操られていたということにしてもいいわよ。なんせ、そんな証拠はどこにもないんだから。」

 

【ど、どうしたらいいんだろう、なのは。】

 

【わ、私もわからないよ。ティーダさんを下手に管理局内部にいれたら危険だし、機動六課内で拘束っていう訳にもいかないし・・・・。今のティアナがこの状況に適切に対応できるかわからないしね。】

 

【はやてにも話したいけどはやてって今はお出かけ中だよね?】

 

【うん、確か聖王教会に行ってるはず。なんでもカリムさんに呼ばれたらしいよ?】

 

【【う~~~~ん、どうしよう・・・・・。】】

 

「はぁ・・・・、そんなに悩むなら暫く日にちを開けてからまた来るからその時までに考えておいて。私は帰ってティーダのことを説教しなきゃいけないから帰るね。他の人達も待ってるし。」

 

それだけ言うと葵ちゃんはティーダさんを縛り上げたまま転移してしまった。う~ん、とりあえず今はティアナの処分をどうするか考えてから隊長・副隊長の人達で相談してティーダさんをどうするか決めないとね。・・・・・はやてちゃん、早く帰ってこないかなぁ~。

 

 

sideout

 

 

~~おまけ~~

 

「はい、この馬鹿に対する処刑は任せたわよ。」

 

「「「はい。」」」

 

「うむ、承った。」

 

「ハハハ、冗談だよな?まさか魔法が使えない俺に4人がかりなんて・・・・。」

 

「真・ルシフェリオンブレイカー!!!」

 

「エンシェントマトリクス!」

 

「いくぞ!パワー極限!雷刃封殺爆滅剣!」

 

「紫天に吼えよ、我が鼓動、出でよ巨重、ジャガーノート!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

この後も、非殺傷設定をいいことに4人のティーダへの説教(物理)は続くのであった。

 

 

 





という訳でティーダの正体が早速ばれました!

というかこうしないとティアナの精神が完璧に折れていた可能性があったんです。

それもいいかな~と思ったんですが、折角ティアナが可哀想だと思ってティーダを救ったのに自分で追い込んでどうすると思いこのようにしました。

優柔不断な作者で申し訳ない。


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