と言うことでかなりやけっぱちになった投稿です。
浅上葵side―
「ただいま、リニス。レヴィ、鉱石をリニスに渡してあげなさい。」
「はいは~い。ほら!これでいいんでしょ?」
「・・・・えぇ、これで間違いありませんね。お疲れ様でした、3人とも。」
研究所に帰ってきた私達を一番に出迎えてくれたのはやはりリニスだった。レヴィの渡した鉱石を見てとても嬉しそうに研究室へと戻っていったけど・・・・あれ、何になるのかな?リニスの作ったものって大抵すごいんだけど、なんだか呪いみたいな効果だったりするからなぁ・・・。まぁ、気にしないが勝ちかな?
「アオイ、お帰りなさい。」
「お帰りなさいです、葵。」
「あら、帰って来てたのね?皆、お帰り。」
「うむ、レヴィが今回は大活躍だったようだな?よくやったな、レヴィ。」
「ただいま、シュテル、ユーリ。クイントさんもね。」
「王様~、僕頑張ったよ!」
「う~ん、やっぱりこの雰囲気落ち着くな。」
珍しく全員がリビングに集合した。まぁ、正確にはリビングじゃなくてリビングとして使ってるだけの場所なんだけどね?取りあえず、反省会をするために全員が席についた。ちなみに座り方は私とシュテル、ユーリが同じソファーに座り、レヴィとディア、クイントさんがこれまたソファー、ティーダだけが1人別に椅子に座っている。まぁ、男がティーダしかいないからしょうがないよね?
「それじゃあ、恒例の反省会をしましょう。まずは・・・ティーダからね。」
「了解。俺は・・・・もしかしたら正体がばれたかもしれない。」
「・・・・・・詳しく話しなさい。それによって今後の動きを変えるわ。」
それからティーダの独白が始まった。・・・聞いてて思ったけど、これって責任の一端が私にあるわよね?ティアナちゃんの精神をそこまで追い込んだのって私だし、追い込まれたことによってそうなった可能性が高いしね。あ~ぁ、でもどうしようかな?このままじゃティーダの正体がばれちゃう可能性があるのよねぇ。
「問題はヴィータか・・・。ヴィータがティーダだと気付いているか、もしくはティーダの知り合いだと思っているかわからないからね。まぁ、少なくともティーダを殺した犯人だとは思われてないと思いたいわね。それにしてもこれからどうしましょうか・・・。」
「本当にすまん。だが、あんなティアナを見ていたらどうにも止められなかったんだ。」
「あなたが謝ることはないわ。責任の一端は私にもあることだしね。まぁ、後でどの程度までばれてるか探りを入れてくるわ。」
「迷惑かけてすまん。」
「迷惑だなんて思ってないわよ。それに仲間にくらい迷惑かけてもいいじゃない。」
「・・・・・ありがとう。」
とりあえず、ティーダの話はここで打ち切った。それからレヴィの話を聞いたけど、あの召喚獣が少しだけ可哀想に思えてきたわね。本気じゃなかったとはいえ私の黒糸を避けたから意外と強いみたいだけど、レヴィにはまだまだ届かなかったみたいね。というよりもさっきから話を聞いているクイントさんの表情が微妙に変化してるわね。
「それじゃあ、最後に私ね。私からは2点発表があるわ。まず1点目、ルーテシアっていう召喚魔法を使う女の子がいたこと。さっきのレヴィが戦った召喚獣もこの子の召喚獣よ。名前はガリューって言っていたわね。2点目はクイントさんにはある意味驚きなお知らせよ。・・・・ゼストさんが生きてるわ。」
「ルーテシアとガリューにゼスト隊長!?」
「ゼスト隊長生きてたんですか!?」
「あれ?クイントさん、まさかルーちゃんのことも知ってるの?」
「えぇ、私の同僚にメガーヌって言う女性がいたんだけど、その人の子供よ。ガリューは元々メガーヌの召喚獣だったしね。ティーダも見たことあるんじゃない?」
「う~ん?あっ!あのゼスト隊に行った時にコーヒーを淹れて持ってきてくれた召喚獣ってガリューだったんですか!?うわっ、よく思い出してみるとレヴィが言ってた見た目と一致するや。」
「・・・・・・ゼスト隊って召喚獣にコーヒー淹れさせてたの?」
「なんというか・・・随分と斬新ですね。」
「私もそう思います。今まで召喚獣をそんな風に使う人なんて聞いたことがありませんよ。」
「止めてもらっていいかしら?なんだか聞いてて恥ずかしくなってきたから。」
私、シュテル、ユーリの言葉を聞いてクイントさんが顔を少し赤くしながら俯いてしまった。別に、クイントさんがやらせてたわけじゃないんだし恥ずかしがらなくてもいいのにねぇ?そう思いながら見ていると暫くしてから復活した。そして今度はかなり真剣な表情で私の方を見てきた。
「それで?ゼスト隊長が生きていたっていうのは本当なの?」
「えぇ、本人に会ってるしね。まぁ、一度は死んだ身って言ってたけど・・・・あれはどういう意味かしらね?」
「一度死んだ者を蘇らせる魔法なぞありはしないぞ?」
「そうなのよねぇ。はっきり言ってそこがいまいち解らないわ。スカリエッティによって生き返らされたみたいだけど別に従っているという訳じゃなさそうだしね。」
「ねぇねぇ、葵!その人って強そうだった?」
「多分それはクイントさんに聞いた方がいいわよ?まぁ、私からしてみれば大したことなさそうだったけどね。」
「ゼスト隊長は強かったけど今はどうかまでは知らないわ。私も葵の訓練のお蔭で強くなったしね。」
「ちぇ~、面白くないの~。強そうだったら戦って見たかったのになぁ。」
おかしい。レヴィが戦闘狂になってる。昔はただのアホの娘だったから修正したのに、今度は戦闘狂?プログラム体って戦闘狂になりやすいとかいう法則でもあるのかしら?シグナムしかり、レヴィしかり。あっ、後地味にヴィータとザフィーラかな?シュテルとユーリ、シャマルはそうでもないけど、ディアは少しそう思えるところがあるしね。まぁ、今は別にそんなことはいいわ。
「う~ん、まぁ今回の作戦はいいとこと悪いところがあったってことかしらね?目的のものは手に入ったけど、ティーダのことがばれた可能性がある。あとは少しだけ相手の戦力がわかったってところかしら?」
「そうですね。これで反省会は終わりですか?それなら1週間いなかった分甘えてもいいですよね?」
「そうですよ!葵がいない1週間はすごく寂しかったんですからね?」
「ん、2人ともごめんね?これから1週間分可愛がってあ・げ・る♪」
反省会も終わったので、私は甘えてきたシュテルとユーリを可愛がることにした。念話で他の人には好きにするように言っておいたから各自が好きに動くでしょう。まぁ、今はこの可愛い2人を全力で可愛がらないとね♪
sideout
フェイトside―
「これが私からの報告だ。」
ホテル・アグスタでの一件が何とか終息を見せてから暫くしてからヴィータが副隊長以上を集めて話があると言ってきた。その内容を聞いた私達は流石に驚きを隠せなかった。グラーフアイゼンに保存されていた映像にはマントを羽織って顔をフードで隠した男が映っていた。何よりも驚いたのはこの男がティアナに対して残した言葉だ。
「『ランスターの弾は敵を貫くものじゃなく、誰かを守るものだったはず』か・・・。一体何でこんなことを知ってるんだろうね?この人。」
「一番に考えられるのがティーダとの知り合いだ。それならティーダからこのことを聞いていたっていう可能性があるからな。次に考えられるのは、こいつがティーダ本人ってことだな。色々とありえないと思うが葵なら何とかしちまいそうだしな。」
葵ならあり得るっていう意見に全員が頷いた。でも葵だからと言って人を蘇らせることはできるのかな?あっ!でも死んでないティーダを死んだと見せかけることぐらいなら簡単に出来そうだね。後でティーダが死んだ事件をよく見なおしてみる必要がありそうだね。はぁ・・・・、仕事が増えて辛い。葵、今回は来ないのかなぁ~?来たら来たではやての胃によくないみたいだけど、会いたいなぁ~。
「それにしても問題はこのことをティアナに伝えるか?だよね、ヴィータちゃん。」
「あぁ、なのはの言う通りだ。ぶっちゃけ、今のティアナはかなり追いつめられてる。そうでなくても任務で失敗続きだしな。まぁ、任務が失敗続きで士気が落ちてるのはフォワード陣全体に言えることなんだがな。」
「そうなんよねぇ。まぁ、相手が葵ちゃんやから私等はなれとるけど、フォワード陣としてはたまったもんやないもんなぁ・・・。」
「うむ、これ以上士気が落ちると部隊の動きに支障が出る可能性がある。どうにかできないものだろうか・・・。」
「う~ん、葵が絡んでくる以上こうなっちゃうのは目に見えてたけど、流石に他に顔が立たないもんね。どうにかしなきゃね。」
「なぁ、なのはちゃんとフェイトちゃんは何かいい案ないんか?2人は葵ちゃんと仲ええやろ?」
「う~ん、葵ちゃんって戦いごとに関してはそういうこと聞いてくれないからなぁ・・・。」
「葵に八百長を頼むっていうのは何だか違う気がするしね・・・。見返りに何を要求されるかわからないのが怖いしね。」
「なのはちゃんとフェイトちゃんは間違いなくナニを要求されるやろうな。」
はやての言葉を聞いた瞬間私はバルディッシュを、なのははレイジングハートをはやてに向けて構えた。何だか今のはやての言葉は葵のことを馬鹿にしているようで本当にむかついちゃったんだよね。普段は全力で主を守ろうとするシグナムとヴィータも今回はじりじりと後退している。はやてもかなり冷や汗をかきながら震えてる。
「何か言ったかな?はやてちゃん。ちょっと葵ちゃんのことを馬鹿にしてるような言葉が聞こえた気がするんだ。おかしいよね?」
「そうだね、なのは。流石にはやても葵のことを馬鹿にするほど馬鹿じゃないよね?」
「謝ります!謝りますからデバイスを仕舞ってください!流石に管理局の魔王と死神を同時に相手は死ねるからっ!?・・・・あっ、私死んだ。」
次の瞬間、なのはの魔力弾がはやての後頭部に命中し、前のめりになったはやてを私が片手で抑えつつ電気を流した。はやては黒い煙を口から出しながらビクンビクンと痙攣して倒れちゃった。一応ちゃんと手加減してるから大丈夫だよ?だから、そんなに怯えて壁際に寄らなくてもいいんだよ?シグナム、ヴィータ。なのはも私もあのあだ名は嫌いなだけだから。本当に“黒蜘蛛”って呼ばれて嫌がってた葵の気持ちが最近よくわかるよ。あぁ~、葵に会いたいなぁ~。
sideout
今回は戦闘終了後のお話です。
葵sideと管理局sideの両方からお届けいたしました。
そして・・・・・ガリューは(面白いから)生贄となったのだ!
多分この小説内でははやての次くらいに苦労人(蟲?)かと・・・・。
感想と評価お待ちしております!