暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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ファーストアラートです。



第五十八話

浅上葵side―

 

私が珍しく部屋で1人で寛いでいるといつもは研究室に籠っているリニスがやってきた。手元には空中ディスプレイが展開されていた。

 

「葵。とうとう、なのはに怪我をさせた犯人が絞り込めましたよ。」

 

「本当?ちなみに誰?」

 

「この人物で多分間違いないと思います。・・・ジェイル・スカリエッティ。S級広域次元犯罪者であり、“狂気の科学者”と呼ばれている人物ですね。更にですが、クイントが関わった事件もこの人物が原因だと思われます。」

 

「ジェイル・スカリエッティね・・・。うふふ、私の大切な家族のうち2人も手をかけたんだから覚悟してもらおうかな?・・・それにしてもよくそこまで調べられたね?どうやってるの?」

 

「残念ながらそれは葵にすらいえないことなんですよ。あぁ、犯罪行為はしていますが大丈夫です。知ってましたか?犯罪はばれなければ犯罪とは言われないんですよ、葵。」

 

「・・・・リニスが黒いよぉ~。」

 

恐ろしいことを真顔で言われてしまった。ううん、真顔じゃない。凄く綺麗な笑顔だった。それに私の黒い発言にも首をかしげているところを見ると完璧に自覚なしだ・・・。こ、怖い。こんなに人のことを怖いと思ったのっていつ振りだろう・・・。あっ、一度桃子さんに年齢を聞いた時が一番怖かった。まぁ、それはどうでもいいんだよ。それよりもこのスカリエッティっていう犯罪者をどう料理しようかな♪

 

「それともう一つ報告があります。先日のクイントの事件の犯人である3人組、後はその3人と反応が同じだったというクイントの娘達は人間ではありません。機械の塊のようなものですね。確か人工的に魔導士を創り出すという実験で作り出された「戦闘機人よ。」・・・・知っていたんですか?クイント。」

 

「私の娘のことでもあるのよ?知らないわけがないでしょ。」

 

いつの間にか部屋にクイントが入ってきていた。いや、気づいてはいたんだけどね?私もリニスも。なんとなくいつの間にかって言わなきゃいけない気がして。実際はスカリエッティの名前が出たあたりからいた。

 

「ふ~ん、戦闘機人ねぇ・・・。あんまり興味はわかないかなぁ~。とりあえず全力で壊してもいいってことはわかったよ。ありがとうね、リニス。」

 

「これも使い魔の役目ですから。それでは私は研究に戻りますね?」

 

「余り危ないものと変なものは作らないようにね。」

 

「安全性は毎回確認してますから安心してください。それに私がそんな変なものを作ったことがありましたか?」

 

う~~~ん、確かになんか呪いのような物は作っていたけどそんなに変なものじゃなかったし意外と便利だからよく使ってるんだよね。あっ、そう言えばクイントさんが失くしたって言ってたデバイスの代わりが出来たから持ってきてくれたのがあったっけ?丁度いいから渡しちゃおう!

 

「っていうことでこれあげる。今度は失くさないでね?」

 

「失礼ね。失くしたとはいえ仕方ないじゃない。あの戦闘後の私倒れてたんだから。あぁ~、何処いっちゃったのかなぁ~、私のリボルバーナックル。結構お気に入りだったのに・・・・。」

 

「とりあえず新しいデバイスのマスター認証してみれば?一応要望通りのアームドデバイスになってるから。」

 

「ありがと、それじゃあマスター認証、クイント・ナカジマ、デバイス名称、ブレイカーナックル。セットアップ!」

 

<スタンバイレディ、セットアップ。>

 

機械的な男性の声と共にクイントさんの姿が変わる。バリアジャケットは白の長いコートで中のシャツは黒、下はコートと同じ白の長ズボンだった。両手には前回見たスバルちゃんのナックルと同じような形をしてはいるが色が紫色のものが装着されていた。クイントさんは少し体を動かしてその様子を確認してから満足げに頷いていたから気に入ってもらえたらしい。まぁ、作ったのがリニスだから気に入らない筈がないか♪

 

「う~~ん、完璧に体になじんでるわね!葵、ちょっと模擬戦に付き合ってくれない?黒糸舞踏なしで。」

 

「いいよ。久しぶりに肉弾戦も悪くないよね。余りやらないと鈍っちゃうしね。」

 

そう言って外へと歩き出そうとした私達の目の前に急に空間ディスプレイが現れてその歩みを止めた。そこには先程まで話していたリニスが映っておりその顔は真剣なものだった。故に私やクイントさんの顔も引き締まりリニスから発せられるであろう言葉を待った。

 

『恐らく模擬戦をしようとしていたのでしょうがちょっとお待ちください。葵にお願いがありますので・・・。先程話したジェイル・スカリエッティがここ最近狙っている『レリック』というロストロギアがあるのですが、それが先程見つかりました。場所は山岳旧領地区のリニアの中です。今は例の機械によってコントロールを奪われているようですね。そう言えば新型も存在するようなのでそれの回収もお願いします。』

 

「本当にどこから情報を手に入れてくるんだか・・・。機械の数と管理局の動きは?」

 

『機械の数はリニア内に30機ほどと外に飛行型が140機ほどですかね?管理局は機動六課が初めての出動として出てくるみたいですよ?よって実力は未知数です。まぁ、わかっているのも何人かいますがね。』

 

「了解。それじゃあ、ディアにも連絡入れてくれる?飛行型は任せたいからね。後、クイントさんもついてきてくれますか?いい練習相手兼怒りをぶつける対象になりますよ?」

 

「ついていかせてもらうわ。私も空中の機体を相手しましょうか?」

 

「クイントさんは私と一緒にリニア内で。空はディアに任せておけば安心ですし、クイントさんの戦い方だと恐らく巻き込まれますよ?ディアってあれでかなり派手な技使いますから。」

 

「わかったわ。」

 

『それでは正確な座標を送りますね?あぁ、コントロールを乗っ取られているリニアは今は全速力で移動中ですのでお気を付けください。』

 

「OK。ありがとね、リニス。ちゃんと機械とそのレリックを奪ってくるから待っててね。」

 

私がそれだけ言うと画面は消えた。私達がリビングに到着したころにはディアも説明を受け終わっていたようでこちらに近づいてきた。とりあえず2人にはセットアップしてもらってその上からリニス作『どれだけ暴れてもフードが外れないマント』をつけてもらった。これで顔はばれることはないから安心ね。まぁ、私はもうすでに顔が知れ渡っちゃってるから気にしないんだけどね。マントの着心地をクイントさんが確かめているとまたまた画面が出てきてリニスが説明をしてきた。

 

『今回クイントのマントとティーダのマントに新機能を搭載しました。フードを被るだけで声を変えるという機能付きです!フードは自分で外そうとしない限り外れないので一応頭に入れておいてくださいね。』

 

「《あ、あ~。本当に声が変わってるわね・・・。これ一体どういう仕組みなの?》」

 

『説明している時間が惜しいので早く送った座標へと転移してください。』

 

「了解。それじゃあ、行きましょうか、クイントさん、ディア。他の皆は留守をお願いね。」

 

それだけ言い残して私達はリニスから送られてきた座標へと転移した。そこには既に機動六課が来ていたらしく空中の機械を落として回るなのはとフェイト、そして大量の機械が取りついたリニアが見えた。私はすぐにクイントさんとディアに指示を出した。

 

「ディアは空の機械どもの始末。あっ、出来れば1機でいいから残骸を回収。で、私とクイントさんでリニア内に侵入。クイントさんは前方車両から私は後方から行く。レリックを見つけ次第撤退。OK?」

 

「あぁ、よいぞ?クックック、我としても久しぶりの戦闘だからな。先程から腕がたぎるわ!」

 

「《私もそれでいいと思うわ。それじゃあ、行動開始といきますか?》」

 

「えぇ、行動開始!」

 

そう言って私達は各々に課せられた任務を果たすために飛び出した。私はリニア後部へ向かって飛び、クイントさんは前部へ向かって作られた道を走り、ディアは戦っているなのは達の方へと飛んでいった。さぁ、作戦を始めよう!!!

 

 

sideout

 

 

ディアーチェside―

 

うむ、我の出番か?これが初めてだったな。まぁ、よいわ。とりあえず我は空を飛び回っている機械を破壊してできればその残骸の一部を持ち帰るという使命がある故な。まぁ、あの機械は魔法が効きにくいシールドのようなものを張っていると言ってはいたが、はてさて我に対してそのシールドがどこまでもつことやら。

 

「一気に葬り去ってくれるわ!―――インフェルノ!!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

我の放ったインフェルノで十数機ほどの機械を落とせたな。そのうちの比較的被害が少なかったのをバインドで一応拘束してから量子化してデバイスの中へしまい込んでっと。うむ、これで一応依頼は達成よな。ふむ、しかし、何やら先程の攻撃に黒い恰好をした塵芥を巻き込んでしまったような気がしたが・・・。まぁ、気のせいであろう。故にこちらに向かってくるピンク色の砲撃も気に留めるようなことはあるまい。まぁ、避けるがな?うむ、何やら白い魔導士がこちらに向かってきておるな。

 

「よくもフェイトちゃんを!あなたは一体誰!?」

 

「何?フェイト?・・・・・まさか先程の塵芥がフェイト・テスタロッサだとは言わぬだろうな?」

 

「えっ?なんでフェイトちゃんの本名を知ってるんですか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・すぐに助けるぞ!!!」

 

やばい!非常にやばい!!まさかあの塵芥が葵がよく言っているフェイトだったとは・・・。これが葵に知られたりなんぞした日には・・・。いつぞやのシュテルがティーダに対してウソ泣きしたときのような羽目になる!あの時はティーダが葵に引きずられて行って帰ってきたら真っ白になってたからなぁ・・・。と、とにかく探さなくては!!!

 

「あぁ~、びっくりした、って、どうしたの?なのは。」

 

「よかった!無事だったんだね?フェイトちゃん!」

 

「よかった!無事だったか!ふぅ~、心配させおってからに・・・。」

 

「いやいや、フェイトちゃんを落としかけたのあなただからね?で、あなたは誰なんですか?」

 

うむ、一応無事だったようで安心した。これで我が葵を怒らせてティーダの二の舞になることは防げたようだな。い、いや、別に王たる我が葵を恐れているわけではないぞ?あやつを怒らせて我らのチームワークが崩れるのを心配しておるだけだ!しかし、名前を素直に名乗るなと言われておるからな・・・。おっ?そう言えば葵が名前を聞かれたらこう答えろと言っていたような気がするな。

 

「我こそは浅上葵が率いる“黒蜘蛛団”のメンバーの一人、No.4。キャトルとは我のことよ!」

 

「葵ちゃん!?“黒蜘蛛団”っていう名前受け入れたんだ・・・。」

 

「確かにびっくりだね。あんなに嫌がってたのに・・・。」

 

「そこは別にどうでもいいだろうが!ちなみに葵は嫌だけど広まり過ぎちゃって今更変えても誰もわかってくれないからと言っておったぞ?」

 

「「あぁ~、なるほど~。」」

 

何故だ・・・・。こやつらが何を考えているのかが全く分からん。強いて言うならシュテルやユーリのような感覚を覚える・・・。我の名前を聞いてきたのに気になるのが葵のこととは一体どういうことなのだ?そんなにあやつは偉いのか?まぁ?確かに我よりも我が僕を従えているような節はあるがな?ユーリやシュテルなどは完璧に葵の言うことを聞くしな。あのレヴィでさえ葵の言うことは素直に聞きおる。まぁ、今はそんなことはよいわ。とりあえずこの周りを飛び回っているうるさい機械をさっさと葬り去ってくれるわ!

 

「紫天に吼えよ、我が鼓動、いでよ巨重!ジャガーノート!!!」

 

我は目の前にいる2人に当てないように慎重にジャガーノートを放ち周りの機械を全て破壊してから2人と向き直った。ちっ、葵の気に入っている相手に傷をつけるわけにはいかぬしな・・・。お願いだから早く任務を終了してくれよ?葵。さもなければお主の気に入っている相手と我が戦う羽目になる・・・。我は負ける気はないのでな。

 

 

sideout

 

 

 




スバルのリボルバーナックルの設定を見て冷や汗。

あれってクイントの形見っていう設定でしたね。

とりあえずクイントには新しいデバイスを与えておきました。

そうして今回はもう1つ悩んだことが・・・。

ディアーチェのキャラ厨二から直すべきかどうか、です。

結果、残しました。

見た目が19歳のはやてが中二病を患っているってなんだか本当に面白いとは思いませんか?

ちなみにレヴィの性格も同じです。

そして今回のディアーチェが名乗った『キャトル』ですが・・・。

フランス語で4という意味です。

・・・・・えぇ、ウイングゼロと一緒ですよ!

3とか『トロワ』じゃんwwwとか言わないで!!!自爆はしないから!!!

イタリア語、ナンバーズに使われている。

ドイツ語、アインスとツヴァイですね?ありがとうございます。

妥協点、フランス語・・・・という感じでした。


こんな感じで設定に冷や汗しか出てこない駄文ですが、感想と評価お待ちしております。

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