暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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また書けました!

GOD編は次で終わりの予定です。



第五十一話

浅上葵side―

 

「み~つけた♪小さいユーリだぁ♪」

 

「君は誰?他のマテリアル達もいるみたいだけど・・・。」

 

転移した先には今度こそ目的のユーリがいた。シュテル達は私の後ろで一応戦闘態勢をとっている。それにしても小さいユーリも可愛いなぁ。警戒されちゃいそうだからすぐに抱き着いたりはしないけどね。でもじりじりと近づいておこう。絶対に逃がしはしないよ?

 

「私は浅上葵。5年ほど先から来た単なる犯罪者だよ?」

 

「君からは不思議な感じがする。一体何を体内に入れているんだい?」

 

「へぇ?やっぱりわかるんだね。私の体内には闇の書の防衛プログラムまたの名を“闇の書の闇”があるんだ。だから不思議な感じがしたんじゃない?」

 

「なっ!?ありえない。あれは人体に入れていいものじゃない。君は一体どうやって・・・。まぁ、どうでもいいことか。どうせ私は全てを壊してしまうんだから。だから早く私から離れた方がいいよ?」

 

「私はあなたの暴走を止めに来たんだよ?だからあなたから離れたりなんてしないよ?ユーリ。」

 

「暴走を止めるのは無理だよ。それにユーリって何だい?」

 

「無理じゃなくてやるんだよ?あなたの体についてはよく知ってるからね。思ったよりも簡単に止められそうだよ。それとユーリ・エーベルヴァイン、あなたの名前でしょ?」

 

「私の名前・・・・?」

 

「そう、あなたの名前だよ?そしてあなたは私の大切な家族なんだよ?ユーリ。」

 

「家族・・・・?」

 

私は少しずつユーリに近づいていった。後ろの方でディアが止めようとしていたけどシュテルやレヴィがそれを止めてくれていた。ユーリは顔を横に振りながら私から離れようとした。

 

「それ以上近づいては駄目です。私はあなたを壊したくはありません。いいえ、なにも壊したくなんてない!だから私にそれ以上近づかないでください!」

 

「それはできない相談だね。だって私はさっきからあなたを抱きしめたくてしょうがないんだから。」

 

それだけ言うと今度はゆっくりなんかではなく一気にユーリへと近づき優しく抱きしめた。ユーリの魄翼が反応して私に襲い掛かろうとしたけれども私の左腕から伸びる蛇が大量に絡みつきその動きを止めた。それを見たユーリだけではなくてシュテル達も驚いた顔をしている。そのまま蛇で魄翼から魔力を闇の書の闇に食べさせる。

 

「あなたは本当に何なんですか!?どうして闇の書の闇が宿ってるどころか使えてるんですか!?本当に人間ですか!?」

 

「よく言われるよ。人間やめてるってね。でも、私は大切な家族を人を守るためなら人間なんて止めてやる。人外でもいいそれが人を守る力になるのなら、嫌われるのは少し嫌だけどそれでも大切な人を守れるなら私は構わない。私の命が大切な人のためになるなら死んだっていい。でも、なるべく死なないように頑張ってるけどね♪」

 

「ありえない。人間としてあなたはありえない。・・・でも、なんだか暖かくて落ち着きますね。」

 

「そう?まぁ、落ち着くのはいいことだよね?さぁ、私と一緒に過ごしましょ?そうすればもう1人でさみしい思いをしなくてもいいんだよ?それにシュテルやレヴィ、ディアとも一緒に過ごせるよ?」

 

「でも、私は全てを壊してしまう・・・。」

 

「あなたに壊されて死ぬのは本望だけど、それをさせないために私がいるんだよ?今だって簡単にあなたの暴走を止めているでしょ?それにディアに封印処理をして貰えばあなたは暴走なんてしなくなるよ。だからあなたは私と一緒にいていいんだよ?」

 

「でも、私と一緒にいても楽しいことなんてないし・・・。」

 

「一人ぼっちはさみしいし悲しいよ?もう一度言うよ?私と一緒にいない?ううん、一緒にいて?ユーリ。あなたが私には必要なんだ。」

 

「・・・・・・・はい!よろしくお願いします!」

 

ユーリは一瞬考えたがすぐにすごく可愛いいつもの笑顔を私に見せてくれた。ついついそのまま強く抱きしめて背中を撫でてしまった。ユーリも驚いていたけど暫くしたら私の背中に手をまわして抱きしめ返してくれた。暫くこのまま抱き合っていたいっていう気持ちはあるけれども一応まだユーリは封印前だ。さっきから魄翼が私の蛇と押しつ押されつを繰り返している。仕方がないから一度離れてディアの方に連れて行く。シュテルがジト目で見てるけど気にしない。

 

「はい、封印処理お願いね?ディア。」

 

「うむ、了解した。ほれ、封印するから少しだけ離れよ。」

 

「了解。一応魄翼は抑えておくから安心してもいいよ?それじゃあ、ちょっとだけ我慢してね?ユーリ。」

 

「はい!お願いします!」

 

ディアがデバイスと紫天の書で封印処理をしている間、シュテルが私に抱き着いてきた。今私の左腕からは闇の書の闇の蛇が大量にまとわりついている状態なのでシュテルは右腕に抱き着いている。まばゆい光と共にユーリの封印が終わったらしく魄翼が消えていく、それに伴い蛇も私の腕から消しておいた。そして封印処理がすべて終わった瞬間、ユーリが私めがけて抱き着いてきたので左腕で頭をゆっくりと撫でてあげた。

 

「むふ~~~////」

 

「む~~~。」

 

頭を撫でられたユーリが気持ちよさそうな顔をすると右腕に抱き着いているシュテルがむくれてしまった。それにしてもいつも思うけど、無表情でうなられても反応に困るよね?まぁ、可愛いんだけどさ♪ユーリを撫でていた手を一瞬止めてポケットから飴玉を取り出してユーリに食べさせてみた。啄むようにして私の指ごと口の中に含んでそのまま舐めるユーリに萌え苦しんだ後、引き抜いた指を舐めてからもう1つの飴玉をシュテルにも食べさせてみた。

 

「はむっ、・・・ちゅっ・・・くちゅっ・・・ちゅぅぅ。」

 

「あのね?私の指まで舐めることはないんだよ?シュテル。というか舐めすぎだよね?」

 

「ちゅっ・・・ぷはっ。・・・このくらいでいいんです。それとも駄目でしたか?」

 

うっ、涙目の上目遣いで私を見るのは反則だ・・・。普段が無表情なだけにギャップが凄い。シュテルにこんな顔をされたら誰も駄目なんて言えないよ・・・。というか言える人って相当精神的に強いか何も感じない人だよね。取りあえず私には駄目なんて言えない人間だった。

 

「別にいいよ。シュテルがそれでいいのならね。」

 

「うぅ~、私ももっと撫でてください!もしくは私も抱き着きます!」

 

「うふふふ、ユーリもシュテルもやっぱり可愛いね。そうそう、あなた達を未来に連れて行くわけにはいかないからディアのデバイスとシュテルのデバイスに今の時代の私がいる場所の座標を教えておくね?多分まだ寝てるだろうから起こしてくれると嬉しいな♪」

 

「この時代だときっとナノハ達と同じような年ですよね?でしたら会ってみたいですね。もう未来の姿は覚えましたが・・・。」

 

「あなた達の過去の姿がまた見れて私は満足だよ♪まぁ、また何度でも見たい気はするけどね?」

 

「そう言えばこれからどうするんですか?私達はもうすぐにでも移動してもいいんですが、アオイはどうやって戻るんですか?」

 

「未来から来た女性がいるから脅してでも自分の時代へと戻るよ。だから私のことは無視して行ってもいいよ?また帰ったら一緒に過ごしましょ?」

 

「えぇ、そうでありたいですね。そのためにもあなたのいる場所へと向かいます。」

 

「はい、未来でよろしくお願いします。」

 

「うむ、貴様には世話になったからな。我も貴様のところにお邪魔させてもらうとしよう。」

 

「カッコイイ僕が一緒にいてあげるよ!だからまた未来で会おうね!」

 

「うふふ、それじゃあここで一度お別れね?シュテル、ユーリ。ちょっとこっちに来て頂戴?」

 

「はい、何ですか?・・・んむっ!?ちゅっ・・・ぷはっ。いきなりですね・・・////」

 

「シュテルだけはずるいです!私にも・・・んっ・・・ちゅっ・・・ぷはっ。自分から言ったのにすごく恥ずかしいですぅ・・・////」

 

シュテルとキスした後にねだられてユーリともキスをしてから離れた。ユーリの顔が真っ赤になってたのがすごく可愛すぎてどうしよう・・・。その後は特に何もなくシュテル達は私が指定した座標へと転移していった。それを見送ってから私はフェイトから送られてきていた管理局の本拠地へと転移した。

 

「という訳で宣言通り全て終わらせてきたよ。」

 

「どういう訳や!?しかもありえんほど早いな!?まだその宣言してから1時間たってないで?」

 

「実に楽勝だったよ。そう言えばなのはとフェイトはどこにいるのかな?」

 

「向うの方にいるんやないか?私もよう知らんわ・・・。というよりもほんまに葵ちゃんなんよな?」

 

「まだ疑ってたの?子狸ちゃん。そんなんだから子狸ちゃんって呼ばれるんだよ?」

 

「呼んでるんは葵ちゃんだけや!!!でもその呼び方は間違いなく葵ちゃんやな・・・。はぁ・・・、ええなぁ。美人さんになるんやな、葵ちゃん。」

 

「褒めても何も出ないよ?」

 

「少しでええんでその成長途中の胸を揉ませてくれへんか?最近シグナムやシャマルがもませてくれんようになったんよ。それにリインフォースは無駄に鉄壁やしな・・・。だからお願いしますっ!?」

 

「ねぇ、はやて?一体何を葵に頼んでるのかな?」

 

「そうだよ、はやてちゃん。何だか変な言葉が聞こえたような気がするけどきっと気のせいだよね?」

 

いつの間にか子狸ちゃんの後ろに目からハイライトが消えてデバイスを持ったなのはとフェイトが立っていた。子狸ちゃんは錆びたブリキ人形のような音を立てて振り返り口元をひきつらせながらそれを見た。瞬間逃げ出そうとしたがナノハとフェイトのダブルバインドで捕まり床に転がされた。私はフェイトとなのはに後ろから抱きついてそれ以上をさせないように一応止めた。子狸ちゃんが私の方を感謝するような目で見ているが別にあなたのためじゃないよ?

 

「ねぇ、フェイトになのは?子狸ちゃんは放っておいて私と戯れましょ?」

 

「うん、そうだね。でも、はやてに胸を触られなかった?大丈夫だった?」

 

「心配してくれてありがと、フェイト。私はリインフォースより鉄壁だから安心して?」

 

「葵ちゃんは私達のものだもん!勿論私も葵ちゃんのものだけど・・・////」

 

「うふふふ、なのはの独占欲も可愛いわね♪安心して?未来でもあなた達は私と仲良くやってるわよ。色んな意味でね♪」

 

「「色んな意味・・・・/////」」

 

「突っ込みたくなんてなかった!けどあえて突っ込ませてもらうで?あんたら状況考ええや!!!まぁ?さっき胸を揉もうとか考えてた私が言えることじゃないんやけどな?だけど長いねん!あんたらの絡み長いねん!!スタッフの皆さんが辛そうだから止めたって!?」

 

子狸ちゃんに言われて周りを見回してみたら艦員全員がコーヒーを片手に持っていた。艦長だけは普通(・・)の抹茶を飲んでいたがそれを最高戦力君(笑)が信じられないものを見たかのような顔で見ている。あれ?なんか一部おかしかったような気がするけど気のせいかな?そんなことを考えていたら銀色がはしって抱き着いてきた。

 

「うわっ!?ん?リインフォース?」

 

なのはやフェイトを押しのけてまで私に抱き着いてきたのは、元闇の書の管理人格で現夜天の書管理人格兼融合機であるリインフォースだった。

 

 

sideout

 

 

 




ユーリゲットだぜ!

次回はリインフォースやなのは、フェイトと絡んでから未来へ戻ります!


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