ちなみに作者が多少のスランプ気味のため話がグダグダになることがありますが、そこは可愛そうなものを見たというような生暖かい目で見逃してください!
浅上葵side―
「葵~。朝よ~。起きて来て朝ごはんにしますよ~。」
そんな声で私は目を覚ました。その声の主が階段を登ってきて私の部屋の扉を開けて中をのぞき込んできた。
「葵?いつまで寝てるつもりなの?もう皆起きて下で待ってるわよ?」
「うん、すぐに行くよ。お母さん。」
そう、私が目を覚ましたのは昔の私の部屋で私を起こしたのはお母さんだった。すぐにパジャマから着替えて階段を下りて居間に向かうとそこにはお父さんとお兄ちゃんがテーブルにつき、ネコ形態のリニスが床に座っていた。
「おはよう、葵。」
「また寝坊かい?葵もちゃんと朝早く起きれるようにならないとね。」
「葵、おはようございます。」
「おはよう、皆。」
私はそれだけを言うと自分の席につき家族との朝食を楽しんだ。いつも通りの日常。そう、あの事件がなければ訪れていたであろう日常がそこにはあった。
「それで?この茶番はいつまで続くの?」
「あなたが起きようとしない限り永遠に続くのよ?葵。」
お母さんにそのことを聞くと案外あっさりと答えてくれた。少し驚いたような顔を皆がしていたのはご愛嬌というやつかもしれない。私は先程部屋の机の引き出しの中にあったアラクネを掴んでセットアップし、黒糸をこの空間の至る所に伸ばした。
「随分と早く気が付いたんだな。葵。お父さんはお前の成長をうれしく思うぞ!」
「えぇ、本当にそうね。糸のあつかいもこんなにうまくなってるんですもの。やっぱりあなたは最高の娘だわ。」
「そうだね。それにしても葵はこんなにいい使い魔をゲットしたのかい?羨ましいよ。」
お父さんもお母さんもお兄ちゃんも皆笑っていた。それを見て私も微笑みながら言葉を続けた。
「ごめんね?お父さん、お母さん、お兄ちゃん。私はもう止まるわけにはいかない。こんな気持ちがいいようで気分が悪くなるような夢の中にはいられないんだ。だから、あなた達を殺すね?」
「あぁ、最後に1つずつ質問に答えてくれるかい?葵。」
「いいよ?お父さん。なんでも聞いて?」
「それじゃあ、お父さんからだな。葵の中にいる人格は何という名前なんだい?」
「浅上碧だよ?私の大事な半身かな?」
「そうかい。その人格も大事にしなさい。お父さんのデータが葵の役に立っているようで嬉しいよ。」
「次は私よ。葵?ちゃんとご飯は食べてる?怪我とかしてない?体調の管理は大丈夫?」
「心配しすぎだよ、お母さん。私は大丈夫。だってこんなに優秀な使い魔のリニスが家族になってくれてるもの。」
「それもそうね。あなたのことが好きな女の子達と仲良くね?まぁ、心配しなくてもいいみたいだけど。」
「それじゃあ次は僕だね。葵?やっぱり管理局は許せないかい?」
「・・・・こんな日常を奪った管理局を私は絶対に許せない。これだけは譲れないんだ。ごめんね?お兄ちゃん。」
「いいや、別に葵が謝ることじゃないよ。でも、管理局にもいい人はいるんだということを忘れないでね?」
「それは大丈夫だよ。だってなのちゃんもフェイトもユーノだって管理局に入ってるもの。いい人も少しはいるよね?」
「それがわかってるなら僕達は満足だよ。」
私は最後にリニスの方を見たがリニスは皆の一歩後ろで微笑んでいるだけで特に質問してくることはなかった。私は伸ばしていた黒糸を一端手元に球体上に固めて右手の平に乗せた。
「それじゃあ、ごめんね?お父さん、お母さん、お兄ちゃん。次に会う時が天国であることを祈ってるよ。バイバイ。―――刺し貫け、黒糸槍。」
黒い球体から飛び出た細い槍が4人の胸を貫いた。皆は全然痛くないかのように微笑みながら足元から光の粒子となって消えていく。貫いている胸元からは1滴の血も流れずやはりこれが夢だったことを実感させた。
「葵、復讐がすべてではないことを覚えておきなさい。まぁ、俺の娘だから心配はしてないがな!」
「葵、ちゃんと体調には気を付けるんですよ?私達のことはそんなに思いつめることはないわよ?」
「葵、僕達は葵のことも碧のこともずっと見守ってるからね。頑張りなよ?」
「それでは、葵。また外で会いましょう。」
「皆、ありがとう。やっぱり大好きだよ。」
「「「「勿論、私(俺)(僕)達もだよ。」」」」
その言葉を最後に私の大切な家族達は消えていった。家族が消えてもこの空間が崩れることはなく私は先程黒糸を伸ばして調査してあったこの空間の出口である玄関の扉を開き出ていった。そこに一筋の涙を残しながら。
sideout
はやてside―
眠い。なんで私はこんなところにおるんやっけ?ここはどこやろ?それよりも、眠い。
「お休みください、我が主。」
「ん?」
「ずっとあなたの望んだような安らかな眠りがもたらされますよ。だからお休みください、我が主。」
目を少しだけで声のした方をみるとそこには銀髪のえらい美人なお姉さんがおった。それにしてもえぇ乳やなぁ。多分シグナム以下シャマル以上じゃないやろか?それよりも、このお姉さんどうしてここにおるんやろうか?
「私は主の眠りを守るためにここにいます。ここで眠れば騎士たちも浅上葵もいますよ。だから、お休みください、我が主。」
「・・・・せやな、それはとても素敵な夢かもしれん。せやけど、それはやっぱり夢や。」
「その通りだよ?子狸ちゃん♪よくできました。」
「葵ちゃん?」
「なっ!?浅上葵!?なぜここに!?お前も安らかな眠りについた筈では!?」
「私があんな妄想で満足するわけないでしょ?まぁ、あそこの正体を見破るのに少しズルしたけどね。」
「ズルだと!?そもそもあそこはお前の願いを読み取って・・・。」
葵ちゃんが目を瞑ったと思ったら急に雰囲気が変わった!?なんや?一体何が起こっとるん?
「我が主、私の後ろに!」
「おいおい、別に傷つけるつもりはねぇよ。ただ証拠を見せてやろうと思っただけだよ。」
「お前は何だ?先程の浅上葵とは比べ物にならないほど邪悪なものを感じるが?」
「へぇ~、それは初めて言われたな。まぁ、いいや、俺は浅上碧。葵の裏人格とでも考えておけ。もしくは二重人格でもいいな。だからあれは俺達には効かないんだよ。俺達の願いは2つなんだからそれにその願いは正反対のものだしな。」
「成程、確かにそれならズルをしたとも言えるな。それはいいが葵に戻ってくれないか?主の脅威になりかねん。」
「ったく、別に傷つけようなんて思ってないんだがなぁ?仕方ないか。それが俺って存在だしな。」
そう言って碧ちゃん?くん?はまた目を瞑ると雰囲気が変わって葵ちゃんに戻ったみたいや。やっぱり私としてはこっちの葵ちゃんのほうがええな。こっちの方が意地悪かもしれへんけど、やっぱり葵ちゃんな気がするしな。
「それで?あなたはいつまでそうしているつもり?子狸ちゃん。私としてはさっさとこの騒ぎを止めて欲しいんだけどね?」
「あぁ、そうやったな。私はこんなん望んでないで?だから止めてくれんか?」
「無理です。自動防衛プログラムの暴走が止まりません。それに私もかなり浸食されています。あなたを殺してしまう自分が情けない・・・。今は外で管理局の魔導士と蒼き狼が戦っていますがそれもいつまでもつやら・・・。」
「マスターの言うことは聞かなあかんよ?だから―――止まって!」
そう言ったら私の足元に三角の魔方陣が展開された。これで多分自動防衛プログラムの動きは止めたで。
【あの、外の方!えっと、管理局の方!聞こえますか!!】
後は外の管理局の人頼みやな。
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フェイトside―
【あの、外の方!えっと、管理局の方!聞こえますか!!】
急に管理人格の動きが止まったと思ったらはやての声が聞こえてきた。きっと葵がやってくれたんだね!
【【はやて(ちゃん)!!!】】
【え?なのはちゃん?フェイトちゃん?ほんまに?って痛い痛いちょっと離してや、葵ちゃん!】
【【葵(ちゃん)!?なにしてるの!?】】
【アーアー、聞こえる?聞こえるなら私への気持ちをどうぞ。】
【【葵(ちゃん)、大好き!!】】
【うん、聞こえてるみたいだね。よかった。】
【よくないわ!あんた何がしたいんや!なんで私にまで聞こえてる念話で告らせたん?訳が分からんよ!?】
【黙ってなさいっ!】
【アギャン!?】
葵は何をやってるんだろ・・・。それよりもはやてに確かめたいことがあるんだった。
【フェイトの疑問には私が答えちゃおう。はやてが今一時的にこの自動防衛プログラムのコントロールを奪って動きを止めてるから外からの魔力ダメージでサクッとはがしちゃって頂戴。なのちゃん風に言うと全力全開の魔砲をぶち当てればOK!Do you understand?】
【さっすが葵ちゃん、わっかりやっすーい!!!】
<本当ですね、マスター。>
【確かにわかりやすかったけどなんで私の言いたいことが分かったの?】
【いつでもニコニコフェイトの側ににじり寄る葵とは私のことだからね♪】
【葵・・・・・////】
【あんたらえぇ加減にせえや!なんで私が説明せなあかんところを葵ちゃんが全部持ってくねん!私にも説明させてや!・・・あっ、ちょっと待って。そんなもん私に向けんでぇな。ちょっとした冗談やないか・・・。なんでそんなにイイ笑顔なん?ちょっと本当に待って!・・・・アァァァァァァァァ!!??】
【さぁ、全力全開手加減なしでやっておしまいなさい!】
【グスッ・・・もうお嫁に行けへん。】
はやてに何があったのかすごく気になるけど気にしたら負けだよね?今回は物理ダメージが基本のザフィーラには下がっててもらって、私となのはの対葵用のコンボ技でいいよね!
「N&F、中距離殲滅コンビネーション!」
「ブラスト・カラミティ!」
「「ファイヤァ――――!!!!」」
私となのはの砲撃が管理人格を飲み込んで爆発した。これは葵殲滅専用に作り出したコンビ魔法だったんだけど・・・。あのSLBを涼しい顔して止めた葵じゃ意味がないかな?でも、このくらいやれば多分管理人格は大丈夫じゃない筈!だって葵じゃないから!
「フェイト!終わったのかい!?」
「葵はまた無茶をしたんですか?」
「なのは!お疲れ様!」
「最後のは凄まじかったな。間違いなく人に撃っていい魔法じゃない。」
「アルフ、リニス!」
「ユーノ君にザフィーラさん!」
アルフやリニス、ユーノが支援に来てザフィーラがこちらに近づいてきた。そしてごめんなさい、ザフィーラ。あれは葵殲滅用に作り出した魔法です・・・。あれ?あそこに白い光の球体がある。って思ったら光が急に強くなった!?
「ヴィータちゃん!!」
「シグナム!」
白い球体を守るようにシグナム、ヴィータ、シャマルが立っていた。ザフィーラもいつの間にかその側にいて光の球体を囲んでいた。
「我等、夜天の主に集いし騎士。」
「主あるところに我らの魂尽きることなし。」
「この身の命に代え、我等は御身の下にあり。」
「我らが主、夜天の主、八神はやての名の下に。」
ヴィータがそう宣言した瞬間に光の球体が割れてはやてが出てきた。その姿は最後に来ていた病院のパジャマじゃなくてシグナムたちのような騎士服だった。そしてはやてが十字の杖を上に掲げて叫んだ。
「夜天の光に祝福を、リーンフォース、ユニゾン・イン!!」
その瞬間はやての髪が白に染まり目の色が青へと変わった。ヴィータがはやてに泣きついている。シグナムたちもすごくうれしそうに笑ってるし・・・。よかった。あれ?そう言えば葵の姿が見えないんだけど・・・?
「ここにいるわよ。フェイト。」
「ひゃっ!?葵!驚かさないでよ!」
「そんな驚かすつもりはなかったんだけどね?フェイトがいたから近づいてきただけよ?」
「でもよかった、無事で。おかえり、葵。」
「ウフフ、ただいま、フェイト。」
「水を差してしまってすまないんだが、まだ戦いは終わっていない。これからあの闇の書の闇と戦わなきゃいけないんだ。こちらの話を聞いてくれないかい?」
クロノがどこからともなくやってきてそう伝えた。そうまだ戦いは終わっていない。これからだね!
sideout
シリアスってシリアルにするものだってこの前なんかで読んだ。
葵殲滅用コンビ魔法怖い。
一部劇場版ですがコンビ技はいまいちあっている自信がありません。
間違いに気が付いたら教えてください。