暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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作者暴走注意!


第二十七話

フェイトside―

 

葵対管理局の戦いはとてもあっさり、簡単に、簡潔に終了した。今は葵が作り出した黒い蛇が海からなのはを回収している。口でくわえてるように見えるんだけど大丈夫なのかな?

 

「牙は作ってないから別に大丈夫よ。」

 

「お疲れ様、葵。」

 

「そんな疲れるようなことしてないから大丈夫よ?それよりもレイジングハートジュエルシード頂戴?」

 

<プットアウト。>

 

「はいどうも。回収ついでになのちゃんを転移させておこうかな?」

 

そういうと葵はなのはの下に転移魔方陣を展開した。そのままなのはを転移させてこちらへと向き直るけど蛇がまとわりついてきていて何やら少し怖い。

 

「葵?その蛇しまってくれない?ちょっと見た目が怖いんだけど・・・。」

 

「えっ?・・・あぁ、ごめんね?確かにもう必要ないね。私に還りなさい、黒蛇。」

 

そういって葵が蛇の頭に手を当てると蛇がゆっくりと消えていった。多分葵の特性である魔力吸収で吸収したんだろうななどと考えながら葵を眺める。その顔はとても楽しそうでまるで悪戯を考えている少女のようだった。

 

「さてと、帰るわよ。アルフ、リニス、もう結界はいらないから解除してこっちに来て頂戴。転移するから。」

 

「これからどうするつもりなんですか?絶対に追手がきますよ?」

 

「とりあえずジュエルシードはすべて私のものになったからいいじゃない。それに武装隊員は全滅してるしね。最高戦力君(笑)、なのちゃん、ユーノもたぶん明日まで目が覚めないんじゃないかな?なのちゃんに関しては今現在捜索中だと思うし。」

 

「はぁ?・・・あんたもしかしてどこか違う場所に転移させたのかい?酷いことするねぇ。」

 

そういえばなのはだけは葵が転移させたんだった。大丈夫なのかな?

 

「なのはは大丈夫なの?葵。」

 

「なのちゃんの家に転移させただけだから問題ないよ。フェイトもそんなに心配しなくてもただ気を失ってるだけだから大丈夫よ。」

 

「管理局側からしてみたら焦りますよ?なんせ民間協力者がどこかへ転移させられてしまったんですから。」

 

「でも、転移先を追うことはできるでしょ?」

 

「追えるように転移させたんですか?」

 

「ワタシハタジュウテンイナンテツカッテナイヨー。」

 

「・・・・はぁ。」

 

「多重転移を使ってないなら追えるから大丈夫だね。」

 

「・・・・・・・フェイト?もう少し人を疑えるようになりなさいね?」

 

「???」

 

なぜか皆からの視線がすごく可愛そうな人を見るような目になっている。あっ、葵とアルフはただ可愛いと思ってるだけみたい。そんなことを考えているうちにいつの間にか葵が構築していた転移魔法で私たちは転移していった。

 

 

~~時の庭園~~

 

 

「で?なんであたしらはここに転移してるんだい?」

 

「そんなの私がここを指定したからに決まってるじゃない?何言ってるのよ、アルフ。」

 

うん、それはそうだと思うけどたぶんアルフはそんなことを聞いたわけじゃないと思う。そういえば最近葵と一緒にいる機会が多いせいかあまり母さんと会ってなかったけど元気かな?一応報告をしに行かなきゃいけないな。・・・また鞭でぶたれるのかな?

 

「フェイト、私も一緒に行くからそんなに暗い顔をしないの。せっかくの綺麗な顔が台無しよ?」

 

どうやら考えていたことが顔に出ていたようだ。葵が付いてきてくれるとは思ってなかったけどなんだかとてもうれしいな。葵と一緒に報告・・・・。はっ!?べ、別に変な意味じゃないよね?わ、私達まだ9歳なんだし!!(錯乱中)

 

「フェイト?大丈夫かい?顔が赤いよ?」

 

「な、何でもないよ?アルフ。」

 

「そうかい?ならいいんだけどねぇ?」

 

「はいはい。さっさと、ささっと報告してきちゃいましょ?」

 

そういって先に歩き出す葵の後を急いで追いかける。・・・あれ?そういえばなんで葵はこんなにここの内部を知ってるんだろ?まだそんなに来ているわけじゃない筈なのに。まぁ、葵だからだね。っと、そんなこと考えてたら大広間についちゃった。葵が吹き飛ばしたらしい扉はもうすでに直ってる。それを開いた先には母さんが・・・。黒い糸で縛られて転がされていた。

 

「えっ・・・・?」

 

「ごめんね?フェイト。」

 

「これどういうこと?あおむぐっ!?」

 

私の言葉は最後まで続かなかった。だって葵が急に近づいてきてキスしてきたから。そしてキスとともに私から一度受けた覚えのある、体から力が、魔力が急激に吸い取られていくのを感じながら私の意識は落ちていった。

 

 

sideout

 

 

浅上葵side―

 

「ぷはぁ、ごちそうさま。」

 

魔力を一気に吸収されて気を失ったフェイトをゆっくり床へ寝かせてあげる。流石にAAAランクの魔力を全て一気に吸い取るのは少し疲れた。キスした理由?勿論ああしないと一気に魔力吸収できないからだよ?さてと、

 

「なに私の目の前で可愛い娘の唇を奪っているのかしら?」

 

この修羅場どうやって切り抜けようかな?やっぱやんないほうがよかったかな?なんかプレシアさんからとんでもない魔力を感じるんだけど・・・。この人これで病気が治ったばかりなんだから怖いよね。っていうか、こんなに親バカだったっけ?この人。

 

「ま、まぁ、落ち着きなさいよ。プレシアさん。」

 

「落ち着け?私は落ち着いているわよ?こんなに冷静になれたのはいつ以来かしら。そうね。とりあえずあなたに5発、いいえ、10発くらいサンダーレイジをぶち込みたい気持ちでいっぱいよ。今すぐこの糸をはずしなさい。サァ、ハヤク!!」

 

「それ、全く落ち着けてないよ!?私の死亡フラグがたっただけだからね!?まぁ、さっさと本来の用件を伝えて私は消えることにしますか。・・・・殺されないうちに。」

 

「用件なんてどうでもいいから糸を解いて私のデバイスを返しなさい。いいえ、今ならデバイスなしでもあなたに雷をぶち込むくらいはできるかもしれないわね。糸をほどくだけでいいわ。早くなさい。」

 

なんでこの人最初からこの親バカ加減を前面に出してフェイトに接することができなかったんだろうか?これ将来フェイトが彼氏を連れてきたら彼氏が殺されるクラスではないだろうか?まぁ、無視して本題に入ればいいよね?

 

「じゃあ、私は予定通り消えるよ。“ヒュードラ”のデータは置いていくから多分あなたが罪を問われるようなことはない筈よ。それとここにジュエルシードを7個置いていくからそれを管理局に提出して頂戴。あ、後フェイトを鍛えてあげれば?強くなりたいって言ってたし。あなたとの交流にも丁度いいでしょ?じゃあ、私は行くね?糸は時間がたったら消えるようになってるから大丈夫よ。」

 

それだけ言ってフェイトの側の地面にアラクネから取り出したジュエルシードを置いておく一応封印はされているから暴走とかはない筈だけど心配なので2重封印をかけておく。それから出ていこうとしたらプレシアさんに呼び止められた。

 

「待ちなさい。なぜあなたはそこまでして私やフェイトを助けようとするのかしら?」

 

「・・・・・私は助けてなんかいないよ?あなた達が勝手に助かるだけ。」

 

「質問の答えになっていないわよ?一体なぜあなたはそこまで自分を犠牲にしようとするの?」

 

「研究者でしょ?それくらい考えて。私が答えるとは思わないでね?それと一言、可愛いは正義。その可愛いものを守るためなら私は頑張れる。」

 

「それ、答えてるわよ?まぁ、それだけが理由じゃないんでしょうけどね。それで?私は見返りとして管理局に努めて裏情報をあなたに流せばいいのかしら?」

 

「それとともにフェイトを守るということを忘れないでね?」

 

「それは忘れるはずがないわ。」

 

今まであんな扱いをしてきたくせによく言うよ。でもこれだけ親バカになってるなら大丈夫だよね?アルフもいるしなのちゃんとも友達になれたみたいだからフェイトはきっと私がいなくても大丈夫。そう思ってないとやってられないわね。

 

「あなたがこれからどうすごすかなんて私には興味のないことだけどフェイトを悲しませるような真似をしたら次元跳躍で雷を落としてあげるから覚悟なさい。」

 

「それは怖いわね。まぁ、私が管理局なんかに捕まるわけないから安心して頂戴。」

 

「興味がないといったでしょう?」

 

「そういえば言ってたわね。そうそう、リニスは貰っていくわよ?」

 

「一回捨ててしまった優秀な使い魔のことなんてどうでもいいわ。勝手にしなさい。」

 

「ありがと。じゃあそろそろ本当に行くわね。」

 

「一応感謝しておくわ。さっきフェイトの唇を奪わなければもっと素直に感謝できてたと思うのだけど。」

 

「それいつまで引きずるのよ?フェイトならきっと許してくれると思うから私は悪くない。」

 

それだけ言うと私は扉から出ていき扉を閉めた。そこには予想通りリニスが待機していてそんな事実がとてもうれしかった。

 

「ここから先は引き返せないけどリニスは私についてくるの?ここに残ってもいいよ?」

 

「あなたを見張っておかないととんでもないことをやらかしそうだから目が離せないんですよ。それにあなたと私は家族でしょう?葵。」

 

「そうだったわね。ありがと、リニス。」

 

「それよりもあなたはこれでいいんですか?まだ小学校さえ卒業してないのに。」

 

「いいに決まってるじゃない。それに私は前世でもう十分学校生活は送ったわ。精神年齢的には学校はもうきついのよ。」

 

「あなた一応見た目は9歳なんですからそこのところをしっかりと覚えておいてくださいね?」

 

「早く成長したいわ。この体じゃやっぱり燃費が少し悪いのよね。今はなるべく動かないような戦い方してるから平気だけど。」

 

「仕方ないと思いますよ?成長するまで待って下さい。それにあれだけ戦えていれば上等です。」

 

「つれないこと言わないでよ。もっと明るく楽しくいきましょ?」

 

そんなことを話しながら私達は転移した。行き先は地球の海鳴市、私が居候していたなのちゃんの家。高町家の説得は大変だろうけど頑張るしかないよね。流石に魔法のことを話すわけにはいかないし、かといって何も言わずに出ていくのは今まで助けてくれたあの優しい家族に申し訳がない。

 

 

sideout

 

 

 




ガールズラブタグの意味が分かるような話でした。

一言・・・・・。







完全に暴走しました!すいません!!


ちなみに葵に特定のヒロインをつける予定は今のところない。


感想と評価お待ちしております。

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