暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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最近忙しかったんですが、ようやくひと段落ついたので・・・・・。

買ったままチュートリアルと掛け合いだけ集めて放置していたマジ恋A-4をやろうと思います。

待ってろよ、ほむほむと林冲!!!



番外リリカルレース第五話

シュテルside―

 

『ここで皆様につらい現実を知らせるお知らせや。只今をもって本レースが始まってから20分の時間が経過したで。要するにや・・・・・・・・チーム・スパイダーキャット、行動開始の時間や!!!』

 

っ!?もう20分が経過したというのですか!?アオイは間違いなくトップの私達を追いかけてくるでしょうね。いつもなら喜びたくなるような状況ですが、そうも言ってられませんね。とにかく早くこのマグマ地帯を抜けないといけません。えぇ、聞き間違いではありませんよ?左の分かれ道を行った後、コースが洞窟の中へ入って行き、気が付いた時には下がマグマになっていましたから。今はユーリにシールドで足場を作ってもらいながら走っています。

 

「ちょっとやばいですねぇ~。どうしましょうか?」

 

「アオイに慈悲をかけてもらうのはまず無理ですので、逃げに徹するのが妥当かと・・・・。それでも1位は譲れません。」

 

「ですね。なんせ賞品があるということは、私達の予想では・・・・。」

 

「「葵(アオイ)が一日中好き放題に出来るかもしれません!!!」」

 

そう、私達の目的は優勝賞品です。アオイが主催するゲームか何かは基本的にアオイを一日中独占できるというものが多いのです。なら今回もそうなる可能性があるのではないでしょうか、というのが私とユーリの共通の思考です。恐らくチームごとに商品は変わってくるのではないでしょうか?アオイが賞品となりえるのはチーム・全力全壊と私達のチームだけで、恐らく他のチーム用にも何かしらの賞品が考えられているであろうことは予想に容易いですね。

 

「私は葵にメイド服を着て貰って一日中ご奉仕プレイがしたいですねぇ~。シュテルはどうします?」

 

「私はただひたすらアオイに抱きしめて撫でてもらいます。勿論頭だけではなく色々なところを。フフッ、夢が膨らみますね。・・・・ですが、今はレースに集中しましょう。」

 

「そうですね。ディアーチェ達も頑張って追いつこうとしてるみたいですし、気は抜けませんね。」

 

助手席のユーリがナビを操作しながら後続チームの位置を確認し始めました。そう、私達のチームの運転手は私です。確かにユーリにはエグザミアという無限に魔力を生成する機関があるのでこの車のトップスピードをずっと維持することが可能でしょう。そうなった場合私達のチームは、はっきり言って独走状態になることが出来たでしょう。・・・アオイのチームがいなければ、の話ですが。

アオイが本気を出せば恐らくユーリと同じことが可能でしょう。そうなれば私とアオイ達のチームとの戦いになります。そうなった場合、戦闘を行うのは私とアオイになり・・・・どう頑張っても勝てる未来が見えません。アオイは遠距離魔法が使えないにもかかわらずどう考えても勝てないと感じてしまいます。なら、私が運転してユーリを無限の魔力の使える障害とした方がいいでしょう。というのが私達の考えです。

 

『おおっと!?チーム・スパイダーキャットが凄まじい勢いで発進したで!?っていうか、早っ!?えっ?あの車ってあんな速度出るん?』

 

『リニスの情報によるとアレが最高速度らしいわよ?あっ、一つ注意事項ね?今の解説を聞いていて実践しようとしているチームの皆さん。あの速度を出して運転するのはかなりの運転スキルが必要なのでお気を付けください。もし、最高速度を出せたとしてもその速さに頭が追い付かず事故を起こす原因になりかねないそうです。』

 

『・・・・・確かにあの速度は異常だ。あのリニス(・・・)という使い魔もよく事故を起こさずに運転できているな。それに魔力切れは見込めまい。葵の黒糸がリニスにつながっている。あそこから魔力供給をしているのだろうからな。』

 

「運転がリニス!?・・・・・・これはまずいですね、ユーリ。」

 

「えぇ、アオイが助手席で大暴れ間違いなしですぅ~。」

 

「えぇ、しかもそれがかなりの速度でこちらを目指しているとなると・・・・危険すぎますね。とりあえず、ナビを操作してこの洞窟があとどのくらいで終わるのかと、今の地点がコースのどのくらいの位置に当たるかを教えてください。」

 

「え~っと、あっ、出口はもう少しで見えると思いますよぉ~。後ここは大体中間地点から少し来たところですかね。」

 

「この先のコースはどうなってますか?」

 

「もう、分かれ道とかはないみたいですねぇ~。他のコースに分かれてた人達と合流しますね。」

 

要するにこれから先かなりきつい戦いになってくるということですね。後ろから追ってきているアオイに気を付けつつ他のチームとも戦わなければならないとは・・・・。なんとも、面倒ですね。ですが、このくらいのことを乗り越えられなくて何がアオイの彼女ですか!絶対に私はやってみせますよ、アオイ!!!

 

「っ!?シュテル!後ろから魔力反応!針路を右に変えます!」

 

「了解っ!?・・・・これは王の!?」

 

「急に反応が早く動き出したのでもしかしたらと思いましたが、やっぱり勝負を仕掛けてきましたねぇ~。」

 

「フハハハハ!ようやく追いついたぞ!!!ゆくぞ、レヴィよ!」

 

「速くて、強くて、カッコイイ!やっぱ僕最強!!!」

 

「ど、洞窟の天井を走ってきたんですか!?」

 

私は前を見て運転をしているためよく見えませんが、どうやら王とレヴィは洞窟の天井を走っているらしいですね。恐らく車に反対に重力をかけることで天井を走れているようですね。ですが、そんな不安定な場所から私達を狙って倒せるとでも思っているのでしょうか?これでも私達はアオイによってかなり強化されているんですよ?

 

「ユーリ、お願いします。」

 

「はいっ、行きますよ~?―――バイパー!!!」

 

「えっ?ちょっ、うわっ、あ、危ないっ!?王様~!」

 

「ちっ、流石と言ったところか!だが、こちらも負けてはおらんぞ!―――インフェルノ!!!」

 

「そのまま走り続けてください、シュテル!」

 

「了解。」

 

ユーリの天井から黒い槍を出すという妨害方法はどうやらレヴィの意外な運転技術によって躱されたらしい。王が撃ってきたインフェルノはユーリが魄翼を盾とすることで防ぎ切りました。それにしても上をとられるのはかなりきついですね。王もそのことを考えてレヴィに指示を出したのでしょう。ですが、ここから先は私達のステージです!あなた達にはここで潰れてもらいますよ。レヴィと王!!!

 

「ユーリ、出口が見えましたよ!一気に飛び出しますので後をお願いしますね!」

 

「任せてください!」

 

「3・・・・2・・・・1・・・・今です!!!」

 

「エンシェントマトリクス!!!」

 

「なっ!?避けるのだ!レヴィ!!!」

 

私達が飛び出したのと同時にユーリが出口に向けてエンシェントマトリクスを撃ちこんだ。これで出口が実質潰されたような感じになったのでそうやすやすとは王も近づいてこれないでしょう。まぁ、気休め程度にしかならないとは思いますが・・・。

 

「あっま~い!!!」

 

「なっ、もう追いついてきたっていうんですか!?」

 

「流石に早すぎますよ!?」

 

岩で塞がった洞窟の出口がいきなり吹き飛んだかと思ったら、アオイが出てきました。どうやら黒蛇を使って遠隔で出口を吹き飛ばしたみたいですね。それよりも、もしかしなくても黒蛇が加えているのは王とレヴィの車ですよね?2人とも目を回しているみたいですが大丈夫なんでしょうか?いえ、それよりも今は全力で逃げなければ!!!

 

「あれ、シュテル?私から逃げられるとでも思ってるのかにゃ~ん?―――黒蛇!!!」

 

「絶対にそれは当てさせません!!!」

 

「ユーリ、もう少しだけ耐えてください!どうにかして合流しますので!」

 

「ほらほら、もっとちゃんと防がないとすぐに負けちゃうわよ!!!」

 

「くぅぅぅぅぅ・・・・。」

 

「ちっ、本当に容赦ないですね!」

 

後から執拗に襲ってくる黒蛇を私がハンドルさばきで躱し、それでも回避できない時はユーリに弾いてもらうという方法で何とか逃げていますが・・・・・・はっきり言ってもうそろそろ持ちませんね。さっきまで1匹だったはずの黒蛇が何故か3匹に増えてますし・・・・。何とか他のチームと合流できれば狙いが外れて楽になる可能性もあるのですが・・・・・・。

 

「っ!?シュテル、あそこが合流地点です!あともう少し頑張りましょう!」

 

「えぇ、ここで負けられません!他のチームはどこくらいまで来てますか?」

 

「すぐそこに反応があります!もしかしたら他のチームも葵が来るのを恐れて少し急いだのかもしれませんね!」

 

「それなら好都合です!一気に合流して攪乱しますよ!」

 

私はその言葉と同時に襲ってきた黒蛇を躱しながら無理矢理合流地点から他のチームと合流しました。そこにいたチームはイリュージョン&ブレイカーと全力全壊、ラコッピアにドラゴンスピアの4チームですね。私達の方を見て愕然とした顔をしていましたが、後ろに黒蛇がいることに気が付いた瞬間全力で前へ進み始めましたね。

 

『ここで今残っとるチームが全部集まったで!ちなみにヴォルケンズはあの巨大ムカデによって被害を受け過ぎて走行不可能と認定されて失格や。ここからが正念場やな!おおっと!?さっそくフリードを使って空へ逃げようとしたドラゴンスピアが葵ちゃんの黒蛇によって落とされたで!?』

 

『あれはもう失格でしょう。彼等もここまで頑張ってきていましたが最後にミスを犯しましたね。あれでは狙ってくださいと言っているようなものですから。』

 

『葵も容赦ないわねぇ~。楽しんでるみたいだからいいのかしら?』

 

『いや、良くはないんやないかと思うんやけど・・・・。おっ?ラコッピアが自分からコースアウトしだしたで?ここから先はコースから外れると凶悪な魔力生物がおるらしいけどな。』

 

『彼等にもきっと何かしら作戦があるのでしょう。それよりもそろそろイリュージョン&ブレイカーが危ないみたいですよ?』

 

『ティアナちゃんの幻惑魔法を使って避けるという方法はよかったけどその分攻撃できなかったのが響いたわね。スバルもウイングロードを使うにもさっきのドラゴンスピアの前例があるから使えないでしょうしね。あら、完璧にやられたわね。これで残り4チームよ。』

 

くっ、折角合流したのに一瞬で2チームが脱落、1チームがコースアウトですか。こうなったら一度全力全壊と手を組んでアオイを抑えるとしますか。ナノハもそのつもりなのか先程からこちらへは攻撃をしてきていませんし、ここは共闘といきましょうか。

 

「うん?共闘でもするのかな?でもそんなんじゃ私を倒すには不十分よ!」

 

「くっ、やっぱり強いね。でも、負けないよ?葵ちゃん!―――ディバインバスタ―!!!」

 

「こちらも負けてはいられません。―――ヴェスパー!からのバイパー!」

 

「下の棘は任せたわよ、リニス。」

 

「また面倒くさいことを頼みますね・・・・・ですが、やれないとは言ってません!」

 

どうにか黒蛇を2匹潰すことが出来ました。それにしてもリニスの運転技術には目を見張るものがありますね。あんな簡単に棘を躱されるとこちらとしても辛いものがありますね。とにかくもう少しでゴールなんですからどうにかしてこのままの位置をキープしなければ・・・・と思った瞬間私と全力全壊の車のスピードが急に落ちました。何故こんな急にスピードが!?魔力は十分あったはずなのに・・・。

 

「シュテル!車の下に葵の蛇をつけられてました!」

 

「こっちもだよ、フェイトちゃん!」

 

「車から私達の魔力を吸っていたというんですか・・・・・?」

 

「そんな・・・・・、これはさすがに防げないよ。」

 

「ん、ごちそう様でした。それじゃ、リニス。これで終わりよ!」

 

そう言ってアオイがリニスに指示を出した瞬間、ゴールへと斜め上から一台の車が飛び込んできました。その車の後ろには半分以下に減った缶がいまだにぶら下がっていて、カラカラと軽く音を立てています。いいえ、今はそんなことはどうでもいいんです。問題は彼らがどうやってあそこにたどり着いたかですから。本当に一体どうやって!?

 

『ゴーーーーール!!!見事1位に輝いたのはチーム・ラコッピアや!!!いやぁ~、実に見事な作戦やったな!』

 

『えぇ、確かに素晴らしい作戦だったわね。わざとコースアウトした後に少し離れた位置でウイングロードを使って魔力生物を全面的に回避、その後こっそりと3チームの後を追うなんて中々面白いわ。』

 

『ゴールの直前にウイングロードに加速用の魔方陣を大量に展開させてそれを踏むことにより一気に加速。その後文字通りゴールへと飛び込んだからな。並みのジェットコースターの10倍くらいは怖かったと思うぞ?』

 

『せやけど・・・・、普通は誰もやろうとはせんやろうけどな?まぁ、とりあえず優勝も決まったし、後は賞品を渡してさっさと撤収しよか!』

 

その言葉と共に私達は車ごと回収されました。それにしても最後の最後で負けたというのにアオイが全くと言っていいほど悔しそうな顔をしていませんね?まぁ、こんなお遊びで負けても悔しくないということでしょう。ちなみにラコッピアへの優勝賞品は2枚のチケットのようでしたが、あのチケットは一体なんだったんでしょうか?・・・・・少しだけ気になりますね。

 

 

sideout

 

 

 




かなり無理があるつめこみでしたがとりあえずリリカルレースはこれで終了です。
次回から本編に戻ります。

STS見直さないとなぁ・・・・・・。

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