なのはside―
レースが始まってすぐに撃った砲撃でどこか1チームは落ちて欲しかったなぁ~。でも、結果的にヴォルケンズにダメージを与えられたからよしとしようか!ということで今私達はちゃんと定められたコースを走っている。フェイトちゃんが操縦している影響か、車はビリビリと雷光を走らせている。それにかなりスピードが出せるみたい。まぁ、あまり最初から飛ばすのはよくないから現在はエリオ達、ドラゴンスピアの後ろを走っている。こうやってるだけでプレッシャーにもなるしね。
『おっと、ここで先頭集団が最初の関門に到達したみたいやで!これは・・・・・分かれ道になっていてそれぞれチームごとに行く道が決まっとるみたいやな!』
『熱烈恋敵は右の道、ラコッピアは真ん中の道、イリュージョン&ブレイカーは左の道に行ったわね。少し遅れてサンダーキングも右の道よ。』
「なんか、分かれ道になってるみたいだね。フェイトちゃん。」
「うん、確かにこのナビではこの先に分かれ道があるみたい。私達は左の道、ティアナやスバルと同じ道だね。」
「それにしてもこの車凄いね。オープンカーでこの速度を出してるのに全然風の抵抗が来ないよ?」
「それに運転してるからよくわかるんだけど、この車凄く動かしやすい。私がいつも使ってる車が霞んで見えちゃうよ。リニスに頼んだら1台くれないかな?」
「う~ん、葵ちゃんに頼めばくれるかもね。」
「あっ、分かれ道についたよ。一応警戒だけはしておいて、なのは。」
「了解。」
『ここで後続集団も分かれ道に到着や!ドラゴンスピアが真ん中の道、全力全壊は左の道やで!更に遅れてヴォルケンズも到着!全力全壊と同じく左の道や!』
『ここからがこのレースの見ものというやつかしら?それぞれのコースに妨害機能が付いているみたいね。』
『うむ、少し内容を見て見たが目を疑うものから訳が分からないものまで多種多様だな。一応レベル別にしてあるようだが・・・・。』
『ほらほら、アインス。あんまりネタバレはよくないで?』
「レベル別、か・・・・・。やっぱり黒蜘蛛団と機動六課じゃレベルが違うみたいだね。でも、真ん中の道って何なのかな?」
「う~ん、よくわかんないや。なんだろうね?」
そんな話をしながらも私達は左の道へと入って行った。入った瞬間、下級の魔力生物が跳びかかってきたけどあの位なら別に対応しなくてもフェイトちゃんの運転技術だけで何とかなる。フェイトちゃんも私が対応しないのが当たり前かのようにハンドルさばきだけで避けた。やっぱり日頃運転しているだけはあるね。確か車を買った理由が葵ちゃんとドライブしたいっていう感じだった気がするけど。
「っ!?なのはっ!」
「うんっ!何かくるね・・・・。これは・・・・・、魔力生物なの?」
「わからない。けど、はっきり言って車から飛ばないで戦うのはかなりきついと思う。どうする?」
「う~ん、一瞬だけの全速力で逃げ切れるかな?」
「多分きついと思う。さっきからスピードが上がってる気がするから。」
「・・・・・・なら、私の砲撃と同時の全速力で躱そう。余りしたくはないけど避けないとまずそうだからね。」
「うん、それじゃあ、3・・・・2・・・・1・・・・今!!!」
「ディバインバスター!!!」
私達が最高速度を出した瞬間右側の森から巨大な顎を持つムカデのような生物が飛び出してきた。何とかその攻撃をすれすれで躱せてついでに砲撃によって一撃も入れられた。あのムカデは怒ったみたいだけどその頃には私達は既にその先のカーブを曲がり切った後だった。それにしてもこの星はあんなのがゴロゴロしてるのかな?あっ、さっきの加速でスバル達の後姿が見えるようになってきたね。
『おおっと、ヴォルケンズが先程全力全壊が怒らせた巨大ムカデと遭遇や!これは運がない、ヴォルケンズ!果たして無事帰ってくることは出来るのかぁぁぁぁぁぁ!!??っていうか何なんこの巨大ムカデ!?めっさ怖いんやけど!?』
『この星にはこのくらいの生物がうじゃうじゃ存在するわよ?だから下手にコースから外れると危険だから気を付けてね♪』
『怖いわっ!?ありえへんやろ!?何でこんなんがうじゃうじゃいるような場所でレースなんてしとるん!?誰や、こんな場所でレースなんてしようって言いだしたんわ!!!』
『主、あちらから凄い殺気が来ているのでそろそろ止めてください。この周りの結界が無かったら私達もヴォルケンズと同じ目に合いますよ?』
『うん、解説に戻るで!左の道では現在イリュージョン&ブレイカーが先頭、その後ろに全力全壊、そこからかなり後ろでヴォルケンズが巨大ムカデと戦闘中や!』
私達のところは巨大生物の出てくる樹林みたいだったけど、他の道はどうなってたのかな?なんでか凄く真ん中の道が気になるんだよね。キャロやエリオが行かされたし、大丈夫かな?まぁ、とりあえず今はこのレースに集中だね。優勝賞品の為にも頑張りますか!
sideout
ティーダside―
真ん中の道を暫く進んでいると見事な断崖絶壁へと辿り着いてしまった。慌ててギンガさんがナビを確認すると近くにつり橋があったらしく、今はそこに向かっている。それにしても葵は一体何を考えてこの道に俺達2チームを振り分けたんだ?っていうか、この車でつり橋を走っても大丈夫なのかよ?リニスのことだからきっとそれなりの強度でつり橋を作ってあるとは思うけど・・・・。
「あっ、ありました。あれじゃないですか?つり橋。」
「恐らくは・・・・、車でつり橋わたって大丈夫なんですかね?」
「・・・・・・・多分大丈夫なんじゃないでしょうか?いざとなったらウイングロードを使わなきゃいけないかもしれませんね。」
「とりあえずドラゴンスピアが追い付いてくる前に半分は渡っておきたいな。」
「それでは行きましょう。」
とりあえずつり橋を渡ることになったが、このつり橋意外と揺れる。しかも車1台分くらいの幅しかないのでかなり運転技術が必要らしくギンガさんの顔が引きつっている。しかもこの崖、本当に底が見えない。どんだけ深いんだよ。とりあえず辺りの警戒とナビでのドラゴンスピアの位置把握を行ってはいるが、流石にこんな場所で襲い掛かってくる魔力生物はいないみたいだな。
「きゃっ!?な、何でこんなつり橋を渡ることになるんですか!?」
「おっ、落ち着いて、キャロ。多分落ちないように設定されてると思うから!」
「で、でも下が全く見えないよ、エリオくん!」
「あちゃぁ~、追いつかれちゃいましたね。どうしましょうか、ギンガさん。」
「とりあえず流石にこんな場所では仕掛けてこないと思うので一応は安心かと・・・・・。」
≪2台以上のチームの侵入を確認。妨害トラップ“つり橋効果”の発動条件が満たされました。よってこれより効果を発動します。≫
「「「「・・・・・・・・・へ?」」」」
俺達のチームがつり橋の中間、ドラゴンスピアが8分の1を渡りきるか切らないかという時に、急に変な音声がつり橋のどこかから流れ出してギンガさんとエリオはアクセルから足を離してしまった。アクセルから足を離すということは車は減速して止まってしまう。両チームの車が止まった瞬間、先程まで俺達が走っていたつり橋が・・・・・消滅した。
「はぁっ!?はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「えっ・・・、ちょっ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「きゃ、キャロ。とりあえず落ち着いて!」
『おおっとぉ~!?真ん中の道でドラゴンスピアとラコッピアが渡っていたつり橋が急に消えたで!?こ、これって大丈夫なん!?崖の底が全く見えんのやけど!?』
『大丈夫よ。葵とリニスがコースを設計する際に色々と安全性とかを考えて仕掛けを大量に作ったらしいから。だからこのコースの安全性は98%くらいあるらしいわよ?』
『残りの2%が気になるけど気にしたら負けなんかな?』
『主、ここに葵からの手紙があります。“絶対、100%なんて言うことは有り得ないのよ。どんなことにも2%くらいはミスが生じるものよ。”だそうです。』
『な、なんつうか。葵ちゃんって意外とこういうところが真面目やなぁ・・・・・。』
実況と解説の方々がどうでもいいことを言っているみたいだが今は気にしている暇はない。いまだに車体は降下中だしな!くっそ、とりあえず何とかして慌て過ぎて車を思いっきり殴ろうとしているギンガさんを正気に戻さなきゃならねぇな。ということでとりあえず車の下に来るようにシールドを展開して落下を止めた。それでも14m位は落ちたかな?ドラゴンスピアはもっと下に落ちていったみたいだが・・・・・まぁ、大丈夫だろ。
「・・・・すみません。ちょっと取り乱したみたいです。ようやく落ち着けました。」
「あぁ~、これは仕方ないと思うよ?ところでここから崖の上までウイングロード繋げますか?」
「えぇ、問題なく繋げますね。それではさっさとこの状況から抜け出しましょうかっ!」
そう言ってギンガさんは崖の上まで一直線にウイングロードを展開し、アクセルを思い切り吹かせて一気に登りきった。つり橋を渡り切った場所は岩礁地帯のようで岩がゴロゴロとしている。その中に明らかに人の手が入ったと思われるコースがあるのでそれをナビを使って確認しながら進むことにした。
「そう言えばキャロちゃん達は大丈夫だったのかな?あの高さから落ちちゃったから心配ね・・・・・。」
「一応敵何でそこまでの心配はしないけど、確かにあの高さから落とされたのを考えると少し心配だな。葵が何かしらの対策をとってくれてるとは思うけど・・・・・。」
「その心配は・・・・・。」
「無用ですよ!!!」
「キュルクゥ~!!!」
「なっ、上から!?」
急に聞こえてきた声を追って上を見上げると大きくなったフリードに後ろのレバーを握らせて飛んでいるドラゴンスピアの車が目に入った。まさか、あんな使い方をするためにあのレバーはつけられていたのか!?葵の考えが突拍子もなくて驚くを超えてもはや呆れるぜ・・・・。それにしてもこのナビの使い方がいまだに解らねぇな。お蔭で相手チームの反応を見落としてたぜ。だけど、追いつかれたとしても勝負はまだまだこれからだぜ!
『ここで皆様につらい現実を知らせるお知らせや。只今をもって本レースが始まってから20分の時間が経過したで。要するにや・・・・・・・・チーム・スパイダーキャット、行動開始の時間や!!!』
「「「「なぁっ!?!?」」」」
sideout
彼女達が解き放たれた時レースは佳境へと突入する。果たしてこのレースを統べるのはどのチームなのか!!!
……To be continue.
とりあえず今話までで番外編で書きたかったことはある程度書けました。
後は決着をつければ終わりですね!
最近感想にて、こんな番外編をやって欲しいというご意見を多数いただいております。
既に書くことが確定しているのはギンガ×ティーダの番外編です。
こちらは構想がまとまり次第・・・・というよりもSTSを片付けたら取り掛かりますのでしばしお待ちください。
感想と評価お待ちしております!