インフィニット・ストラトス a Inside Story    作:鴉夜

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※誤字、脱字は多いかもしれないです。表現も統一性がないかもしれません。なるべく修正します。ご勘弁ください。

また、オリジナル解釈が多めです。矛盾や、つじつまが合わない等はあるかと思いますが、本当にご勘弁ください(泣)




第49話 俺の眼は光り輝いていることだろう

 

 

 

 

 俺。砂浜に降り立つ。いや、だから何って感じだろうけど。

 迎えに来た箒達に連れられて、俺は旅館の目の前に広がるビーチへとやってきた。

 このビーチは旅館のプライベートビーチらしい。故に他の観光客はおらず、IS学園で貸切だ。だが故に他の海水浴場のように出店が軒を連ねてはおらず、旅館経営と思われる『海の家』のようなものが1件のみ。売っているもドリンクとアイスくらい。粉っぽいカレーとか、ぬるいラーメンとかはないのか!! 全く。風情というものが分かってないな!

 にしても……暑いな……引き籠りたくなってきた。泳ぐつもりのない俺からしてみれば楽しみは女子達の水着姿だけなのだから、別に部屋から双眼鏡(カメラ付き)で覗けばよいのではなかろうか。箒達は更衣室の方へ行ってるし、マジで戻るかなぁ。

 

 

 

「(それより京夜! アレ! アレやんなさいよ!!)」

「(何だよ、ティーナ。アレって)」

「(砂浜で追いかけっことか、水かけっことか)」

「(は? 何で? っていうか誰とやるんだよ)」

「(決まってるじゃない! 織斑一夏と)」

「(おい)」

「(そーゆー要望のハガキが多いのよ。読者サービスは大事でしょ?)」

「(京夜さん! フ、フケツですぅぅ~)」

 

 

 

 「ぐ腐腐腐腐っ」って笑いながら「キマシタワー」建ててる腐海姫達の晩餐のおかずを、なぜ無償で提供せにゃならんのだ。事務所を通せ。事務所を。って俺は何を言ってるんだろうか。暑さで脳みそが腐ってきた。このままだと味噌汁作れそう。

 

 

 

「あ! お~い、黒神く~ん!!」

「あれ? 水着じゃないじゃん。泳がないの?」

「キョウちゃんも一緒に遊ぼ~よ~」

 

 

 

 駆け寄ってきたのは3人のクラスメイト。相川さんと、鷹月さんと、のほほんさんこと布仏さん。

 ツッコまないよ俺は。相川さんと鷹月さんの眩しい水着姿を堪能したいんだから。のほほんさんの眩しい稲光を発しそうな電気ネズミ型の水着擬きなんてスルーしてやるスルー。

 っていうか相変わらず彼女は訳分からん。コレ着ぐるみだろ。泳げないだろ。って、しまった。脳内スルーは出来んかった。何か悔しい。

 

 

 

「おいおい。君ら3人が俺を指名したんだろ? 聞いたぞ?」

「あははっ。そうでしたそうでした」

「ということで、はい、チーズ」

「「「イエーイ!!」」」

 

 

 

 カメラを構える俺に、仲睦まじくポーズを取る3人。いいね。今からプロのカメラマンを目指そうかなぁ。盗撮とは違って法に触れずシャッターが切れるって素晴らしい。カメラマン最高。いや、水着最高。いや、水着美少女最高。

 実は今朝、マジで俺は『写真係』に任命された。織斑先生に直接。どうやらこの3人が推薦したらしい。理由は分からなくもない。のほほんさんはともかく、相川さんと鷹月さんは俺が販売する『織斑一夏生写真』のお得意様だからな。腕はお墨付きってことだろう。

 ということで俺は予定通り水着を着用していない。薄手の白い七分丈のパーカーにハーフパンツ、ビーチサンダルが今のスタイル。肩にはパラソル2本と箒達の荷物を抱えている。

 そしてそんな俺の首にはこの日の為に前もって用意しておいた最新の一眼レフ型のデジカメが下げられていた。なぜ今朝任命されたのに前もって用意していたかって? そりゃ任命されずとも撮る気満々だったからに決まってるだろ。

 

 

 

「ねえねえ、キョウちゃん。おりむーって何処にいるか知ってる~?」

「一夏? 先に来てるはずだけど、まだ見てないな」

「そっか~じゃあ探してみる。ありがとう黒神君」

「またあとでね~」

 

 

 

 手を振りながら、彼女達は和気あいあいと去っていく。うん。後ろ姿も最高だ。砂を払う仕草に揺れるお尻。無防備な背中。いいね~たまらんわ。もっとじっくり鑑賞し―――

 

 

 

「……京夜。何を考えているんだ?」

「……京夜さん。何をそんなに食い入るようにご覧になっていらっしゃるのですか?」

「……ナ、ナンデモアリマセン」

 

 

 

 いつのまにか背後に立ち、それぞれ俺の肩を掴むのは箒とセシリア。多分。恐らく。そんな不確定な表現になってしまうのはその2人から燃え盛るオーラが別人ではと俺に錯覚させるからだ。

 だっておかしいだろ!? 両隣に摂氏1000度を超えそうな火柱が立ち上っているのに俺の脚は寒さでガクガク震えてるんだぜ!? 全身を伝う汗も先程とはまるで別物。完全に冷や汗。正直2人だと信じたくない。

 最初の一言だ。その一言が生死を分ける。俺はゆっくりと振り返った。

 だが目の前の光景に、2人のその姿に、俺は言葉を失う。

 2人は先日俺が選んだ水着を見事に着こなしていた。ローレグ白ビキニの箒と腰にパレオを巻いた青いビキニのセシリア。高身長でスタイル抜群のこの2人の水着姿は、そんじょそこらのグラビアアイドルよりよほど扇情的で悩ましく、俺の本能を揺さぶる。

 つまり『生唾ゴックン』だ。恐怖? そんなん何処か行ったわ!! 

 

 

 

「箒、セシリア」

「……何だ?」

「……何ですの?」

「2人共、凄く似合ってる。綺麗だ。正直、目が離せない」

「ば、馬鹿! な、何を言ってるんだ! は、恥ずかしいだろ……」

「きょ、京夜さんに褒められるのはとても嬉しいですけれど、そ、その、そんなに見つめられたら……」

 

 

 

 プシュ~っという効果音と共に、先程の炎はまるで2人の頭部へと吸い込まれたかのように消え去り、その熱で顔を真っ赤に染め上げる。

 ヤバい、キタコレ。恥ずかしがるスタイル抜群の水着美女とか。よっしゃーーー!! 眼球カメラでシャッター高速連射、脳内ハードディスクに保存、保存、保存!! うぉぉぉぉーーー!!!

 

 

 

「(顔がイケメンじゃなかったら完全にアウトね。通報モノだわ)」

「(京夜さん。目が、目がヤバいです……)」

 

 

 

 バカ野郎!! この状態で興奮しない奴なんて男じゃないぜ!! 大丈夫! 警察が来る前に堪能し尽くしてみせる。俺なら出来る!! なぜなら俺だから!! ヒヤッハァァァーー!!

 ってオイオイ、ティーナ。マジで通報しようとするな。証拠写真を撮ろうとするな。

 撮られる側に回って初めて味わう感覚に戦慄。俺は冷静さを取り戻す。危ない危ない。ギリギリ戻ってこれた。

 

 

 

「あー、コホン。鈴とシャルロットとラウラは?」

「あ、ああ。シャルロットはラウラの着替えを手伝っている」

「鈴さんも2人を待つそうなので、先に箒さんと2人で来たんです」

 

 

 

 シャルロットは面倒見がいいからな。鈴の方はまぁ……同士……だからだろうな。ラウラとは。何の……とは言わないが。

 兎にも角にも、そろそろ展開しますかね。

 俺は適当に場所を決め、肩に担いでいたパラソルを並ぶよう砂浜へ差して広げる。こうして生まれた俺の絶対安全圏である日陰にレジャーシートを引いて荷物を降ろした。

 するとセシリアが自分の荷物から何やら取り出すと、俺の元へとやってきた。モジモジした態度で。

 

 

 

「あ、あの~、きょ、京夜さん?」

「ん? どうした、セシリア」

「えっと、そ、その……サ、サンオイルを、塗って頂けませんか?」

「「えっ!?」」

 

 

 

 随分と大胆な提案に、俺も隣にいた箒も『時』を止める。だが俺の『時』は箒を置き去りにすぐさま進み始める。当たり前だ。据え膳喰わねば男の恥。心変わりされては困る。こんなチャンスを逃す程、俺は無能でも不能でもない。当然マイサンもである。そうか、海にはこんな楽しみがあったのか!!

 

 

 

「ああ! 喜んで」

「あ、ありがとうございます……」

 

 

 

 先程以上に頬を染め上げながら、しゅるりとパレオを脱いで専用のシートへと座る。俺もその色香に誘われるように近付こうとした時―――

 

 

 

「きょ、京夜!!!」

「!? な、何だ、箒!?」

 

 

 

 箒はその間に割って入ってきた。眉を吊り上げ、ムスッとした表情をこちらへと向けている。

 だがすぐさま眉は右肩下がり。射抜くように見つめていた瞳は泳ぎ始め、そしてモニョモニョと何やら言いにくそうにしていた口元から言葉がこぼれ出る。

 

 

 

「わ、私もそ、その……お願いする……」

 

 

 

 萌え萌えキュン!!!

 オーケーオーケー。大丈夫大丈夫。この鼻血は暑さのせいじゃないから。日射病じゃないから。熱中症だから。箒の可愛さに熱中賞を授与しちゃうから。

 

 

 

「了解。ちょっと待ってろ」

「あ、ああ……っ」

 

 

 

 恥ずかしいんだか、嬉しいんだか。全く。良い顔だなぁ。

 俺は箒に隣のシートで待つように伝えてセシリアの傍に立膝を着く。するとセシリアは首の後ろで結んでいたブラの紐を解き、落ちないよう腕で胸を押さえながらシートに寝そべり、こちらを向いた。

 うつぶせのその体勢は背中からお尻、そして足の先へ続く艶かしい曲線美をより強調する。これ程美しいラインはそうないだろう。

                 

 

 

「お、お願いしますわ」

「任しとけ。背中だけでいいのか?」

「き、京夜さんがされたいのでしたら、前も結構ですわよ?」

 

 

 

 今日は随分と攻めるなぁセシリア。流石に恥ずかしさのあまり反対側を向いちゃったけど。耳、真っ赤だぞ。

 俺はサンオイルを手に落とす前にセシリアへ近付き耳元で囁く。

 

 

 

「……セシリア」

「ひゃぁぁ!?」

「おっと」

 

 

 

 おいおい。そのリアクションは全力サムズアップだが、あんま動くとこぼれちゃうぜ? まる見えちゃうぜ?

 俺は起き上がりそうになったセシリアに覆いかぶさるような形で肩を押さえながら再び耳を振動で刺激する。

 

 

 

「セシリアにそんなこと言われたら……俺はセシリアの全てに触れたくなるけど……いいか?」

「ゴクッ……す、全て……ですか?」

「ああ。こんな人目に付く場所で……先の先から、奥の奥まで……全てさ」

「……い、今は、せ、背中だけで、お、お願いします……」  

 

 

 

 顔面オーバーヒート。照りつける太陽より熱を宿したその顔に、俺はニヤニヤが止まらない。そんな俺の顔に、セシリアは頬を膨らませる。俺をドキドキさせたかったんだろうけど、まだまだだな。

 

 

 

「わかった。じゃあその先は今度……2人っきりの時にな」

 

 

 

 コクリ、と頷く。先程の膨れっ面ではなく、羞恥と幾何かの期待を混ぜ合わせたかのような顔で。

 俺は押さえつけていた肩から手を放して体を起こす。覆いかぶされていて重かったのか、それとも安心したのか、セシリアは「はぁ」と短い息を吐く。

 

 

 

「だが――」

「?」

 

 

 

 俺の逆接の接続詞に、セシリアは再びこちらへ顔を向ける。甘ちゃんだな。ドSの権化たる俺がこの程度で満足するはずがないだろう? 

 俺はサンオイルと手に垂らし、体温で温めながら手をワキワキとさせる。きっと俺はこれ以上ない悪顔であっただろう。自覚はある。だが後悔はしない。なぜなら俺だから。俺は決め顔でそう言った。

 

 

 

「覚悟しろよ? 俺はかなり上手いからな?」

「え? それはどーゆーことですか?」

「背中だけでも満足させられるってことさ」

「えっ? えっと!? きょ、京夜さ――んっ!? ひゃあっ、い、いや―あ、んっ、あぁ―――」

 

 

 

 

 

(――ピンポンパンポーン――)

 

 

 

「(良い子の皆にはこれ以上の会話や表現は刺激が強すぎるわね。どうしても気になる人はR18版を――)」

「(ありませんよぉ!? R18版なんてありません!! 適当なこと言わないでくださいよぉ~ティーナ先輩~)」

「(だ、そうよ。残念だったわね。では続きをどうぞ)」

 

 

 

(――ピンポンパンポーン――)

 

 

 

 

 

 うん。いい仕事をした。流石は俺だな。ふぅ。気分が良い。心と体が活力に溢れている。

 そんな俺とは対照的にセシリアは意識半分でぐったり。目がとろんとして焦点が定まってない。全身は上気し、程よい汗をかいている。無理もない。テクニシャン京夜のゴールドフィンガーに掛かればな。恐らく腰が抜けて立つことも出来ないだろう。

 さて。

 俺はセシリアのブラを首に結び直し、箒の方へ体を向ける。その動きに反射するかのように座っていた箒は後ろへと下がる。

 箒。顔は真っ赤。若干涙目。首を横にフルフル。

 俺。超良い笑顔。ヨダレ垂れそう。サンオイル付きの手をワキワキ。

 

 

 

「さぁ、次は箒の番だ」

「いいいい、いや、ややややっぱりえええ遠慮しておこうかと―――」

「そうか。箒がそれでいいなら構わないぞ? セシリア()()でいいのなら」

「!! そ、それは……う、ううううう……。お、お願い……する」

 

 

 

 緊張しているかのようなぎこちない動きで箒もまた紐を解き、水着を押さえながらうつぶせになる。

 箒の大きな乳房は体に潰されてむにゅりと形を歪める。脇の下から見える所謂『横乳』は異性の目をくぎ付けにする為にあるかのように主張していた。

 そんな箒は全身を小刻みに震わせ、今にも零れそうな程に潤わせた瞳でポツリと呟く。

 

 

 

「……や、優しくしてくれ……」

 

 

 

 本日2回目の萌え萌えキュン!!!

 分かってやっているのか、それとも分かっていないのか。俺にとってそれは火にガソリンを注ぐかのような行為だということが!!

 俺の眼は光り輝いていることだろう。キラーンと。やる気スイッチ16連打された俺に最早敵はない。

 その輝きに、箒の顔が若干引きつる。何、悪いようにはしないさ。ちょっと天国まで逝っておいで(笑)

 

 

 

「そ、そんなに念入りにしなくていいんだぞ? ちょ、ちょっとだけで――」

「何言ってるんだ。遠慮するな。俺と箒の仲だろう?」

「い、いや、親しき仲にも―――んっ、いやあっ、あっ、あぁぁ―――」

 

 

 

 

 

(――ピンポンパンポーン――)

 

 

 

「(さっき注意したばっかりですよぉ!? もう! これ以上はダメですぅ!!)」

「(茜、いい? 需要と供給のバランスが大事なのよ。せっちゃんだけあって箒ちゃんだけないのはクレームの対象になるんだから。じゃ、まぁ続きね~)」

 

 

 

(――ピンポンパンポーン――)

 

 

 

 

 

 ザザザァァァァーーーー

 

 

 

 寄せては返す波の音。俺は立ち上がりパラソルから出て日差しを浴びる。刺すようなそれは先程まで最大の不快指数上昇要因ではあったが、今の俺にはそれすらも心地良い。

 パラソルの下には、まるで俺に養分を吸い取られたかのように骨抜きになっている箒とセシリア。最早手足はピクリとも動かない。しっとりと汗をかいた肌や漏れる吐息はとても艶美。

 今まで一度も思ったことはなかったが、今なら言える。

 海、最高と。

 まさしく感無量。ああ、これ程までに満たされる日が来ようとは。それはもちろん加虐愛。ぶっちゃけちゃえば性癖。綺麗事なんて吐かないぜ。恐らく俺の肌はテッカテカのツヤッツヤだろうから。

 さて、感謝の印に冷たいドリンクでも買ってきましょうかね。

 俺は2人を残して海の家の方へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 




『インフィニット・ストラトス a Inside Story』は自身のブログでも掲載中です。
 設定画や挿絵、サブストーリーなんかも載せていくつもりですので、良かったらそちらもご覧戴けると嬉しいです。

※ブログは少しだけ先まで掲載されています。


【ブログ名】妄想メモリー
【URL】http://mousoumemory.blog.fc2.com/

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