ビルドファイターズ、終わっちゃいましたねぇ....
と、言う訳で第6話です
「さ~て、どうしたモンか.....」
イリナとゼノヴィアの二人を送り出した後、雨が降っている中、買出しに来た俺とドライグとアーシア。買出しの途中、戦闘をしてる気配があったのでドライグにアーシアを任せ、確認に来たのだが......
そこには、片腕の無いズタボロの『騎士』木場祐斗がいた。俺が到着した時にはすでにこの有様で、今まさに止めを刺されそうになっていたのだが、相手ーフリード・セルゼンは俺を見ると一目散に逃げ出して行った
「こいつはほっといたら死ぬよなぁ.....仕方ない、連れて行くか....っとその前に『治癒』」
ブーステッド・ギアを出し、数回倍加してから『治癒』を使う。取り敢えずの応急処置だ
「....もしもし、ドライグ?」
【おお、どうだった相棒?】
電話を取り出してドライグに連絡する
「いや、ちょっと
【了解した.......なあ、相棒】
「ん?どした?」
【イチゴ牛乳も買っていいか?】
「.....一本だけだぞ?」
【了解だ!】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「戻ったぞ、相棒」
「イッセーさん、ただいまです!」
木場君に輸血をしながら『治癒』をしていると、ドライグとアーシアが戻ってきた
「おかえり、二人共。アーシア早速だけど、コイツを頼む」
「ッ!分かりました!『
禁手化するとアーシアの姿が、美しい青いヴェールを纏った赤い服に変わり、手には真っ赤な卵が現れる
「いきます!」
アーシアが手をかざすと、凄まじい、しかし暖かい光が放たれ、木場君の体を包み込む。すると、無くなった木場君の右腕が一気に
ーーーーーこれが、アーシアの禁手『聖母の祝う復活祭』。その効果は『発動中、指定した対象に一時的な不死性と超絶的な再生能力を与える』という、『もうコレ、
「....ふう。イッセーさん、終わりました。これでもう大丈夫です」
「ああ、ありがとうアーシア......その、すまない」
「...いえ、イッセーさんが頼ってくれたんです。しっかり応えないと」
健気で良い娘だねぇ....
「それで、イッセーさん。この人は...?」
「リアス・グレモリーの『騎士』だ。エクスカリバー持ちに襲われててな......あのまま見過ごしてやられたら三大勢力間でトラブルになるからな。回収したんだ」
「そうでしたか......」
「とりあえず、目ぇ覚ますまではウチで保護する。二人にも説明しないといけないからな.....ドライグ、コップで飲めって言ってるだろ」
「ぬう....」
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「ーーーーと、言う訳でな」
「そうか.....ありがとう師匠。いらないトラブルが起こるところだったよ」
「通告してる間に眷属が死亡、なんてなったら教会からの宣戦布告だと思われかねないもんね。ありがとう、イッセー君」
戻ってきた二人と一緒に別荘に入り、さっきの事を報告する
「それで師匠、ソイツはどうするんだ?」
「とりあえず、目を覚ますまではコッチで保護.......お?」
「う、うぅ...ここは....?」
目が覚めた様だな
「おはよう、木場祐斗君?」
「ッ!キミは.....ッ!?ここはどこだ!何が目的だ!?」
「まあまあ、落ち着け。順番に説明してやるよ」
とりあえず、俺が木場君を発見してからの事、コカビエルの事を説明する
「ーーーって感じだな」
「....キミの話が本当だと言う証拠は?」
「う~ん、お前の主に確認取れば分かると思うぞ?」
「......そうか。いや、信じるよ。助けて貰ったのは事実だしね.....それより、アレが六本もこの町にあるのか....」
「そうそう。んで、お前は何でフリード....お前を襲っていた奴と戦闘になったんだ?」
「覚えのあるオーラを感じてね...そのオーラを辿って行ったら出会ったのさ。部長....僕の主達は気付いていなかった様だけどね。ついでに言わせてもらうと、今もガンガン感じてるよ。あの忘れもしないオーラを....ッ!!」
そう言ってイリナとゼノヴィアを睨み付ける木場君
「キミ達が彼の言っていた教会の聖剣使いかい?初めまして。僕はキミ達の先輩さーーーーー失敗作だったそうだけどね」
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その後もガンガンと殺気を浴びせ続ける木場君にとうとうゼノヴィアがプッツン。『文句があるなら直接かかってこいやゴラァ!!』という感じでブチ切れ、あれよあれよと言う間に木場君と勝負する事になっていた
「じゃあ、まあ、とりあえずルールは『殺害厳禁』で。この勝負が終わったら一切、聖剣関係で揉め事起こすなよ?」
「わかった」
「ああ、それで構わないよ」
「じゃあ、始めるぞ」
俺の言葉で互いに構える二人。俺達も巻き添えを喰らうのは嫌なので距離をとる
「始めッ!!」
ーーーーヒュンッーーーー
俺の言葉と共にゼノヴィアの姿が消え、エクスカリバーを振り下ろした姿勢で木場君の背後に現れる。さらにーーー
ーーーーガキィィィィィンッ!!ーーーー
「なっ!?」
ーーー木場君の持っていた魔剣が中ほどから折られた
「どうした?大口を利いていた割に、実力はたいした事がないようだな?」
これは、ゼノヴィアの発現した神器『聖剣創造』を使った『擬似・瞬動』を使った攻撃である。
仕組みは簡単で、靴の形をした聖剣を作り、それに聖剣のオーラを込めて一気に移動する。
『気』や『魔法』が使えない二人の為に、俺が編み出した技である
「くっ!舐めるなああああああああッ!!」
あーあー、挑発に乗っちゃって.....
「はああああああああああッ!!」
「甘いッ!!」
木場君がそこら中に魔剣を生み出し斬りかかるが、ゼノヴィアのエクスカリバーの一薙ぎでまとめて吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる
「があっ!...く....ッ!!この程度で....ッ!!」
またも飛び掛る木場君。だめだな...完全に頭に血が上ってる。エクスカリバーしか見えていない。キミの強みは持ち前のスピードと『魔剣創造』だろうに.....真正面から斬りかかってどうするんだよ...
「やれやれ、そろそろ終わりにするか.....耐えろよ?」
いい加減ウンザリしてきたのか、ゼノヴィアがエクスカリバーにオーラを収束させ始める
「行くぞ!師匠直伝ッ!雷!光!剣ッ!!」
『京都神鳴流奥義 雷光剣』言わずと知れたネギまの技である。
この修業期間中に俺が一度模擬戦で使ったのを、ゼノヴィアが見様見真似で再現して、見事完成させたのである。
聖なるオーラの雷が落ちてくるのでもはや『雷聖剣』と呼ぶべきなのかもしれないが。
まあ、それは置いておくとして。
あれはマズイ。さっきも言ったが『聖なるオーラの雷光(+『破壊の聖剣』)』である。あれが当たったら木場君は確実に消し飛ぶ
(まずい、瞬動じゃ間に合わない。クソッ、しょうがない。あんまり倍加無しで使いたく無いんだけど、こんな所で木場君脱落とか冗談じゃねえからな!)
「.....『縮地无彊』ッ!!」
ーーーードンッッッ!!!ーーーー
『縮地无彊』は『ネギま』でも使っていた超長距離瞬動である。一人で修業していた時はどうしても使え無かったのだが、ヴァーリと一緒に闘戦勝仏に弟子入りして、1年かかって漸く習得したのだ。まあ、素の状態で使うと脚がへし折れそうになるのだが....強化してる暇は無かったからな。しょうがない
「ドリャアアアアアアアッ!!」
「ぐうっ!」
ーーーードガアアアアアアアアッ!!ーーーー
『雷聖剣』が直撃する、ほんの少し前にギリギリで木場君を掴んで離脱した
「....はぁ、あっぶねー...おい、大丈夫か、木場祐斗?」
「.....あ、う、うん...すまない」
よし。とりあえず、被害は俺の脚の激痛だけだな
「そうか、無事なら構わない......さて、ゼノヴィア?ちょっとここ来て座んなさい」
「ま、待ってくれ師匠!私が何をしたと言うんだ!」
「『何をしたと言うんだ』じゃねーよ。お前俺の話聞いて無かっただろ?俺は最初に『殺害厳禁』って言ったよね?何ぶちかましてんの?」
「うっ!い、いや、それは.....」
「そもそも何の為にコイツ助けたか解ってんの?悪魔側といざこざ起こさないためだろ?何で教会の悪魔祓いが率先して問題起こしにかかってんだよ?」
「....す、すいません」
「まあ、ウンザリしたのも解るよ?俺も見ててイライラしたからな。でもさ、お前プロだろ?だったら公私はキッチリ分けようぜ?な?」
「....はい。ごめんなさい。私の思慮が浅かったです。もう、しません」
「ん。もう解ったな?ゼノヴィアは出来る娘だもんな?」
「....はい...!」
「よしよし。じゃ、イリナと一緒に今日のメニューをこなしてきなさい。あ、そうそう。さっきの雷光剣は良い出来だったぞ」
「本当か!?」
「ホントホント。さ、修業頑張ってきなさい」
「ああ!」
俺が褒めると、ゼノヴィアはとても喜んで修業に行った
「さて、木場祐斗。お前は何で自分が負けたか解るか?」
「.....僕が、彼女より弱かった。それだけさ...」
「違う。確かにお前の実力はゼノヴィアより低い。だが、それ以上に今のお前の戦い方は酷かった」
「.......」
「木場祐斗、お前の強みは何だ?」
「ボクの、強み...?」
「そうだ。お前の強みは持ち前の『騎士』のスピードと『魔剣創造』だろう。効いたかどうかはさておき、何故スピードや手数を活かした攻撃を使せずに、わざわざ不慣れな大剣ばかりを使った?」
「...それは」
「そこまで聖剣が憎いか?」
「当たり前だッ!!アレのせいでボクや同志達は.....ッ!!」
「『聖剣計画』だったか。まあ、俺は経験した訳じゃ無いからな。復讐したければすれば良い。俺は別に『復讐は負の連鎖を生むだけだ!』なんて寝言言ったりはしないさ.....ちょっと聞くけど、お前は聖剣を壊したらどうするんだ?」
「.....どういう意味だ」
「どうもこうも無ぇよ。ただ聞いただけさ.....一つ言っておくぞ?聖剣を壊す理由に『仲間が復讐を望んでいるだろうから』とか、掲げ無い方が良いぞ?」
「.....何故だ」
「お前、今まで復讐だけを目的に生きてきたってクチなんだろ?そういう奴、特に『復讐の理由を他人に預けてる奴』はな、復讐を終えると人形みたいになっちまうんだよ。所謂『燃え尽き症候群』ってヤツだな。
お前、グレモリーの眷族だろ?アソコは自殺なんて絶対許さないだろうからな。燃え尽きてからも何千年も無意味に生き続けるのはツライぜ?」
「.....終わった後の事なんて、どうでも良い」
「あっそ。じゃあ、それは置いておくけどさ。お前どうすんだ?今のお前の実力じゃあ、フリードにも勝てないぜ?聖剣全部壊すなんて、夢のまた夢だな。あっという間に殺られて終わりさ」
「......なら、頼みがある」
「頼み?」
「彼女達をあそこまで鍛えたのはキミなのだろう?なら、ボクをあの領域、いや、もっと先まで連れていってくれ」
「ほう?まあ、確かにお前は才能があるみたいだしな。俺が直接鍛えれば、少なくとも今のあの娘達のレベルまでなら確実にいけるだろうさ。
だが、それで俺に何の得が有る?言っておくが、俺があの二人を鍛えているのは世話になってる人達に頼まれたのと、相応の報酬も貰ったからだ。
お前は何を対価にする?この『赤龍帝』兵藤一誠に何を差し出すつもりだ?」
俺が『赤龍帝』の名を出すと、木場君は驚愕の表情を浮かべた。が、すぐに強い目で俺の顔をしっかりと見返してきた
「.....ならばッ!ボクはこの身の全てを差し出そう!ボクが今日まで生きてきたのは復讐を果たす為だ!!それが終われば、この身がどうなろうと一向に構わない!!」
「ハッ!『この身の全てを差し出す』たぁ、大きく出たな!確かに対価としては十分過ぎるさ。だがな、お前は自分が何を言っているのか解っているのか?
言っておくが、コレは正式な悪魔との契約としての話だぞ?『全てを差し出すってのは』命も含めてだ。復讐を終えた後に俺に神器を抜かれて殺されても文句は言えないんだぞ?」
「....覚悟の上だ...ッ!」
俺と木場君は互いの瞳を睨みあうように見る
(.....本気の様だな.....)
「良いだろう、ならば契約だ!木場祐斗、お前はこの戦いで復讐を終え次第、この『赤龍帝』兵藤一誠の所有物になる。その代わり、俺はお前に確実に復讐を遂げさせてやる!この契約に同意するか?」
「当然だ!!同意する!!」
なんか、俺の方が悪魔みたいな感じだけど、気にしない方向で行こう。しっかし、成り行きとは言え、魔王の妹の眷族引き抜いちゃったなぁ.....
まあ、良いかな?正式な契約だし。俺に非は一切無い。別に魔王“の”眷族引き抜いた訳じゃ無いしな。
眷族の教育も出来ていないリアス・グレモリーが悪い
「よし、契約は完了だ。じゃあ、早速修業に入るぞ、付いてこい」
「ああ!」
俺はアーシアとゼノヴィア達にこれから36時間の集中特訓に入る事をを告げる
そして、倉庫からこの『魔法球』の前に作った試作型の魔法球を取りだして入り、その中でもう一つ試作型の魔法球を取り出す。これらはそれぞれ、1時間が12時間と6時間になっている。
これを使って
正直これは、仙術が使えるかよっぽど長寿の生物じゃないと、無視出来ないレベルで生活に影響が出る。特に、記憶面で。なので、ゼノヴィア達には使わせていないのである
「今から108日間の修業に入る。始めれば、もう取り消しは効かないぞ?本当に良いんだな?」
「ああ、構わない」
「そうか、なら行くぞ」
俺は最後の確認をしてから、木場君と共に魔法球に入る。
中に入ると、そこには地面以外何も無い空間が広がっていた
「さあ、修業の始まりだ。気合い入れて行くぞ?」
ハイ、と言う訳で第6話でした
今回は多少強引な感じでしたが、木場君の引き抜き回でした
ぶっちゃけ、木場君を回収するにはああするしか思い付かなかったんですよねぇ...
今回登場した『疑似・瞬動』の時の靴型の聖剣は『ビェールクト』の脚の膝部分までをイメージしてください