ハイスクールD×Dに転生した   作:ユウタロス

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とうとう通算UA数50000、お気に入り登録数も500件突破しました。嬉しい限りです

と、言う訳で第14話です



第14話 何だこれは?

「.....ん〜?」

 

「?どうした相棒?」

 

 

 ...いや、スーパー出た辺りからな〜んか視線を感じるんだよなぁ...

 

 しかし、何度か周囲を見渡してみたのだが特に何も居ないのである。

 

 

「う〜む、私は特に感じないがなぁ...」

 

「私もだな。イッセー、索敵魔法には引っ掛かったのか?」

 

「いや、全然。一応半径1キロ迄ならそれなりの精度で探れるんだけど、一切反応無し」

 

 

 やっぱ、気のせいなのかなぁ...

 

 

「まあ、最悪戦闘になったとしても相棒とヴァーリ達が居れば普通は負けんだろうさ」

 

「どっちかだけでもオーバーキルだしな」

 

 

 う~ん、まあ、それもそうか...

 

 

「よし、じゃあパッパと帰るか!みんな腹空かしてるだろうしな!」

 

 

「「おう!」」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

『う~ん、どうしよう...気配は感じ取ってくれてるみたいなんだけど...』

 

『...よし、もうちょっと近づいてみよう!』

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ただいま〜」

 

「お、おかえりなさい」

 

「ただいま、小梅ちゃん」

 

 

 あの後も何度か探査魔法使ったのだが、結局何も引っ掛からなかった。ドライグ達には『心配し過ぎだ』と笑われたのだが、どうにも見られている感覚が消えない。

 

 ...一応、小梅ちゃん達にも言っておくか。

 

 

「小梅ちゃん、今日はもう外には行かないようにね?」

 

「?なんで、ですか?」

 

「いや、さっき帰ってくる途中で『不審者が出た』って注意報があってさ。念のためにね」

 

 

 小梅ちゃんに何かあったらご両親に会わせる顔が無いからね、と言うと、素直に納得してくれた。ええ娘や...

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

『うぅ...全く気付いてくれない』

 

『こ、こうなったら意地でも気付いて貰います!!』

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「でんでらりゅ〜ば〜でってくっるばってん!」

 

「でんでらりゅ〜ば〜で〜てこんけん!」

 

 

 イッセーです。ハンバーグの下ごしらえをしていた所、赤白リ達が『お手伝いしたい』と言い出したので、挽肉をこねてもらってます。

 

 

「と〜とと〜?」

 

「とっとと〜!」

 

 

 二人して変わった歌を歌いながら挽肉をコネコネするドライグとアルビオン。幼女の捏ねたハンバーグとか最高dゲフンゲフン...イカン、なんか危ない電波を拾っていた。

 

 

「どうだ相棒?」

 

 

 ドライグが聞いてきたのでボウルの中を覗き込む。うん、もう十分かな。

 

 二人から受け取ったタネを楕円形にして空気を抜き、中心を少し窪ませてからフライパンで焼いていく。

 

 ジュワーッ!と言う音と共に肉の焼ける匂いが充満していく。

 

 

『うわ〜美味しそう〜...』

 

 

 んん!?今の声誰だ!?

 

 

「イッセー、どうかしたのか?」

 

「いや...今、声が...」

 

『はぁ〜...って、あれ!?聞こえましたか!?』

 

「ん〜?私には聞こえんぞ?」

 

「いやいやいや!絶対誰か喋ってるって!途切れ途切れでよく聴こえないけど!」

 

 

 さっきから明らかに聞いた事ないが声が聞こえてきてるのに、何故か誰一人として気付かない!何だこれは?どうなっている!?

 

 

『おおーい!目の前ですよ~!目の前にいますよー!』

 

 

 また聞こえた!クソ、どっから話し掛けて...「あの、イッセーさん、コレ...」うん?どしたの小梅ちゃん?

 

 

「えっと、誰か喋ってるから...これで...」

 

 

 そう言っておずおずとウィジャ盤を差し出してくる小梅ちゃん。って言うか、小梅ちゃんにも聞こえてるの?

 

 

「は、はい...途切れ途切れ、ですけど...」

 

 

 そうか...まあいい。それじゃあ、早速試して...

 

 

「ちょっ!相棒!ハンバーグ!」

 

「あっ、ヤベッ!」

 

 

 危ねー...危うく焦がすところだった...

 

 

「あ〜...じゃあ、ドライグ、アルビオン。小梅ちゃんと一緒にウィジャ盤やってみてよ」

 

「おう!任せろ!」

 

「了解だ!行くぞコウメ!」

 

「は、はい...!」

 

 

 さて、ロリ達が遊んでいる間に残りのハンバーグも焼かないと...まあ、絶対お代わりするんだろうけど...

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「いただきます」

 

「「「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」」」

 

「い、頂きます!!」

 

 

 頂きますの言葉と共に食べ始める俺達。

 

 

「美味しいぞ相棒!」

 

「ね~。何て言うか、家庭の味がするよね〜」

 

「うむ、師匠なら良き主夫になれそうだな」

 

 

 好評な様で何より。 まあ、本当は俺よりも母ちゃんが作った方が旨いんだけどね。

 

 

「さよちゃん、お味はどうだい?」

 

「お、美味しいです!はんばーぐって、こんなに美味しいモノなんですね!!幽霊の時からずっと食べてみたかったんです!」

 

 

 そして、俺の隣でまぐまぐとハムスターの様にハンバーグ(和風)を頬張るのは相坂さよちゃん......そう、“相坂さよ”である。言わずと知れた、ネギま屈指の存在感の薄さを誇る幽霊少女である。

 

 正直、最初にその姿を目視した時はメチャクチャ驚いた。『アイエエエエエエ!?サヨチャンナンデ!?』とか叫んじゃう位には驚いた。

 

 小梅ちゃんがウィジャ盤使って会話した所、存在感が薄過ぎて同じ幽霊にすら気付かれず、今までずっと独りぼっちだった事が判明。念の為に確認したが、“麻帆良”なんて地名は知らないそうだ。

 

まあ、存在感の薄さは『ネギま』通り...いや、それ以上か?小梅ちゃんでも目視出来てなかったし...

 

 暗い所は怖いので、スーパーやコンビニの前で道行く人々に声を掛け続けると言う行為をかれこれ15年程続けていたらしいのだが、一向に気付いてもらえず。

 

 心が折れかけていた所で俺が声に反応したので『是非友達に!』と思い、付いてきたのだそうだ。

 

 聞いた話が余りにも不憫過ぎたので、修羅場中だったタマモさんに頼みこんで、別荘内に予備として用意してあった『アーウェルンクスの素体』を媒介に蘇生させたのである。

 

 

「さよちゃん、そんなに慌てて食べなくてもハンバーグは逃げないから。ドライグとミッテルト、ちゃんとピーマンも食え。ゼノヴィア、レイナーレからハンバーグを強奪するな」

 

 

 さよちゃんがハンバーグを頬張り過ぎて喉に詰まらせないかハラハラしつつ、お代わりを要求してきたヴァーリにご飯をよそって渡し、行儀の悪い3馬鹿娘を注意する。

 

 

「イッセーさん、ハンバーグお代わり!」

 

「私も!」

 

「アタシも食べたいッス!」

 

「はいはい....ドライグとミッテルトはピーマン食わなきゃお代わり禁止だぞ」

 

「「うえぇぇ〜.....」」

 

 

 あっという間に自分のハンバーグを食べ尽くしたムスメ達にせっつかれ、追加のハンバーグを焼く為にキッチンへと向う。

 まったく、食べる暇も有りゃしない...

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 食後、イッセーは『料理以外の家事は私達の仕事です!』と頑なに主張する祐斗とアーシアに食器の片付けを任せ、さよを連れて別荘に来ていた。

 

 

「ふわ〜!イッセーさんってスゴイ魔法使いさんだったんですね!!」

 

「ハッハッハ、もっと褒め称えなさい」

 

 

 キラキラした尊敬の眼差しで見てくるさよに、すっかり気を良くしているイッセー。 実にチョロい。

 

 

「それで、どうしてここに?」

 

「うん、ちょっと自覚を持ってもらおうと思ってね」

 

「自覚?」

 

 

 不思議そうな顔をするさよに拳大の石を手渡すイッセー。

 

 

「ソレを握り締めてごらん」

 

「はぁ...?」

 

 

 さよが言われるがままに両手でギュッと石を握り締めると、ボゴンッ!という音と共に石は粉微塵に粉砕された。

 

 

「( ゚д゚)」

 

「とまあ、不用意に力を入れるとそうなる(・・・・)からね。 暫くの間、さよちゃんにはココで力加減を覚えてもらうよ。 OK?」

 

 

 イッセーの問にコクコクと全力で頷くさよ。 出来ればすぐに友達を作りたいが、このままでは相手を木っ端微塵にしかねないので当然の反応であろう。

 

 

「よし。それじゃあ、まずは全力で海面をパンチして自分の力の最大値を把握しよう」

 

「は、はい!相坂さよ、いきます!」

 

 

 じゃぶじゃぶと海の中に入って行くさよ。 自分の腰辺りの深さまで歩いて行くと、右手を振り上げた。

 

 

「てええええええいッッ!!」

 

 

 ーーードッパアアアアアアンッッッッッッ!!!ーーー

 

 

 振り下ろされた右腕は水面を叩き潰して(・・・・・)海底に大きな拳の跡を刻み込み、周囲には十数メートルの水柱が巻き上がった。

 

 

「...え?」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「おおーい、師匠〜.....」

 

 

 15時間程経った頃、ゼノヴィアが別荘にやって来た。

 ゼノヴィアはテラスで月を見ていたイッセーに声を掛けようとするが、膝の上でさよがスヤスヤと眠っているのに気付き、起こさない様にソロソロと近付いて来た。

 

 

「師匠〜...」

 

「ゼノヴィアか。どうかしたか?」

 

「いや、サヨの調子はどうかなぁ...と」

 

 

 小声で問い掛けるゼノヴィアに、くいっと親指を起てて背後を示すイッセー。 指差された方を見てみると...

 

 

「Oh....」

 

 

 木々は薙ぎ倒され、砂浜は消失。 端的に言うと、竜巻が発生したかの様な惨状である

 

 

「コレ、サヨがやったのか...?」

 

「最初はちょっと素の身体能力確かめるだけのつもりだったんだけどねぇ...この娘、どうも無意識で霊力と気を使って『咸卦法』もどきを纏ってたんだよねぇ...」

 

 

 しかも俺の咸卦法より出力高いの(笑)ーーーそう言ってハハハとイッセーは笑うが、顔は引き攣っている。

 

 

(.....そういえば、師匠は覚えるのに数年位掛かったって言ってたな...咸卦法)

 

 

 ゼノヴィアはふと、以前、目の前の少年が言っていた事を思い出す

 

 

(『自分に才能は無い』、か...とてもそうは思えないがなぁ...)

 

 

 ゼノヴィア...と言うか、この世界の裏の関係者からすれば十分過ぎる位だが、イッセーの中での『才能が有る』と言うのは、ネギ・スプリングフィールドやナギ・スプリングフィールド、ヴァーリやルフェイ達...要するに『言われなくても出来る・少し言われたら出来る奴』なのだ。

 

 ちなみに、そう言う意味ではゼノヴィアも『才能が有る人』に入っている。

 

 

「んぅ...」

 

「あ、さよちゃん起きた?」

 

「...ぉはようございますぅ...」

 

 

 ゴシゴシと目を擦りながら起き上がるさよ。 この惨状を引き起こした張本人とは思えない程のあどけなさである。

 

 

「さて、サヨも起きた事だし。師匠、ちょっと稽古をつけてくれないか?」

 

「ん?ああ、良いよ。さよちゃんはどうする?見学する?」

 

「う~んと、じゃあ、お願いします」

 

「よし、それでは早速始めよう!」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「さて、と。師匠、準備は良いか?」

 

「誰にモノを言っている。何時でも始めていいぞ?」

 

 

 軽く答えるイッセーはだらんと脱力しているがその実、一部の隙も無く何時でも行動出来る様に構えている。

 

 イッセー曰くーーー『咸卦法で地力は向上してるんだから、ムダに力を入れる必要は無いんだ。相手を仕留めるのに必要なのは、過剰な力よりも速さ。だから、基本はこうして余計な力は完全に抜いた方が良いんだよ。力を籠めるのは当てる時だけ』ーーーだそうだ。

 

 要するに『戦闘時は常に無拍子』状態である。と言っても、まだまだ完成には程遠いが。 

 

 

(よくもまあ、コレで才能が無い等と言えたものだ!)

 

 

 ゼノヴィアは、自分の師匠の非常識っぷりに嬉し半分、呆れ半分でため息を吐く。

 

 

「?どうした?」

 

「いや、何でもない...さッ!!」

 

 

 訝しげなイッセーの問いに、ゼノヴィアは『聖剣創造』で黒鍵を両手に3本ずつ、計6本創り出し、投擲しながら応えた。

 

 黒鍵は、かなりの速度で飛翔するが、イッセーの数メートル手前で粉々に砕け散る。見れば、いつの間にやらジャージのポッケに両手を突っ込んでいる。無音拳で迎撃したのだろう。

 

 ゼノヴィアの不意打ちを、イッセーは卑怯等と言わない。『何時でも始めて良い』と言ったのはイッセーであり、ゼノヴィアに『格上と対峙した時に少しでも隙があったら全力で突け。隙は見せる奴が悪い。先手必勝、油断大敵、やる気満々、意気揚々...だ』と調きょ...教育したのもイッセーだからだ。

 

 

 

「フッ!!」

 

 

 元々あの程度の黒鍵等、足止めにもならないと理解しているゼノヴィアはイッセーが無音拳で迎撃する隙に次の行動に移る。

 

 瞬動を使って懐に潜り込み、レイピア型の聖剣でもって高速で連続突きを放つが、イッセーは放たれた突きを最小限の動きで躱しながら貫手を放つ

 

 

(チッ、やはり手数では無理かッ!?)

 

 

 かなりの速度で放っている突きが全く掠りもせず、その癖イッセーの貫手は浅くではあるが確実に自分の肌を斬り裂いていく。

 

 やはり高速戦闘はイッセーの方に部があると判断したゼノヴィアは、イッセーの周囲を囲う様に聖剣を発生させ、バックステップで距離を取りながらチャクラム型の聖剣を大量に投擲する。

 

 

 ーーーキュパパパパパパパ....ッ!!ーーー

 

 

 予想道理、数秒でにチャクラムは撃墜されたが、その間に虚空瞬動でイッセーの空中に移動すると、巨大な斬艦刀を創り出し全力で振り下ろす。

 

 

「おおおおおおおッ!!!」

 

「『氷神の戦鎚』!!」

 

 

 自重で加速しながら真っ直ぐに、豪速で振り下ろされた斬艦刀はしかし、真横から叩き付けられた巨大な氷塊によって粉々に砕かれる。

 

 諸共に粉砕された剣と氷塊によってゼノヴィアの視界が覆わる。

 ソレはほんの一瞬の事だが、イッセーがゼノヴィアの目の前に移動し、ギロチンの様にその脚を振り上げるのには十分な時間だった。

 

 

「『魔法の射手・集束 光の20矢』」

 

 

 魔法の射手を乗せた踵落としがゼノヴィアに振り下ろされたが、ゼノヴィアは視界が覆われた瞬間に自分の目の前に堅さのみを重視した盾型の聖剣を創り出していた。

 

 

「ぐぅッ!!」

 

 

 イッセーの踵落としは盾だけでは無く、盾を構えていたゼノヴィア腕をも圧し折る。だが、魔法の矢を乗せた蹴りを喰らいながらも片腕が折れる程度で済んだのは僥倖であろう。

 

 蹴り飛ばされたゼノヴィアは海面に叩き付けられ、そのまま海面を水切り石の様にバウンドしながらも、亜空間から取り出したデュランダルに聖剣のオーラを収束させていく。

 

 

「だああああああああッッ!」

 

 

 そして、追撃に来たイッセーが射程に入った瞬間、一瞬で体勢を立て直して聖剣のオーラで作られた斬撃を放った。

 

 

「デカいだけじゃ、当たんねーよ」

 

 

 虚空瞬動で難無く躱して接近して来るイッセーに、ゼノヴィアは構わず斬撃を放ち続ける。

 

 放たれた斬撃の数が20を超えたあたりでイッセーはふと思った。いくら何でも無駄撃ちのし過ぎであると。

 

 

(こんだけ撃ってたら相当バテて来ると思うんだが...う〜ん...何か狙ってるのかな?)

 

 

 このまま接近するべきか悩んだが、『弟子の策を力尽くで叩き潰すのも師匠の役目』、と判断して接近する。

 

 ゼノヴィアとの距離が、後十数メートル程に迫った時、ゼノヴィが動き出した。

 

 

「『禁手化(バランス・ブレイク)』ッ!!」

 

「何ッ!?」

 

 

 ゼノヴィアの背後に大量の聖剣が集まって、一体の騎士を形造る。十字架を模した大剣を持ち、その鎧は龍の意匠が施されており、その姿は正に竜騎士(ドラグナー)と呼ぶに相応しい...そう、姿“は“

 

 

「おいおいおい.....ちょっとデカ過ぎ(・・・・)じゃね!?」

 

 

 イッセーが半分呆れながらも、驚愕の声でその竜騎士を“見上げる”。

 

 そう、その竜騎士はイッセーやゼノヴィアよりも遙かに大きい、全長およそ20メートルはある巨大竜騎士だったのである

 

 

「フフッ、名付けて『葬滅の竜騎士王(デモリッシュ・キング・ドラグナー)』さ。どうだい、師匠?」

 

 

 何か策が有るのだろうとは思っていたが、まさか禁手化してくる等とは思っていなかったイッセーに、勝ち誇った様な笑みを浮かべるゼノヴィア。

 

 

「...大したモンだ。いつの間に至ったんだ?」

 

「師匠が会議に出ている時にね。まあ、まだ30分位しか保たないんだけどね?」

 

「いや、初めてでそれだけ保てば十分さ。俺なんて最初は10分しか持たなかったからな...さっ、かかってこい」

 

 

 イッセーの言葉に応じる様に竜騎士王はその十字架の大剣を振り降ろす。

 

 刃渡りおよそ15メートルの大剣が振り下ろされると、凄まじい衝撃波によってその数百メートル先まで海が真っ二つに割れた。

 

 

「やっぱデカいのは強いな!それに速い!」

 

 

 虚空瞬動でその巨大な斬撃を躱したイッセーは、空中で詠唱を開始する

 

 

「メウス・ルブラム・ドラコ・カル!! 九つの鍵を開きて レーギャルンの筺より出で来たれ!! 『燃え盛る炎の神剣』!!」

 

 

 詠唱が終わると、イッセーの右腕に尋常では無い重圧感を垂れ流す巨大な灼熱の剣が現れる。

 

 

「ハアッ!!」

 

 

 最大出力の咸卦法で振るわれた炎の剣は、見事に竜騎士王の無手の左手首を斬り飛ばす。が、斬られた手首は即座に修復される。

 

 

「このサイズでこの再生速度かよ...」

 

 

 こういった独立稼働型の神器には再生能力は付き物であるが、コレは明らかに速過ぎる。

 

 さて、どうやって撃破したものかと考えていた所で、斬り掛かって来たゼノヴィアのデュランダルをアロンダイトで受け止めて鍔迫り合いに移る。

 

 

「なんだ、発動中でも動けるのか。つーか、アイツ随分と再生能力高いな?」

 

「“大きい”と言う事はそれだけ的になりやすいと言う事だからね、当然さ」

 

 

 平然を装っているが、ゼノヴィアは改めて自分の師匠に戦慄している。

 

 

(左手で鍔迫り合いを維持しながら、右手の剣で竜騎士王の攻撃を捌く、か。勝てる気がしないなぁ...っとお!?)

 

 

 ゼノヴィアが思考する一瞬の隙を突き、デュランダルを受け流してゼノヴィアを蹴り飛ばす。

 

 

「ぐぅッ...!ドラグナアアアアアッッ!!!」

 

 

 竜騎士王の大剣に尋常でない聖剣のオーラが集まっていく。集束した圧倒的なまでのオーラは、その余波だけで周囲の一切を薙ぎ払っていき...

 

 

「ーーーって、お馬鹿アアアアアッ!!」

 

「へぱぁっ!?」

 

 

 イッセーは神剣を消して一瞬でゼノヴィアに接近すると、全力のビンタでもってゼノヴィアの意識を刈り取る。そのビンタの勢いたるや凄まじい。

 

 まずビンタが当たった瞬間にゼノヴィアの意識は消し飛び、次に決して年頃の女の子がしてはいけない部類の顔になり、最後に音を置き去りにして宙へすっ飛んで行った

 

 

「全く...あの出力で攻撃なんてしたら、俺はともかくとして、自分とさよちゃんまで巻き込むだろうが...」

 

 

 ちなみに、竜騎士王の方はゼノヴィアの意識が消えたと同時にガラガラと崩れ、霧散していった

 

 

 

 

 

 





ハイ、と言う訳で第14話でした

今回はさよちゃん登場回とゼノヴィア禁手化回でした

さよちゃんの素の基礎スペックはイッセー君どころかゼノヴィア達よりも上です。どうしてこうなった(困惑

ゼノヴィアの禁手『葬滅の竜騎士王(デモリッシュ・キング・ドラグナー)』のモデルは『黒縄天譴明王』ですね。
禁手の内容は色々考えたのですが、やっぱりゼノヴィアの様なパワータイプにはこれが1番似合うかと思ったのでコレにしました


D×D第三期決定ですか...胸熱ですね。個人的には覇龍化の場面が気になりますね

みんな〜!7月から始まる『アカメが斬る!』絶対見てね〜!面白いよ〜!普通にメイン張れるレベルの美少女がポンポン出るよ〜!(番宣

後、4作目『アカメ斬るに転生した』もよろしくね〜!(露骨過ぎる宣伝


次回も引き続き日常回...かな?





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