ハイスクールD×Dに転生した   作:ユウタロス

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やっとテスト週間から開放された...これで執筆時間が取れる!


と、言う訳で第13話です


第13話 空耳か?

「赤龍帝ちゃんおつかれー☆」

 

「あ、セラさん」

 

 

 シトリー眷属達と軽く模擬戦をした後、イッセーは再び首都リリスの魔王城に来ていた

 

 

「今朝はソーナちゃん達の相手してくれてありがとうね♪」

 

「いえいえ、依頼を請けた以上はチャンと働きますよ。ソーナさん達は礼節もキチンとしてますからね。

 才能も有るし、ソレを腐らせない様に努力もしてます。教えてて楽しいですよ」

 

「でしょ〜!?ソーナちゃん達『冥界に下級悪魔でも通える学校を建てるんだ』って、スッゴイ頑張ってるんだよぉ♪...でも、上級悪魔達はまともに取り合ってもくれないの...」

 

「旧い悪魔達の転生悪魔や下級悪魔に対する差別は酷いですもんねぇ...」

 

 

 イッセーの言葉にセラフォルーは深いため息をついた。やはり、現魔王としては、上級悪魔達の差別意識は悩みの種なのだろう

 

 

「みんな、おんなじ悪魔なのにねぇ...」

 

「まぁ...老人ってのは、若いモンが気に食わないんでしょう。でも、新しい時代を作るのは老人じゃなくて若い奴らです。若い世代がソレを望んでいるなら、いつか実現させる事が出来ますよ」

 

「...うん、きっとそうよね.....よし!そろそろ会議に行きましょっか!遅れたらサーゼクスちゃん達に怒られちゃうわ☆」

 

「ですね」

 

 

 一旦落ち込んだセラフォルーだったが、イッセーのフォローで気を持ち直した

 

 

「うん、今日の議題は他勢力の神話勢と、京の妖怪さん達、それと、ギャスパー・ヴラディちゃんについてよ☆」

 

 

 ああ〜...そういえば、ギャスパー君はまだ処分決まって無かったんだっけ?

 

 

「うん、今はリアスちゃんの眷族から外れているのだけど、処遇はまだなの」

 

「なるほど....」

 

 

 う〜ん...『禍の団』の所為とは言え、三勢力の和平会談の妨害やらかしちゃったしなぁ...まあ、何とかしてみるか...

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「そんで?結局あの半吸血鬼の小僧はどうするんだい?アタシのおすすめは神器の剥奪だね」

 

「しかし、神器の抜き取り技術はまだ完全では無いのでは?」

 

「何言ってんだい?ソレぐらいのリスクが無きゃあ、処罰にならないじゃないか。今必要なのは『ギャスパー・ヴラディには相応の処罰が下った』って事実だろう?」

 

 

 アザゼルの言葉に苦虫を噛み潰した表情をするサーゼクス。やはり、身内が死ぬ可能性は極力減らしたいのだろう

 

 

「あ、ちょっと良いですか?」

 

「ん?イッセー、どうかしたかい?」

 

「ギャスパー君なんですけど、俺にもらえませんかね?」

 

 

 アザゼルとサーゼクスは、イッセーの言葉に目を丸くする

 

 

「...それはどう言う意味だい?」

 

「どうもこうも、文字通りの意味です。対外的には『赤龍帝とのパイプ役』って感じで」

 

「...しかし、それでは大した処罰にはならないのでは?」

 

「甘いですね。俺、世間的には『人型殺戮魔導兵器 赤龍帝』で通ってるんですよ?

 何でか知らんけど『機嫌損ねたら精神崩壊するまで拷問される』って言われてるんですよ?そんな奴とのパイプ役なんて、十分厳罰でしょう?」

 

 

 困惑気味の表情で問い掛けるサーゼクスに、イッセーは答える

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 因みにこの噂は出所は堕天使勢...と言うか、ミッテルトである

 

 以前、駒王町に侵入したとあるはぐれ悪魔がミッテルトを襲っていたのだが、そこに駆け付けたイッセーは『いたいけな少女を襲うなど...ゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!!』と、超新星・ムカおこエンドオブエンシェントジェノサイドブレイバー

 

 当時可能な限りのありとあらゆる魔法をブッパ→9割殺しのはぐれ悪魔にフェニックスの涙を使用→ブッパ→涙→ブッパ→涙→......といった具合に延々と繰り返したのだ

 

 最終的に余りにも無惨過ぎるはぐれ悪魔に、ミッテルトが『もうやめて!はぐれ悪魔のライフはゼロよ!!』と言うまで拷問は続いた

 

 

 その後、無事に保護されたミッテルトが『今代の赤龍帝はヤバい』と、一部始終を同僚達に語って聞かせた所『赤龍帝を怒らせる』⇒『気が狂うまで拷問される』と言う事になったのである

 

 

 ミッテルトを助けた翌日に、わざわざアザゼル本人が御礼に来たのはコレが原因だったりする

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「...一つ聞かせて欲しい。彼を手に入れたとして、どうするつもりだい?」

 

「え、何も?気に入ったんで鍛えてやろうかと思って」

 

 

 あっさりと答えたイッセーに拍子抜けするサーゼクス

 

 

「んで、どうします?多分、俺の案が1番丸く収まると思いますけど?」

 

「天界としては特に何も問題は無いですね」

 

「イッセーが良いならウチもそれで構わないさね。サーゼクス、どうすんだい?」

 

「...そう...だな。分かった、そうしよう。では、ギャスパー君をよろしく頼むよ、一誠君」

 

「はいはい。あ、それと一つお願いがあるんですけど」

 

「ふむ?お願いとは?」

 

「まあ、大した事じゃあ無いんですけどね?ウチの娘達を駒王学園に入れてやって欲しいんですよ。いい加減に学校通わしてあげたいんですけど、俺の通ってるのは男子高でして」

 

「ああ、それ位なら構わないよ」

 

「よし、じゃあ夏休み明けから頼みますね?出来れば同じクラスにしてやって下さい」

 

「ああ、任せてくれ。それでは、次は京の妖怪達と他勢力の神話勢についてだな」

 

「あ、俺、妖怪勢と北欧勢と仏教勢なら少しコネありますよ?アポ取る位なら多分出来ます」

 

「イッセー、北欧と仏教はともかく、アンタいつの間に妖怪とコネなんか作ったんだい?」

 

「いや~、中学の修学旅行の時にちょっと」

 

 

 ちなみに、コネと言う程では無いが、ギリシャ勢にも知り合いが居たりする

 

 

「じゃあ、ちょっとお話通しておいてくれない?勿論、キチンと報酬は出すわよ?」

 

「別に報酬は無くても良いんですけど...貰えるんなら貰っときますね」

 

 

 その後、細々とした調整を済ませて所でサーゼクスが『では、本題に入るとしよう』と言い出した

 

 

「?本題?今日はこの事について会議しに来たんじゃ無いんですか?」

 

「うん、ソレも勿論そうなんだがね....兵藤一誠君。取り敢えずコレを見てくれ」

 

 

 そう言って何らかの資料を渡してくるサーゼクス。アザゼルやミカエル達が何も言わないのを見ると、二人は承知済みなのだろう。まずは見てみようかと資料に目を落とすとーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《三勢力間和平成立記念作品 『魔法少女マジカル☆レヴィアたん THE MOVIE 〜冥界大ピンチ!? 蘇りしマジックドラゴン〜 』 シナリオ担当:セラフォルー・レヴィアタン》

 

 

 

 

 表紙にはいつも通り魔法少女コスを着たセラフォルーと、明らかにイッセーであると思われる赤い鎧を纏った人物が描かれている

 

 

「」

 

 

 瞬間、固まるイッセー。人間は自分が理解出来ないモノと直面すると思考が停止するものである

 

 見間違いではないかと思い、一旦資料を視界から外し、目を揉みほぐしてから再び資料を見る。が、そこに描かれているモノは変わらない

 

 

「..クッ..!...ブフっ...!!」

 

「ちょっ..!..笑うなヴァーリ...ブフッ!」

 

 

 アザゼルが堪え切れずに吹き出したヴァーリを注意するが、自分だって堪え切れていない

 

 

「どうだろう、一誠君?君には是非『マジックドラゴン』としてこの映画に出演して欲しいんだ」

 

「バカじゃねーの?」

 

 

 したり顔で聞いてくるサーゼクスをバッサリと斬り捨てるイッセー

 

 

「え~?ドコがダメなの〜?」

 

「全部だよ。ってゆーか、何で和平成立して1、2ヶ月でもうシナリオ完成してんだよ?」

 

「頑張りました☆」

 

 

 イッセーの問いに横チェキしながらテヘペろで答えるセラフォルー。頑張るべき所が間違っちゃいないだろうか?

 

 

「慌てるのは早いぞ、一誠君。ページをめくってみたまえ」

 

「はぁ...?」

 

 

 取り敢えず、言われた通りに次のページを開くとーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《同時上映 『劇場版 魔王戦隊サタンレンジャー 〜マジックドラゴンの遺産〜 』 シナリオ担当:サーゼクス・ルシファー》

 

 

 

 

「この映画はセラフォルーの『魔法少女マジカル☆レヴィアたん』とのコラボレーションになっていてだね...」

 

「お前らホントにバカじゃねーの?」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 その後、ドライグとアルビオン、ヴァーリ達に『イッセーのカッコイイ活躍が見たい!』と延々とねだられたイッセーは、出演料もガッツリ弾むとの言葉に、渋々ながら出演を決めたのだった

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「はぁ...映画か...」

 

「イイじゃん、イッセー君もコレでスターの仲間入りだよ?」

 

 

 三大勢力との会議が終わり、現在俺はヴァーリと共に帰宅途中である

 

 

「別にスターなんて興味無いし...」

 

 

 はぁ...面倒だなぁ...

 

 

「...あ、そうだ。ちょっと連絡しとかないと...」

 

「?どしたのイッセー君?」

 

「いや、ギャスパー君と妖怪達の事でちょっとね」

 

 

 携帯を取り出して電話をかける。繋がってくれると良いんだけど...そこそこ忙しい人だしな

 

 

【はい、もしもし?】

 

「あ、お久しぶりです月音さん。兵藤一誠です」

 

 

 電話の相手は青野月音(あおの つくね)。数年前にとある事情で知り合いになった、元人間の真祖の吸血鬼だ

 

 

【あれ、イッセー?久し振りじゃん、どうしたのさ?】

 

「実は色々あって1人半吸血鬼の子の面倒見る事になりまして...出来たら、ちょいと鍛えてあげてくれないかなー...って思いまして」

 

【ああ〜、また何か厄介事引き受けたの?】

 

「いや~、アッハッハッハ.....それで、どうでしょう?引き受けたは良いんですけど、俺じゃあどうしても妖力の類は教えられなくって...勿論、キチンと報酬は出します」

 

【う~ん...分かった、引き受けるよ。イッセーには世話になったしね】

 

「ありがとうございます。じゃあ、本人の詳しい情報は後で送りますんで」

 

【うん、オッケー。それじゃあ】

 

「ハイ、ど~も〜」

 

 

 ピッ!と電話を切る。普通、この手の依頼は資料を見せてから依頼するべきなので断られると思ったのだが...多分、気を使ってくれたんだろうなぁ...報酬はそれなりに色付けないとな

 

 

「後は...玉藻さんか」

 

 

 気が重いが仕事なのでしょうがない。そう腹をくくって岸波家に電話をかける

 

 

「あ、もしもし?兵藤一誠ですけど...」

 

【イッセー?どうかしたのか?】

 

 

 電話に出たのは白野

 

 

「実はちょっと玉藻さんに頼みたい事があるんだけど...」

 

【あ〜...タマモは、今ちょっと...】

 

 

 ?歯切れの悪い返事だな...なんかあったのだろうか?

 

 

【うん、実は「奏者ー!」うわっ!?】

 

 

 ん?今の声誰だ?

 

 

【ちょ、ちょっと!タオル!タオルはどうしたのさ!?「む?なぜその様な物を纏わなければならぬ?余の身体に隠すべき所など「ああーーッ!?ご主人様に何してんだこの淫蕩がアアlaaaaaaッ!」あ、ちょ、タマモッ!呪符はだm】

 

 

 ぶつんッ!と唐突に通話が切れる。なんか、切れる直前に爆音が聞こえた気がしたが...

 

 

「.....今日は忙しいみたいだし、明日にするか!」

 

「?良いの?」

 

「良いんです」

 

 

 いや、だって何か取り込み中っぽいじゃん?他所様の家庭事情に首突っ込むべきじゃないジャン?

 

 

「べ、別にビビった訳じゃ無いんだからね!」

 

「じゃあ、その膝の震えは何なのさ?」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ただいまー」

 

「お邪魔しまーす!」

 

「あ、イッセー君おかえりー!それと、いらっしゃいヴァーリさん!」

 

「お帰りなさい、マスター、ヴァーリさん」

 

 

 出迎えたのはイリナと祐斗だけ。アーシアとゼノヴィアはどうしたのだろうか?

 

 

「二人なら小梅ちゃんとレイナーレ達と一緒に映画見に行ってるわよ?」

 

 

 へ~。二人は何で残ったんだろ?

 

 

「いや~私、ホラーはどうにも苦手で...」

 

「私も...」

 

 

 あれ?レイナーレ、ホラーなのに見に行ったのか?

 

 

「あはは...どうも知らなかったみたいで...」

 

「『ホラー見に行く』って聞いた時の顔を見せてあげたかったわ!雷が効かなかったルフィを見た時のエネルみたいな顔してたもの」

 

 

何ソレ凄く見たい

 

 

「レイナーレwwwご愁傷さまwww」

 

 

 草生やすなヴァーリ

 

 

「それじゃあ、みんなは夕飯どうするんだ?ってゆーか、みんなここ2日何食ってた?」

 

「う~ん、ピザとかお蕎麦とかラーメンとかお寿司とか...」

 

 

 要は全部店屋物かい。4人も女子が居て誰一人として料理出来ないってどうなん?

 

 

「いや~、耳が痛い!」テヘペろ

 

「うぅ...スミマセン、マスター...」

 

「祐斗は良い。おい、正座しろ食っちゃ寝1号」

 

「ええ〜?何で私はダメなのよ〜?」

 

「ウチに来てからの生活態度を考えてから言え」

 

「むぅ.....」

 

 

 頬を膨らませて唸るイリナ。カワイイなオイ

 

 

「悔しかったら自分の部屋の掃除くらい自分でやれ。気付かれてないと思ってるんだろうけど、いっつもアーシアに掃除手伝ってもらってんの知ってるんだぞ?」

 

「うっ.....!」

 

「その点祐斗って凄いよな、料理以外何でも出来るもん。ホント、いつもありがとな」

 

「え、えっと、そんなに大した事では...淑女としての最低限の事ですし.....」

 

「ごふっ...!?」

 

「それに、マスターのお役に立つのは、養って頂いてる身としては、当然の事と言いますか...」

 

「ぎゃふんっ!?」

 

 

 言葉って凄いよな、直接批難してる訳じゃ無くてもガッツリダメージ入るんだもん

 

 

「まあ、そういう訳だ。今後は部屋の掃除位一人で頑張れ」

 

「うぅ...了解...」

 

 

 ガックリと肩を落としながら返事するイリナ。まあ、元男に女子力で負けたらそうなるわな

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 ーーーガチャッーーー

 

 

 魔法金属の整理をしていると、玄関が開く音が聞こえてきた

 

 

「ただいま」

 

「ただいまです!」

 

「ただいまッスー!」

 

「お、お邪魔、します」

 

「.....ただいま...」

 

 

 おお、みんな帰ってきたのか

 

 

「みんなお帰りー」

 

「あ、イッセーさん!お帰りなさい!」

 

「お帰り、師匠」

 

「あ、イッセーさん、お邪魔してるっスよー」

 

「い、イッセーさん。お、お邪魔、してます...ッ!」

 

「......お邪魔してます....」

 

 

 レイナーレのテンションが半端無く低いんですけど。何がそんなに怖いのだろうか?

 

 幽霊なんて、所詮はただの人だったモノなんだから、レイナーレの方が遥かに強いぞ?

 

 

「そう言う問題じゃないのッ!!怖いモノは怖いの!!」

 

 

 幽霊が怖い堕天使なんてお前以外で聞いた事ねぇよ。まあ、それはいいとして.....

 

 

「みんな今日は泊まってくのか?」

 

「ハイ、お世話になるッス!」

 

「い、良いん、ですか...?」

 

「勿論。ただし、親御さんの許可が降りたらね?」

 

「は、ハイッ!聞いて、みます...ッ!」

 

 

 ぱたぱたと電話に向う小梅ちゃん。うむ、可愛らしい

 

 

「んで?レイナーレはどうすんの?」

 

「泊まる。絶対泊まる。何が何でも泊まる」

 

「そんなに怖いか....まあ、いいや。みんな夕飯何食べたい?」

 

「ハンバーグ!!」ドライグ

 

「ハンバーグ!!」アルビオン

 

「コロッケ!!」ミッテルト

 

「私はイッセーさんのお料理だったら何でも構わないです」アーシア

 

「うん、私もそうだね」ゼノヴィア

 

「私はコロッケがいいかなぁ」イリナ

 

「私もです」祐斗

 

「私はハンバーグ」ヴァーリ

 

「えっと、私も、ハンバーグで...」小梅ちゃん

 

 

 

 ふむ、4対2でハンバーグか。って言うか、小梅ちゃん、親御さんはどうだった?

 

 

「め、『迷惑掛けない様に』って...」

 

 

 つまりオッケーな訳ね。はい了解

 

 

「じゃあ、買い出し行ってくるわ。他に何か必要な物は?」

 

「あ!イッセーさん、シャンプーと柔軟剤がそろそろ切れそうです!」

 

「麦茶のパックも無くなりそうだな」

 

「ん、了解。じゃあ、行ってくる」

 

「あ、相棒!私も行く!」

 

「私も行くぞイッセー!」

 

 

 と言う訳で、レッツゴースーパーいけいけゴーゴー

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 シャンプー買った、柔軟剤買った、麦茶買った、ハンバーグの材料買った

 

 

「うん、コレで全部かな?」

 

「相棒ー!」

 

 

 トテトテとコチラに駆け寄ってくるドライグ。その手にはイチゴ牛乳2リットルタイプ×6

 

 

「置いてきなさい」

 

「ヤダっ!!」

 

 

 ヤダっ!!じゃないだろヤダっ!!じゃ...

 

 

「ドライグ、ワガママ言うなら今後一切イチゴ牛乳買わないぞ?」

 

「おい赤いの!イッセーに迷惑かけるな!」

 

「そう言うアルビオンもカルピス置いてこような?」

 

「うぅ...」

 

 

 眉間にシワを寄せながら、それでも二人はジュースを手放さない。そのまましばらく何かを考え込んだかと思うと、急にドヤ顔で俺の顔を見る

 

 

「相棒!ひょっとしたら明日大地震があるかもしれない。そうなると、当然入荷は遅れてしまい、在庫が無くなると、次はいつ買えるか分からない。

 しかし、それでは相棒が『イチゴ牛乳は週に1本』の約束が守れなくなってしまう。私は相棒をウソつきにはしたくないんだ。

 ーーーと言う訳で、相棒コレ買ってくれ」

 

「どういう訳だよ」

 

 

 何でそんな屁理屈でドヤ顔してるんだよ?通る訳無いだろうが

 

 

「...ヒック..」

 

 

 おい、ちょっと待て泣くなよアルビオン!?俺が悪いみたいになるだろ!!

 

 

「泣いて...ヒック...ないもん...」

 

 

 そう言いながらも目に涙を溜めるアルビオン。コイツほんとにドラゴンかよコンチクショー

 

 

「あーもー分かった、分かった!!買っていいよ、もう!!」

 

「...いいのか....?」

 

「ただし、飲むのは週に1本だからな?」

 

「...ん」

 

 

 はぁ...なんか、最近このロリッ娘達を甘やかし過ぎてる気がする。つーかホントにこのロリッ娘共は二天龍なのだろうか...

 

 

「さて、じゃあ帰る...おわっと!」

 

 

 レジに向かおうとした所で、曲がり角から現れた人にぶつかってしまった

 

 

「あ、スイマセン!」

 

「いやいや、お気になさら...ず....」

 

 

 相手はすぐに謝ってきたが、正直、その人の買い物カゴの中が気になってしょうがない

 

 

「?あの、何か...?」

 

 

 その買い物カゴの中は数え切れない程の金属フォークが入っていたのである

 

 

「あの...?」

 

「あ、いえ、何でも無いです。それでは」

 

 

 おっと、ジロジロ見過ぎた

 

 怪訝そうな顔をするその人から離れてレジに向かった俺達だった

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「相棒!ハンバーグはみでぃあむれあで頼むぞ?」

 

「イッセー!私はうぇるだんがいいぞ!」

 

「はいはい」

 

 

 ご機嫌で歩いていくドライグとアルビオン。ハンバーグ1つでここまで喜ぶとは...

 

 

『...アノ~...』

 

 

 ん?今誰かに呼ばれた様な...?

 

 振り向いて見るが、そこには誰もいない

 

 

「相棒ー?」

 

「どうしたんだー?」

 

「いや、今誰かに呼ばれた様な...」

 

「私には聞こえなかったぞ?」

 

「空耳じゃないのか?」

 

 

 う~ん、やっぱ空耳か...?

 

 

「...まぁ、いっか。さっ、帰るぞ二人共」

 

「「おう!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.............ヤッパリ、キコエテルンダ....!』

 

 

 





ハイ、と言う訳で第13話でした


読者よ、第10話で『後3話位でルフェイちゃんが登場します』と言ったな、あれは嘘だ


 ...いえ、最初はちゃんと出そうと思ったんですけど、予想以上に会議の所で時間かかっちゃいまして....

 ちゃんと夏休み中には登場させてあげるのでご安心下さい

今回はギャスパー君の今後回、新キャラと過去キャラの登場回になりましたね


そして晴れてメディアデビューするイッセー君

原作の一誠君は『おっぱいドラゴン』でしたが、ウチのイッセー君は『マジックドラゴン』になりました

デビュー作が劇場作品とは、随分と恵まれてますね(笑)


第7話でアーシアが言っていた『真祖の吸血鬼』が月音クンの事だと予想出来ていた人はいたのだろうか?いや、いないはず!

そして、いつの間にか登場していた赤わんこ事ネロさん(笑)

主人公を差し置いてドンドン修羅場に突入していくザビ男の明日はどっちだ!?



ちなみに、1番最後に出て来たのは皆ご存知の『あの子』です

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