ハイスクールD×Dに転生した   作:ユウタロス

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今月のドラマガに乗っていたシーグヴァイラさんの挿絵が想像以上に好みでした


と、言う訳で第12話です


第12話 何...だと...

「ーーーって言う訳でさ、今度新設する予定の対テロチームの教官役をする事になったんだ」、

【へ~。まあ、イッセー君の実力なら妥当な所じゃない?】

 

「うん、まあ、ソレは良いんだけどさ。イリナ、お前達にも参加要請が来てるんだが、どうする?」

 

【え、私達にも来てるの?.....ねえ、イッセー君。正直に言って、私達で勤まると思う?】

 

 

 うーむ、どうだろう?まだ参加予定の相手の情報が全然無いから何とも言えない。

 しかし、今のイリナ達の実力なら、特殊能力の類を持たない上級悪魔程度なら何の問題も無く撃破出来る事は確かだ

 

 

【う~ん...】

 

「別に今すぐ決める必要は無いぞ?アーシア達とも相談しなくちゃいけないしな」

 

【そうね。取り敢えず、何日か考えさせてちょうだい。みんなと相談してから決めるわ】

 

「ん、了解。それじゃ、キチンと戸締まりしてから寝ろよ?おやすみ、イリナ」

 

【は~い!お休みなさい、イッセー君!】

 

 

 ピッ!という音と共に画面が消える。取り敢えず、イリナ達は保留だな

 

 

「はぁ~...やれやれ、会議ってのはホントに疲れるなぁ...」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 現在、俺はシトリー家の邸宅に居る。理由は簡単、セラさんが手配した宿と言うのがココだったのである

 

 

「しっかし、広過ぎて落ち着かないな...」

 

 

 魔王の賓客という事で、最上級の客室へと通されたのだが、コレがメチャクチャ広いのだ。我が兵藤家の自室の5倍は広い。しかも、風呂やらキッチンやら寝室とリビングやら...生活に必要そうなモノは全て完備されている

 

 当然こんな広い部屋に一人っきりでは落ち着く訳も無く、さっきからずっとソワソワしっぱなしなのである

 

 

「しょうがない、ちょっと散歩にでも行ってくるかな...」

 

 

部屋の扉に『少し散歩に行って来ます』と書いたメモを貼り付けて、部屋の外へと出た

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 シトリー低の外に出て、しばらく歩く。うん、程よく冷たい夜風が心地いいな

 

 

「は~...およ、湖だ」

 

 

 そのまましばらく歩いた所で、そこそこ大きい湖を見つけた。ちょうど良い、ちょっと夜釣りでも楽しんでいくかな?

 

 

「持ってて良かった、異次元倉庫〜♪」

 

 

 毎度おなじみの倉庫から釣具や椅子等を取り出す。よし、コレで準備万端だ

 

 そのまま釣糸を湖面に垂らす。さてさて、何が釣れるかな?

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「お、イナダっぽい奴16匹目フィッシュ。いい湖だ、面白い様に魚が釣れる」

 

 

 いや~、大量大量。ホントに面白い位釣れるなーココ。まあ、湖だからイナダじゃないだろうけど、と、17匹目フィィィイッシュ!!

 

 

 ーーーガサガサ...ーーー

 

 

「ん?」

 

 

 何だ?なんか物音がしたな。誰か俺の事探しに来たか?

 

 

「ミィィ〜」

 

 

 背後の森から現れたのは、綺麗な黒猫だった

 

 

「何だ猫か。どうした黒猫〜?」

 

「にゃう〜」

 

 

 黒猫は俺の近くまで寄って来ると、地面に座って俺が今釣り上げたイナダっぽい魚を、じぃ〜...っと眺め始めた

 

 

「?コイツが欲しいのか?」

 

「にゃん!」

 

 

 鳴き声と共に、力強く頷く黒猫。コイツ、俺の言葉が分かるのか?

 

 うーむ、別にあげても良いんだが、寄生虫とかが怖いな....

 

 

「ふむ、黒猫よ、ちょっと待ってろよ?」

 

「うにゃ?」

 

 

 魔法で真水を発生させて魚を洗い、倉庫から包丁とまな板、七輪と炭を取り出して、捌いていく

 

 

「『火よ灯れ』」

 

 

 炭に火を着けて七輪に放り込み、金網を載せてイナダっぽい魚を軽く炙っていく

 

 

「...よし、もう良いかな。黒猫〜コッチおいで〜」

 

「にゃ〜」

 

「よしよし、たんとお食べ」

 

「ニャン!」

 

 

 適当な皿に炙ったイナダ(仮)を乗せて黒猫の前に置く

 

 

「うにゃッ!うにゃッ!」まぐまぐ

 

 

 凄い勢いで魚を食べる黒猫。お腹すいてたのか?

 

 

「そんなガッつか無くても大丈夫だって...」

 

「うまいにゃ〜」

 

「え!?」

 

 

 月の方を向いていると、黒猫の方から声が聞こえた。慌ててソッチを見るが、居るのは魚をガッつく黒猫ばかり

 

 

「...空耳、か?」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「...ふう、そろそろ帰るかな」

 

 

 その後30分程釣りを続け、釣果はイナダ(仮)が30匹程(内5匹は黒猫が食べた)だった

 

 流石にそろそろ戻らないと要らん心配を掛けさせるかもしれないので戻る事にする

 

 

「つー訳で、そろそろ退いてくれ」

 

「にゃ?うにゃーお!」

 

 

 俺の膝の上で丸くなっていたクロ(黒猫の名前、俺が勝手にそう呼んでいる)に告げると、クロはぴょん!と飛び降りる

 

 

「にゃ〜にゃ〜」

 

 

 俺を見ながら、じゃ〜ね〜みたいな鳴き声をし、尻尾をフリフリとしたクロは、そのまま森の中へと駆けていった。さて、帰るか

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 夜釣りから帰ってきて、『さあ、寝よう』と思っていたのだが.....

 

 

「.......」

 

 

 ベッドが明らかに膨らんでいる。ついでに言うと、長い銀髪がベッドから垂れている

 

 

「......」

 

 

 無言でベッドに近づき、掛け布団を剥がすと...

 

 

「むにゃ...えへへぇ...イッセーくん...♡」

 

 

 何故か、“俺の”Yシャツを着て寝ているヴァーリが居た。下はパンツのみ。誘ってんのかオイ

 

 

「...はぁ~、しょうがない...」

 

 

 叩き起こしてやろうかと思っていたのだが、あまりにも幸せそうな寝顔のヴァーリを見てしまったので、見逃す事にした

 

 

「全く、カワイイ顔で無防備に寝ちゃいおって...」

 

 

 眠ってるヴァーリの頭を撫でると、ふわっと、ほのかに甘い香りが漂ってくる。うわ~女の子の香りだ〜

 

 こんな無防備な美少女と一緒のベッドで寝る訳にはいかない。人様の家で美少女を襲ったなんて事になったら首を括らなければならない

 

 え?ドライグ達とは寝てるだろって?幼女は良いんだよ、アレは愛でる者だからな

 

 

「.....おやすみ、ヴァーリ」

 

 

 ヴァーリに布団を掛け直し、自分はソファーで寝たのだった

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

『おーい、イッセー。起きてるかーい?』

 

「...ぬぅ」

 

 

 翌朝、俺を呼びに来たアザゼルさんの声で目が覚めた。うおー...結構寝ったっぽいな...さて、顔洗わなければ...

 

 

 ーーーむにゅっ♡ーーー

 

 

「...ゃん♡」

 

「.....」

 

 

 ...何だろう、右手が凄くスベスベでモッチモチのナニかに触れた。若干寝惚けていた意識が急速に覚醒していく。それと同時に、身体に掛かる重みに気付く。具体的に言うと、10代の少女が俺の上に乗っている様な.....

 

 

「おーい、何やってんだいイッセー?」

 

 

 ッ!?しまった、アザゼルさんが部屋に入って来てしまった!

 

 

「あ、あはは!おはようございます、アザゼルさん!」

 

「おう、おはよう。なんか、セラフォルーの奴が呼んでるぞ?それと、ヴァーリの奴を知らないかい?部屋に居ないんだよ」

 

 

 ヴァーリですか?ココで俺に抱き着きながら寝てます。右手がふとももに挟まれてて、すんごい柔らかくて気持ちいいです。

 

 

「い、いや~ちょっとワカンナイデスネ〜。今着替えるんで、先行ってて下さい」

 

「そうかい?それじゃ、アタs「うみゅぅ...♡」ん?」

 

(オイィィィッ!!頼むから喋んないでヴァーリィィィィ!!)

 

 

 急いでヴァーリの口を手で覆う。が、あろう事かヴァーリはその手をチュパチュパとしゃぶりだした

 

 

(ちょっとおおおおおッッ!!何してんのおおおおおッッ!?)

 

「今ヴァーリの声がしなかったかい?」

 

「え?俺には聞こえなかったッスねー?空耳じゃないッスか?(やめろおおおおッッ!!その舌を引っ込めろおおおおおッッ!!)」

 

「んー、確かに聞こえた気がしたんだが...」

 

 

 ハヤクデロハヤクデロハヤクデロハヤクデロ....

 

 

「まあ、空耳なんて誰にでも有りますよ!じゃあ、今着替えるんで先行ってて下さい!(早く部屋から出て行けええええッッ!!300円あげるからあああああッッ!!)」

 

「おう。じゃあ、ヴァーリ見付けたら教えとくれ」

 

 

 そう言うと、アザゼルさんは部屋を出て行った

 

 

「...はぁ~、危なかった...二重の意味で危なかった」

 

 

 ヴァーリにしゃぶられてた指を引き抜く。美少女に指をしゃぶられるとか、どんなプレイだ。ソレを表情に出さないで耐えろとか、どんな拷問だ

 

 

「具体的に言うと?」

 

「アザゼルさんに勘違いされるのと、勘違いが勘違いで済まなくなりそうだった...」

 

「つまり?」

 

「だーから、ヴァーリに手を出し...そうに...」

 

 

 ...今、俺は誰と話していた?

 

 

「にへへ〜♡イッセー君、私に手を出しそうになったんだ〜♡」

 

 

 声のした方を見ると、ソコにはニヤニヤと緩みきった笑みを浮かべるヴァーリの姿が!チクショウ、カワイイなオイ.....ッッ!!

 

 

「......いつからだ...!いつから起きていた...!?」

 

 

 まさか、最初から起きていたとでも...ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?昨日イッセー君が釣りから帰ってきた時からだよ?」

 

「何...だと...」

 

 

 最初から所じゃ無いじゃないですかやーだー!

 

 

「ふっふっふ...イッセー君の温もりはしっかり堪能させてもらったよ!一晩中!」

 

 

 寝ろよ!アホかこの娘は!?

 

 

「勿論!イッセー君が『カワイイ』って言ってくれたのもバッチリ聞いてます!録音もしてます!録画もしてます!」

 

「消せぇッ!!!」

 

 

 何やらかしてくれてんの!?

 

 

「残念ッッ!!録音、録画してたのはアザゼルでしたッッ!!」

 

「なn(ry」

 

 

 アザゼルさんもグルだと...!?じゃ、じゃあ、さっきのも...!

 

 

「ヤラセです!」

 

 

 よくもだましたアアアア!!だましてくれたなアアアアア!!

 

 

「でも、セラフォルーさんが用事が有るのはホントだと思うよ?」

 

「ソコじゃねーよ!」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ーーーという訳でね?赤龍帝ちゃんにはソーナちゃん達に戦技教導の体験版を実施してあげて欲しいんだー☆」

 

 

 ドーモ、イッセーです。現在、セラさんとお仕事のお話中です

 

「ふむ...まあ、構いませんよ?教導っていうと、実戦形式で良いんですか?」

 

「うん!ソーナちゃん達も対テロチームに選ばれたんだし、格上との勝負を経験しておいて欲しいの☆」

 

 

 なるほど、確かにやっておいて損はしないな。チームの設立はまだ先だけど、それまでに地力は上げられるだけ上げておいた方が良いしね

 

 

「でも、流石にいきなり実戦形式だと俺が瞬殺して終わりですよ?」

 

「う~ん...じゃあ、制限時間30分でハンデとして赤龍帝ちゃんは開始15分は動かないであげて☆

あ!それと、会談の時に使った電撃とアロンダイトは禁止でお願い☆」

 

 

 あ~、確かにアレ使ったらホントに瞬殺だもんな

 

 

「了解です。じゃあ、ソーナさん達に準備する様に言っておいて下さい。俺は転移でアーシア呼んできますんで」

 

「オッケー☆」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

試合開始12分後

 

 

 

「おおオッ!」

 

 

 由良翼紗がイッセーに正面から突進を仕掛ける。『戦車』の特性である怪力でもって一気に弾き飛ばそうと言う魂胆なのだろう

 

 

「もらいますッ!!」

 

 

 さらに、プロモーションによって『戦車』へと変化した仁村留流子がツバサに合わせて左から突っ込んで来た

 

 

「ふん」

 

 

 が、しかし。イッセーは正面から突っ込んで来たツバサを右手で、左からのルルコの一撃は左手で軽々と受け止める

 

 

「なっ...!?」

 

「マジですか?」

 

 

 全力では無いが、それなりに力を込めて放った攻撃を片手で安々と受け止められた事に二人は驚愕の表情を浮かべて固まってしまい、次の行動に移るのが遅れる

 

 

「近接格闘中に動きを止めるなッ!!」

 

 

 当然、イッセーがそんな隙を見逃す筈が無い。ルルコの頭を掴むと、逃げられない様にガッシリ腕を掴んでいたツバサに思いっきり叩き付けた 

 

 

「ガッ...!」

 

「ギャウッ!?」

 

 

 しかし、それだけでは終わらない

 

 

「メウス・ルブラム・ドラコ・カル 『白き雷』」

 

 

 イッセーは、地面に叩きつけられたツバサとルルコに白き雷で追い討ちを掛ける。

 

 

ーーーバチンッッッ!!!ーーー

 

 

『ソーナ・シトリー様の『兵士』、『戦車』撃破(テイク)

 

 

 白き雷が直撃すると、二人の身体がパァッと輝き消失する。それと同時に二人の撃破を告げるアナウンスが聞こえてきた

 

 

「メウス・ルブラム・ドラコ・カル 『氷盾』」

 

 

 不意に、イッセーは確認もせずに背後に障壁を張る。すると、突然地面から魔力弾が発生。そのままイッセーに向かっていくが、氷盾に弾き飛ばされ、あらぬ方向へ飛んでいく

 

 

「ウソっ...!?」

 

 

 弾かれた魔力弾が向かった林から、少女の驚愕の声が聞こえる。そして、魔力弾が直撃する直前に『僧侶』花戒桃が慌てて飛び出して来た

 

 

「魔力弾を跳弾させて相手に攻撃するって、ドンだけなのよ!?」

 

「メウス・ルブラム・ドラコ・カル 『魔法の射手 収束・氷の23矢』」

 

 

 モモの叫びをスルーしつつ、魔法の射手を放つイッセー。ソレを避けようと逃げるモモだが、魔法の射手は追尾性を持っているので避けられそうも無い

 

 

「どりゃああああッッ!!!」

 

「元ちゃん!?」

 

 

 とうとう魔法の射手が直撃しそうになった瞬間、飛び出して来たサジが『黒い龍脈』でモモを引き寄せる。さらに、魔法の射手をネット状に展開させたラインで吸収した

 

 イッセーは、サジが一瞬で23本分の魔法の射手を吸収したのを見ると、感心した、という様な表情を浮かべた

 

 

「へぇ!だいぶ上達したじゃないか!」

 

「へッ!ソイツはどうも...!!」

 

 

 そのまま睨み合っていると、不意にアナウンスが流れてきた。それと同時に、サジがモモを抱き抱える

 

 そうして自分の周囲にラインを張り巡らせたかと思うと、後ろに下がりながらラインのテンションを上げ、パチンコの様に一気に空中へと飛び上がった

 

 恐らく、ソーナ・シトリーの元へ向かったのだろう

 

 

『試合開始より15分が経過しました。只今を持って、兵藤一誠様の拘束を解除します』

 

 

 バシュンッ!と音を立てて、イッセーをその場に拘束していた鎖が外れる。鎖が外れたのを確認すると、イッセーはサジ達が向かった方角を向く

 

 

「ふむ。それじゃあ、征くとするかな?」

 

 

 イッセーは呟くと、グッと踏ん張り、足に魔力を集中させる。キュキュキュキュキュキュ....という甲高い音が周囲に響き渡り、足元がビシッ、ビキッ...とひび割れていく

 

 

「『縮地无彊』!!」

 

 

 イッセーは脚部の魔力を開放すると、凄まじい速度で跳躍する。そして、イッセーの身体はガオンッ、という音と共に音速を突破し、周囲をソニックブームで薙ぎ払いながら一気にソーナ・シトリーの元へと向かった

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「はい、お疲れ様で〜す。反省会やるよ〜」

 

『.....お疲れ様です....』

 

「何だ何だ、どうしたみんな?元気が無いぞ?ちゃんとアーシアに傷の治療はしてもらったでしょう?」

 

 

 床に転がっているのは満身創痍といった有り様のシトリー眷属達。まさに死屍累々といった様子である

 

 あの後、縮地无彊で一気に相手の拠点に乗り込み、残っていた眷属全員対俺の近接戦闘戦になったのだ。まあ、咸卦法のお陰であっと言う間にノシちゃったんだけどね

 

 

「じゃあまず、仁村と由良からな」

 

『.....はい』

 

「まず、能力の分からない相手にいきなり突っ込むな。大方、『俺は魔法使いだから素手なら接近戦で簡単に倒せる』とか思ったんだろ?」

 

「う、うん.....」

 

「そうです....」

 

「そういう慢心は捨てろ。人間でもお前らより強い奴なんて腐る程いる。上を知れ。

後、攻撃が通用しなかった位で固まるな。実戦だったら死んでるぞ?」

 

『はい...』

 

「最後、お前ら打たれ弱過ぎるぞ?『戦車』だったら|アレ≪白き雷≫の2、3発は耐えて魅せろ。『戦車』にプロモーションしてた仁村もな。分かったか?」

 

『分かったよ(です)』

 

「よし。次、花戒」

 

「は、はいッ!」

 

「お前、何で林から出て来た?」

 

「え?だって、居場所がバレたから...」

 

「あの時の俺は動けなかったんだぞ?わざわざ林から出て来る必要は無かった。逃げ回るんなら林の中を逃げれば良かったハズだぞ?その方が、俺も狙いが付けづらかった」

 

「あ!確かに!」

 

「今後は気をつけろ。格下相手ならそれでも構わんが、格上の前に無策で出るのは無謀の極みだ。次、サジ」

 

「おう!」

 

「だいぶ神器の扱いが上達したな?ちゃんと魔法も吸収出来てる。さっきの地面からの魔力弾は土の中にラインを伸ばし、『僧侶』に撃たせた魔力弾をラインで輸送したんだろう?」

 

「へッ!まあ「ただし、お前は致命的な失敗を犯した」え?な、何がだ?」

 

「俺が開放された直後に逃げたのはいい。ラインも上手に使えていた。問題なのは、お前が真っ直ぐソーナさんの元に向かった事だ」

 

「...?何がマズいんだ?」

 

「アホ、お前達は30分間逃げ切れば勝ちなんだぞ?あそこは正反対の方向に向かって、少しでも俺を陽動しておくべきだろうが。なに自分の本拠地バラしてんだよ」

 

「...あッ!!」

 

 

 やれやれ...

 

 

「次は神羅さんです」

 

「はい、何がマズかったでしょうか?」

 

「まあ、強いて言うなら神器の使い方ですね。『追憶の鏡』でしたっけ?確かに『破壊した際の衝撃を倍返しする』って効果は強力ですけど、返せるのはあくまでも衝撃だけですからね」

 

 

 別に衝撃を与えなくても鏡を壊すなんて簡単だしね。加熱して冷却すれば勝手に壊れるし、純粋なエネルギー攻撃なら簡単に突破出来る

 

 

「それに、鏡が壊れるギリギリの威力で攻撃すれば対して脅威にならないし、そもそもアレは近接戦闘中に使うには大き過ぎます。壊した時点で衝撃を返せるなら、わざわざ大きくする必要は無いでしょう?」

 

「なるほど...確かにその通りですね」

 

「個人的には、デカい鏡を1枚よりも小さい鏡を沢山の方が厄介ですね。それで、自由に動かせたりしたら最高の一言に尽きます。カウンターファンネルとかヤバ過ぎですから」

 

「...そんな事、思い付きもしませんでした。凄いですね、兵藤一誠君.....後、カウンターファンネルとは何ですか?」

 

 

 ああ〜...そう言えば、ガンダム無いんだっけ...何だっけ、ダンガムとか言うパチモンしか無いんだよなぁ...

 

 

「ああ〜、まあ、気にしないで下さい。とにかく、問題点はそれぐらいなんで、頑張って見て下さい。巡と草下については特に問題は無いな。強いて言うならもっと耐久性を上げろ。最後はソーナさんです。良いですか?」

 

「ええ、お願いします」

 

「では...ソーナさんは指揮能力等は問題ありませんね、『王』としての素質は十分あると思います(どっかの無能とは違って)。ただ、1つ気になったのは戦闘能力についてですね」

 

「...やはり、そうですか...」

 

 

 あ、やっぱし気にしてましたか...

 

 ソーナさん、指揮や作戦立案なんかの『王』としての能力は十分有るんだけど、本人の戦闘能力だけは今一つパッとしないんだよなぁ...

 

 まあ、基本は頭脳労働だし『王が直接戦わなければならない時点で敗け』って、考えは分かるんだけど、やっぱりもうチョット本人の戦闘能力が欲しいよなぁ...

 

 

「...確か、ソーナさんは水を使った魔力が一番得意なんですよね?」

 

「え?あ、はい」

 

「ふむ...ソーナさん、ウォーターカッターと水蒸気爆発って、知ってますか?」

 

「!!...なるほど、確かにソレならPower不足は解消できます...!!」

 

「まあ、何の捻りもなく水や魔力弾を叩き付けるよりはよっぽど威力は出ますね。後は、セラさんみたいに空気中の水分を直接操作できるようになれば、なお良いですね」

 

「分かりました。ソレを今後の課題として努力していきましょう」

 

 

 まあ、あくまでも『王』の仕事は眷属達の指揮だから、そこまで本人が強くなる必要は無いけど.....実戦ではそうも言ってられないからね

 

 

「じゃ、取り敢えずコレで『Hyodo's Boot Camp 出張お試し版』は終了です。お疲れ様でした〜」

 

『お疲れ様でした!!』

 

 

 さて、この後はまた会議か.....メンドクセー...

 

 

 

 

 

 




ハイ、という訳で第12話でした


今回はヴァーリちゃんのターン!回とソーナたんパーティーの特訓会でした

しかし、シーグヴァイラさんはロボットマニアですか..... 閃 い た !!


次回はギャー君回です


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