ハイスクールD×Dに転生した   作:ユウタロス

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お待たせしました!


と言う訳で、第10話です


第10話 帰れ

 

 

「ーーーと言う訳でして、どうか私を弟子に....」

 

「帰れ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

30分後

 

 

「はぁ...やっと帰ったよ...」

 

 

 先日の会談以来、一日に3回はさっきの様に弟子入り希望の魔術師がやってくるようになってしまった。

 電話は日に20回はかかってくるし、書類に到っては日に40通は届く。いいかげんウンザリしてきた.....それもこれも全部悪魔側のせいである

 

 

「おのれ悪魔陣営.....!!」

 

 

 事の発端はコカビエル襲来時にまで遡る。あの日、コカビエルが連行された後にサーゼクスさんが報告を受けたそうなのだが、その後がよろしくなかった。サーゼクスさんの眷族である『マクレガー・メイザース』が(赤龍帝)がこの町に住んでいる事を知ったのである。

 

 その後、古巣である魔術結社『黄金の夜明け団』の幹部との会話の際に、つい『素性不明の天才魔術師である今代赤龍帝の正体が分かった』と零してしまったそうなのだ

 

 それだけならまだ良かったのだが、今度は何処からか会談時の戦闘映像が流出する。『どうせ赤龍帝なんて魔術的にはたいした事が無いに決まっている』と高を括っていた魔術師達は、俺の『千の雷』を見て腰を抜かしそうになったらしい。

 即座に映像は消したのだが、こうしちゃいられない!とその幹部達が俺に対して勧誘のメッセージを送ってきたのだ

 

 魔術結社に所属なんて面倒くさい事は御免だったので断ったのだが、その返事に逆ギレした幹部の一人が俺の住所と戦闘映像を大公開しやがったのである。

 それ以来、毎日の様に弟子入り希望や、勧誘の魔術師達がやって来るのだ。

 

 ちなみに、情報大暴露の翌日にマクレガー氏がボッコボコの幹部を連れて謝りに来た

 

 

「もう、ホンット面倒なんだよなぁ...いっそ、誰か一人くらい弟子にしちゃえば....いや、駄目だな、そしたらキリがなくなる....」

 

「師匠、考え事をしている最中で申し訳ないが、ちょっと来てくれないか」

 

 

 俺が悩んでいると、ゼノヴィアが俺を呼びに来た。どうしたのか聞いたら、どうにも厄介な人が俺に要があるそうなのだ。

 取り敢えず、ゼノヴィアに言われた通りにテレビ電話が有る部屋に行く事にする

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「.....つまり?」

 

【私の妹が貴方の大ファンでしてね、どうか弟子にしてあげてくれませんか?】

 

 

...どうしたもんか?

今、俺はアーサー王の子孫と自称する男と会っている。

 なんでも、コイツの妹は『黄金の夜明け団』に所属していて、前々から俺のファンだったのだそうだ。ずっと弟子入りしたかったのだが、俺が身元を隠していたのでそれは不可能だった。

 

 が、先日の個人情報大暴露事件で俺の身元が判明。早速弟子入り志願に行こうと思ったが、『黄金の夜明け団』の幹部達に俺への接触を禁じられてしまう。

 

 愛しの妹が『どうしたものか』と悩んでいたのを目撃したこの男が、『妹が接触を禁止されたのならば、私が代わりに頼み込めば良いじゃないか!』と閃き、俺に連絡をとってきたーーーだそうだ。面倒だなこのシスコンメガネ

 

 

「生憎、俺はまだ弟子を取れる程の実力は無いんだが?」

 

【ご謙遜を。貴方の戦闘映像は私も拝見させて戴きましたが、魔法だけでなく近接格闘技術も素晴らしい腕前ではありませんか!正直、私も是非貴方と戦ってみたいですよ】

 

 

 最近みんなの評価が高すぎてストレスがヤバい。どうしてこう、面倒な奴に目を付けられるのだろう.....

 それに、とアーサーが続ける

 

 

【貴方が最後に放った一撃、アレは名のある神の雷に匹敵するモノです。あんなモノを平然と放っておいて『弟子を取る程の実力は無い』等と言われたら、魔術結社の立つ瀬がありませんよ.....と、私の妹より】

 

「....そこに居るんだったら直接話したらどうだ?なんでアンタが話してるんだよ」

 

【私もそう言ったのですが、『赤龍帝さんの許可を取るまでは私が話す訳にはいきません!』と言い張りましてね...】

 

 

 言いながら苦笑するアーサー。成る程、生真面目と言うか、頑固と言うか....

 

 

「じゃあ、その娘と代わってくれ。取り敢えず、話してみない事には何とも言えん」

 

【少々お待ちを...《ルフェイ、赤龍帝がアナタに代わって欲しいそうですよ...》...ハイ!初めまして赤龍帝さん!私がルフェイ・ペンドラゴンです!】

 

 

 アーサーが画面から出たかと思うと、金髪の、いかにも魔女といった姿の少女が入ってきた。この娘がアーサーの妹か

 

 

「初めまして、赤龍帝の兵藤一誠だ。早速だけど、俺は弟子を取るつもりは無いぞ。俺は人にモノを教えるのが苦手だからな。諦めてくれ」

 

【そこをなんとか!直接教えてくれなくても構いません!見て盗みます!とにかく、間近で見させて下さい!!】

 

 

 ルフェイの眼を真っ直ぐに見据える。が、俺に取り入ろうとかそう言う類の下心は見えない。う~ん、でもなぁ...

 

 

「何でそんなに俺に弟子入りしたいんだ?俺より有名な魔法使いは沢山いるはずだぞ?ってゆーか、『黄金の夜明け団』なんて大御所なら、師匠なんていくらでもいるだろう?」

 

【そんなの決まってます!兄さんも言っていましたが、私がアナタのファンだからです!それに、私の同年代で赤龍帝を知らない子なんて居ませんよ?『赤龍帝ブロマイド』だって全弾コンプリートしています!】

 

 

 え、ちょっと待ってくれない?『赤龍帝ブロマイド』って何?俺そんなの聞いてないよ?何で本人の預かり知らない所でそんなモノが出回ってるの?ソレ誰が儲けてんの?

 

 

【勿論、布教用と観賞用と保存用で3枚ずつ持ってます!】

 

 

「そ、そう...ソレはどうも.....」

 

 

 言えない、『ソレ、俺は許可出して無いんだけど?肖像権の侵害なんだけど?』とは言えない.....!

 クッ...しょうがない、ブロマイドの件は一旦置いておこう

 

 

「.....取り敢えず、俺が夏休みに入ったら一旦顔合わせしよう。適当に8月の暇な日に予定を空けておいてくれ。弟子云々はその時に決める。これで良いな?」

 

【あ、ハイ!分かりました!8月を楽しみにしていますね!それでは、失礼します!】

 

 

 ブッ!と言う音を立てて画面が消える。結局

ルフェイの熱意に負けて、一度顔合わせする事になったかぁ.....

 また、魔術師達がギャーギャー言ってきそうだなぁ.....

 いっそ、引越そうかなぁ.....後、ブロマイドの出処調べないとなぁ...

 

 

「はぁ、やる事ばっかだなぁ.....」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「へえ!それじゃあ、その娘を弟子にするのかい?」

 

「まぁ、まだ決めた訳じゃ無いんですけどね.....ウチに押し掛けてくるアホ共と違って、ゲスい下心とか無さそうだったから断り切れなくって...」

 

「イッセーさ~ん、イヤな物はイヤだッ!って、ちゃんと言ったほうが良いっすよ〜?」

 

「相棒はお人好しだからなぁ」

 

 

 ドーモ、イッセーです。現在、俺とドライグはグリゴリの研究所に来ています

 

 

「...よし、検査終了っと。どうだい二人共?どこか違和感のある場所は?」

 

「俺は無いですね。ドライグはどうだ?」

 

「う~ん....私も特に無いぞ!」

 

「アザゼル様〜コッチのデータも異常なしって出てるッスよ〜」

 

 

 え?何してるのかって?俺とドライグの精密検査。

 前に、ドライグの身体を造る時にアザゼルさん達に手伝って貰ったっていうのは言ったっけ?それ以来、大体半年に1回くらいの割合で検査を受けているのである。

 このドライグの身体は俺が持っている『アーウェルンクス・シリーズ』の技術と、このグリゴリの技術を合わせて造った、超ハイブリッドなシロモノなのだ。

 なので、急に体組織の崩壊が起きたりしないか、魂の拒絶反応が起きないか、等々、定期的に検査する必要が有るのだ

 

 

「よし、二人共お疲れさん。もう上がって良いぞ〜.....あ、そうだ。イッセー、ドライグ。二人共、この後なにか予定はあるかい?」

 

「え?いや、特に無いですよ?」

 

「アザゼル、何か有るのか?」

 

「ああ、チョイとね。イッセー、この間お前が紹介状を書いた悪魔がいただろ?シトリー眷族のヤツだ」

 

 

 ああ、ハイハイ匙君ね。アイツがどうかしたのだろうか?

 

 

「ああ、アイツが今ウチに修業しに来ててね。ちょっと様子を見て行かないかい?」

 

「けっこー頑張ってるっぽいッスよ〜?」

 

 へぇ.....そうだな、アレから少し経ってるし、どれ位強くなったか気になるな

 

 

「分かりました、俺がイッチョ揉んでやりましょう!」

 

「別に戦う必要は.....いや、いい機会か?.....そうだな、良し。イッセー、禁手は無しで頼むぞ」

 

「了解です」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「お、いたいた」

 

 

 俺が訓練場に到着すると、そこには手持ち無沙汰気味な匙君がいた。まだ俺には気付いていない様だ

 

 

「あの、アザゼル総督?模擬戦って、誰とやるんですか?」

 

『良いからソコで待ってな.....お?来たようだね』

 

「え?...あれ!?アンタは...!」

 

「ハッハッハ!久し振りだね匙君?調子はどうだ?」

 

「え?まさか、模擬戦の相手ってアンタなのか!?」

 

「おう!喜べ、匙元士郎!この赤龍帝 兵藤一誠が相手をしてやる!さあ、構えな!」

 

 

 最初は驚いていた匙君だったが、俺が相手と分かると一気に表情を引き締めた。ほうほう、中々イイカンジに育っているじゃないか!

 

 

「『時間無制限、殺害禁止』でいくぞ。ハンデとして、俺は神器は使わん。気張って来いよ?」

 

「上等だ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

10分後

 

 

「おお、やるねぇ....」

 

「ぜぇ...ぜぇ...ど、どんなモンだ...」

 

 

 取り敢えず、『俺に一撃入れる』を目標にやってたんだが...まさか10分でクリアするとは思わなかった。ゼノヴィアとイリナも最初は二人掛かりでギリギリ8分位だったのに、大したもんだな

 

 

「いやいや、大したモンだよ。ハンデ有りとは言え、たった10分で俺に一撃入れたんだ。自慢して良いぞ?」

 

「へ、へへ...ソイツはどうも...つーか、アンタ、本当に強いな...コレでハンデ有りかよ...」

 

「そりゃそうだ。俺は小学生の頃にはもう修業してたんだからな。キミとは年季が違うんだよ」

 

 

 ついでに言えば、ヴァーリや闘戦勝仏とも戦ってたからな...そういえば、最近ヴァーリと戦って無いな...今度模擬戦でも頼もうかな?

 

 

「さて、再開するぞ。今度は一対多の戦い方を教えてやろう。レーティングゲームで上を目指すんなら、覚えておいて損はしない筈だぞ?」

 

「わ、分かった!.....で、アンタは誰と組むんだ?」

 

 

 え?別に誰とも組まないよ?だって、俺一人で19人までイケるし

 

 

「「さて、まずは二体一でいくぞ?」」

 

「はああああああああッ!?」

 

 

 匙君がメチャクチャ驚いている。まあ、いきなり影分身されたら驚くか。たぶん、匙君にはいきなり俺が二人になった様に見えただろうしな。

 

 さて、始めますかな

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 初めまして。俺の名前は匙元士郎だ。会長の...ソーナ・シトリーの『兵士』をやっている、新人悪魔だ

 俺は今、堕天使の組織『グリゴリ』で修業を積んでいるんだが.....

 

 

「う、おおおおおおおおッ!」

 

「コラコラ」「闇雲に突っ込むな」

 

「ガアッ!?」

 

 勢いを付けて放った廻し蹴りを一人が受け止め、その隙に、背後から接近したもう一人に蹴り飛ばされる

 

「ほらほら、どうした?」「もうギブアップか?」

 

 今オレが戦っている相手は、最強の神器である『神滅具』の内の1つ、『赤龍帝の籠手』の保持者である『赤龍帝』兵藤一誠だ。

 やっぱり『赤龍帝』の名前は伊達じゃない。コイツ、何と神器を使わずに分身の術をしてきたのだ。悪魔になったオレが言うのはどうかと思うが、正直人間辞めてるとしか思えない

 

 

「クッ...まだまだァァァァァ!」

 

 転がりながらも、『黒い龍脈』からラインを飛ばして兵藤①に接続しようとしたが、難無くかわされる

 

「『魔法の射手 氷の13矢』」

 

「うおったあああッ!?」

 

 兵藤①の放った魔法を身を捻って避けたが、無理に避けたせいでバランスが崩れてしまった。当然そんな隙を相手が見逃す訳が無く、兵藤②.....面倒だから②でいいか。②が一気に懐に入ってきた

 

「げ!?やべ.....ッ!」

 

「『魔法の射手 収束・雷の7矢』」

 

「グアアアアアッ!?」

 

 咄嗟にガードしたが、そのガードをぶち抜いて電撃を纏った拳が叩き込まれる。そのまま俺は数メートルは吹っ飛ばされた。

 クソ!解っちゃいたけど強過ぎる...!まだ神器も使わせられて無ぇってのに.....!!

 

「サジ、近接戦闘中は何があろうと体制を崩すな」「今のが実戦だったら死んでたぞ?」

 

「了、解...ッ!」

 

起き上がり、①と②に向かって突っ込む。突っ込みながら、そこら中に向かってラインを放つ

 

「ハァッ!」

 

 ①の放った拳を、そこら中に引っ付けたラインの内の一本を引っ張ってワイヤーアクションの様にかわす。そのまま①に向かって魔力弾を放ったのだが、魔法の障壁で難無く受け止められた。

 

「チッ.....ッ!危ねぇ!!」

 

 ガードされた事に舌打ちしていると、背後から②が飛び掛かってきた。慌てて別のラインを引っ張り、飛び掛かりながら放ってきた②の攻撃を、ギリギリでかわす

 

 

「ふむ、だいぶ周囲に気を配れる様になってきたな。」

 

 

兵藤から距離を取って呼吸を整えていると、向こうが分身を消して話し掛けてきた。クソ、全く息が切れてねぇ。どんな体力してんだよ...

 

 

「へっ.....俺は、最強の『兵士』になるんだ...!これ位、出来て当然だ!!」

 

 

 強がってみたものの、もう魔力がスッカラカンなんだよなぁ.....

 そんな事を考えていると、兵藤は空中に電気の魔法を浮かべた

 

 

「サジ、コレにラインを繋げてみろ」

 

「は?何だよ急に...?」

 

「良いからやってみろ」

 

 

 言われるがままにラインを繋げてみる。すると、ラインから俺に魔力が流れ込んで来た!暫くすると、魔力が途切れる。それと同時に、浮かんでいた雷球も消滅していた

 

 

「コレは.....!!」

 

「ふむ、適当に思い付いたんだけど...案外どうにかなるもんだな。技名は『敵弾吸収』で決定だな。サジ、どれ位回復した?」

 

「あ、えっと...15%位...だな」

 

「アレ?オマエの総魔力の30%は回復出来る位の魔力は込めたんだが.....まだ上手く吸収し切れてない様だな。

 サジ、今後仲間と訓練する時はコレをメインにやっていけ。最終目標はコレを色んな形状で使える様になる事だな。網型とかな。

モノにすれば、実質、無尽蔵に魔力が使える様になるぞ?」

 

 

 た、確かに...!相手の攻撃を吸収すれば、コッチは消費ゼロで攻撃出来る!もっと上手くいけば、味方の魔力を回復する事も出来る!!

 

 

「よし、もう一回いくぞ?成功したら、今度はライン2本でやってみろ。それが成功したら3本でやるぞ。

 取り敢えず、今日は動かない的を狙ってもらうが、最終的には動いてる攻撃を一瞬で吸収できる様になれ。いいな?」

 

「押忍!!」

 

 

 その後、俺は、魔力弾を放っては吸収し、放っては吸収し....と言った訓練を1時間程練習した。

 兵藤がその位で帰ってしまったので、『敵弾吸収』の練習は一先ず終わりにした。流石に光力を吸収したら死んじまうからな。

 しっかし、兵藤には本当に世話になりっぱなしだ。将来、絶対にこの借りを返してみせる!

 

 そう誓いながら訓練を続けた俺だった

 

 

 

 

 

 

 

 






ハイ、と言う訳で、第10話でした


投稿が遅れて申し訳ありませんでした!!


リアルが忙しかったり、他の作品書いてたりで、気付いたら2週間以上経っちゃってました...(汗)


あ、4作目『アカメが斬るに転生した』の投稿も始めたのでソッチもよろしくお願いします


さて、今回は、みんな大好きルフェイちゃんの登場回と、匙君の修業回でした

今回、ルフェイちゃんはテレビ電話での登場でしたね。あと3話位したら生で登場するので、しばらくお待ち下さいm(_ _)m


そして着々と強化されていく匙君。
彼には『グレモリー眷族フルボッコ』と言う崇高な使命があるので頑張って貰います(笑)


御読了、ありがとうございました!
エタらない様に頑張って更新していくので、今後ともよろしくお願いします!!





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