こう言うつなぎの話がやはり難しいですね……
※八命陣に関する重大なネタバレがあります。お気をつけください。
強さにかける男の人の想いは狂気だ。女の身では到底理解できない域で、彼らは強いという称号を全身全霊で求めている。弱い自分を殺したいほど憎み、恥じている。
世良水希という少女は男というものはそういうものだ、そう思っている――いや、信じている。
信念といっていいほどの強く水希の心に刻まれたこの考えは、水希が体験した悲劇によって形成されたものだ。
これは夢だ――と、水希は理解している。
その理由は至極簡単だ、『いるはずのない人間が目の前にいる』この一点に尽きる。
そして、さらに言うならこれはかつて水希自身が経験した、忘れたくても忘れられない悔恨の記憶であるからだ。
「好きだよ、水希。僕を男として見てほしい。いつまでもあなたに守られてるだけじゃない。僕は男だ。男なんだよ」
思いがけない人物からの、思いがけない告白。
その告白に戸惑ったし、もっとはっきりと言うならば困った。
だけど、相手はとても……そう、とてもとても大事な人だから。本来ならば絶対に断らなければならないこの告白に対して、水希は『本来ならば絶対にしてはいけない返答』をしてしまった。
そしてその言葉こそが、相手を、そして水希自身を絶望に堕とし、奈落へと向かって転がり落ちる呪いの言葉となってしまうのだ。
「私は、強い人が好きだから――もう少し……信明が強くなったら、ね」
今にして思えば、真っ赤な嘘。
相手を傷つけないがためのとっさの逃げ口上に過ぎなかった。
しかし、そうでもしないと目の前の彼――信明はきっと壊れてしまう。水希はそう、思っていた。
長く生きられるかもわからない、そんな脆い身体に生まれた信明……日々を生きるだけで精一杯な信明。そんな信明が初めて言った、一世一代の告白を水希は切る捨てることができなかった。
「任せて、きっと強くなってみせるから!」
脆く壊れやすい身体に反して元気よく頷いた信明の顔を、水希は見ることができなかった……
そしてその後、信明と水希は、少し考えれば誰もが思いつくような悲劇的な結末に向かって全速力で転がり落ちていくのだ。
信明は水希の言葉を糧として、脆い身体に鞭を打ち、今まであった信明の全てを賭して無理に無理を重ねた上に愛する水希のいる戦真館を目指した……が、その努力は報われることなく、信明は戦真館に入るという夢は叶えられなかった。
突きつけられた現実と言う名の絶望。
その中で信明が選択したものは『死』――自らの腹を切り裂き、自分の生に信明自身が終止符を打つという選択だった。
腹を裂き、物言わぬただの肉体なった信明の身体を抱きながら、水希は声が枯れるほどに泣き叫び、後悔した。
それこそ、やり直せるなら命もいらないと思うほどに後悔したのだ。
そんな悲劇を経験した水希だからこそ、義経の言葉が頭から離れない。
「義経は、柊くんになりたい! 柊くんみたいに強くなりたいんだ!」
清廉で真っ直ぐな願い。
しかし、そんな願いだからこそ叶わなかった時の絶望は深く、昏いと水希は知っている
そして、その行き着く先は……圧倒的な悲劇だ。
逆に、もし万が一、叶ってしまったらどうだろう。
柊四四八という雄性の象徴のような強さを持つ『女』の誕生だ。
単に腕力だけでなく、生き方でさえ『男』を圧倒する『女』の誕生だ。
そんなものの誕生を許せば、自分が起こした悲劇が再び起こることになる。
自分みたいな『馬鹿で強い女』が無自覚な新たな悲劇を紡ぎ出してしまう。
――それはダメだ! 絶対にダメだ!!
事の重大さを知っているのは自分だけだ。
信明の悲劇を経験している自分だからこそ、友人である義経が悲劇を起こす前に食い止める事ができるはずだ。
たとえ、新しくできた友人たちに恨まれることになったとしても、その後の悲劇を止めることができるなら、自分がやるべきなのだ。
自分が、自分が、自分が……
水希の思考が内へ内へと向かっていく。
そんな時、一番聞きたくない、もう、二度と聞かなくてよいと思っていた声が水希の頭に響く。
「こんな近くに、こんなにいっぱい仲間がいるのに。一人で閉じこもって、一人で考えて、一人で絶望して……水希ぃ……君はほんっとに、自慰がすきだねぇ……えっへっへっ」
悪意をタールのようにドロドロにまとわりつかせたドロリとした言葉。
「でも、そんな水希だからこそ……愛しているのさ……」
いつの間にか水希の周りに出現した無数の蟲が水希の目の前に集まり、何かの形を作っていく。
「ああ……水希――やはり君は最高だ――本当に君は僕に最高の絶望をくれる……んー、やっぱり絶望している水希が一番……」
キチキチと混沌と呼べるほどの大量の蟲が蠢くような声が水希に向けられる。
そしてそんな何億とも思われる蟲で形作られた悪魔――そう、悪魔としか形容できないモノは水希に目を向けると、
「かわいいねぇぇ……」
そう言ってニタリと嗤った。
「きひっ、ひひはは、あーーはっはっはっはっはっはっはっ!」
悪魔の哄笑が響き渡る。
「ははっ、ひゃはは、ひゃーはっはっはっはっはっはっはっ!」
悪魔の嘲笑は止まらない。
「さんたまりーあー うらうらのーべーす さんただーじんみちびし うらうらのーべす」
そして不意に笑い声を止めたかと思うと、今度は呪いのオラシャを朗々と歌い上げる。
「まいてろきりすてー うらうらのーべーす まいてとににめがらっさ うらうらのーべす」
我が愛しの女神を讃えよと、悪魔が紡ぐ呪いの讃美歌が響き渡る。
「やめて……」
そんな悪魔の言葉に水希は耳を塞いでうずくまる。
「やめて……」
耳を塞いで、聞きたくないと頭を振る。
そして、最後に力の限りに絶叫する。
「やめてぇっ!!!!」
水希は声を張り上げながら身体をベッドから跳ね起きた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
口からは荒い息が漏れている。
「夢……か……」
そして、今起こって事が何であったか確認するように呟く。
十二月だというのに、寝具はべったりと汗でぬれていた。
時計を見てみると、深夜の二時。ベッドに入ってから、二時間程度しかたっていない。
「はぁー……最悪……」
水希はそのままベッドから起き上がると、汗をかいた寝具と下着を脱ぎ捨て、綺麗にたたまれた洗濯物の中から新たなTシャツを探し当てて袖を通す。
そしてカーテンを少し開け、何気なく外を見る。
外は深夜という事もあり、静寂に包まれている。夕方は綺麗な夕日が見られたが、今見ている夜空には星が見えず、月もあつい雲に覆われていてぼんやりとしかその位置を把握することができなかった。もしかしたら明日は雨かもしれない。
そんな星一つない漆黒の闇を水希が見つめる。
そんな時――
「そんな顔するなよ、水希ィ……僕は君を愛しているよ……誰よりも……」
耳元で虫がキチキチと蠢くような声が聞こえた……様な気がした。
「――ッ!!!!」
バッ、とそちらを振り向くが、そこには見慣れた寮の部屋があるだけだった。
水希はブルリと一つ身震いをすると、無意識のうちに創りだしていた日本刀を消滅させると、布団をかぶるようにしてベッドに転がりこむ。
(やっぱり、このままじゃ駄目だ……私が何とかしないと……私が……)
ベッドの中で、水希は自らの意思の再確認をしながら目をつぶる。
しかし、眠れる気は、まったくしなかった……
―――――
昼休みの屋上、源氏の三人が昼食をとっている。
与一もぶつくさと文句を言いながらも、食べ終わるまでは基本的に義経と弁慶と一緒にいる。与一自身、口では色々と言ってはいるが、要所要所ではしっかりと二人と行動を共にしている。表には出さないが与一も源氏の三人の絆を大事にしていると言う事なのだろう――距離感としては主人と従者というより、兄妹や家族といった表現がしっくりくる。
「あー、こりゃ一雨来るかもなぁ。一応傘は持ってきたけど雨はメンドイし、出来れば帰るまではもってほしいんだけどなぁ」
従者部隊が作ってくれた弁当を肴に川神水の入った盃を傾けている弁慶が、昨日とは打って変わって、どんよりと澱んだ空を見上げて呟いた。
「義経も傘を持ってきている。与一は朝、傘を持ってなかったけど置き傘があるのか?」
「はんっ! 別に傘なんていらねぇよ。雨が降ったら降ったで濡れて帰ればいい。雨に濡れるってのも嫌いじゃねぇしな……」
そんな与一の厨二的な言葉に弁慶が呆れたよう口を開く。
「あんた今いつだと思ってんだ、十二月だぞ? 別に厨二病も結構だけど、風邪ひいて迷惑かけないでくれよ」
「そ、そうだぞ与一。明日からテストだ、風邪ひいたら大変だ」
弁慶の言葉に義経が続く。
そして、義経はあっ、といいことを思いついたというように声を上げて、
「なら与一は義経と一緒に帰ろう! 義経の傘に入れば与一も濡れなくて済む!」
ニッコリと微笑む。
「はぁ? バッカじゃねぇの、んなこっ恥ずかしいこと出来っかよ!」
そんな義経の提案を、与一は顔をしかめて拒絶する。
「うぅ……でも、義経は与一が心配だ……」
提案を却下された義経はしょんぼりとしながらも、心配そうに与一を見つめる。
「与一ぃぃぃ……お前はなんでそう、何度も何度も同じことを……」
「あーーーーだだだだだだ、姐御、やばい! 肩は昨日のフェイスロックで……あっ……あっ……あーーーーーーーーっ!!」
与一が危険を察知するのと、弁慶が与一の後ろに回り込み肩固めを繰り出したのはほぼ同時であった。
屋上に与一の絶叫が響き渡る。
そんな源氏の団欒(?)に一人の来客がやってきた。
水希だ。
水希は真っ直ぐに義経たちのもとに向かうと声をかける。付き合いの長い戦真館の面々がみれば、いつもより硬い表情をしていることを気づいたかもしれない。
「こんにちは、義経。ちょっと……いいかな?」
「こんにちは世良さん。お弁当も食べ終わったし、義経は大丈夫だ」
「ありがとう、ちょっと話したいことがあるんだけど、付き合ってもらえる?」
「いいけど。ここじゃダメなのか?」
「うん……ここは、ちょっと……ね」
水希はそう言って、弁慶と痛みで泡を吹いている与一をチラリと見る。
「出来れば二人で話したいかな……」
「そうか……うん、わかった。今でもいいし、放課後でも義経は大丈夫だ」
「私はいつでもいい」
「じゃあ放課後は雨が降るかもしれないし、今行こう!」
「うん、じゃあ……花壇に行こっか」
「わかった」
そう言った義経は弁慶の方を振り返ると、
「じゃあ、弁慶、また教室で」
そういうと、ニッコリと笑って屋上から出ていく。
水希も弁慶と与一をチラリと一瞥すると、
「またね」
そう小さく言って義経とともに出て行った。
「……あんまり、いい感じじゃないなぁ」
一連の流れを黙って聞いていた弁慶は、少し考え込むように呟いた。
そして、
「よし!」
何かを決心すると、腕の中にいた与一をそのまま地面に打ち捨てて、二人の後を追っていった。
屋上には泡を吹いて気絶している与一が一人床に取り残されていた。
―――――
十二月に入った花壇には流石に咲いている花は少ないが、柊の白く小さな花があちらこちらに咲いていて、ほのかに金木犀のような香りを振りまいている。
「可愛い花だな、なんていうんだろ……清楚先輩ならしってるかなぁ」
そんな柊の花を見ながら義経が微笑みながら呟いている。
「柊」
「え?」
そんな義経のつぶやきに水希が答える。
「それはね、柊の花、なんだよ」
「へぇ……柊くんと同じ名前なのか」
義経はその言葉になんとなく嬉しそうな顔をすると、柊の白く小さな花をつんつんと触る。
「柊ってね、昔から魔除けに使われてるの。鬼も逃げ出すって事で節分にも使われてる。そして花言葉は『先見の明』、『歓迎』、『用心』、『剛直』」
「ははは、なんか花言葉も柊くんみたいだな」
水希の説明を聞いた義経が笑いながら答える。
「ふふっ……そうだね……ねぇ、話っていうのはさ……その、柊くんのことなんだ……」
「え? 柊くん?」
義経は柊の花から目を離し水希と向き合う。
「うん、柊くん」
水希は義経の目を見て答える。
「んー、義経に柊くんのどんな話があるんだ? 義経は……わからない……」
そんな水希の言葉を受けて義経が考えこんでいる。
「ねぇ、義経。義経の目標、もう一度聞かせてもらえる?」
「義経の目標? 今の義経の目標は、柊くんになることだ! あっ!」
自分で言って気づいたらしく、義経は声を上げる。
「そう、その目標について……なんだ」
「そうか……でも、その目標についてのどんな話なんだ? やっぱり、義経は良くわからない」
閃いたという感じに、顔を上げた義経だが再び考え込む。
「うん……」
水希はそう言って一旦目を伏せると、小さく一つ深呼吸をして、意を決すると、再び義経に向かい合って強い口調で言い放った。
「ねぇ、義経……柊くんになるっていう目標……諦めてくれないかな」
「え?」
何を言われたかわからないというふうに、義経がポカンと口を開く。
「柊くんは確かに強いし凄い、だから憧れるって気持ちもすっごくわかる。でも、ダメ、ダメなんだよ……柊くんは特別なんだよ……あんなふうになれる人は、他にはいない……」
水希は予想外の言葉に呆けている義経に向かって言葉を重ねる。
「え? や? た、確かに義経は未熟だ。源義経のクローンとしてはまだまだだ……だから、少しでも英雄に近づくために柊くんを見本にしたい、それはダメなのか?」
「高すぎる目標は、達成されなかった時の挫折も大きい……柊くんになるっていう義経の目標は、いつか絶対に義経をそして義経の周りの人を不幸にする」
水希の有無を言わさない言葉が続く。
「それに、もし、仮に義経が柊くんと肩を並べるくらい、強く、そして凄い女の人になったら……それでもやっぱり、義経と……義経の大事な人が不幸になる」
「な、なんでだ?」
水希の言葉に義経が問いかける。
「……私が、そうだったから」
その問に対する水希の答えは、今までとはうって変わって消え入りそうなくらい小さく儚げだった。
「どちらにしろ、柊くんになるっていう義経の目標は必ず義経を苦しめる、だから……おねがい……諦めて、くれないかな」
「世良さん……」
水希の言葉に何と答えていいのか分からず、義経が口をつぐむ。
花壇に沈黙が落ちる。
「黙って聞いてれば、随分ない言いようじゃないか」
そんな沈黙を破ったのは向かい合っている二人ではなく、花壇の入口に現れた別の人物だった。
「あんまりいい感じがしなかったから、心配になってついてきた……ホントはさ、メンドイしこのまま帰ろうかとも思ったんだけど……主の従者としては、ちょっと聞き捨てならなかったからね」
入口に現れた人物――弁慶が二人のもとにやってきて、義経を庇う様に前に陣取る。
「さっきから聞いてれば、抽象的なことばっかで具体的なとこが何一つ言ってない。主が不幸になる? なんで? 主が挫折する? どうして? それで主の周りが不幸になる? どうやって?」
弁慶が先ほどの水希が義経に行ったように、水希に言葉を浴びせる。
「それに、義経が柊を見本にして英雄に足り得る存在になろうとしてるのは人々を導くためだよ? それがなんで義経自身と義経の周りの人間の不幸につながるんだ? 正直、私にはわけがわからない」
弁慶の言葉は止まらない。
「それにね、仮に、仮にね、義経が挫折したり、絶望したりしてもね。私が付いてる、私と与一がついてる。その為に私たちはいるんだ。だから義経をむざむざ潰すなんてバカなまね、絶対にさせない」
弁慶の強い瞳が水希を射抜く。
水希もその視線を真っ向から受け止める。
「それに、だいたい――」
さらに弁慶が言葉を続けようとしたところで、すっと弁慶の前に義経が腕を差し出して言葉を止める。
「ありがとう――弁慶。心配してくれて」
義経は腕を上げたまま、弁慶に向かって礼を言う。
義経と弁慶の目があう。
義経の目を見た弁慶は、何かを察したように一歩後ろに下がり、義経に場所を譲る。
――早まったかな。
一歩後ろ下がりながら、弁慶は自らの出過ぎた行動を少し後悔した。
なぜなら義経の瞳には、弁慶が愛してやまない強さと、純粋さと、清廉さいつものように迷いなく輝いていたからだ。
義経は水希の言葉に揺れてはいない。そんな確信を弁慶は持ったからだ。
「弁慶、ありがとう――そして、世良さんもありがとう」
「え?」
義経の思いがけない礼に水希は少し戸惑った仕草を見せる。
「世良さんの言葉の意味を、義経はやっぱりよくわからない……だけど、義経のこと考えて言ってくれてるということは、わかった。だから、ありがとう」
「義経……」
「確かに義経は未熟で、柊くんは凄い。たどり着けなくて苦しむかもしれないし、落ち込むかもしれない。でも、義経は英雄のクローンとしてこの世に生まれた、だから、英雄としての生き方には殉じたいと思ってる」
義経の真っ直ぐな瞳が水希の瞳を見つめる。
「でも、世良さんも譲れないものがあって、義経に話をしてくれたんだと思う」
「……うん」
義経の言葉に水希が頷く。
「だから――」
そう言って義経は言葉を区切ると、小さく息をして、再び水希の目をまっすぐに見つめると。
「――戦おう」
そう宣言した。
「お互いに引けないのなら、義経の信念と世良さんの信念ぶつけ合おう」
そんな義経の挑戦を
「いいよ」
水希は即座に受ける。
「時間は今日の放課後、場所はグラウンド」
「いいよ」
義経の提案に先ほどと同じように水希が即答する。
「私……負けないよ」
「義経も、負けない」
二人の瞳が見つめ合う。
二つの視線が絡み合う。
互いに一歩も引かなぬと決意した、強い信念を込めた強靭な視線だ。
先に視線をそらしクルリと踵を返したのは水希。
水希は花壇の入口までくると、首だけ義経に振り返ると、
「いっとくけど、私に負けるようじゃ、柊くんになんて絶対になれないからね」
そう言って花壇から出て行った。
「義経」
水希が見えなくなるのを確認すると、成り行きを見守っていた弁慶が義経の声をかけた。
「大丈夫だ弁慶、義経は負けない……それに――」
「それに?」
義経の言葉に、弁慶が反応する。
義経は少し言葉を貯めてから、
「――それに、義経はこの戦い義経のためだけじゃなくて、世良さんのためにも勝たなきゃいけない……そんな感じがする」
「そうか……大丈夫、私の可愛い主なら絶対勝てる!」
弁慶はそう言って義経の頭を優しくなでる。
「ありがとう、弁慶」
義経は頭を撫でられるのが気持ちいいのか、目を細めて弁慶に礼を言う。
そんな二人の姿を、柊の小さく白い花が揺れながら見守っていた。
如何でしたでしょうか。
自分じゃ手に負えないだろうなと思っていた神野さんをついに文面で書いてしまった……
二次創作でも再現度の高い神野さんがいたるところにいるので、
いろんな作品の神野さんみたいに雰囲気が出てるといいんだけどなぁ……
次回は義経vs水希という刀少女同士の戦闘です。
お付き合い頂きまして、ありがとうございます。