カードに恋した決闘者 作:島夢
―――ふははははははっ!!なるほど…カードを愛し続け、それを使い続け、何度、負けてもなお諦めぬその愚かさ!気に入った!さあ、俺にもっと力を見せてみろ!―――
―――言われなくても…俺はここであんたを倒す…そして認めてもらう…!こいつらが…使えないカードじゃないってことを…!―――
―――ドローッッッ!―――
「…んぁ~…夢ね…というか、この頃昔の夢を見ることが多いな…それにしても、あれからもう…もう二年以上もたったのか…はやいな…」
今何時だ…?
もう9時か…
えぇと、パーティーは明日だな
服とかは用意してくれるから大丈夫だし…
「おはよう遊夢、ご飯作ったよ?」
緑色の長い髪をポニテにしている女の子がそう声をかけてくる
「ああ、おはようウィン、今日も可愛いね…というか、実体化したんだ」
「うん、昨日は会えなかったから…」
ウィンが実体化してご飯作ってくれたそうだ
材料、そんなに残ってなかったはずだけどな
まあ、いいか
「他のみんなは?」
「ヒータとアウスとエリアで買い物行ったよ?」
まあ、食料とかも必要だしなぁ…
でも女の子三人だけか…
「はぁ…精霊がそんなことしていいのか?それに変な奴に絡まれてないか心配なんだが…」
「大丈夫、ダルクも行ったから」
「………」
おいダルク…お前市場には出回ってないんだぞ?
ダルクは5人目の霊使い、闇霊使いなんだが…
社長に渡された…
一番初めに仕事したとき…このときもパーティーへの出席だったのだが、相手の会社の社長へ好印象を与えたからボーナス報酬…ということらしい
ちなみにそのパーティーでどこかの会社の社長のほかにも俳優&女優の夫婦とも仲良くなったりしている、今でもたまに連絡を取る
なぜか娘の相談ごとがよく来る…しかもあの夫婦、別々に連絡よこしてくる
まあ、話がそれたな
ダルクも精霊だし…なぜかそこそこリアルファイト強いし…大丈夫かな?
流石に社長とかのレベルの強さが相手だと殴り倒されるだろうが…あいつ俺より弱いし
まあ、そんなことはどうでもいい
朝飯貰おう
自分の席について…
「いただきます!」
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
ちなみに和食だった
とても美味かった
精霊が料理してくれるって…超嬉しい!
うん、どういうことだろう
というかいいのだろうか…こんなに精霊たちが自由で
まあ、俺は嬉しいからいいということにしておこう
「ちなみにあいつは?」
「ああ、姫さんですね、まだ眠い~と言ってまだ寝てるよ?あと何日かは寝ていると思う」
姫さん…というのは『あいつ』の愛称みたいなものだ
いや、愛称は姫なんだが、ウィンは姫さんと呼んでいる
今は関係ないか
電話がかかってきた
社長じゃ…ないな!よし、よかった…
ってペガサスさん!?
「はい、柊です」
『ハロー、ナイストゥーミートゥー、遊夢ボーイ』
毎回毎回…なんでこの特殊なしゃべり方なんだ
『ユーが明日のパーティーに出席するのですか?』
「はい、社長に言われたので」
俺がそういうとペガサスさんは少し嬉しそうに
『明日のパーティーには私も出席するのデース、久しぶりに会えますね』
「ペガサスさんが出席するほどでかいパーティーなんですか!?」
あの社長なに考えてんだ!?
なんでそんなでかいパーティーに俺を出席させようと思ったんだよ!
何考えてんのかまったくわかんねぇ!
『イエース、大きなパーティーですよ?万丈目グループの社長やその子供なんかも来るそうです』
マジかよ!おかしいだろ!なんでここで俺!
しくじったらクビだな…それどころか一緒に会社がつぶれるかも…いや、あの社長のことだ、なんとかしそうだ
『では、会えるのを楽しみにしてマース!』
そういってペガサスさんは電話を切った
はぁ…めんどうなことになった
「大丈夫だよ、みんな一緒だし」
「ああ、ありがと、ウィン、お前らはいつでも可愛いなぁ」