【凍結】デート・ア・ライブ〜チートな転生神〜   作:夜叉猫

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やっと完成致しました!
これからはどんどん投稿していきたいと思います♪

しばらくは【デート・ア・ライブ】と【問題児】の執筆をしていきますので、第三弾はお待ちくださいませ。

感想、評価などを下さると嬉しいです。



それでは、本編をどうぞ♪


〜十香デッドエンド〜
〜始まるオハナシ〜


「……んっ…………」

 

俺は声を漏らしながら目を開いた。

体をゆっくりと起こし、手を握ったり開いたり背伸びをしたりして体の感覚を確認してみる。

前回の転生の時は赤ん坊の頃からだったが、今回は違うようだ。

 

「……此処は……?」

 

きょろきょろと俺の居る部屋を見回してみる。無駄なモノがなく比較的スッキリした部屋だ。

俺は部屋にあった姿見に近づき今回の姿を確認してみる。

 

「……やっぱり【両儀 式】の姿か……」

 

【問題児】の世界からこの姿になったが如何せん女性のような見た目だ。

唯一の救いは見た目だけが女性で性別は男性だということだろうか。

 

「……まぁ、初見で俺を男だと分かってくれる人はいないだろうけど……」

 

苦笑気味にそう呟いた。

そして、もう一度辺りを見回してみると机の上に何かが乗っているのが見えた。

俺はそれを手に取り見てみると、そこには【馬鹿婿へ】と書かれた手紙だった。

 

「あはは……オーディン様その呼び方は固定ですか……」

 

再び苦笑しながらしかし、胸が暖かくなるのを感じなからその手紙を開封した。

 

『無事転生したようじゃの馬鹿婿め。

オーミから聞いておるじゃろうがそこは以前お主がいた世界にある【デート・ア・ライブ】という小説の世界じゃ。

ちなみにお主はその世界の主人公である【五河 士道】という男の役割をしてもらう。

あぁ、気にせんでもお主の姿は変えておらん。元からその姿、性格だったと世界にインプットさせておる。

 

名は【五河 夜鶴】と名乗るが良い。

語呂が悪いのは気にするな。』

 

「……やっぱり主人公の位置なのか……」

 

俺は一枚目の手紙を読み終えるとそうつぶやいた。

なんとなく予想はしていたので驚きは少なくて済んだのは良かった。

……しかし、名前の語呂が悪い……。

どうせなら【士道】のままで良かったですよ……オーディン様……。

俺は届かぬ願いをしながら、二枚目の手紙を取り出し読み進めていった。

 

『次にお主の【能力】じゃが、【問題児】の世界と同じじゃから気にせんでも良いぞ?

流石の儂も可愛い孫が渡した【能力】を奪い取ろうとは思わんからの。

しかし、使う場所は考えるんじゃぞ?

誤魔化すのはお主なのじゃからな。

 

ちなみに【能力】は【ギフトカード】に収納しておる。

【ギフトカード】は念じれば出てくるから確認しておくのじゃぞ。』

 

能力がリセットされてないのは助かる。

使い慣れた力でないと負ける恐れが…………ないな。

自分がチートで済む強さではないのを忘れていた。

俺が二枚の手紙をなおそうとするとひらりと小さめの紙が落ちてきた。

 

「ん?なんだろうコレ」

 

拾い上げて見てみるとそれもオーディン様からのメッセージだった。

 

『そして最後に儂からのサプライズじゃ。

その世界で月に一度オーミと会えるようにしてやろう。

そして、【問題児】の世界の者も月に一度呼び出せるようにしておいた。

 

――追信――

お主は神になった癖に嫁が少ないぞ。

嫁の百や二百早う作らんか』

 

オーミや【問題児】のみんなに会えるのは凄く……物凄く嬉しいのだが……

 

「……普通はオーミだけを愛せじゃないんですか……」

 

神様は【一夫多妻制】だと聞いていたが……まず百や二百って桁が違い過ぎる。

 

俺はしばらく乾いた笑い声を上げていたが、これも神様としては常識なんだろうと自分に言い聞かせることにした。

 

 

 

「……さて、何をしたら良いかな……」

 

落ち着いて着た俺は時計を見ながらそう呟いた。

四月十日、午前四時と示すデジタル時計。

窓からはまだ日の光は感じない。

今から寝なおすという手もあるのだが、目が冴えてしまっているので実行出来そうに無い。

 

「……料理でも作るか……」

 

俺はそう呟きながら部屋を出て行った。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「〜♪〜〜〜〜♪〜〜♪」

 

お気に入りのVOCALOIDの曲を口ずさみながらフライパンを振る。

炒めているのはじゃかいも、ピーマン、玉葱そしてベーコン。

塩コショウを振りながら味を少し調え、そこにお湯で解いた鶏ガラスープの素を小さじ二杯ほど加える。

ジュワァ、という音とともに鶏ガラスープの香りが漂い始める。

 

「……ふにゃぁ……良い匂い……」

 

俺が料理を作っていると背後から少女の声が聞こえてきた。

些か寝ぼけたような声を見るに俺の料理の匂いで起きたのだろう。

 

「おはよう。琴里。

朝ご飯もう少しで出来るから顔を洗っておいで」

 

「ふぁ〜い……」

 

そう言いながら、少女――琴里はトテトテと洗面所へと向かって行った。

【五河 琴里】。

原作では【五河 士道】の義妹として登場する少女だったはずだ。

先程確認した所では赤い髪の毛が特徴的だったかな。

 

俺はそう思いながら炒め終わった野菜をあらかじめ溶いておいた卵と混ぜ合わせる。

そして、洗ったフライパンを温めて油を薄く引く。

混ぜ合わせた卵をフライパンに流し込もうとしたとき、背後からテレビの音声が聞こえてきた。

どうやら琴里がテレビの電源を入れたようだ。

 

『―――本日未明、天宮市近郊の―――』

 

アナウンサーの声が流れてくる。

俺はフライパンの卵に気を配りながらそのアナウンサーの声を聞く。

この世界で生きた『俺』の記憶の中にその天宮市という言葉があったからだ。

詳しく記憶を整理するのはまた後でにしよう。

 

「……よっと……」

 

俺はでき上がったスパニッシュオムレツをお皿に盛り付け、カウンターテーブルから身を乗り出すようにテレビの画面を見詰めた。

 

その画面には、滅茶苦茶に破壊された街の様子が映し出されていた。

建造物や道理は崩落しており、瓦礫の山と化している

まるで隕石の衝突か空襲にでもあったのか?

そう疑いたくなるような惨状だった。

 

「【空間震】……か……」

 

その言葉を呟いた俺は詳しく知るために【ギフト】……いや、【能力】を使用した。

 

―――【全知の司書官(ミュージアム・オブ・オーディン)】。

 

この【能力】は簡単に言えば【知識】の【検索】をするモノだ。

以前は【夜叉】について【検索】した。

 

(今回の【検索】対象は【空間震】……)

 

俺がそれを意識した瞬間【空間震】についての知識が流れ込んできた。

 

 

―――【空間の地震】と称される広域震動現象。

空間震の発生原因は不明、発生時も不明、被害規模が不確定の爆発、震動、消失、その他諸々の現象の総称。

この現象が初めて観測されたのはおよそ三十年前。

ユーラシア大陸の中心―――当時のソ連、中国、モンゴルを含む一帯が一夜にしてくり抜かれたように消失した。

その現象は地上にあるものを一切合切削り取り、言葉通り何も無くなっていた。

この時の死傷者、およそ一億五千万人。

人類史上類を見ない大災害。

後に【ユーラシア大空災】と呼ばれる。

 

その後、半年間に渡って大小様々な規模の【空間震】が観測された。

日本で観測された【空間震】の内最も規模の大きかったモノは【ユーラシア大空災】から六ヶ月後、東京都南部から神奈川県北部にかけての一帯。

まるで消しゴムでもかけたかのように、円状に焦土と化したのだった。

後に【南関東大空災】と呼ばれる。

 

しかし、【南関東大空災】を最後に【空間震】はしばらく観測されなくなる。

観測が再開したのは現在から五年前。

天宮市の一角での【空間震】を皮切りに再び【空間震】は起こり始めた。

その多くは島国日本でである―――

 

 

不明と出た部分はおそらく一般的には知られていないのであろう。

この【全知の司書官】はその名の通り【全知】。

不明とされるモノは存在しない。

今から【再検索】しても良いが……それはまたの機会としよう。

俺は琴里に向かって一言呟いた。

 

「ここらって【空間震】が多くないかな?」

 

「……ん〜、そーだね〜。……ちょっと予定より少し早いかなー」

 

琴里はソファーの手すりに上体を傾けながらそういった。

 

(……少し早い……ね……)

 

琴里の言葉に少し疑問を持った俺はその場で止まり思考する。

 

(【問題児】の世界ではオレの原作に対する知識があやふやだったせいか対処が遅れてしまったことがあった……。

この世界ではそんなことをするわけにはいけない……なんせこの世界では絶対に何かを護りながら(・・・・・)戦わなければならないのだから)

 

そして、俺は決心した。

 

(―――【原作を知る能力】を創ろう)

 

今まで創らなかった一番の【チート】なそして、世界そのものを否定する能力を創ることを。

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

【原作を知る能力】――【世界の終わりと始まり(ディア・ノゥズ)】――を創った俺はひとまずそれ行使した。

それにより忘れていた原作の知識を取り戻す。

しかし、覚えておいたのは大まかな部分だけだ。

覚えようと思えば【完全記憶能力】で覚えれるのだが……。

 

閑話休題

 

「とりあえず琴里」

 

「どーしたのおにーちゃん」

 

「朝食前にチュッパチャップスを食べるのはいただけないな。

せめて、朝食後にしようか」

 

俺の言葉にビクンと体を震わせる琴里。

こちらを向きながらおそるおそる尋ねてきた。

 

「な、なんで分かったの〜?」

 

「匂いかな」

 

正直、琴里がテレビをつけた時から気がついていた。

しかし、その時は料理に集中していたし終った後は【検索】能力の創造などをしていたので後回しにした結果このタイミングになったのだ。

決して原作知識ではない。

 

「おにーちゃんいつから犬になったの?」

 

「俺をペット扱いにでもしたいのか?琴里」

 

琴里の言葉にそういった俺は朝食をテーブルに並べて苦笑しながら再び口を開く。

 

「はぁ……とりあえず、朝食が出来たから食べよう?琴里」

 

「待ってました!私お腹ペコペコ!」

 

ソファーからとび降りた琴里はテーブルに近づき椅子に座る。

 

「今日はスパニッシュオムレツとシーザーサラダ、ついでに自家製ロールパンだ」

 

俺の説明に琴里は目をしぱしぱとさせていた。

何かおかしな所でもあっただろうか?

 

「お、おにーちゃん……料理のレベルが急上昇してない……?

昨日は食パンとベーコンに目玉焼きだったのに……」

 

「……あー……」

 

どうやらこちらの世界の俺は料理にそこまでこだわっていなかったようだ。

どう誤魔化そうか悩んだ俺だったがもはややけくそレベルの答えを返した。

 

「これが俺の真の実力だ」

 

「おぉ〜!凄いなおにーちゃん!」

 

……通じるとは思っていなかったのだがこの場合どんな顔をしたら良いのだろうか……。

キラキラした瞳で朝食を食べる琴里を見ながらそんなことを思っていた俺だった。

 

 

「そういえば琴里、今日は中学校も始業式だよね?」

 

俺がカレンダーを見ながら思い出したように言うとロールパンを手に持ちながら琴里は口を開いた。

 

「そうだよーおにーちゃん。

それにしてもこのパン美味しいね!」

 

パクンと幸せそうにパンにかぶりつく琴里。

俺は微笑ましいモノを見るように笑う。

 

「ありがとう。また今度作るからね。

……それにしても始業式って事は昼には帰って来るんだよね……。

何か昼食のリクエストはあるかい?」

 

パンをハムハムとしながら考えるよう頭を揺らす。すると、いきなり背筋を伸ばして元気に答えた。

 

「デラックスキッズプレート!」

 

近所にあるファミレスのメニューだった。

俺は顎に手を当て、考える素振りをする。

片眼を開けてチラリと琴里を見てみるとそわそわとしていた。

 

「うん。良いよ。

それじゃあ昼食は外で食べようか?」

 

俺が優しく笑いながらそう言うと、琴里はパァッという効果音が出るような満面の笑顔を浮かべた。

 

「お〜!本当か〜!!」

 

「学校が終わったらファミレスで待ち合わせね?」

 

「絶対だぞ!!絶対約束だぞ!!

地震が起きても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されても絶対だぞ!!」

 

興奮した様子で手をぶんぶんと振りながらそういった。

 

「ふふふっ。もしテロリストが占拠したらファミレスに入れないと思うよ?」

 

「絶対だぞー!!」

 

「分かった分かった。

絶対にファミレス前に集合ね?」

 

俺が苦笑しながら言うと、琴里は「おー!!」と元気よく手を上げた。

 

今日は始業式だし、このくらいのワガママは聞いてあげても良いだろう。

まぁ、たまの外食ぐらいワガママのうちに入らないかもしれないが。

 

俺は食べ終わった食器を片付けながらこれからの生活に思いをはせるのだった。

 

「……【精霊】……か……」

 

呟きは誰に言うでもなく消えていった。

 

 

 

 

 

 

 




皆さん、お楽しみに頂けましたでしょうか?
まだまだ序盤で読み応えが無いかもしれませんが、これからも読んで頂けると光栄です!



さてさて、こちらでもいつものコーナーをしたいと思います!
【夜叉猫の料理話】ですっ♪

今回はちょっとカレーのお話にしましょう♪
最近私はルーを作るときにミキサーにかけた野菜を入れて作っているんですが、これが美味しいんです♪
様々な組み合わせで作るのが楽しいんですが、たまに失敗して凄く不味いのができるのが難点でしょうか……

皆さんも出来ればお試しあれ♪
そして、美味しい組み合わせがあれば教えて下さると嬉しいです♪
今後はとても良いアイデアがあれば紹介させて頂きたいと思っています♪

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