【凍結】デート・ア・ライブ〜チートな転生神〜   作:夜叉猫

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二ヶ月も放置してすみません……。
問題児編を書くのが楽しくてデート・ア・ライブ編を書くのを止めてしまいました……。

しかし、これからはどちらも更新していこうと思いますのでどうぞ、よろしくお願い致します♪

それでは久しぶりの本編をどうぞ♪♪♪


~エピローグ的なナニカ~

「…………ふはぁ」

 

十香との一件から土日という休日を挟んで、月曜日。

復興部隊の手によって完璧に復元された校舎には、もう相当な数の生徒が集まっている。

そんな中で俺は襲い来る睡魔によって気の抜けたような息を吐き、ぼうっと教室の天井を眺めていた。

 

「あぁ~……疲れたね……」

 

俺は身体に残る疲労感を噛み締めていた。

 

―――あの日。

十香と別れた俺は《フラクシナス》の施設で入念なメディカルチェックを受けさせられていたのだが―――俺は今日まで十香の姿すら見ていない。

正直な所……心配なのである。

 

そして、ひとつ。

俺には気になることがあった。

それは、十香とのキスの後俺の身体に流れ込んできた【力】。

 

「―――あの【力】……多分……」

 

俺の予想が正しいのなら、今俺の身体には、十香の【力】が存在し、そして俺はその【力】を―――――使用できる。

 

「……まぁ、使おうとは今のところは思わないかな……」

 

俺はそう呟きながら背伸びをした。

 

「―――おぉ、何をやってるんだ五河」

 

「うわっ……!いきなり現れないでくれるかな……殿町……」

 

俺は背伸びをして後ろに反っている時にいきなり現れた殿町。

違うことを考えながらのんびりしていたせいかその気配を感じる事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……出来なかった?!

いくら俺が油断していたからと言って殿町の気配に気付けなかったというのはおかしい。

 

「殿町、君気配無いのかい……?」

 

「……普通に居たぞ?

ていうか話し掛けてたぞ?殿町さんは五河に無視されると死んじゃうんだぞ?」

 

鬼気迫る表情とは今の殿町のために作られたのでは?と思うほどの表情を浮かべた殿町。

どうやら俺が無意識のうちに殿町の気配を探るのを拒絶していたらしい。

 

(腐女子が選ぶベストカップルランキングが相当キテるみたいだね……)

 

内心冷や汗を流しながら苦笑いをうかべる。

そんな俺にお構いなしと言ったふうに殿町は無人であった椅子に馬乗りになりながら俺の机に肘を突いてくる。

 

「なんだかその発言が怖いよ。

というより、早く自分の席に戻ったらどうだい?」

 

「だいじょーぶだって。

どーせタマちゃん少し遅れるんだし」

 

「はぁ……珠恵教諭に迷惑を掛けるのは止めなよ?

それと、そんな猫かアザラシのようなあだ名は控えた方が良いよ?」

 

「はは、良いじゃん、可愛いし。

歳は離れてるけど、俺全然ストライクゾーンだわ」

 

「そうかい……まぁ、告白は止めて……いやしないでね?」

 

俺は頭の中に珠恵教諭……いや珠恵の顔を思い浮かべそう呟いた。

 

「は?何言ってんだお前」

 

困惑の表情を浮かべる殿町。

―――と、そこで教室のドアがガラガラと開く音が響いた。

そして一瞬、教室内がざわつく。

それもそうだろう。何しろ鳶一が、額やら手足やらを包帯だらけにしており、なんとも痛々しい姿になっていたのだから。

 

「…………」

 

鳶一は教室中の注目を一身に集めながら、頼りなさげな足取りで、俺の目の前まで歩いてきた。

そして―――――

 

「―――ごめんなさい。謝って済む問題ではないけれど」

 

―――――一拍置いて、鳶一は深々と頭を下げた。

どうやら俺の狙撃してしまったことを詫びているようだ。

 

「頭をあげてよ鳶一さん。

ほら、この通り俺はなんともないよ?」

 

俺はにこっと笑い、鳶一に伝える。

すると、存外素直に姿勢を戻した鳶一。

 

「でも―――――」

 

と、次の瞬間。

鳶一は俺の右腕に自らの手を絡めてきた。

そして、そのひんやりとした表情を全く変えないまま、顔を近付ける。

 

「浮気は、駄目」

 

その言葉に俺の周りにいたクラスの面々の目が点になった。

と、それに合わせるようにして、ホームルームの開始を告げるチャイムがなる。

 

「は~い、皆さ~ん。ホームルーム始めますよぉ~」

 

扉を開けて教室の中に入ってきたのは珠恵教諭。

にこにこと癒されるような笑みを浮かべていた。

 

「夜鶴君も席に―――――」

 

俺の方を見て言葉を掛けようとした珠恵教諭は腕に絡んで密着している鳶一の姿を視界に入れたと同時に、その瞳を潤ませた。

 

「ず、ずるい―――じゃなくて、何をしているんですか鳶一さん!

ホームルームを始めるので席に戻って下さいっ!」

 

涙目のまま、手をぶんぶんと振りながらそういった珠恵教諭。

鳶一は無言のまま珠恵教諭を一瞥すると、俺の腕から離れて自分の席に戻っていった。とはいっても鳶一の席は俺の席の隣である。

 

「は、はい!皆さん席に着きましたねぇ?」

 

珠恵教諭は元気な声でそう口にする。

どうやら先程の光景をリセットするために声を出したようだ。

次いで、思い出したかのように手を打ち、うんうんと頷く。

 

「そうそう、今日は出席を取る前にサプラーイズがあるの!―――入ってきて!」

 

珠恵教諭は嬉しそうな笑みを浮かべて今しがた自分の入ってきた扉に向かって声を掛ける。

 

「ん」

 

と―――――それに答えるような声がして。

 

「あ、あはは……琴里も粋なことをするね……」

 

「―――――」

 

俺と鳶一の驚愕と共に。

 

「―――今日から厄介になる、夜刀神 十香だ。みんなよろしく頼む」

 

来禅高校の制服に身を包んだ十香が、とても綺麗な、良い笑顔をしながら入ってきた。

見ているだけで目が痛くなるほどの美しさに、クラス中が騒然とする。

十香はそんな視線など意に介さず、チョークをその手に取ると、相も変わらず下手くそな字で黒板に【十香】とだけ書いた。そして満足げに「うむ」と頷く。

 

「やぁ、十香。

元気だったかい?」

 

「ぬ?」

 

言うと、十香が視線を向けてきた。

不思議な輝きを放つ、幻想的な光彩。

 

「おぉ、ヨヅル!会いたかったぞ!」

 

そして大声で俺の名前を呼び、ぴょんとご機嫌そうに飛び跳ねて俺の真横までやって来る。

 

―――それにより再び俺はクラス中から注目を浴びることとなった。

ざわざわ、ざわざわ。

辺りから、俺たちの関係を邪推する声や、先程の鳶一との関連性を勘ぐるような声が聞こえてくる。

全く色恋ごとの好きな年頃とは厄介である。

 

「十香身体は大丈夫かい?」

 

「ん、検査とやらが終わったが何の問題もない。

……だが―――どうやら、私の身体から、力が九割以上消失してしまったらしい。まぁ―――とはいえ怪我の功名だ。私が存在しているだけでは、世界は【啼かなく】なったのだ。

それでまぁ、お前の妹がいろいろしてくれた」

 

「……そうかい」

 

俺は初めて会った時の十香と今の十香を重ね―――――どこかほっこりする気持ちを抱いた。

あの哀しみに染まっていた少女が今ではこんなにも明るく輝いている。

それが嬉しくてたまらないのだ。

 

 

 

「なんだヨヅルあまり元気が無いな。

―――――あぁ、もしや私が居なかったので寂しかったのか?」

 

そんなことを思っていると、十香は冗談めかす調子もなく、ただただ真顔でそんな事を言ってきた。

しかも、その声はクラスの全員に届くかと言わんばかりの大きさで。

クラスのざわめきが最高潮に達する。

 

「あはははは……。

まぁ、そういう事実も無いことにも無いけどね……」

 

俺が苦笑い気味に返すと十香は、

 

「なんだ、つれないな。

あの時はあんなに荒々しく私を求めてくれたというのに」

 

言って両手で頬を覆い、「やーん」と恥ずかしそうな顔を作る。

 

「こらこら、そんなに誤解されるような言い回しをしたら駄目だよ?」

 

「ぬ?誤解などと言い張るのか?

私は初めてだったのに……」

 

致命打。

おそらくだが……というより確実に琴里や令音に入れ知恵されている。

 

(はぁ……先が思いやられ―――――)

 

俺はすっ、と顔を動かす。

十香も当たり前のように顔を右に動かした。

 

俺の顔のあった場所にはチョークが凄まじいスピードで横切り、

十香の顔のあった場所にはペンが凄まじいスピードで横切る。

放たれたであろう方向を向くと涙目で俺を見詰める珠恵教諭と冷たい視線を十香に向ける鳶一の姿があった。

 

「えっと……珠恵教諭?」

 

「わ、私だって嫉妬しますからねっ!」

 

そう言って腕を組むとぷいっとそっぽを向いてしまった。

 

「全く……って、夜刀神さんも鳶一さんもおしまい!おしまいです!

その構えたハサミとコンパスを下ろしてくださいぃっ!!

仲良く!仲良くが一番ですよっ!!」

 

俺と珠恵教諭がほんの少し目を離した隙に何故か殺伐とした雰囲気を醸し出していた十香と鳶一。

珠恵教諭が二人の間に割って入っていきなんとかその場は水入りとなった。

 

 

「じゃ、じゃあ、夜刀神さんの席は―――」

 

一段落付き、珠恵教諭が十香の席を決めようときょろきょろと辺りを見回す。

しかし、

 

「無用だ。―――――退け」

 

十香は珠恵教諭に断りを入れると、俺の隣の席―――――鳶一の反対側の席に居た生徒に、鋭い眼光を放った。

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃいっ!!!」

 

十香のプレッシャーに圧されてか、座っていた女子生徒が椅子から転げ落ちる。

 

「ん、すまんな」

 

言うと十香は悠然とそこに腰掛ける。

そして直ぐにこちらの方を向いて視線を送ってきた。

だがそうなると、視線が混じるのは俺ではなく、反対側に居る鳶一になるわけで。

 

「………………」

 

「………………」

 

「………………」

 

俺の左右からは睨み合う十香と鳶一の無言の圧力というものの余波。

前方からは俺を見詰める珠恵教諭の視線が―――――

 

「いや、珠恵教諭まで便乗しないで下さい」

 

「え、えっと……すみません?」

 

てへっと自分の手で頭を叩く珠恵教諭。

その仕草がベストマッチしてしまうのがやはり珠恵教諭の凄い所だろう。

 

「まぁ、可愛いから良いですけど……」

 

「あ、ありがとうございますぅ……」

 

顔を赤く染めて俯いた珠恵教諭。

と、それと同時に俺に襲いかかる無言の圧力の余波が増した。2倍なんてヤワな物ではない。少なくとも2乗は越している。

 

 

「あ、あはは……」

 

左右両隣から発せられる、怪光線のような眼光に、乾いた笑い声しか上がらなかった。

 

 

(本格的に今後が心配になってきたね……)

 

 

俺の苦労はこれから始まるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりの本編如何でしたでしょうか?

やはりスランプ気味でしょうか……。
問題児編のアイデアもデート・ア・ライブ編のアイデアも出るには出るのですが……如何せん文章に起こすとなると難しいです……   



さてさて、ここからは全く関係のない雑談なのですが……
前回水着を買わなければ!というお話をしていましたが……最終的にビキニを買いました、というより買わされました……(º﹃º )(º﹃º )(º﹃º )
今年の海はパーカーが必須の予感です……。

そして!!
私もようやく7月27日に花火大会に行けます♪
浴衣を着るのが楽しみです♪
ナンパされたらどうしましょう♪(*´∀`*)キャッ(笑)
なんて冗談ですよ(笑)


感想などもお待ちしています♪


それではまた次回お会いしましょう♪

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