炎の使い魔   作:ポポンタン

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すいません、なんかくどくなりそうなので本文ではロリコン先生をジェフリーで通させていただきます。
戦闘描写が難しいですぅ。大丈夫なのか自分w


第7話

「とにかく、いっくぜぇ!」

 

エルクは戦闘が始まると即座に魔法を放った。盗賊の前衛はジェフリーを守り密集している。格好の的だ。

 

ファイヤーストーム

 

ギーシュとの決闘で見せたエルクの得意とする炎の魔法である。炎が盗賊たちを包み込む。

 

「ぎええええぇ!」

 

「ほ、炎っ!? お、落ち着け! こっちにはZZ先生の魔法がある。ZZ先生!」

 

ジェフリーが得意げに笑う。

 

「略すな! ジェフリーを付けろ! ふん、任せろ。風の精霊よ! 我らを襲いし炎を退けよ!」

 

そう唱えると竜巻が起こり炎を打ち消した。

 

「ど、どうだ! ジェフリーZZ先生の魔法は…っ!?」

 

「邪魔だぁ!」

 

エルクが先頭の盗賊を殴りつける。いつの間にかエルクは前衛の盗賊達を突破し、ジェフリーに突撃した。

 

「魔法を使うやつは俺がやる! みんなは盗賊の方を頼む!」

 

エルクは三人の返事を待たずに突撃し先頭にいた盗賊を殴りつけた。

 

「なっ、コイツ魔法を目くらましに!?」

 

「ふざけやがって! 囲い込め…うわっ!?」

 

「あらら、隙だらけよ~、おまぬけさん」

 

すでに詠唱を終えたキュルケとタバサが魔法を放つ。

火球と氷柱がすでに大火傷を負っていた盗賊たち襲い、さらに止めに謎の爆発が起こり、あっという間に駆逐された。

 

「な、爆発!? くそっ、役立たずどもが! 風の精霊よ…」

 

「甘いぜっ!」

 

距離を詰められていたジェフリーはエルクの一撃をもらい脆くも崩れ落ちた。

 

「力のなさを恨みな!」

 

「ぐぼっ、ち、チキショウ。また死んで……たまるか!」

 

その瞬間、砂嵐が舞いジェフリーの姿は見えなくなった。

 

(逃がしたか。しかし、こいつら間違いなく俺のいた世界で退治した盗賊達だ…俺以外にもこの世界に呼ばれた奴らがいるのか?)

 

「少し聞きたいことがある」

 

タバサが死屍累々となった盗賊たちを横切って尋ねる。

 

「あの男が使っていた魔法……杖を使っていたけど私たちの系統魔法とは違う」

 

タバサの指摘にキュルケも同意する。

 

「確かにそうね。詠唱も魔法語じゃなくて口語だったし、まさかあれも先住魔法?」

 

「ねぇ、エルク。あなた、あいつらのことを知っているような感じだったけど」

 

「ああ、前にもこいつらを退治したことがあってな。あのロリ…メイジが使っているのも一応精霊魔法……お前らが先住魔法と呼んでいるものだ」

 

「ふ~ん…でも、そんな先住、いや正しくは精霊魔法だっけ?そんな使い手が盗賊の片棒を担いでるなんて物騒な世の中になったわね」

 

キュルケがそうつぶやく。ルイズも不安そうな顔をしている。

 

「まあいい、先を急ごうぜ。買い物に行くのにまだ街にすらついてないんだからな」

 

一抹の不安を覚えつつ、エルクの言葉に三人は頷き、一行はその場を後にした。

 

 

 

 

王都トリスタニア

 

「へぇ、道は狭くてごちゃごちゃしてるけどそこそこ栄えてるな」

 

エルクは周囲を見渡して思ったままのことを口にする。

エルクがハンターとして育ったインディゴスやプロディアスのような文明が発達した都会と比べればそう思っても仕方ないだろう。

ハルケギニアの文明ではこれで十分ではあるのだが。

 

「狭いって…このトリスタニアがトリステインで最も栄えている街よ。さ、武器屋はこっちよ」

 

ルイズが先導して歩きだしたので、一行はそれについていく。

大通りを外れた路地裏に入ると周囲はいかにもな雰囲気を出していた。悪臭が鼻につく。よく見なくてもその辺りにはゴミや汚物が道端に転がっていた。

 

「路地裏ってのはどこも同じもんだな。でもその分掘り出し物にめぐり合う確率も高いけどな」

 

「そういう物なの? まぁ、そういう物だから掘り出し物っていうんだけどね。」

 

ルイズは立ち止まると、辺りをきょろきょろと見回す。

 

「ピエモンの秘薬屋の近くだったから、たぶんこの近くに…」

 

「あそこじゃないの?」

 

キュルケが指をさす、見ると剣の形をした銅の看板が下がっていた。

どうやらそこが武器屋のようだった。 四人は石段を上り、羽扉を開け、店の中に入って行った。

 

 

「ほうほう、貴族様、武器をご所望ですね! 使うのはそちらの方で? 今なら安くなっておりますぜ」

 

店主が店に入ってきたルイズ達を見るなり慣れた様子で対応した。

 

「あら、貴族が武器を買うってのに驚かないのね」

 

「ええ、最近何かと物騒になってきましたからね。少しでも戦力を増強しようと下僕に剣を持たせる貴族様が結構いらっしゃるんでさぁ」

 

なるほどと、ルイズ達は納得した。自分たちもついさっき襲われたばっかりである。

 

「でも、まだまだ品は残っておりますぜ! さて、お立合い。こちらの槍なんてどうでしょう! それともより攻撃力の高い剣?斧の次に強いですぜ! さらに剣は…」

 

店主がやたらとまくし立てる。胡散臭いことこの上ない。周りの武器を見渡した。

(ギーシュの剣に毛が生えた程度の武器しかねえな。やはりメイジが作る剣だと限界があるのか…)

 

「この剣がいいわね。一番おっきくて立派なやつだし」

 

「へい毎度!」

 

「おいコラ、ルイズ!」

 

店主の売り込みを聞き終えたルイズが勝手に決めてしまう。しかも明らかに実用性を考慮していない。

選んだのはやたらと装飾のついた金ぴかの剣だ。

 

「ちょ、ちょっとルイズ、いくらなんでももう少し考えたほうがいいんじゃない? 使うのはエルクなのよ」

 

「……危ない」

 

キュルケとタバサも止めようとする。

 

「そうだそうだ、やめときな! カモられてるぜ嬢ちゃん!」

 

「誰っ!?」

 

すぐそばから声が聞こえたが、店内を見渡してもルイズ達と店主の五人以外誰もいない…

 

「やれやれだ! 桃髪の嬢ちゃんだけじゃなく揃いも揃って目が節穴らしいや!」

 

再び聞こえてきた声の主は、店の隅に放置されているガラクタの間に突き立てられ、柄にある金具をカタカタとさせている錆びが浮いた片刃の剣だった。

 

「いい加減にしやがれデル公! 客の前だぞ!!」

 

「いい加減にするのはテメェの方だインチキ店主! 高いだけの鈍売りさばいてボロ儲けしてるくせにまだ飽きねぇのか!!」

 

デル公と呼ばれた剣が激しく憤る。

 

「しゃべる……剣?」

 

「これってインテリジェンスソード? 珍しいわね~」

 

「なんだそりゃ?」

 

「インテリジェンスソード、自我と知性を持った剣。」

 

タバサは武器には興味ないのかいつの間にか本を読みながら簡潔に説明した。

エルクがその剣をとる。するとルーンが燃えるように熱く光った。

 

(あの時と同じ…いやそれ以上の力を感じる。…それに間違いない、精霊の力が宿っている。それに、なぜだか懐かしい感じがする)

 

「驚いた…オメェさん『使い手』かよ……それに『行使手』でもあるとはな! よし兄ちゃん、俺を買え。」

 

突然調子の変わった剣に一同は目を丸くする。

 

「俺に使えるのか?」

 

「あたぼうよ! むしろオメェにしか使えねぇ。俺は『使い手』のために作られた剣だからな!」

 

「……わかった。お前を買うぜ」

 

お互い何か感じるものがあったのか青年と一振りは納得し合った。

…がルイズは納得していないようだ。

 

「……本当にそんなボロッちいのでいいの? お金ならそこそこあるんだからもっといいのにしない?」

 

「いや、ルイズ、たぶんこれが一番いい剣だと思う。ここは俺の直感を信じてくれないか?」

 

「いいじゃないルイズ。少なくともあなたが選んだ剣よりは信用できるわ。何ならエルク、それくらいの剣なら私が買ってあげるわ」

 

「どういう意味よ!! わかったわよ。買えばいいんでしょ買えば! 店主、これいくら!?」

 

ふーっと、高値の商品を売り損ねた店主は気だるげに答えた。

 

「それなら新金貨100で結構でさぁ」

 

「あっそう!!」

 

ルイズはカウンターに乱暴に金貨をぶちまけた。苦笑いで店主はその金貨の枚数を数えている。その様子を一行は苦笑いで見ている。

 

 

「そういやお前、名前あんのか?」

 

「あぁ、おれっちの名前はデルフリンガーだ。デルフでいいぜ。よろしくな!相棒!」

 

「俺はエルクだ。よろしく頼むぜ、デルフ」




やっとデルフまで進んだ…

ロリコン先生、もうちっと活躍させてもよかったんですけど
何せ原作があれだけなものでキャラがつかめなくて;

少し更新ペースが落ちていくかもしれませんがなんとかやりきる気で入るので
よろしくお願いします。

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