炎の使い魔   作:ポポンタン

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戦闘描写て難しいですね。キャラらしさを考えるとなおさら(汗)
コメントがかなり助けになっていますwありがとうございますww


第6話

決闘が終わりルイズ達が部屋に戻ろうとしたあとコルベールから学園長室に呼び出しがかかった。おそらく決闘のことを含めエルクの炎の魔法のことだろう。ルイズもそのことを聞くところだっとのでともに同席した。

 

「ふむ……あれは君の一族が使える精霊魔法であると?」

 

「ああ、俺は炎の精霊の加護を受けた一族、ピュルカ族の末裔だ。」

 

「炎の精霊とな?ピュルカ族?聞いたこともない民族じゃの。あれだけの力を持っているとなれば知られていてもおかしくはないと思うが……そうか、召喚されたんじゃったの。東のロバ・アル・カリイエかわからんが余程遠くから来たようだの」

 

「まあ、そんな感じかな」

 

根本的に世界が違うようだがただでさえ面倒なことになっているのだ。わざわざ新たな疑惑を作りたくはなかったので(説明が面倒でもあったからだが)説明は省いた。コルベールが話を引き継ぎハルケギニアの現状を話した。

 

「エルク君だったね。このハルケギニアにおいて君のように杖を使わず精霊の力を借りと行使する魔法を我々は『先住魔法』と呼んでいる。エルフや人間以外の一部の種族のみが使っている魔法でハルケギニアで最も恐れられている力の一つだ。」

 

先住魔法と聞いてエルクは顔を顰めた。あまりいい気のしない響きだ。エルクたちの世界では魔法は精霊の力を使って行使することが多い。もちろん限られた一部の者のみだが、エルクのように生まれながらに備わった人間もいれば、一芸に秀でたものが後天的に授かる場合もある。仲間内では音や刀の精霊などといったものから力を授かったものもいた。

 

「我々メイジは始祖ブリミルがもたらした四系統魔法を使っている。ハルケギニアの国々では先住魔法は異端の力として扱われることもある。……そのできればなのだが」

 

「わかったよ、あまり目立つなってことだろ」

 

大きな力が災いを呼びやすいことはエルクは今までの経験で分かっていた。ギーシュに対してもやりすぎたかもしれない。ともあれ少なくともこの忠告は素直に受け入れるべきだろう。

 

「すまないの、勝手だということは承知じゃがあまり騒ぎになると君もミス・ヴァリエールも危険が及ぶだろう。気をつけて欲しい。我々も出来る限りのことは協力しよう」

 

エルク達がその言葉に礼を言い学園長室を退室した。

 

「しかし、オールド・オスマン。ルーンのことについて説明しなくてよかったのですか?」

 

「今の時点で話しても仕方あるまい、なにせ分かっているが少なすぎる。伝説の使い魔の話もとなればそれこそ彼らだけの話ではなくなる。まだ様子を見る必要があるじゃろうて」

 

 

(先住…いや精霊魔法……私の使い魔が…?)

 

ルイズはエルクと共に廊下を歩きつつ、先ほどの話を反芻していた。使い魔が炎の力を使ったとなれば自分は火の系統のメイジなのだろうか。だとすれば何故爆発しか怒らないのか。私も精霊の力を借りることはできないのか…

折を見てもっとエルクから話を聞かねば。ルイズは新たな決意とともに部屋に戻った。

 

 

 

あれから数日、エルクは食堂でルイズとともに食事をとるようになっていた。決闘騒ぎ以来、食堂の人間の態度はよそよそしくなってしまった。シエスタもお礼は言ってくれたが、どことなく恐れている様子だった。メイジでさえ恐れた力を見ては当然の反応ではある。

しかし、仲良くなれそうだった人たちに距離を置かれてしまったエルクはなんとなく暗い気持ちだった。

 

「ハァイ、どうしたの?浮かない顔をして」

 

朝食を終え、散歩がてら広場を歩いている最中声をかけられた。キュルケである。隣には彼女の親友である青髪の少女タバサもいる。

 

「少し歩いているだけだよ。お前ら授業早く授業に行ったほうがいいぞ?」

 

「アンッ、つれないわね~。今日は虚無の曜日で休みよ。あなたとはあまり話せてなかったからお話したいと思ってね」

 

「ふ~ん、隣の子もか?」

 

タバサは無表情でエルクに話しかけた。

 

「私はタバサ……あなたの魔法に興味がある」

 

「へぇ、ここじゃ恐れられてばっかりだと思ったが」

 

何を話したらいいものかと思ったその時

 

「ちょ、ちょっと~!何仲良く話し込んでいるのよ~!!」

 

ルイズが怒声を上げて割り込んできた。突然の乱入者にキュルケとタバサは顔を顰めた。

 

「エルク!寄り道してないでまっすぐ部屋に戻って来なさいよ。まったく、街に出かけるわよ!」

 

「いきなり何だよ?街?何か用事でもあるのか?」

 

「あんたに武器の一つでも買ってあげようと思っているのよ!この先身を守るのに必要でしょ!」

 

「ああ、そういうことか。わかった、行こうぜ」

 

確かにいつまでも丸腰でいるわけにはいかない。丁度いい機会だからこの世界の街並みでも見ようかなと前向きに考えてみることにした。

早速向かおうとした時、

 

「あらいいわね。それじゃあ私たちも一緒に行かせてわね」

 

とキュルケの突然の申し出にルイズが戸惑うように言った。

 

「は、はぁ?何言ってんのよキュルケ!あんた達には関係ないでしょ!?」

 

「あら、私たちが話している時に割り込んできたのはあなたじゃない。この機会だから一緒に親睦を深めるのもいいじゃない。ねぇタバサ?」

 

「問題ない」

 

タバサは無表情のまま答える。

 

「問題大アリよ!これは私とエルクの用事で……」

 

「あら、そういえば使い魔さんのこと名前で呼び始めたのね。随分と仲良くなったこと。二人きりのデートの方が良かったかしら?」

 

「~~~っ!ついてくるなら勝手についてきなさい!」

 

ルイズは顔を真っ赤にして言い捨てた。

 

 

トリスタニアへの街道にて

 

「しっかし、まさか移動手段が馬ととはな~」

 

「文句言わない。魔法を使えてもやはり平民ね。馬にも乗ったことがないなんて」

 

エルクは世界中を旅していたが移動手段はほぼ飛空艇で後は歩きで現地まで向かっていたのである。大災害前のような鉄道や飛空艇のようなものは期待していなかったが馬とは思わなかった。乗り慣れないものに乗って戸惑っているようだ。

 

「まあまあ、そんな責めるようなことじゃないでしょ。エルク、馬に乗れるようになって損はないから慣れておいたほうがいいわよ」

 

「まあ、これからのことを考えればそうかもな」

 

キュルケが余裕の態度で話しかける。この二人も馬での移動に付き合ってくれていた。ルイズが得意の馬での移動にこだわっていたので馬での移動になったのである。上空にはシルフィールドが待機している。

 

「でも最近、ここら辺じゃ神隠しの噂があるのよね。人さらいかも知れないから警戒したほうがいいわよ」

 

「神隠しか、なんか聞いたことあるパターンだな……」

 

エルクが何か思い出そうとしているとルイズが強気でいった。

 

「ふん、メイジが三人とエルクがいるから大丈夫よ」

 

「油断しないほうがいいわよ。相手もメイジかもしれないんだから。それにあなたが戦力になるとも思えないんだけど」

 

なんですって、とルイズが叫ぼうとした瞬間、一行の周りに稲妻が降り注いだ。馬がそれに驚きパニックになる。

 

「な、なに!?」

 

「……『ライトニング・クラウド』?いや、これは……」

 

タバサが冷静に考察した。威力は風のスクウェアメイジが放つライトニング・クラウドに近しいものだが、なにか様子が違うことに気づく。

近くの茂みから声が聞こえる。

 

「ククク、またカモが来たぜ!」

 

「先生のパワーアップした雷にすっかりビビってやがる」

 

なにやら粗暴な声が聞こえる。ルイズが気丈に声を上げる。

 

「一体何もの!?姿を現しなさい!」

 

「ケッ、ここの世界の貴族はどいつもこいつも無駄に偉そうにしてやがるぜ。まあいい、死にたくなかったらおとなしくしてるんだな」

 

姿を現したのは甲冑を身につつんだ複数の男達であった。おそらく盗賊であろう。

 

「あんた達が人さらいね!私たちを狙うとはいい度胸ね!」

 

「今の雷の魔法は誰が……?」

 

待ってましたとばかりに盗賊達が言った。

 

「ハハッ、気になるだろう。先生!『用心棒ジェフリーZZ(ダブルゼータ)』先生!!」

 

すると突然盗賊たちの後ろにローブを纏った不気味な男が現れた。肌の色を見ても普通の人間には見えない。

メイジなのだろうか手にはドクロがついた禍々しい杖を持っている。

 

「ククク、なかなかやりそうな奴らだな。報酬は多めに貰うぞ。桃髪の娘とメガネっ子は俺によこせよ」

 

「うへぇ、ロリコンか……ってこいつら」

 

エルクは頭が痛くなった。

(元の世界の手がかりの第一歩がコレかよ!)

 

くいくいとルイズがエルクの服を引っ張って聞く。

 

「ロリコンて何よ?」

 

「もうそれはいいから!!」




シリアス?ばかりだったのでネタ少し入れてみようかなとw
無理がありますかね?

すいません。もうしません!

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