炎の使い魔   作:ポポンタン

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やばいやばいやばいっ
想像以上に難しいです
でもやってみますw


第1話

少し時間を遡り、場所はハルケギニア大陸に位置する国家の一つトリステインに移る。

トリステイン魔法学校では2年進級のための召喚の儀式が行われていた。

 

「なんでっ! なんでなの!!」

 

生徒の一人、ルイズは先程から何度も召喚を行ったが全て失敗に終わっていた。周りからは生徒たちの罵詈雑言が響いていたがもはや聞こえていない。

 

なんで…なんで私ばかりが

 

その目にはうっすらと涙がにじんでいた。

教師であるコルベールがそっと声をかける。

 

「ミス・ヴァリエール、そこまでにしておきなさい。これ以上は君の体が……」

 

コルベールが心配して声をかけるもルイズは引くわけにはいかなかった。

 

「お願いです、コルベール先生! あと、あと一回だけお願いしますっ!」

 

気丈に声を荒らげて懇願するルイズだったが、その姿は明らかに憔悴していた。だが、彼女のその必死さにコルベールは無駄だとは言えなかった。

 

「仕方ありませんね。あと一回ですよ。」

 

ルイズは再び気を引き締めて呪文の詠唱を始めた。

 

始祖ブリミルよ!神よ!精霊よ!もはや誰でもいい!どうか私に使い魔を!

お願いっ!来て!私の一生の使い魔!

 

「どこかにいる私の下僕よ!」

 

「この世界で最も神聖で美しく強力な使い魔よっ!」

 

「私は心より求め、訴えるっ!」

 

「我が導きに応えよっ!!」

 

ルイズが詠唱を終えた瞬間、これまでの失敗の現象とは全く異なることが起こった。彼女の失敗の象徴である爆発ではなく凄まじい炎が燃え上がったのだ。

 

「うわわわ!? なんだ、何が起こったんだ!?」

 

「爆発じゃないだとっ!? この炎、なにか召喚されたのかっ!?」

 

生徒たちが混乱している中、ルイズは希望に満ちていた。

 

(やった、この炎! なにか召喚されたんだ! 一体何が喚ばれたのかしら、サラマンダー? ひょっとしてドラゴン? それとも……)

 

しかし、その希望はすぐに消え去ったしまった。炎がおさまり、そこにいたのは

 

「あれは……平民か?」

 

そこにいたのは黒髪に赤いターバン、大きな耳飾り、緑の外套。見たことのない民族衣裳を纏った青年であった。少なくとも貴族ではないだろう。

 

青年は突然のことに戸惑っているようでルイズには気づいていない様子であった。

 

ルイズは絶望を押しこらえ話しかけた。

 

「あんた……誰?」

 

 

 

当の召喚された青年、エルクは戸惑っていた。光り輝く鏡に触れたと思ったら突然場所が変わったと思ったら今度は少女に不躾に話しかけられたのである。

 

「あ? 俺のことか?」

 

「あんた以外に誰がいるのよっ! いいから名乗りなさい!!」

 

「いきなり失礼な奴だな。お前は一体何様なんだ?」

 

「コイツッ! ミスタ・コルベール、もう一度……ッ。」

 

召喚させてください、と言うのを思い止まった。平民とは言えようやく召喚できたのだ。その事実を捨てたくはなかった。

 

「……ミス・ヴァリエール、早く彼と契約しなさい。」

 

「ミスタ……?」

 

コルベールが見たことのない真剣な表情で契約を促した。戸惑いつつもルイズは覚悟を決めた。

 

「炎で少し驚いたけど、あれって平民だよな」

 

「でも、なんか変わった衣装だぜ」

 

「どこの辺境の部族だろ? ま、ゼロのルイズにはお似合いかもなっ!」

 

「きっと、炎だってなんかの間違いで偶然発動しただけだろ~な。」

 

落ち着きを取り戻した生徒たちがざわつき、いつもの通りルイズを嘲笑し始めた。

黙って様子を見ていたエルクは屈辱で震えブツブツと何か言っているルイズの様子を見てつい、近づいて話しかけた。

 

「お、おい、大丈夫か?」

 

「うるさいっ!!!」

 

あらん限りの大声で叫びエルクの口に強引にキスをした。

 

「「熱っ!!?」」

 

その瞬間、エルクは左手をルイズは口を抑えた。

 

(なんだ、いきなりキスされたと思ったら左手が!)

 

(なんなのコイツ、口が火傷するかと思ったわ!)

 

ファーストキスを奪われたエルクは脳裏に共に旅を続けてきたモンスター使いの少女を思い浮かべてしまった。

 

(なんで、今リーザのことを……)

 

「つつっ、か、感謝しなさいよね。ファーストキスだったんだから。」

 

「なんだと、お前がいきなり…」

 

言い争いになりそうな瞬間コルベールが割って入った。

 

「ふむ、無事にコントラクト・サーヴァントが成功したようだね。あ、失礼、私はここトリステイン魔法学校の講師を務めているコルベールと申します。さらに失礼だが左手に刻まれたルーンを見せてくれるかね?」

 

「トリステイン? 魔法学校?……俺は、ハンターのエルクだ。いきなりで何がなんだかわからねえけど、ルーンてこれか?ホラ」

 

一応、丁寧に名乗ったのでとりあえず自己紹介と左手を見せた。

 

「ハンター? まあ、よろしいでしょう。ほう! これは珍しいルーンだ。さて、皆さんこれにて召喚の儀式は終わりです。解散してください。」

 

生徒たちはルイズを笑いながら飛んで各自の部屋へ向かった。

 

(飛んだ!? ゴーゲンの爺さんと同じ魔法か? そういやさっきのハゲたおっさん魔法学校とか言ってたな)

 

「何ボケっとしてるの! ついて来なさい!」

 

「なんでお前に、てかお前は飛ばないのか?」

 

「うるさい!! 黙ってついて来なさい!!」

 

とりあえず状況がわからない今ついて行くしかなさそうなのでエルクはルイズのあとを追った。




1話1話が短めですが徐々に増やしていけるようにしたいです。

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