真祖の眷族   作:賢者神

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学習する

 

 

 

 

 

 

 

 

 うむ。えかった。何がえかったかは内緒だ。

 

 

「あの、気持ち良かったです」

 

「ボクもです」

 

 

 イケメソはこう簡単にラブホ直行できるのか。顔が良いだけで簡単にヤれるとは生まれついての顔がここまでの差があるとは。

 恥ずかしそうにシーツで裸体を隠す女の子がここまでエロティックだとは。頬が赤っぽいというかピンク色に近い事は新しい発見ですな。今までの女性の仕草で一番好みな表情である。

 うむ。気持ち良かった。何がというかナニが気持ち良かった。女の子がよがる声も最高でした。この発言だけを切り抜けばただの変態にしかならんけどな!

 

 

「こんなにも気持ち良いなんて思わなかったです。男の人は怖いと思ってたんですけど」

 

「乱暴な馬鹿が多いのは事実です。でもボクは紳士なので優しくしますよ」

 

「はい。もう溺れてしまいそうでした」

 

 

 照れた顔が見られたくないのだろうか、シーツの中に潜って隠し始めた。もう野郎のボクも胸がキュンキュンしてます。可愛すぎて汚い自分の心が痛いです。

 女の子とえっちできたのはいいのだが汚い心が洗われるようで浄化されそうだ。

 吸血鬼になった影響だと信じたいが、外道思考になっていた少し前の自分を殴り飛ばしたい。何が【息子】には勝てなかったよをやらせたいだ馬鹿野郎。

 

 初めて会った女の子とイチャイチャするのは楽しいものだ。互いに裸体で抱き合ったり軽いちゅーをしたり。非童貞が羨むような事を平然としてますな。リア充爆発しろとか言われてもしょうがない。

 えっちする前に血は貰ったけどダラーとかしなくても指先を切るだけで簡単に容器を満たせるのはラッキーであった。エヴァンジェリンはノーとか言いそうだけど。

 

 

「あの。もしよければお名前を」

 

 

 名前を聞かれた。名前をまだ知られていないけど万が一、身バレした時に追跡を難しくする為に伏せときたいんだけどねー。

 呼ばれるにしても小僧やら雑種やらお前やら。目覚めた後は悪の魔法使いだもんなぁ。エヴァンジェリン以上の悪い魔法使いとして見られているらしい。

 正義の総本山のボス倒したからそう見られるけど悪の魔法使いはないだろ悪の魔法使いは。エヴァンジェリンみたいにダーク・エヴァンジェルとか呼ばれたいんだけど。

 名前。名前。名前ねぇ。偽名を名乗るにしても大丈夫な名前はないだろうか。

 

 エヴァンジェリンはEvangelineの綴りを少し変えてイヴを名乗る事が多い。没落貴族だからファミリーネームはないと誤魔化せるとも聞いた。

 手帳に名前は書いてあるのでアナグラムで偽名は作れるけどすぐには無理かね?

 

 

「あー、ごめんね。今はあまり騒がれたくないから大っぴらに名前は明かせないんだ。ボクだとわかるアダ名を付けてもらってもいいかな?」

 

「それならパパはどうでしょうか?」

 

 

 援交か。

 

 この子、少し天然ではないだろうかと振った自分でも思った。顔も雰囲気もそれっぽい感じがするもん。

 年齢はパパではなくジジイなんだが。年齢はいくつなんだろう、自分。

 鼻が曲がりそうな臭いをイチャイチャしながらシャワーを浴びて流し、部屋は同じまま互いの着替えをしながら会話をする。えっちすれば男女関係はここまで近付いてオープンになれるものかと感心した。

 割れ目やら谷を着替え途中に見るのもムラムラできるもんだねー。またヤりたくなってムラムラしてきた。誘ってんだろ? ん? と言いたい。

 ケツを振りやがってメs(ry

 

 

「普通にお兄さんにしてくれ」

 

「老けてると言われてませんか?」

 

 

 天然というよりも空気が読めてないだけじゃね? 彼女の認識を改めなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もっと気持ち良くなりたければ誰か生贄に捧げよ的なニュアンスを言ってみた。この子を撒き餌にするのもいいかもしれない。

 性の喜びを知った……寧ろ悦び? 歓び? を知った彼女は最初ぐらいなら言う事は聞いてくれるだろう。ストレートに言えば道具になってくれる。

 キャラクター的に撒き餌にさせるのはデメリットしかなさそうだがいざという時は洗脳しとこう。

 

 

「ありがとうございます! また会いましょう!」

 

 

 ブンブンと手を振ってくれる女の子。アホの子っぽいが可愛いので許す。幻視で犬の尻尾が見えるのは気のせいだと思いたい。本当に見えるとは思わなかった。

 誰か可愛い子を紹介してと言えば快く受けてくれた。嫌な予感がするがあの子に任せてみよう。えっちしてあげると言えばワーイと喜んでいたし。アホ可愛かった。チョロくてワロス。

 

 えっちした後はアリアドネーについて色々教わった。アリアドネーには魔法騎士団があるのは周知、具体的に言えば普通の騎士と魔法騎士で養成学校のコースが変わるらしい。

 魔法騎士は普通の魔法使いと同じものだと考えてもいいらしい。騎士団に支給される剣を使うから魔法騎士と呼ばれているだけで後方支援が主だそうだ。槍を使うのが多い事は聞かなかったこ事にした。

 それなら魔法騎士の部類かあるいは普通の騎士か、自分に当て嵌るアリアドネーの基準はないだろうと思う。エヴァンジェリン同様、枠にハマらない究極の一だから。

 マギア・エレベアだけでもチートなんだけどねぇ。

 

 

「あ、もしもしイヴ?」

 

『む。何だ』

 

「報告だけどまだ一人しか貰えなかった。少し時間がかかるから別の場所に行ってもいいよ」

 

『ほう。早いな。もう少しかかるかと思えば意外と女たらしなんじゃないのか?』

 

 

 クックックと向こうからイヴもといエヴァンジェリンの声が聞こえる。人の多い場所にいるのか雑音が多い気がする。何をしてるんだ。

 

 

「冗談はやめてくれ。最初はビッチしか釣れなかったんだぞ? ビッチの血は嫌じゃないの?」

 

『イカ臭い。まずい。泥の食感』

 

 

 ボロクソすぎる。

 

 まあ、この時代はコンドームなんかないから避妊対策はできんらしいし男と交わりまくる女の血はさぞ最悪な事だろう。自分も飲みたくない。

 吸血鬼化してからは血を飲んだ回数はまだ少ない。というよりも人間であった頃の名残で抵抗があるのだ。

 エヴァンジェリンは無理矢理吸血鬼にされてからは道徳とかは投げ捨てて血を飲み始めているそうで今ではグルメになっているんだよな。処女の血が美味いとか男ならただの処女厨でロリコンじゃねーかと突っ込みたい。

 

 

「逆に処女の血は?」

 

『美味』

 

「シンプルすぎて逆に味が予想できんのだけど」

 

『飲めばいいだろ』

 

 

 それができないってんだろーが。

 

 

『それでどれくらい時間がいるんだ?』

 

「うーん。少し発散したいから一週間」

 

『発情期の猿かお前は。ほどほどにしないと吸血鬼から淫魔に堕ちるぞ。ランクも下がるし吸血鬼と比べればデメリットも多いし腰を振るだけの存在になるぞ』

 

「それは嫌だ」

 

 

 要はソープ嬢の男版か。ヴァンパイアからインキュバスになるのは嫌だな。腰を振るだけってところが凄まじく格好悪い。

 吸血鬼の真祖であるエヴァンジェリンの血だから真祖の特徴を受け継いだ吸血鬼ってのが現状だけど不安定だから何になるかわからないそうだから気を付けたいね。マーラとかになったら間違いなく自殺する。

 

 

『一週間なら私は先に旧世界に戻るぞ。ここにいるとバレる可能性が高くなるからな』

 

「え。転送ポートはどうすんの?」

 

『調べたがお前の顔はバレてなかった』

 

 

 曰く、前の不細工面だったとのこと。今のイケメソ面ではないので普通に利用しても大丈夫だそう。

 それは旧世界から魔法世界に来る時に教えて欲しかったなぁ……。転送ポート、酔うんだもの。まだ知らない段階だったけど。

 

 

『一週間と言わずに一月でも構わんぞ。アリアドネーには騎士養成学校以外にも魔法使いが留学に来る事が多いから大図書館がある。説明をしていなかったが禁書に分類される魔導書やら魔法書があったはずだ。調べれば時間操作魔法の情報があるんじゃないか?』

 

「許可とか要りそうだなオイ」

 

『いるだろうな』

 

 

 他人事のように言いおって。自分は関わらないから考えなくてもいいってか。

 

 

『上位許可証を持つ女を堕とせばいいだろ。頭がお固い連中の中には処女の守りも固い奴もいるはずだ』

 

「ボクにできると思ってんの?」

 

『吸血鬼の誘惑を使えとあれほど……』

 

「やり方わからん」

 

 

 ハッキリとエヴァンジェリンの溜め息が聞こえた。何だそのコイツ馬鹿だな的なニュアンスは。ボクはのび太君じゃねーぞ。

 

 

『催眠術の一種だ。吸血鬼には誘惑の魔眼がある』

 

 

 吸血鬼には魔眼があるなんて初耳なんですが。死の線とか点は見えますか先生!

 直死の魔眼とかじゃなくて魅惑の魔眼という表現が正しいようである。格好悪そうだが異性限定なら無敵らしい。どれだけお固い女でもメロメロらしい。何というか表現がな……。

 アナタとえっちしたいという気持ちを視線に乗せて無理矢理従わせる外道魔法だそうだ。うん。はしょりすぎているけど大体こんな感じだ。エヴァンジェリンの説明は時々わかる者しかわからない説明だから端折るのも難しいんだ。

 

 

『だから練習しろと釘を差したのに』

 

「えっ」

 

 

 釘を差すほど言ってたっけ? と思ったがツッコミを入れると話が進まなくなるので黙っておく。

 本格的な訓練はエヴァンジェリンと合流してからということで今回は触り程度の魔眼の練習をしてから基本を独学で学べと言う。スパルタってレベルじゃねーぞ。

 

 エヴァンジェリンは旧世界でのんびりと過ごす反面、魔法世界にいる自分は女をナンパしつつも処女の血を集めて大図書館に行く目的ができた。ボクだけ仕事が多い気もするけどこういう時だけ弱いので素直に従う。

 そうか。アリアドネーにも図書館はあるのか。それも禁術指定された魔法の記された本も。

 そこに大きな手掛かりがありそうなので大図書館の司書かアリアドネーでも地位のある処女を狙って毒牙にかけるわけか。おまわりさん、俺です。

 結局俺を一人称にした口調もすぐに諦めたな。俺と言えば偉そうだからボクにしているんだけどこの時代だと私やら我とかだもんな。ボクとか俺とかだと違和感しかないのかもしれない。

 

 適度にナンパをしつつもアリアドネー大図書館に足を向ける。一応体は清めたので臭いはないと思うが女性は臭いに敏感と言うし亜人で鼻が良さそうな人には気を付けないと。魔法で臭いを消せるけどね。

 魔法便利過ぎて元の世界に帰ったら色々と不便になるのではないかと時々思う。まあ、帰れるようになってから考えよう。

 帰りたいけど魔法という夢が叶えられる期間が過去にいる間なら天秤はこの世界に傾いてしまいそうだ。色々応用ができる魔法の数々で楽しいから。

 だが元の世界には付き合い始めの彼女が……あっ。

 

 他の女性とえっちしてたら浮気じゃないか。

 

 やっちまったーと頭を抱える事になるわけだが。いや、これは帰る為に必要な事なのだ。ボクは悪くないし彼女も絶対に許してくれるはずだ。アッチのテクニックで許してもらえるはずなのだ……許してくれるかなぁ?

 

 

「大図書館へようこそ。案内は必要でしょうか」

 

 

 アリアドネー大図書館にやって来た。窓口で司書に声をかけたら営業スマイルで対応してきた。ご丁寧に手を横にヨウコソをやっている。あれは約束事か何かなのだろうか。

 司書は司書さんと呼びたくなるお姉さんタイプ。ババアとか言ってはいけない。ナンパに成功した子と比べれば年は食ってるだろうがテクニックは凄そうだと思う大人のお姉さん。

 どうせ経験豊富なんだろうと割り切り、大図書館の配置の説明を受けた。広すぎるので迷子になるかもしれないと。流石はファンタジー。

 

 

「こちらは許可がある方しか入れません。なお、貸し出し厳禁です。アリアドネー滞在許可証、アリアドネー住民証、学生証があれば貸し出しは可能ですが」

 

「観光ついでですので」

 

「かしこまりました。窃盗は犯罪になります。写本は先程申し上げた証明できるものがあれば無料ですがお客様の場合は有料です。100ドラクマより始まります」

 

 

 ゲッ。100もか。高すぎないか?

 1ドラクマで6ドルちょっとだから円に直せば六万円かよ!? ぼったくりもいいトコだぞこれ!

 

 

「ここ、アリアドネー大図書館には大変貴重な本もございますので」

 

 

 ニッコリと言われた。暗に盗んだら殺すぞゴラァとか言ってるように聞こえる。

 

 

「自分で写すのは駄目でしょうか」

 

「駄目です。お客様は観光で来ているのでしょう? 写す必要もないと思われますが」

 

 

 あ。融通効かないわこの人。絶対に許可してくれないな。

 うむむ。しょうがない。魔法の射手、サギタ・マギカの簡単な仕組みだけを覚えて一旦は帰ろう。禁書エリアも厳重に警備をしているらしいし。

 あー、次はこの人を堕とすべきか? 内緒で案内してくれるような仲になれば手間は色々省けそうだがどうしようか。

 

 取り敢えず、本を読んで覚えようとしたが記憶力のない自分には半分も覚えられなかった。吸血鬼になっても頭は良くならないようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







 吸血すれば堕とせる(確信)

 首筋に噛み付いて吸血している場面で女性が発情するのが多い気がするんだよ。だけど失禁するのもあった。雅ィィィィ!

 吸血鬼としてはエヴァンジェリンは大先輩。エロオリ主こと悪い魔法使いはまだ駆け出し。知ってるか? まだ目覚めて一年も経ってないんだぜ? それならのにエヴァンジェリンに勝てるんだぜ?

 彼には大先輩がいます。既存キャラ、元ネタという天啓が。1+1が5にも9にもなっている感じですかね。よくあるテンプレパゥワー。あるある。




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