IS〜インフィニット・ストラトス〜 【異世界に飛んだ赤い孤狼】   作:ダラダラ@ジュデッカ

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第二十七話 武装

 

 

 一方が絶望的状況に立たされていれば、また一方は心落ち着かぬ日々が続く。

 IS学園寮内。全員が学園の寮に入れられることを義務づけられている為、それは必然的に入り込んできたイレギュラー達――すなわち、二人の男とも共同生活を送らなければならない。

 キョウスケがそのような状況下であるのと同じく、それは織斑一夏も同様だ。

しかし、今日の彼は酷く落ち着かない様子で室内を歩き回っていた。

 一旦部屋の端の方まで言ったかと思えば、くるりと反転して逆方向へと進んでいく。壁にぶつからないギリギリのタイミングで同じ行動を繰り返す。

 落ち着いて座っていればよいものの。それは自分でも理解しているのだが、どうにもこうにも落ち着かないのだ。

 その原因ともいうべきものは、現在シャワー室の中におり、シャワーの蛇口から水が流れだす音が一夏のいる室内の方まで聞こえてくる。

 篠ノ之箒と相部屋だった事がある一夏にとって、別に女子との共同生活は初めてという訳ではない。 

 しかし、それは箒が彼の幼馴染だという点があったからこそ。

 箒の事など眼中にない、といえばそれまでだ。

 無論、そういう訳ではないのだが、今は箒ではなく別人が入っている。今までは其処まで気にもならなかったのだが、いきなり別人が入っている――などと想像してしまうと、妙な事まで想像してしまうため、一夏はそれを振り払おうとこうして歩き回っていたのだった。

 が、遂にその水音が止まった瞬間、ビクッと一夏の肩が反応して上の方に上がって止まる。

 すると、まだシャワー室から出てもいないのにシャワー室の方向とは反対方向の方を向き、まるで固まったかのように直立不動になる。

 緊張しているのか、其処にいたのはいつもの一夏ではなかった。

 

「あ、織斑君。シャワー空いたからね」

 

「お、おう。分かった」

 

 一夏の耳に届くのは、濡れた頭にタオルを乗せ、既に寝間着の姿をしているシャルル・デュノアの声が届いた。

 キョウスケがラウラと相部屋である事に対し、一夏はシャルルと相部屋になっている。

 今までは篠ノ之箒が相部屋というのは先でも触れたが、理由はセツコと同じく部屋の準備が出来たという事で、引っ越していったのだ。

 ただ彼女が去り際に発言した一言。これが、一夏の頭の中で渦巻く。

 

『来月の学年別トーナメントだが……一夏、私は本気で勝ちに行く。無論、お前も同様だ』

 

 強気な発言はいつもの事だが、その時の箒の言葉は本物だった。

 勝ちに行く――。それは一夏だって同じだ。

 それに、一夏としてもリベンジを果たしたい相手はいる。残念だが、一夏の眼中には箒との勝負よりも“あの男”との勝負しか映っていなかった。

 

(……悪いな、箒。俺は……南部との勝負しか考えられない。もう、あの時の俺とは違うってあいつに見せてやらないといけないからな……)

 

 グッと拳を握りしめると共に、あの時の屈辱を思い出す。

 何も出来ず、ただ圧倒されて敗北した。彼を倒すために、これまでトレーニングをしてきたのだ。 いつまでも負けっぱなしという訳にはいかない。

 

「……織斑君?」

 

「!?」

 

「いや、そんなに驚く事ないでしょ。ルームメイトなんだからさ」

 

 くすくすと笑うシャルル。

 いつの間にか現実逃避していた一夏であったが、いきなり現実に戻された事に酷く驚いてしまった事が恥ずかしく、少し顔を赤くした。

 更に、前までは幼馴染ということで別段意識していなかったが―――相手はほぼ初対面の女子だ。

 フランスの代表候補生という事だが、見た目は貴公子にも見えるし、なによりその辺の女子とは違う独特の雰囲気を持ち合わせている。

 箒や鈴音とは、また違った雰囲気をシャルルは持っていた。これがまさしく女特有のものか――と、彼女を見ながら一夏はそのように思う。

 

「……? さっきから変だよ、織斑君。固まっちゃって……大丈夫?」

 

「な、なんでもない! しゃ、シャワーが空いたんだったよな! は、入ってくる!」

 

 シャルルに見つめられている事に耐えられなくなった一夏は、素早くシャワールームへと逃げ込むように飛び込む。

 面白い反応をするな、とシャルルは軽く笑った。が、一夏がシャワールームへ入っていくのを見届けると、彼女は急に表情を一変させる。

 その表情は、まさしく無表情。感情など一切ないかのような、まるで人形を連想させる表情。

 恐らく、人前では絶対に見せられない姿であり、シャルル自身もあまり好きではない。

 理由は明白。今日は本社との定期連絡の日だ。室内に盗聴器の類はなく、一夏もしばらくは出ては来ない筈。シャルルは自分の携帯を取り出し、国際電話をかける。

 数度のコール音がした後、携帯は相手に繋がる。繋がった瞬間、無意識にシャルルの眉がやや寄せられた。

 

「定期報告です、社長。無事、IS学園に潜入成功。予定通り、織斑一夏を監視します」

『そうか。うまくやったようだな』

 

「はい、社長。それから、対象の織斑一夏ですが―――正直に言えば、まだ大したことはありません。 もっとも、潜在能力は高いと思われますが」

 

『ほう。流石は男でISを使える身という訳か。織斑のISの方はどうだ?』

 

「まだ、なんとも。近々、学年別トーナメントが開催されますので、その場にて判断し、収集したデータを其方に送りたいと思います」

 

『―――分かった。くれぐれも気取られるなよ』

 

「重々、承知しています」

 

 肯定したところで、シャルルはまるで嫌気がさしたかのように電話を切った。

 彼女自身、あまり社長であり、父親であるジェフリーと会話などしたくはない。

 向こう側はどうなのかは知らないが、少なくともシャルルにとっては嫌気が差して仕方がなかった。

 

(お母さん……)

 

 携帯を握りしめ、彼女は心の中で呟く。

 今、何をしているだろうか。元気なのか。ひどい事をされてはいないか。―――心配は尽きない。

 いつになったら、母親と再会できるのか。また、母親の胸に飛び込むことが出来るのはいつになるのだろうか―――思い出すだけで、シャルルの瞳に雫がたまっていく。

 

(……っ。泣いちゃ、駄目。絶対に泣かないって誓ったんだから……!)

 

 寂しさを堪え、シャルルは前を向く。

 絶対に助け出していせる。母親の為なら、どんなことだってやる。例え、人を欺こうと―――。

 

(だから………だから、私は………)

 

 彼女の決意は固かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほぼ、同時刻。一人の少女が呼び出されていた。

 そろそろ消灯時間だというのに、客人とは。

 呼び出された人物―――セシリア・オルコットは首を傾げたが、あの千冬からどういう訳だか許可が下りた。

 ただし、何故か疲れ切った様子の千冬にもまた、セシリアは首を傾げたのだが。

 

「………で、わたくしを呼び出したのは貴方ですの? ―――大倉博士」

 

「おひさ~、セシリアちゃん。最近どう? 南部君との仲は順調かな?」

 

「なっ!? あ、貴方には関係のない事ですわ! それより、いきなり此方に来られた理由はなんですの!?」

 

 いきなりセシリア相手に直球を投げ込んできた相手―――どういう訳か、大倉利通の姿が其処にあった訳だが―――に、セシリアはやや怒鳴るように大きな声を出す。

 しかし、いきなり現れた理由はなんであろうか。怪訝な表情を浮かべるセシリアであったが、大倉はおどけながらも彼の目的を彼女に話す。

 

「なにって、新武装を持ってきてあげたんじゃないか。

 ほら、君が注文していた新型ライフルだよ。すぐにでも欲しいとか言い始めるから、他の武装の開発を放り出してまで作った特注品なんだからね?」

 

「え? ………ああ、確かにしましたわね……」

 

「頼んだ本人が忘れてちゃあ困るんだけどな~」

 

 言われたときは少し驚いたが、思い出すとセシリアは納得したように頷いた。

 新型ライフル―――確か、発注したのはクラス対抗戦の後であったか。それ以前にも、エネルギー弾を用いたスターライトMk-Ⅲでは力不足と認識していた。

 が、セシリアは表情を曇らせる。確かにライフルが届いたことは喜ばしいが―――現状のセシリアにとって、ライフルは言うほど必要な存在ではないからだ。

 

「ん? 暗い表情だね、セシリアちゃん。もしかしていらないとか?」

 

「い、いえ、そういう訳ではありませんが………ありがたく受け取らせていただきますわ」

 

 こう見えて、大倉はなかなか鋭い。

 色々と質問されては面倒なので、セシリアはとりあえず礼を述べた。

 ――とはいえ、彼に尋ねればBT兵器の稼働率が向上するのは? という考えも、彼女の中には当然ある。

 こんな奴ではあるが、これでもBT兵器を提唱した人物だ。こいつが何も考えずにBT兵器を開発したとは思えず、事細かな部分まで知っている事だろう。

 事実、彼の研究データを盗み出したレビは、少しの間でBT兵器を完全に把握したといっていた。 ありえない事であるが、彼女はやってのけた。それがまた悔しかったのだが。

 しかし、セシリアが大倉にそのことを尋ねるのかといえば―――答えはNOだ。

 なにより、プライドが許さない。そんな事を言っている状況ではないことは分かっているつもりでも、これは自分の問題だ。

 答えを聞いて、それ通りに実行しても意味などない。きちんと自分で分かった上で、実行したい。それが、セシリアの目標であった。

 

「それで、新型のライフルはどういった性能を? きちんと要望通りにしてくだしましたの?」

 

「―――スターライトMk-Ⅳ。かの有名な“オクスタンモデル”だよ。君の要望通りに仕上がったと思うけどね」

 

 オクスタンモデル―――前モンド・グロッソ大会優勝者が使用したISの主要武器であり、切換え型のライフルをモデルにした武装。

 Mk-Ⅲまでのエネルギー弾をそのままに、今度は実弾に切り替えることが出来る代物。

 戦闘中において瞬時に切り替えることは中々の技量が必要だが、優勝者は難しい武器であるにも関わらず、いとも簡単に使いこなしていた。

 現在は国家代表を引退し、軍属になったと聞く。名を―――エクセレン・ブロウニング。

 千冬と並び、世界最強と言われている実力者の名。更に射撃面においても世界トップクラスの人間であり、憧れる人間も多い。

 

「じゃあ、早速君のISを貸してくれよ。MK-Ⅳをインストールするからさ。

 あ、Mk-Ⅲはどうする? できれば僕が持って帰りたいんだけど」

 

「別に構いませんが……あれが必要ですの?」

 

「もちろん。実戦経験のあるライフル銃はなかなか重宝するんだよ。

 中身のデータも取れるし、後の為になるからね。――――ま、終わった後は分解して他に回す運命になるんだけど」

 

「………なにか言いました?」

 

「うん? 空耳だと思うけど」

 

 やだなぁ、とおどけながら笑う大倉。なにやら妙な事を言った様な気がするが、どうせ聞いてもこれ以上の返事は返ってこない。

 ともかく、インストールするというので、セシリアは耳につけていたイヤーカフスを取る。

受け取った大倉は、ほいほいっとなどと言いながら、武装をインストールする準備に入った。

 

(ちょっと、タイミングが悪かったですわね……)

 

 大倉の作業を見ながら、セシリアは思う。

 ライフルが新しくなることは正直、戦術のレパートリーが増える。しかし、このタイミングでは―――なかなか難しいものだ。

 明後日の方向を見ながら、セシリアは溜息を一つ漏らした。

 

 

 

 

 

 セシリアを見送った後、大倉は物陰に隠れて様子を伺っていた千冬の方を見て、彼はにやりと笑む。

 視線を察し、気付かれていたか、とやれやれといった表情をしながら姿を現す千冬。大倉は彼女に近付き、言葉を発する。

 

「やーやー、おひさ。何年振りかな、千冬君」

 

「―――知りませんね、そんな事。私個人的にはまだくたばっていなかったのかと思っておりますが」

 

「おやおや、随分と物騒な事を口走る子だねぇ……相変わらず。で、どう? 僕が見つけた彼は」

 

「…………。そのことには、あまり触れないでいただきたい」

 

 微かに視線を逸らし、寂しげに呟く千冬。

 しかし、この男は千冬のしおらしい態度にクククと声に出して笑う。

 挙句、大声で笑いそうになったところを、千冬の拳が襲いかかる。

 

「ぐぇ! ぼ、暴力反対!」

 

「貴方がいけないんでしょうが……。

 まったく、貴方の態度はあの頃と全くといっていいほど変わらないご様子ですね」

 

「でもさぁ、似ているでしょ? 君の婚約者―――南部響介君に。指摘されて恥ずかしいのかな? 千冬ちゃんは」

 

「この………っ」

 

 再び拳を握りしめ、今にも襲い掛かろうとする千冬。

 流石にこれ以上からかう事を続ければ、大倉が本気で千冬に殺されかねない。慌てて両手を振り、千冬を宥めようとする。

 

「おおう、落ち着いてよ。僕が悪かったから。ね? ね?」

 

「――――。まあ、いいでしょう。ですが、次はありません」

 

 殺気を含んだ目付き。

 千冬の視線が大倉を捉え、事を察した大倉は小さくなる。

 ただ、内心では全く反省などしておらず、千冬に対して恐れる事などなくべーっと舌を出しており、馬鹿にしているようにも思えた。

 

「まあ、冗談はさておき。“南部君”の方はどうだい? なかなか様になってきたかな?」

 

「……まあまあ、といったところでしょうか。

 ですが、高校生とは思えないほどの洞察力と戦闘能力―――それが、奴の強みだとは思っていますが」

 

「ますます、重なる?」

 

「―――正直にいえば、ですが」

 

 俯き、静かに口にする千冬。

 口では違うと言えども、心の本質は恐らくそうなのだろうと―――告げているのだろう。

 千冬を見て、大倉は内心で笑みを浮かべる。やはり、彼と引き合わせて正解だったと―――面白そうにあざけ笑う。

 

 悪い癖だ。考えながら、大倉は思う。しかし、それもすぐにやめた。

 

「そ。じゃ、僕はもう帰るよ。やることも終わったしね。ああ、それから」

 

「……?」

 

 歩みを止め、千冬の方に振り返る大倉。

 何を意図しているのか分からず、千冬はただ首を傾げるのみ。

 

「セシリアちゃんのこと、ちゃんと見てあげてね。彼女、随分と悩んでいるよ」

 

「………知っています」

 

「本当かな? 大方、南部君の事で頭がいっぱいのように見えるけどね、今の君は。

 教師でしょ、千冬ちゃん。生徒の事はちゃんと見てあげなきゃ」

 

「貴方に言われるまでもない。ましてや“人間に興味のない”貴方に」

 

「ははっ、違いないね」

 

 ――――でも、気にかけてくれなきゃ面白くないんだよ。僕にとってはね。

 

 踵を返すや、妖艶な笑みを浮かべてその場を立ち去る大倉。

 怪訝な顔をしながら、大倉を見送るのは織斑千冬。ただし、その心中では先ほど大倉に尋ねられた事を思い返す。

 

(南部の事ばかり気にするな……か。フッ、確かに教師失格だな。まさか、あの変人にそんな事を言われる日が来るとは……)

 

 あの男の口からは予想しなかった言葉だが、的を得ている。

 大倉を見送りながら、千冬はそのことを重点的に考えているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。

 

 満月が凛々と輝き、辺りを照らす。ただし、その光は白昼のものとは違い、薄明るく優しいものだ。

 ―――と、辺りを見ながら現実逃避などしている場合ではない。俺は今、消灯時間ぎりぎりにも関わらず、寮の外へと出ていた。

 理由は、ラウラと出来る限り接触したくはないという事。理由? 察せ。

 それにだ。奴は寝る時は全裸派なのだそうだ。

 裸を見られたところで恥ずかしがるなど馬鹿げているとあいつは言っていたが―――果たして、それは人としてどうなのかと思う。

 ともかく、奴と相部屋は正直に言って苦しい。―――色々な意味が含まれているが。

 

「………で、何故お前が此処にいる?」

 

「それはこっちの台詞だ、篠ノ之」

 

 俺が出歩いていると、発見したのはクラスメイトである篠ノ之箒。手には夜に鍛錬でもしているのか竹刀を握り、袴姿だ。

 そろそろ消灯という事で、これから帰りなのだろう。しかし、夜にまで鍛錬とは。見習うべきなのかもしれんな、この姿勢は。

 

「夜練の帰りか?」

 

「まあ、な。放課後は一夏の奴に付き合わなければならんし、私の鍛錬時間も増やさなくてはならないからな。

 ――――私だけ、遅れを取る訳にはいかないしな」

 

「そうか。それで、最近のあいつの調子はどうだ? いい感じになってきた、とは聞いているが」

 

「なにを寝ぼけた事を。私から言わせればまだまだだ」

 

「厳しいコーチだな」

 

「残念ながら、それが私なのでな」

 

 皮肉など言わず、堂々と言ってのける篠ノ之。

 一夏は大変だな、と俺は苦笑した。だが、俺の態度に篠ノ之が反応し、尋ねてくる。

 

「なんだ、その笑みは」

 

「―――いいコーチに恵まれたな、と思ってな。それならあいつも大丈夫だろう」

 

「………いいコーチ、か。どうなのだろうな、実際は」

 

「ん?」

 

「確かに私は一夏に教えている立場だが……その、それだけじゃいけないと思うんだ。

 なんだろうな……って、お前に話すような内容ではなかったな!」

 

 急に怒り出す篠ノ之。喜怒哀楽が激しい奴だ。

 ただ、俺は何も言及しない。その点に関しては彼女自身が答えを出すだろう。俺が口を出す事ではない。

 

「ともかく私は行く。また明日な、南部」

 

「ああ。……篠ノ之、そういえば言い忘れていたことがあった」

 

「言い忘れたこと? 何だ、それは」

 

 不思議そうに首を傾げる篠ノ之。

 当然の反応であろうが、俺は彼女の方を見ながらその問いに答える。

 

「この間のお茶、うまかった。ありがとうな」

 

「………やはり、似ているな。あの人に……」

 

「うん?」

 

「なんでもない。じゃあな」

 

 小声で何を言ったか分からなかったが、篠ノ之はそれ以上答えることなく道具を担いで戻っていく。

 ―――何を言ったのだろうか、篠ノ之は。知る由などないが、気にすることはないのかもしれない。

 それよりも、今は。どのタイミングで部屋に戻るかを――思案しなければ、と俺は思うのだった。

 


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