真剣でKUKIに恋しなさい!   作:chemi

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30話の一子と英雄が会話する部分で、英雄の台詞を一部変更しました。内容はほぼ変わらないので心配いりません。


39話『歩み続ける者』

 

夕暮れ時、一子は島津寮へと足を運んでいた。そして洗濯物をたたむクッキーに挨拶をして早々、目的の人物がいるかどうか尋ねる。不在ならば待たせてもらおうと思っていたが、どうやら部屋にいるらしくそのまま彼女の部屋へと向かう。

 

「まゆっちー、開けてもいいかしら?」

 

 その呼びかけに数秒もせず扉が開く。由紀江は一子の気配に気づいていたようだ。

 

「皆さん、出かけていますけど……どうかされたんですか?」

「うん。今日はまゆっちにお願いがあって来たの」

 

 それを聞いた由紀江は一子を部屋の中へと招き入れた。整理の行き届いた部屋は誰がいつ来ても大丈夫なほど完璧である。由紀江は夏休みの課題をやっていたようで、机の上には教科書が開かれていた。

 一子もそれが目についたが、まだ夏休みは始まったばかりだから大丈夫と自分に言い聞かせる。それに今日はそれよりも重要な要件がある。

 由紀江は押入れから座布団を取り出し一子の座る場所へと置いた。

 

「それで、お願いとは何でしょうか?」

『まゆっちねー、ここ数日はスケジュール空きまくりだから、大抵のお願いは聞いちゃうぜ!』

 

 少し前までならこの言葉に悲壮さが漂っていたが、今の由紀江は違う。友達もでき充実した夏休みを満喫していた。こんなに幸せでいいのだろうかと日々感謝の心を忘れない由紀江。本人は気づいていないようだがリア充の仲間入りを果たしたと言える。

 

「えっとね……その英雄君から聞いたんだけど、まゆっちのお父さんが明日来るって」

「ええ。今週末は九鬼先輩……その英雄先輩のお誕生日があるのでそれに招待されたとか」

 

 英雄のみならず、九鬼の誕生会は毎年派手に行われている。ただしそれは子供のものだけ。帝は常に世界を飛び回っており、祝いは家族にしてもらえれば十分という考えだったし、局も似たような考えの持ち主であるのに加えて彼女は女性である。あまり派手に祝ってもらうのも複雑らしい。

しかし、それでは納得しなかったのが利益にあやかりたい人間たちだった。もちろん純粋に友好を深めたいという人も多かったが、とにかく接する機会を得たいために「では子供たちの祝いくらいは」と提案したのだ。

帝も自らのことには無頓着でも子供のこととなれば話は別。母である局はなおさらである。

よって、子供たちの誕生会は盛大にお祝いするのが恒例となった。そこには政財界の人間に加え、海外からもVIPが多数やって来る。さらに彼らは僅かなチャンスにかけようと息子娘を同行させる。一目惚れが無理でも何度も会っていたら恋に発展するのでは、という淡い希望をもってのことだ。

そして由紀江の父、黛大成もその招待客の一人であり、今回は初めての招待ということもあり征士郎が別個に招待状を出していた。それは一つ頼み事をしたかったからだ。

その頼みとは若手を中心とした従者に対する指導。これから九鬼の中核を担う彼らに多くの経験を積ませておきたいという目論見である。しかし大成は自らも門下生を抱えている立場であるため、簡単には道場を空けられない。

そこで今回の英雄の誕生会に合わせて都合がつけられないかと事前にアポをとっていたのだった。

その期間は1週間。そして、その間の宿や交通などの支払いは全て九鬼持ちとなっている。しかし、そこから得られるリターンは限りなく大きいと言えるため、これに指導料をつけると提案したのだが、大成は娘が世話になっているからとそれを受け取ることはしなかった。

 それを聞いた一子は意を決して口を開く。

 

「あのね……大成さんに時間を作ってもらうことって可能かしら?」

 

 不思議がる由紀江を前に、一子はその理由を説明する。そしてその目的も。

 自らの気持ちをさらけ出すのは勇気がいることである。しかし、ここで立ち止まっているわけにはいかなかった。チャンスは自ら掴みに行くしかないのだ。今の状況が打開できるのならば何だってする。一子はそんな心境であった。

 由紀江は一子の言葉を静かに聞いていた。そして全ての説明を聞き終えたのち大きくうなずいた。

 

「もちろん構いません。と言っても父本人にも了解を得る必要がありますが、できる限りご協力させていただきます」

『深刻な顔して話し出すからブルッちまったが、そういうことならオールオーケー! 悩んでるダチの力になるのに理由なんかいらねー……まぁしっかりと聞いちゃったけどね』

「ほ、本当!?」

 

 一子はがばりと身を乗り出した。

 

「もちろんです。一子さんの真剣なお気持ちも十分わかりましたし……」

『姉を補佐するために師範代目指すとか泣ける話やん? 妹にここまで思われてる姉とか……モモ先輩の果報者!』

「ありがとう、まゆっちー!」

 

 一子は身を乗り出した体をそのままに由紀江を抱きしめる。このように喜怒哀楽をストレートに表現できるところも一子の一つの長所だろう。

 由紀江は子供をあやすように一子の背をポンポンとたたく。

 

「いえいえ、このくらいお安いご用です」

『ああー寂しい休日を過ごしてきたオイラ達にこの温かさが沁みる』

 

 こうして一子は大成に会う切っ掛けを得たのだった。

 

 

 ◇

 

 

 その次の日、征士郎は川神駅へと出向いていた。その傍には紋白と静初、クラウディオ、大和。さらには由紀江と一子の姿があった。

 そして待つこと数分、袴姿の古風な男性が改札口に現れた。それに最初に気づいたのは娘の由紀江。

 由紀江は父を迎えるために小走りで近寄っていく。その姿を確認した父もどこかほっとした表情を浮かべている。

そしてよく見ると大成の傍にもう一人女の子が付き添っていた。

由紀江はその人物に驚きながらも親しそうに言葉を交わす。その人物とは由紀江の妹にあたる黛沙也佳であった。外見は由紀江を少し幼くしたもので2人はよく似ている。

由紀江が先導し、2人は征士郎らの元へと歩いて来た。

 

「大成殿、ようこそ川神へ。お元気そうでなによりです。この度は私の無理なご要望を受けてくださり感謝しています」

 

 征士郎は大成とがっちりと握手を交わした。由紀江が入学したことが切っ掛けで、ここ数か月黛家とのやり取りも増え、これは征士郎にとっても喜ぶべきことであった。

 

「私こそ招いてもらったことに感謝しているよ。こうして娘にも会えたからね」

「指導をしてくださるとき以外はご自由に動いてくださって構いません。もちろん、その間の費用は全てこちらでもちますので。観光されるなら案内役などもご用意します」

「それは有難い。実は私のもう一人の娘も一緒に付いてきてしまって……由紀江はまだこちらに不慣れだろうからどうしようかと思案していたところなのだ」

 

 しかし、これには由紀江も異議があるようで『ヘイ、ダディ! こう見えても川神近辺なら案内できるほど遊んでるんだぜ』と松風を通して主張した。

 征士郎がその意見を尊重する。

 

「ではご要望がありましたらお付きの従者に声をかけてください。家族のだんらんを邪魔するのも悪いですから」

「すまないね。心遣いに感謝する。……それから紹介が遅れて申し訳ない。こちらは由紀江の妹にあたる沙也佳です。沙也佳、ご挨拶を」

 

 沙也佳が征士郎に頭を下げる。

 

「は、初めまして。黛沙也佳です。あの……勝手に押しかけちゃってすいません」

「初めまして九鬼征士郎だ。1週間は短いかもしれないが存分に満喫するといい。もちろん鍛錬に付き合いたいなら歓迎しよう」

「あ、あわわ……さすがに私はお姉ちゃんのように強くはないので大人しく観光しています」

「そうか。筋は良さそうだから鍛えれば物になりそうだが……残念だ」

 

 大和はその発言から、できれば九鬼に誘いたいんだなと察した。ちらりと我が主を確認するとこちらも少し残念そうな顔をしている。似た者兄妹だなとほんわかした気持ちになる。

 続いて征士郎が紋白を紹介する。

 

「こちらが我が妹の紋白です。確かお会いになるのは初めてですよね?」

 

 紋白は物怖じしないいつものペースで自己紹介を行った。しかし、さすがに大成は微塵も揺るがない。

 

「ええ。しかし、由紀江の手紙ではその名を拝見していたよ。初めまして、由紀江が世話になっているようだね」

「それはお互い様だ。我こそ由紀江には世話になった。これからも末永い付き合いをしていきたいと思っている」

「それはよかった。……真っ直ぐな曇りなき良い目をしている。君のような友人に恵まれたことを親として嬉しく思うよ」

 

 その後ろでは何やら由紀江が感動している。その隣では、あの九鬼に友人扱いされている現実を目の当たりにした沙也佳が目を見開いていた。メールでのやりとりで関係は知っていたが、本人の口から聞くとまた違うらしい。

 それから続いて傍にいる従者たちの紹介が続く。大和に関しては同じ寮生ということもあって由紀江からも紹介がなされた。

 大成が静初へと目を向ける。

 

「では、征士郎君の恋人というのが……」

「もう大成殿のところまで話がいっているのですね。ええ、静初は私の恋人です」

 

 静初はそれに合わせて再度頭を下げた。

 

「ふむ……」

 

 大成はじっと静初の瞳を覗き込み、征士郎へと向き直る。

 

「私が言うのも筋違いだが、征士郎君は人を見る目があるようだ」

「ありがとうございます」

「それで……結婚の段取りはもう決まっているのかね?」

 

 この大成の踏み込んだ発言には娘たちから非難の声があがる。デリカシーがないと声を揃えて言う娘たちに、初めて大成が動揺した。

色々と気の早い大成。中学生の沙也佳に積極的に見合いを勧めた人物だけはある。

 征士郎はそれに苦笑し、静初は顔を赤くする。

 

「今は……まだ。恋人気分を満喫しているところです」

 

 その一言に静初の視線が征士郎へと突き刺さる。しかし、その視線に気づいたのは征士郎でなく紋白だった。静初と視線がぶつかった紋白がにこっと表情を崩した。静初は自らの心のうちが読まれたように感じてまた頬に熱を感じる。

 そんな2人に気づく様子がない征士郎らは会話を続ける。

 

「なるほど。どうも年をとってはいかんな。先を急いでしまうようだ」

「何を仰います。まだまだ十分お若いですよ」

「ありがとう。ところで……そちらのお嬢さんは川神の?」

 

 大成はそう言って、まだ紹介のされていない一子へと視線を移した。一子ははきはきと自己紹介を行ったが、その場ですぐにお願いするのもおかしな感じがして言葉につまる。

そこへ助け船をだしたのは征士郎だった。

 

「とりあえず立ち話もなんですので一旦本部へと参りましょう。一子の方はまた別個で大成殿にお話があるようなので、お時間を割いていただけると有難いです」

 

 その言葉に従って一同は車に乗り、九鬼本部へと移動する。ちなみに初めて乗るリムジンに沙也佳は写真を撮ってもいいかとはしゃぎ、由紀江が諌めるという姉妹らしい一面も垣間見られた。

 

 

 ◇

 

 

日をまたぎ、燕は大成から指導を受けている従者の様子を少し見学していた。そこにいる誰もが大成から何かを掴もうと熱心に聞き入っている。

あの向上心が従者部隊の質を保っているだろうと燕は思った。

それから、すぐに呼び出されている第4実験室へと向かう。

こちらにも興味はあるものの、明日由紀江が来ることになっているときに合わせて、指導へと混ぜてもらうことが決まっているので心配はない。黛の剣術を体験し、由紀江とも手合せができる貴重な時間である。

剣聖ともなれば武人である以上興味がわかないわけがない。それはクローン組も同じだったようで、先の鍛錬場にはその姿があった。特に刀という同じ武器を扱う義経は誰よりも真剣にその話を聞いていた。弁慶と与一は付き合わされた口だろう。義経と清楚の誘いを断ることはできなかったようだ。

燕の心情としては項羽に参加しないでいてほしかったが、それを言ってもどうしようもない。その項羽は最近ただやたらめったら武器を振り回すということが減っている。動きがより洗練されつつあるようだ。模擬戦の敗北で色々と意識の変化があったらしい。

 

「ももちゃんは揚羽さんと山籠もり。清楚は剣聖の指導に参加とか……」

 

 目標を乗り越えようとあがく燕の前で、その目標がどんどん高くなっているという事実。

 考えるだけでへこみそうになった燕は頭を左右に振った。悩む暇があるなら自らもそれに向かって高めるのみ。そこまで考えて、自分はこんな正々堂々を望む性格だったろうかとおかしくなった。

 いや正々堂々と挑まざるを得なくなったのだ。これまでの観察から小細工が通用しないという結論が出た。だから正面からあたるしかない。もちろん今後隙があるようならば逃しはしない。しかし、そこに期待するよりは実力をつける方がまだ可能性がある。

 百代と項羽は拳を交えたあの一件以来互いに意識している。しかし、そこでハブにされるのを我慢できるほど燕も大人しい女ではない。同世代だからこそ余計にだ。

 そして、そのためには新たな平蜘蛛を使いこなさなければならない。

 天才ジーノの頭脳を借り、久信が不眠不休で改められた燕専用の武器。

 

「よし!」

 

 燕は気合いを入れ直し、全面白に覆われた実験室へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

『ハロー。燕ちゃん、元気してたー?』

 

 そこに待っていたのは兎耳を生やした四足歩行のロボットだった。そしてそれを介して聞こえる声はジーノものである。滑らかな動きを見せるロボは瞬時に変形してボール型になって跳ねたり、ジェット噴射で空中を飛び回ったりした。

 その隣には大き目のジュラルミンケースが置かれている。

 

「もちろん。ジーノさんは相変わらずっぽいね」

『いやいやーそんなことないよ! 征士郎君にこき使われて大変なんだから! なのに、この前なんかどこの国が失敗したのかわかんないけど、そのデブリ(宇宙ゴミ)がさー私の住処にぶつかりそうになったし』

「一大事じゃん!?」

『ノープロブレム! それを華麗に処理できるのが私!』

「ちなみにどうやって?」

『武神の川神波、だっけ? あれの似たようなので消し去った。あれさぁ……時々地球から放たれて私たちにも見えるんだよね。あの子、本当に人間なの? 興味あるんだよねーあの子の体とか闘気とかさ』

 

 炎や氷、雷といった現象をも引き起こす闘気は謎が多く、それがジーノの好奇心を刺激していた。

 

「宇宙って凄いんだね……」

『地球も凄いと思うけどね。ま、燕ちゃんがおばあちゃんになるころまでには、軌道エレベーターも完成してるから簡単に来れちゃうよ。月に旅行だーとか火星を探検だーとか言う日も遠くないし……っと無駄話していると怒られちゃうね。それじゃあメインディッシュを開けてみようか!』

 

 そう言ってウサ耳ロボットがクルクルとケースの周りを走る。

 燕も改良型を目にするのは初めてである。ワクワクする気持ちを押さえながらケースへと手をかけた。

 その中にあったのは一対の小手。従来の平蜘蛛を小型化したものであった。重量も軽減し、これなら腕を振るうにも支障がなさそうである。それと一緒に入っていたのは燕が以前より着用していた黒いスーツ。こちらにも改良が加えられ身体能力の向上させてくれるというものだった。

 燕はそれを手にとりながら、ジーノの説明を聞いていく。

 聞けば聞くほどジーノの異常さがわかるものだったが、その彼女が父の発明を評価してくれたのは喜ばしいことだった。

 そしてこれらはまだ試作段階にあり、燕の戦闘データをもとにこれからの更なる開発に役立てていく。

 ちなみにこの説明を担当するはずだった久信はというと、連日の無理がたたって開発を終えると同時に従者によって運ばれていったらしい。燕は毎度のことに心配になったが、ここは世界の九鬼であることを思い出して胸をなでおろす。

 全ての説明を聞き終わった燕はそれらを持って、一度着替えに戻る。

 そしてまた戻って来たときには新たな人物が立っていた。緑の髪をツインテールにした少女。燕よりは年下に見えるその素顔は幼さが残っている。

 

『対戦相手は燕ちゃんの知り合いでもよかったんだけど、あんまり情報知られるのも嫌でしょ? だからこちらで用意しました! まだ世界に未公表の新たな自律型ロボット、クッキー4isちゃんでーす! パチパチパチー!』

「貴方が私の実験台となる松永燕ですか? どうぞよろしく」

 

 勝気な笑みを浮かべたクッキー4isはニコニコしている。こうしてみると可愛い女の子そのものでとてもロボットには見えない。

 

『この子はうーちゃん(海経)が作ったクッキーの後継にあたる子で、なんとその種類は108! それぞれが得意分野に特化した能力を持っているんだよ! このクッキー4is……長いからアイエスでいいか。うん、なんかアイエスって響き凄い良い感じ! これから君はアイエスだ! で、アイエスは人のお世話をすることに特化していて、炊事洗濯掃除何でもござれのメイドさんみたいなものだね』

「素敵なマイスター募集中です」

『あ、そんな子が戦えるのかって思った? だいじょうーぶっ!! アイエスは総合的な能力もアップしているし、燕ちゃんの相手をしてもらうときは私がちょちょっと手を加えるからね』

「今のアイエスは一味違います。ご要望とあれば仕方ありません。ぶっ飛ばしてしまっても構わないんですよね? ケタケタ」

 

 物騒なことを口にするアイエスはニコニコから一瞬ニヤニヤに表情を変えたが、燕はその瞬間を見逃さなかった。

 

『それじゃ……あとは若い者同士仲良くやり合ってもらって。燕ちゃん、健闘を祈る!』

 

 そう言ってジーノは退散していった。

 そして実験室に残る2人。海経もモニタールームにいたようで、アナウンスから声が聞こえてくる。最初の合図はあちらから出してくれるようだ。

 燕が平蜘蛛の位置を調整しながら声をかける。

 

「そんじゃ、アイエスちゃん……だっけ? 別に猫とか被る必要ないからよろしくね」

「な、なんのことですかねー? お淑やかなのが私の素なんで、貴方の言ってることがよくわかりませんねー?」

 

 コロコロと表情を変えるアイエスはまさに人間そのものである。

 

「それでアイエスちゃんは――」

 

 武器とか持たないの。燕はそう問いただそうとして言葉を失った。

 それはアイエスの身の回りに起きた劇的な変化が原因だった。空気がゆらりと揺らめき、次いで七色の煌めきを放つ。そしてひざ下からつま先にかけて、肩から手の先、極めつけは羽のようにメカニックなパーツの数々が展開されたのだ。それは変形ででてきたものではない。何も存在しなかったところから急に現れたのだ。

少女の纏う戦闘衣装は緑を基調としており、その姿は見る者を圧倒する。

 燕は目の前で起きた光景につばをのんだ。

 

「まさか……武器の量子化?」

「フッフッフ……驚くのはまだ早いですよ、松永燕。生まれ変わったアイエスの力、とくとその身で味わいなさいな!」

 

 生まれ変わったものなにも燕は今出会ったばかりであり、何がどう違うのかわからない。

ぽかんとする燕を前にして、アイエスはフワリと宙に浮かんだ。羽からは輝く粒子が溢れだし、その姿は天使のようにも見えた。

 

 




一気に書きあがった。

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