黒バスの世界に転生したみたいだけど何かがおかしい   作:バイタリティ・FX

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あれ?小説間違えた?って感じに後半部分でラブコメしてます。

あと木吉先輩の名前は『心(こころ)』に決まりました!感想をくれた方が付けてくれた名前です。二つ名の鉄心から取るとは、そこまで考えが至らなかったです。ともあれありがとうございました!


3:ほのぼのとした日常的なラブコメ

 

注文を終えて席に戻ると、ツナちゃんは青峰さんと桃井さんの二人とそこそこ打ち解けていたようだった。

 

「おまたせ。はい、ツナちゃんのいつもの」

 

そういって渡したのはシンプルなハンバーガーとポテトのセット、それから彼女の大好物のバニラシェイク。マジバにくるとツナちゃんが必ず頼むものだ。

俺は色々なものを食べたいから来るごとに頼むものが違う。今回はテリヤキバーガーとチキンナゲットのセットだ。飲み物だけは一貫してミルクティーだが。

 

「おっ、藍流もテリヤキか。美味いよなぁ、テリヤキ」

 

俺の対面に座る青峰さんもテリヤキバーガーを食べていた。きっと大好きなんだろう。だって五個も食べてるもの。

いくら育ち盛りのとはいえテリヤキバーガーを五個はキツい。男子でもキツいんだから女子の青峰さんにはもっとキツいんじゃなかろうか。

 

「もう、ヒカちゃんったらそんなに食べて。太っても知らないよ?」

 

「いいんだよ、食ったら運動して消費すりゃいいんだから」

 

そう言って彼女は指定バッグとは別のスポーツバッグからバスケットボールを取り出し、指先を軸にしてクルクルと回し始めた。

 

「青峰さんもバスケするんですか?」

 

するとバスケットボールに反応したツナちゃんが珍しく目をキラキラさせながら青峰さんに問いかけてた。というより目をキラキラさせているツナちゃんを久しぶりに見た。付き合いの長い俺くらいにしか分からない程度の変化だけど。

 

「あぁ、ミニバスからやってる。“も”ってことは黒子も?」

 

「はい、小学生のころに友人に誘われて始めました。まだまだ下手くそですけど……」

 

ツナちゃんが下手っぴなのは否定はしない。この世界が黒バスならば彼女の才覚が現れるのはまだ先なのだ。

 

「でもバスケ好きなんだろ? なら下手くそでもいいじゃねーか」

 

青峰さんがにこやかに笑いながらツナちゃんにそう言うとツナちゃんもそれに答えながら口元を弛めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

濡れた髪をタオルでガシガシと大雑把に拭きながらリビングに向かう。

あの後、青峰さんたちとはマジバ前で別れた。青峰さん的にはツナちゃんとバスケがやりたかったらしいが、部活に備えてシューズやトレーニングウェアを買いに行かなければならないそうだ。ツナちゃんは春休み中に買い揃えていたのでこの日はお開きになった。

ちなみに、青峰さんの「最近スポブラも小さくなってきたから新しいの買わなくちゃなんねーんだよなぁ……」という発言に対して「ヒカちゃん男子がいるんだからそんな話しないの!」と桃井さんに怒られていたのは余談だ。

 

そんな感じで青峰さんたちと親睦を深め、家に帰ってきたのが2時を少し過ぎた辺り。

 

今日は4月にしては少しばかり暑かったため、うっすらと汗ばんでいた身体をシャワーを流すことにしたというわけだ。

 

 

俺とツナちゃんは漫画のように家がお隣同士で、アニメのように双方の両親が仲良しで、ゲームのようにその両親が共に仕事で夜遅くまで帰らないという今時珍しいくらいにサブカルチャー向きな家庭環境だ。

俺たちの家は仲良しさを象徴するように庭が繋がっている。仕切りのために植えられた木々は最低限のプライベートを守るだけである。だからうちの庭の窓は常にオープンなのだ。いつか泥棒に入られそうではあるが、俺の両親はツナちゃんを実の娘のように可愛がりまくってるからツナちゃんがうちに遊びにくるための最短ルートを確保するための処置らしい。

 

リビングに入ると俺と同じように頭にタオルを被ったツナちゃんがいた。ツナちゃんも自宅でシャワーを浴びてきたのだろう。テレビを囲むように配置されたソファーのうち、窓側の二人掛け用に座って麦茶を飲んでいる。ご丁寧に俺の分まで淹れてくれている辺り、ツナちゃんはいいお嫁さんになりそうだよね。まぁ、そこらの馬の骨には絶対にやらんが。

 

「ありがとツナちゃん」

 

そうお礼を言ってからグラスに注いである麦茶を一息に飲み干す。冷蔵庫からしばらく常温にさらされた麦茶は冷たすぎず温すぎずの丁度いい温度だ。美味い。

グラスをシンクに置いてから一旦脱衣場兼洗面所に向かう。そこからドライヤーを持って、またリビングに戻る。

 

「ツナちゃんおいで」

 

ツナちゃんの隣に腰掛け、開いた足の間をポンポンと叩いて意図を知らせる。ツナちゃんはグラスをテーブルに置くと慣れた様子で俺の足の間にぽすんと収まった。

彼女が本来持つ女子特有の柔らかい匂いとシャワー後のシャンプーの香りが鼻腔を擽 (くすぐ) る。ツナちゃんの首筋に顔を埋めてその匂いを肺一杯に堪能したい欲求を抑えながら彼女の少しクセのある髪の毛をドライヤーで乾かしていく。

髪の毛というのは繊細でドライヤーの熱でもダメージを受けると前に何かの番組で言っていた。だから30センチほど離した位置から温風を当て、その後に冷風で乾かしていく。このケアの仕方が正しいのかは分からないが、ツナちゃんの髪の毛には枝毛が少ないことを見ると間違いではないと思う。

髪の毛を乾かし終えると、ツナちゃんが完全に身体を預ける形でもたれかかってきた。その顔はどこか眠たさげだ。

 

「眠たい? ベッド貸そうか?」

 

 

そう尋ねると、ツナちゃんは首を横に振った。

 

「英理くんが嫌でなければ……このままがいいです」

 

……………………………………今、ものすごくキュンときた。なんだこのカワユイ生き物は。お持ち帰りしたい。と思ったがすでにここは我が家だ。

後ろから抱き締めていてほしいというのは大変嬉しいのだが、座ったまま眠ってしまうと身体が変に凝って疲れがとれないだろう。

 

「膝を貸すから横になったほうがいいんじゃない?」

 

その提案にも、ツナちゃんは首を横に振った。

 

「膝枕も魅力的ですけど、今は英理くんに包まれていたいです……」

 

……………………………………………………………………………………………ヤバイよ、ヤバい。キュン死する。肩越しの上目遣いに潤んだ瞳はズルい。こんなお願い断れる男はいないだろ。

 

なんとなく、なんとなくだけど、照れてる顔を見られるのが恥ずかしいから、

 

「あっ……」

 

頭を撫でてごまかした。ツナちゃんだって嬉しそうだし、この選択は間違いではないはずだ。

ツナちゃんが頭を俺の左肩に預けると彼女の顔がよく見える。時折重なる視線は溶けかけのソフトクリームのようにとろとろで。

あぁ、なんて心臓に悪いんだ。心なしか、いや確実に、俺の胸の鼓動は早鐘を打っていることだろう。それはきっとツナちゃんにも伝わっている。

 

ラブコメかよ、なんて思わなくもないが。

まぁ、なんだ……転生してよかったなぁ……なんて、ふと思った。

 

 

 

 




信じられるか?こいつらこれで付き合ってないんだぜ?って感じを意識しました。
ツナちゃんはまだ英理くんへの感情を一緒にいて心地の良い存在……ようはお兄ちゃん的な感じだと思ってます。それがキセキの世代の女の子と関わるうちに恋をしていたと理解する……みたいな感じでいこうと妄想しております。

あと画面の前の男性諸君。『黒バスの世界に転生したみたいだけど何かがおかしい』のR−18verの連載が決定した。みんながヤれって囁くんだ……挨拶が「エロやろうぜ」なんだ……強いられてるんだっ!

とか書いておきながらエロverの設定が天から降りてきた。
キセキの世代全員を英理くんに惚れさせる→各個人にギリギリ達成可能なノルマを課して達成出来たら英理くんとエッチ出来る。みたいな感じでどうだろう。
各個人にノルマを課すのは平等にするため。一番得点が多かった人とかだったらツナちゃん不利だかんね。まぁ、エロ書くのはしばらく後にあるかと思いますんでパンツはまだ脱がなくていいですよ!

感想くれたり評価を入れてくれるとモチベーション上がるんだけどなぁ〜(チラッ)

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