「決闘だ。」
キリッなんて擬音がつきそうなくらいそのとき奴の顔は輝いていた。とりあえず勝負は先手必勝というから一発。奴がのびてしまったのでルールを定めて、改めて後日行うことになった、
奴の名はモテミツ。面倒くさいから覚えなくていい。さらに言えば今回登場するだけの一発屋キャラであるからかませ犬でもある。そんな貧弱な戦闘力ではベジータにさえなれないのだよ。容姿なんて設定が面倒だから、例のよその奴を思い浮かべておいてください。
そんなことはおいておくとして、何故自分がこの決闘騒ぎに巻き込まれてしまったのかと言いますと、自分の周りの女の子がうらやましいと。彼女達との交際をやめろと言われてしまった。
誰とも付き合ってはいないのだが、周りと言われて思い当たるのが、ヒバリちゃんだよな。
確かに彼女は容姿端麗で、学問も出来る。しかし性格に難があるよな。だって並盛中の風紀委員長であると同時に、不良の頂点なんだよ。最初は疑問を持ったんだよ。なにあれ。並盛って普通の街じゃないの。あんなに不良がいるなんて。あれだけいるならもっと治安が悪くなる気がするんだけどと。そこはヒバリちゃんがちゃんと統括しているらしいし、逆に治安維持に役立っているとか。あとあの凶暴性ね。登下校中進行方向に雑談しながら帰っている集団がいると、「群れていると、かみ殺すよ。」とかトンファーを取り出しながら、脅しをかけてくるんだからな。一緒に帰ろうと誘っても、群れるのは嫌いといって、ごくまれにしか一緒に帰らない気まぐれな奴である。
次点で、笹川妹の京子ちゃんか。彼女は可愛い。明るくてちょっと天然で無邪気な笑顔がいい…らしい。料理はかなり出来るらしい。学校で一番とはいかないだろうがかなりの人気者ではある。
ま、難点があるとすれば彼女の兄いや、姉貴だ。奴はすごい天然でよく叫ぶ。1日のエネルギー消費の半分は叫ぶことに使っているだろう。きっと。悪い奴ではないんだがな。また自分に会うたびにボクシングの勧誘をしてくる。おまえならボクシングのチャンピオンになれるだって言われてもそんなきつそうな競技に挑戦したくないよ。姉貴の方が自分に年齢的にも近いのだがそんなわけで人気はない分けではないが、男っぽいので除外したい。
さて、三番目になって考えるのが面倒になってきたのだが、山本嬢をあげておこう。自分の一押しはこの山本ミキである。先にあげた笹川妹とは学年で双璧をなすらしく、顔立ちは整ってスラッとして背が高くスポーツも出来るみんなのムードメーカーである。なんというかこう二カッとした笑顔というか男の子っぽい笑顔が素敵なんだ。ソフトボールをやっていて上級生を押しのけてレギュラーを獲得したとか。勉強が出来ないことが欠点だが、勘が鋭いとか。
女の子の話はここまでにしておくとして、例のあの人との決闘だが、やはり非常事態に陥った。決闘場所である体育館で開始の合図を待っていたが、急にガラスが割れて奴が現れた。額に火をともし、目がおかしい下着姿の沢田ちゃんだ。とりあえず彼女がそんな格好のままでいてもらっては自分も困るので、こんなこともあろうかと用意していたマントを着せておく。裸マント、うんやっぱり変態だ。下着だけど。みんなに見られなくてよかったね。
みんなが唖然としているうちにツナ(沢田ちゃんって呼ぶのが面倒くさい)が「死ぬ気で助太刀する。」とか言って、名前を呼んではいけないあの人をフルボッコにしてくれたようだ。女の子が男をボコボコにするってすごいな。サンキューといってぽんと肩を叩いて退場する。彼女にはクラスメイトからの賛辞があるだろうから、邪魔者は消えておきましょう。はい。え、友達になってくれって。あ、はい。わかった、いいよ。じゃ、またね。
「おい。」
「はい、はい。今度はなんですか。ん。おまえ赤ん坊か。」
「そんなことはどうでもいい。おまえこの前ツナを家に送り届けた時妙なこと言っていてな。ツナが嘘をついているなんて思えねえ。家までのあの距離を誰にも会わないなんてほぼ不可能だぞ。」
「たまたまじゃないかな。」
「おまえなにもんだ。」
「子供が銃なんて持つなよ。」
「ごまかすな。」
「取り上げんぞ。」
「できるか試してみるか。」
「………」
「………」
「…まいりましたー。」
「つまんねえな。」
「また今度遊ぼうぜ。気楽に。」
「そうだな。」
「じゃ。」