デジモンアドベンチャー01   作:もそもそ23

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やっとヴァンデモン戦が終わりました。
始めは二話で構成するつもりが、あれよあれよとながくなってしまいました。

ですが、やっとこの鬱展開から脱出出来そうです。




"狂犬 "……いや、"狂竜"か……

「待……て……太一の所には……行かせない……」

 

互いの必殺によって燃え盛る炎の森の中、エネルギーを大きく消耗したメタルグレイモンは、倒れながらもメタルティラノモンの足へと必死にしがみ付き、その進撃を食い止めていた。しかし、

 

「退け!」

 

「ぐぁっ!」

 

残るもう片方の足が容赦なく彼に降り下ろされる。

既に体力は底を付き、限界は近い。闇雲に降り下ろされるメタルティラノモンの体重を乗せた踏みつけが、更にそれを加速させる。それでも、彼はその両手を離そうとはしない。何故なら、

 

「お前は……ボクを……止めてくれた……今度は……ボクが……」

 

それは、『太一を守る』という気持ちに次ぐ今の彼の想い。かつての暴走を止めてくれたこのデジモンを、なんとか救いだしたいのだ。

 

「お前を……助ける……」

 

ガツン、ガツンという幾度の踏みつけに耐えながら、彼は"同族"の説得を試みる。

 

「目を……覚ましてくれ……沙綾のためにも……」

 

だが、そんな彼の想いも、一つの"食い違い"によって今のメタルティラノモンには届かない。

いや、むしろそれは、"その言葉は"、この灰色の恐竜にとっての逆鱗そのものである。

 

「うる……さい!! 」

 

「がっ!」

 

ドゴっという鈍い音を上げ、しがみ付くメタルグレイモンの身体に今まで以上の強烈な蹴りが入る。

踏みつけによってさんざん体力を削られ、最早気力のみで捕まっていた彼は、その横からの衝撃に耐える事は出来ず、大きく宙を舞った。

 

「お前が! それをいうのかっ!」

 

力なく浮き上がるその体に追撃のレーザーが直撃し、メタルグレイモンは爆炎と共に更に大きく吹き飛ばされる。

 

自力での飛行などもう不可能。

それどころか、最早完全体の姿を維持する事も出来ず、彼の体は光に包まれて幼年期へと退化し、無情にもそのまま落下を始めた。

 

(……ボクじゃ……ダメなのか……)

 

メタルグレイモンでは大した高さではなくとも、体の小さなコロモンでは話は別である。

森の木々よりも遥かに高い位置から落ちたとなれば、無事では済まない。

薄れていく意識、無力感と『このまま地面へと叩き付けられるのか』という絶望勘が退化したコロモンに過る。

 

(……ごめん、太一……)

 

徐々に近付いていく地上に、動けないコロモン。

 

 

その刹那、

 

「コロモン!」

 

意識の無くなる直前、聞き覚えのある声と共に、巨大な赤い影が、間一髪の所で彼の身体をその大きな手で受け止めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫……?」

 

「君は……ピヨモン……?」

 

「ええ……」

 

「そう……よかっ……た……」

 

巨大な翼で羽ばたくその頼もしい姿に安心したのだろう。

その言葉を最後にコロモンは目を閉じ、ガルダモンの腕の中で意識を手離した。

 

「……ゆっくり休んでいて……コロモン……」

 

そんなコロモンへの労いの言葉を掛け、ガルダモンは灰色の恐竜と向き合う。

 

 

 

 

メタルティラノモンは突如目の前に現れた新たなデジモンに再三左腕を構え、強烈な眼光を向けた。

 

「お前も……オレの邪魔をしに来たのか……!」

 

「貴方と戦うつもりはない……」

 

「ならそこを退けっ!」

 

相手の返事を待つこともせず、飛行するガルダモンに向けて彼の副砲が一直線に放たれる。

だが、

 

「でも……」

 

ガルダモンは翼を大きく羽ばたかせて急上昇する事で難なくそれをかわした。

巨大な鳥人が空へと舞い上がり、彼を翻弄するように回りを動き回る。

 

「!、ヌークリアレーザー!」

 

体格にに合わないその素早い動きに、メタルティラノモンは副砲を乱射するが、ガルダモンは障害物のない空中を右へ左へと旋回し、それが当たる気配はない。

 

「クッ!」

 

一切命中しない攻撃に、メタルティラノモンは苛立ちをうかべて歯軋りをする。

 

そして、

 

「チッ!」

 

舌打ちと共に、彼は腕を下ろした。

実際の所、彼は既に二回の必殺に加え、副砲の連発。更に、太一を見つけてから全力で暴れているのだ。

少なくなってくるスタミナを此処で無駄に消費する訳にはいかないと判断したのである。ガルダモンが"自らの進行の邪魔をしない"のなら、今の彼にとって彼女になど構っている暇はないのだから。

 

 

メタルティラノモンは視線を上空のガルダモンから外し、太一が消えた方向へと顔を向け走り出そうとした。

 

しかしその時、上空を舞う鳥人が突如急停止し、反撃の構えと共に声を上げる。

 

「でも、貴方がみんなを殺そうとするのを、黙って見てる訳にはいかない! 」

 

「!」

 

直後、ガルダモンの身体が炎に包まれる。

 

「シャドーウイング!」

 

先程ヴァンデモンの攻撃を止めた炎、彼女が纏い放出される炎が、まるで分身のように巨鳥の形を形成し、メタルティラノモンに向かって襲いかかったのだ。

 

「!、クソッ! この程度っ!」

 

彼は反射的に腕で頭を守るように防御の構えを取る。

防御力の高いメタルティラノモンならば、疲労を考えても一撃では倒れない。

 

 

 

しかし、ガルダモンの狙いは最初からそこにはない。

 

先程も言ったように彼女はメタルティラノモンと戦う気などはないのだ。

 

「な……に……!」

 

炎の巨鳥は不規則な軌道を描きながら、彼の防御をすり抜けるように足元へと着弾し、メタルティラノモンの片足へとダメージを与えてガクンとその体勢を崩す。

更にそのまま彼の周囲へと広がる炎は、森の火の手を更に激しい物へと変えた。それは大きく立ち上ぼり、まるで彼を取り囲む炎の壁のようである。

 

"メタルティラノモンの視界を奪い足止めする事"、これがガルダモンの目的なのだ。

 

「今のうちに!」

 

「お前……よくも……!グッ……!」

 

唯一火の手の上がらない上空を見上げ、メタルティラノモンは片膝を付く。

 

だが、この足止めも実際何時まで持つかは分からない。ガルダモンは炎の中憎々しげしげに此方を見上げて吠える彼に一瞬目を向けた後、手筈通りこの場から脱出するため、腕の中で眠るコロモンと共に素早くこの場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

「ふっ!」

 

光の棍と闇の鞭が月明かりの下で交差する。

お互いに牽制の意味を込めた遠距離からの物理戦は、一進一退を繰返し、どちらとも決定打に欠ける戦いが続いていた。

 

「……まずいです……このままじゃ……」

 

「う……エンジェモン!頑張って!」

 

だが、それを見守る子供の様子は優れない。

何故なら、

 

「くっ……ホーンバスター!」

 

エンジェモンへと襲いかかる赤い鞭を、アトラーカブテリモンは角先からのエネルギー弾で弾くが、その威力は戦闘開始時より明らかに弱々しい。

そう、"エンジェモンの防御"を担当する彼の体力が、もう限界を迎えつつあるのだ。

 

天使と不死者による一進一退の攻防は、確実に"ヴァンデモンの有利"へと傾きつつあった。

 

「どうした……?私を倒すのだろう……?」

 

「くっ!」

 

二つの鞭をで攻撃と防御を器用にこなしながら、ヴァンデモンはつり上がった笑みを浮かべる。このままではいずれこの均衡は崩れるだろう。

勿論それはエンジェモンも理解している。故に彼は此処で勝負に出た。

 

「はぁぁ!」

 

ヴァンデモンの振るう片方の鞭をバチンと弾いた後、彼は自身の武器を素早く光へと変え、自らの拳へと纏わせる。

 

そして、

 

「光よ……」

 

腰を落として右腕を引き、自身の必殺の構えを取った。

 

「ふん……来るか……」

 

だが当然、闇に対して強力な特効を持つその必殺をヴァンデモンが黙って見ている筈がない。

弾かれた鞭と残るもう一つの鞭、両方を変則的に降り下ろしてエンジェモンを狙う。

アトラーカブテリモンが一つの鞭を捌く事で最早手一杯な以上、こうする事で少なくとも"どちらか一つ"はエンジェモンへと命中するとかんがえたのだろう。

 

しかし、それは両方とも"エンジェモンには"当たることはなかった。

 

何故なら、

 

「させまへんでっ!」

 

アトラーカブテリモンが最後の力と言わんばかりにエンジェモンの前へと立ち塞がり、弾くのではなく、その身を盾にして二つの鞭を受けたのだ。

 

「ほう……」

 

「ぐっ!……すんまへん……後は……たのんます……」

 

バチンバチンと、立て続けにヴァンデモンの攻撃がアトラーカブテリモンへと命中し、役目を果たした彼はゆっくりと崩れ落ち、その身を幼年期へと退化させた。

 

「すまない……アトラーカブテリモン……」

 

彼の捨て身の甲斐あって、その後方のエンジェモンは無事に必殺の準備を整え、後はそれをヴァンデモンに向かって放つのみである。

 

しかし、まだ一つ問題がある。

 

「準備は万端か……だが、当たると思っているのか……?」

 

そう、両者の間は約10メートル。直線的な攻撃はまず見切られてしまうだろう。

 

だから、彼は勝負に出た。

 

「行くぞっ!ヴァンデモン!」

 

白い天使が地面を蹴る。

拳に光を纏わせたまま、彼は六枚の翼を持って全力でヴァンデモンへと加速したのだ。

避けようのない至近距離から必殺を当てるために。

 

「!……思いきったな……だが、私のやることは変わらん……」

 

闇が光を苦手とするように、光もまた闇を苦手とする。

エンジェモンの特攻にも近いその行動に、ヴァンデモンは驚くが、それも一瞬の事。彼は"赤い鞭"を捨て、すぐさま突撃するエンジェモンに向かい、光子朗達を苦しめた"闇の弾丸"を展開する。

 

「ナイトレイド!」

 

「エンジェモン!」

 

「タケル君!前に出ちゃダメだ! 」

 

ヴァンデモンの妨害など承知の上。

飛びかかる無数のコウモリを前にしても、エンジェモンは引かない。過去の出来事を思い出したタケルが不安感をあらわにする中、彼は弾丸のように突き進むコウモリの大群へと突撃した。

これを越えなければ、ヴァンデモンに攻撃を当てることすら叶わないのだ。

 

「うっ! ぐっ、あ……!」

 

夥しい数の闇が、エンジェモンの体力を削る。

やはり前進すら満足にいかない。

彼の全力を上げたスピードが、強烈な向かい風を受けたかのようにピタリと停止したのだ。

いや、むしろ激しいその衝撃に、前進姿勢を保ちながらもゆっくりと押し戻されている。

 

(くっ……やはり、強い……)

 

成熟期と完全体の差だろうか。

嵐のような弾幕にエンジェモンは歯を食い縛る。

 

「さて……いつまで持つか……」

 

一方、ヴァンデモンは自身の勝利を確信した。

何せ、自身が動かずとも向こうの体力は勝手に減っていくのだから。

仮に今必殺を放とうともコウモリ達が達が盾になる。

 

 

 

「お前達の負けだ……」

 

「はぁ、はぁ……うっ……失……敗……か」

 

 

押し寄せる闇にズルズルと後退するエンジェモンを見下すようにヴァンデモンは口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

だが、彼は気付いていない。いや、目の前の天使に意識を集中していた為に気付くのが遅れてしまったのだ。

 

「……!」

 

自身のほぼ真上を、太一達を救出した赤い鳥人が闇に紛れるように飛んでいるのを。

それはヴァンデモンにとって皮肉にも、先程光子朗達を追い詰めた時とほぼ同じように。

 

「お願いガルダモン!」

 

「シャドーウイング!」

 

まるで先程と同じように、夜の闇に紛れた遥か上空から赤々とした炎の巨鳥がヴァンデモンへと降り注いだのだ。

 

「小賢しい!」

 

"反射的"にマントを盾にしてヴァンデモンはその炎から身を守るが、正にそれが仇となってしまった。

一瞬途切れる弾幕、エンジェモンは最後の力を振り絞って前進を開始する。右腕を引き、彼の懐へと一気に迫った。

 

「ヘブンズ……」

 

「くっ!」

 

ヴァンデモンの額に冷や汗が滲む。再びコウモリ達を召喚しようとするも、それは最早間に合わず

 

「ナックルゥー!」

 

足を踏み込み、エンジェモンは渾身の一撃を見舞う。そして、

 

「ぐうぅぅ!」

 

ドゴっという鈍い音を上げてその腹部へと彼の拳が命中した。同時に、ヴァンデモンが目を見開く。

瞬間、その右腕に蓄えられた光の力は、爆発のような閃光となってヴァンデモンの身体を大きく吹き飛ばし、その身体を勢いよく森の木々へと叩きつけた。

 

消滅とまではいかずとも、やはり確実にダメージは受けているのだろう。彼は立ち上がる事は出来ず、腹部を押さえて片膝を付く。

 

「………くっ………おのれ………」

 

「はぁ……はぁ……」

 

しかしそれはエンジェモンも同じ。むしろ、彼の方が受けたダメージは大きい。

全力を放った彼はそのまま地面へと倒れこみ、光を放ちながらその身を成長期へと退化させた。

 

「パタモン!」

 

タケルが慌てて彼の元まで駆け寄り、その小さな身体を抱き上げる。

 

「大丈夫!?」

 

「………うん……なんとか………」

 

「今の内!みんな逃げましょう!」

 

弱々しくもなんとか頷くパタモンを抱き抱え、なんとか立ち上がろうとするヴァンデモンを横目に、タケルもまた、その場から急いで彼女達の元へと駆け出した。

 

 

 

そして、

 

 

「みんないるわね……しっかり掴まってて!」

 

全員が無事に揃ったところで、ガルダモンは背中の翼を大きく広げて大地を蹴る。

 

ガルダモン以外のパートナーは全員戦闘不能といってもいい状況の中、"奇跡的"に一人も欠けることはなく、選ばれし子供達は皆、無事にこの燃え盛る森から飛び去ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故だ! 何故太一を逃がした!」

 

子供達が去った燃え上がる森。空が僅かに明るくなり始めた頃、メタルティラノモンはヴァンデモンに怒りの眼差しを向けて激昂する。それに対し、彼はまるで独り言のように、低く小さな声で呟いた。

 

「……やはり選ばれし子供……油断は禁物と言うことか……」

 

一撃を受けた腹部に手を当てながら彼は思う。

自身の慢心が引き起こしたミスであることは否めないが、それでも、選ばれし子供達はあの絶望的な状況から見事に全員離脱して見せたのだ。

それは称賛に値すると言ってもいいだろう。

"窮鼠猫を噛む"、追い詰められてからの強さこそが、彼らの武器なのだ。

 

ヴァンデモンは改めて"選ばれし子供達の危険性"を確認する。

 

「ふ……ピコデビモンでは手に余るのも頷ける……」

 

しかし彼のこの呟きは、メタルティラノモンの質問の答えにはなっていない。

 

「オレの質問に答えろっ!」

 

 

 

直後、メタルティラノモンはその強靭な牙を持ってヴァンデモンへと襲いかかった。

彼はヴァンデモンの軍門へと下った訳ではない。あくまで選ばれし子供達を、引いては『太一を殺す』という目的において一致しているに過ぎないのだ。

一度敗北したところで関係はない。自身の目的だけが、今の彼にとっての全てなのだ。

 

「"狂犬"……いや"狂竜"か……」

 

しかし、やはり元々の力はそう簡単に覆るものではない。ヴァンデモンは迫り来る狂竜を見据えた後、慌てる事もなくそれを放つ。

 

「ナイトレイド!」

 

「ぐっ! がっ!」

 

 

飛び掛かるメタルティラノモンを闇の弾丸達が容赦なく迎撃する。それは光の力をまともに受けた事を感じさせない程の威力。

 

「うっ! がはっ!」

 

直撃に加え、度重なる戦闘によって疲労していた彼は、なすすべなくドゴンとその場に倒れふし、そのまま沈黙した。

 

ヴァンデモンは背中のマントで自身の身体を覆い、コツコツとメタルティラノモンへと歩み寄る。

 

「心配はいらん……ヤツらとはいずれまた戦う事になる……」

 

「…………」

 

「ふん……気を失ったか……まあいい、ピコデビモン! いるのだろう……出てくるがよい……」

 

ヴァンデモンは虚空に向かって声を張り上げた。

すると、

 

「は、はい!」

 

彼の背後から驚きのような声が上がる。

しばらくして、今だ燃え広がっていないその木々の間から、バサバサという音と共に、小刻みに震えるピコデビモンが姿を表した。

臆病な彼の性格の事、グレイモンに投げ飛ばされた後、被害を受けないようにずっと隠れていたのだろう。

ヴァンデモンの足元へと着地した彼は、"自分も制裁をうけるのではないか"と、身を縮めて怯える。

 

しかし、

 

「……城へ戻る……デビドラモン達を手配しろ……」

 

「……え!?」

 

その余りにも拍子抜けなヴァンデモンの言葉に、ピコデビモンは思わず目をパチリとさせた。

 

「二度は言わん……」

 

「わ、分かりました……あの……コイツは……?」

 

ピコデビモンは地へと伏せるメタルティラノモンを横目で見ながらヴァンデモンへと問う。

 

「……選ばれし子供達は必ず我が野望の前に立ちはだかろう……ならば、この八人目のパートナーにも、まだ使い道はある……」

 

その回答に、ピコデビモンの背筋が震える。

メタルティラノモンの暴走の激しさを間近で見た彼は、『いっそ此処で消してしまう方がいいのではないか』と感じるが、ヴァンデモンの手前、自分の意見を発する事など出来はしない。

これ以上の醜態をさらす訳にはいかないと、彼は努めて平静に言葉を返す。

 

「では、コイツの分のデビドラモンも……?」

 

「……うむ……」

 

「畏まりました」

 

やりとりを終え、ピコデビモンは一度城へと帰還するべく、ゆっくりと明るくなっていく空をバサバサと飛び去る。

 

「……」

 

そんな中、ヴァンデモンは子供達の消えた空を無言で眺めていた。

 

 

 

 





多分この戦闘がこの物語に置ける"最鬱"の戦いでしょう。
作者自身鬱展開が苦手なので、書いていて何度かスマホを置きました。

ここから少しずつ上がって行きます。
次回はひさしぶりの沙綾視点メインです。

病院に運ばれた後の話になるでしょうか。


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