超弩級戦艦駿河、推して参ります!   作:気まぐれ猫

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はい。皆さんおはこんばんいちわ、気まぐれ猫です。
感想をいただいたときに自分の知識不足に悩まされています。
主人公の武装や船体は、改大和型のものを参考にしております。じゃないといろいろ成り立たない・・・
違う作品の兵器も出てくるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
では、どうぞ。


第一話「不便な体とこれからの事」

「腹減った・・・」

 

 日がすっかり落ちて夜になった頃、俺は近くの島でキャンプをしていた。あの後、ステルスフィールドを使ってゆっくりとその海域を離れた。レーダーから外れる程遠く離れた時になって浮上すると夕方になっていたため、近くにあった島に停泊した。船の方はコスモナイトとナノマテリアルを融合した物質を大岩に変化させて偽装して見えない様にしている。それにしても長いな。略して「ナノナイト」と名付けるか。

 

「メンタルモデルでも腹が減るのな。初めて知ったよ」

 

 俺の声に答える様にお腹が派手な音を鳴らす。どうやらメンタルモデルはお腹が減るらしく、さっきから空腹感がすごい。

 一度ナノナイトを食べ物に変化させてみたが、これじゃない感が半端じゃなかった。もう二度と食べたくないね。

 

「某黄金伝説みたいに素潜りでもするか?」

 

 近くに落ちていた木の棒にナノマイトを纏わせて銛のような形にしながら海を見た。どうやら、ナノナイトで形を造るのは想像力が大切になるようだ。どっかの錬金術師が想像力が大切とか言っていたな。

 

「っと、んなこと言っている場合じゃないか」

 

 このままだとお腹が減りすぎて動けなくなる。素潜り自体やったことはないが、なんとかなるでしょ。

 

「よし。大物とったるぞーー!!」

 

 数時間後・・・

 

「やっぱ自然の食べ物は最高だ・・・!!」

 

 涙を流しながらとってきた魚に齧り付く。たき火にはとってきた魚と服が火あぶりにされており、今はレオタード姿で魚を食べていた。初めての素潜りで色々と不安だったとか、そのままの服で入ったせいで溺れかけたとかあったけど、なんとか確保することが出来た。人類のネットワークにアクセスして見たところ、食べることが出来る魚であったため、焼いて食べている。

 

「メンタルモデルって呼吸もするのか。タカオは何ともなかったようだけど、一体どういうことだろ?」

 

 魚に齧り付きながら不思議に思う。俺が特別なのか、それともメンタルモデルの機能なのか。この体は呼吸が必要なようだった。タカオが千早群像とイオナを助ける時に深海でポッドから出た時は何ともなかったようだが、やっぱアニメだからこその表現だったのかな。

 

「それにしてもどうするか・・・」

 

 二匹目の魚を食べながら考える。この体はお腹が空けば呼吸も必要だし、明らかに人間染みている。そうなるとこの先不便なことがいっぱい出てくる。食料を自力で集めるのじゃ限界があるし、分からないこともいっぱいある。

 

「傭兵でもやってみようかな・・・って、この様じゃ無理か」

 

 人類側にいて傭兵をやる手段を思いついたが、それはできなかった。駿河の武装覧を見た時に、攻撃に関連する機能はほとんどロックされて使えないことが示されていた。かわりに使えるのは防御面の機能だけで、傭兵をやろうにもできない状態だ。できても運搬くらいしかない。

 

「俺はイージス艦か! かわりに固いから別にいいけど」

 

 攻撃機能が使えない代わりなのか、装甲が物凄く固く、クラインフィールドのようなシールドも通常の物とは違って遥かに固かった。攻撃ができなくて防御しかできないって、盾にしかならないじゃねぇか。

 

「・・・メイン盾か。悪くない」

 

 思い直すと、思ったよりこの体も悪くないかもしれない。ステルスフィールドが使えるおかげで戦う必要はほとんどないし、仮に見つかったとしてもメイン動力である波動エンジンの出力で逃げ切ればいい。この世界では波動エンジンに追いつく船はいないだろう・・・多分。

 そんな事を想いながら魚を食べていた時、俺の肩をちょいちょいと叩く感覚があった。

 

「お、お前も食べるか?」

 

 眼を向けると、そこには作業服を着た少女がいた。モニターを開くと、仮で作ったドッグの中で同じような格好をした少女たちが何やら作業をしているのが見える。彼女たちはいつのまにか船の中にいた「妖精」という奴だ。400と402から隠れながら離れていく時に発見し、そのまま仲良くなった。どうやら船の整備は彼女たちが行っているらしく、そこいら中にいるのが見られる。科学力と言う点なら衰退した世界にいる妖精さんと同じくらいだ。

 彼女は差し出された魚を見たが、気に入らなかったようでぷいと横を向く。

 

「ありゃ、魚は嫌いか」

 

 実は彼女達が食べるものが一切分かっていない。お菓子かと思ってナノナイトで作ったお菓子を渡したが、食べずに投げ返してきたから困っている。さて、彼女たちはいったい何を食べるんだろ? それとも何もいらないのかな?

 でも、この感覚は何だろ。怒っている様子もなんというか・・・

 

「かわいいなぁ」

 

 思わず頭を撫でると、嬉しそうな笑顔になる。少し撫でていると、満足したのか上機嫌で何かを伝え始めた。最初は何を言っているのか分からなかったが、今ではなんとなくわかる様になっている。

 

「なになに、『メンテナンスが完了しました。それと攻撃機能の回復はできませんでした』か。ありがとう。皆にも休むように伝えてあげて」

 

 そういうと、妖精は海軍式敬礼をして姿を消す。恐らくドッグに移動したんだろう。少し気になっていたが、そこは妖精だからと言う風に片付けていた。

 攻撃機能が使えないのは痛い。これではせっかくのショックカノンや荷電粒子砲も意味をなさない。使えるのは対空兵器やジャマーなどの防衛的な物だけだった。使えないかアクセスしてもても、『不可』と表すだけで反応しなかった。

 

「ふぅ、ごちそうさまでした」

 

 食べさせてくれた魚にお礼を言って立ち上がると、葉っぱと枯れ枝で作った即席テントの中に入る。

 

「とりあえず今日は寝よう。色々と疲れた」

 

 400と402に見つかるかもしれない緊張感を味わって神経が磨り減ったのか、安心できる寝床を見つけたからなのか、どっと疲れがやってくる。

 

「そういえば、ここってアニメと漫画。どっちの世界なんだろ? それに今の時間軸は・・・」

 

 ここがどちらの世界でいつなのか知るために主人公がいる海洋技術総合学院にアクセスしてみる。すると、名簿に千早群像の名前がなかった。軍のネットワークにアクセスしてみると、彼が『青き鋼』に所属しており、SSTOの発射を援護することが分かった。

 

「アニメ版の一話か。といってもSSTOは破壊されるから発射しても無意味なんだよな」

 

 どうやらここはアニメ版の世界の様だな。あんまり見てなかったけど、げきおこコンゴウでデススターになってリアルファイトをして和解したことはなんとなく覚えている。霧は彼らが何とかするから、俺は人類のサポートでもしようかね。

 そんなことを考えていると、俺の意識はゆっくりと睡魔に飲まれてなくなっていった。

 




はい。第一話でした。
一応、武装はウィキペディアを多少参考にしていますが、これはないだろっていう武装も多数登場します。そこのところはかんにんしてつかぁさい・・・

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