(´・ω・`)
)´ω`( ゲッソリ
##この話は修正されました##
有給を使った地球帰省からもう数日が過ぎた。これは後で聞いた話なのだが、海鳴のスーパー銭湯でおれが露天風呂でゆっくりしていたころ、男湯の方にキャロちゃんが来ていたそうなのだ。そして、エリオくんはキャロちゃんとしばらく男湯で楽しんだ後、女湯の方へ移動したそうだ。つまり、何が言いたいかというと、
「うらやましいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「あ、あははは……」
別に、おれはロリコンだとか、ペドだとか、そういう一般人以上に小さい女の子に異常な関心を寄せる人間と言うわけではないが、女の子と一緒にお風呂に入るというすばらしい状況に憧れるのは仕方ないことだと思う。そう思うだろ?
「そう思うだろ!」
「ははは……そうだね。そうだね? いや、それはだめでしょ」
そんな悔しさに身を焦がれるような思いをしていた時、おれはこんな話を聞いたのだ。かつて、変身魔法を用い小動物に変身した少年が、何も知らないいたいけな少女と一緒に女湯に入ったという話だ。
変身魔法。
そう、変身魔法だ。そういえば、はやてがコミケで同人誌を売る時、年齢を詐称するために使っていた魔法も変身魔法だ。変身魔法で年齢を実際より上に見せることが可能なら下に見せることも可能だろう。人間ですらない動物に変身することが出来るのだからその応用力は素晴らしいものだと思う。
「そういう訳で、おれに変身魔法を教えてください」
「えーと、今の話を聞いた後で君に変身魔法を教えてあげようとは思わないよ……」
そんな素晴らしい魔法を会得するために、おれはある場所にいる、ある人物を訪ねている。その相手は時空管理局無限書庫司書長ユーノ・スクライアさんだ。彼はなのはさんに魔法を伝えた人その人で、なのはさんの師匠と言っても良い人物だ。
また、管理局の無限書庫はあらゆる世界のあらゆる時間から自動的に情報が集められる超超超ドデカイ図書館だ。しかし、そこに所蔵されている情報の整理は長年行われておらず、ある特定の情報を探す時はチームを組んで週単位、時には月単位で捜索していたほどだ。例えて言うなら、ネットで見かけたお気に入りの画像を同じフォルダに保存しまくったような感じになっていたのだ。そんなカオスな書庫の文献をジャンル分けし、著者ごとに分け、世界で分け、時代で分け整理することによって、無限書庫の価値を飛躍的に上げた人物こそ、ユーノさんその人である。色々な画像が入ったフォルダーより、ジャンルごとに分類分けされており、その日の気分で使いたい画像が一目でわかる方が良いに決まっているからな。え? 一体画像を何に使うかだって? 言わせんな恥ずかしい。
「そ、そんな! お願いだよユーノさん! お願いだよ!」
「あ、あははは……ところで、その小動物に変身した少年と少女の話はどこで聞いたんだい?」
「え? ああ、あれはネットで「合法的に女湯に入る方法」で調べたらヒットしたんだ」
「あ、ああ! インターネットか。いや、ならいいんだ」
ユーノさんが何か安心したようにつぶやく。一体何なんだろうか。それにしても、ネット掲示板の住人の発想力は感心せざるを得ない。こんな方法を思いつくとか、やはり天才か……
「あ! もう良い時間だよ。そろそろ会場に向かわないと間に合わなくなっちゃう」
「ああ、もうそんな時間か。それならそろそろ行くことにしますか」
「そうだね」
ユーノさんは腕時計を見てそう言った。
今日ユーノさんを訪ねた理由は変身魔法を教えてもらうためではない。ユーノさんはある催しの司会者として、おれは客として一緒に行くために合流したのだ。
その催しは、ホテルアグスタと言うホテルで行われる骨董品のオークションだ。ここで取り扱われるものはただの骨董品ではなく、ロストロギアなのだ。ここで取り扱われるロストロギアは管理局によって危険はないと断定されたもので、一般人も所持することができるものである。こういうロストロギアは大企業の社長みたいな金持ちや、王侯貴族などのコレクションアイテムとして大変人気なのだ。
では、何故そんな身分が高い人ばかりしか行かないようなイベントに、おれが客として行くことが出来るのか? これはひとえにコネのおかげである。仕事で知り合いになった、あるやんごとなきお方からお誘いを受けたというわけだ。おれもこういう骨董品的な訳の分からないものは大好きなので、今日のイベントは大変楽しみである。
「じゃあ行こうか」
「おう!」
おれとユーノさんは無限書庫から出て、ホテルアグスタに向かうことにした。
☆
「おー、ここがアグスタか。立派なホテルだな。一度はこんなところに泊まってみたいものだ」
「じゃあ、僕は主催の人と打ち合わせをしないといけないから行くよ」
「OK、わかった。じゃあおれは始まるまでそこらへんブラブラしてるよ」
そういっておれたちは分かれることになった。司会者と主催者との打ち合わせがイベントの直前に行われるわけはないので、今はまだ開始時間の6時間前である。開始2時間前から入場できるとはいえ、まだ4時間も時間がある。どうしたものか……
「ん?」
そこにいるのはタイ焼き屋の目の前で店主が焼いているたい焼きを見つめている紫髪の少女。なんだか、彼女を見てたらおれまでたい焼き食いたくなってきた。よし、買おう。そういえば、最近紫髪の人物に縁があるような気がするのは気のせいだろうか。
……あの少女はたい焼きが欲しいのだろうか? 仕方ない、おれが彼女に買ってあげよう。
とはならないよ。
今のご時世、少年少女に物をあげたり声を掛けるのは勿論、ちょっと見ただけで事案となる生きづらい世の中なのである。自分から厄介ごとに突っ込む必要もあるまい。
おれはそう思いながら店の前にいる彼女の横に立ち、店主にたい焼きを注文する。
「おっちゃん、たい焼き3個くださいな」
「はいよ!」
店主に代金を支払い、代わりにたい焼き3個が入った紙袋を受け取る。たい焼きの甘い匂いがおれに早く食えと訴えかけてくる。訴えかけてくるならば食わねばなるまい!
おれはたい焼き屋の近くに設置してある椅子に腰かけ、たい焼きを食すことにする。
「いただきます!」
ところで、みんなはたい焼きは頭から食べる? 尻尾から食べる?
おれは……背びれからだ!
ガブリ
「うめー」
外の表面はカリカリでありながら生地はモチモチというダブル食感。たい焼きの命である餡子も最高だ。今おれはこの餡子に合うお茶が猛烈に飲みたい。だが、残念ながらここにお茶が無いのが残念だ。
では、二つ目を……
ジー……
ふ、二つ目を食べ……
ジー……
……食べ……食べ……
ジー……
おれはこのたい焼きをたい焼き屋の近くに設置してある椅子に座って食べている。つまり、意図したわけではないが、たい焼きを欲しそうにしている少女の真横で、買ったたい焼きを見せつけながら食べていたことになる。そうすると、どうなるか?
ジー……
当然こうなる。
紫髪の少女がさっきからこちらを穴が開くんじゃないかと言うほど見つめてくる。むちゃくちゃ食いづらいんだが……しゃーないな……大丈夫だよな? おれ通報されたりしないよな? 信じてるぞ、周りの人達と幼女!
「ごほん……そこな幼女よ、このたい焼きが欲しいのか?」
おれはそう聞く。
フルフル
なんと首を横に振るではないか。
「なんだいらんのか。ならいいんだ」
おれは幼女を気にせず食べることにする。
ジー……
……
ど、どうしろと言うんだ……
2個目のたい焼きを食べようとしている格好のまましばらく固まってしまう。しかし、このまま固まっていてはたい焼きが冷めて美味くなくなってしまう。仕方ない……
「そこな幼女、これを君にプレゼントしよう。いらなければ食べて処分してくれたまえ」
「……ありがとう」
食べ物を粗末にするのは絶対に許さない。
そう言いながらおれは彼女にたい焼きを差し出す。すると、彼女は小さな声で感謝の意を述べつつ受け取った。やっぱり欲しかったんじゃないか。
ようやく、おれは彼女を気にすることなくたい焼きを食べることが出来る。2個目は彼女にあげてしまったので3個目を食べることにする。
「はぁ、おいしい……」
本来おれが食べるはずだった2個目が幼女の小さな口に食べられていく様子を眺めながら最後の一個を食べることにした。
あ、君は頭から派なんだな。
アグスタ編の始まり
ティアの活躍にご期待ください
追記
ティア編は無かったことになりました