それが日常   作:はなみつき

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休日楽しいいいいいいぃぃぃぃ

##この話は修正されました##


訓練と有給と55話

「こんな朝早くからご苦労なこった」

 

 おれは機動六課の訓練場を見渡せるビルの屋上で呟く。双眼鏡の向こうでは厳しい訓練で汚れまみれになっている機動六課フォワード陣と、汚れ一つない驚きの白さを見せつけるなのはさんがいる。

 

「お、これからシュートイベーションってやつをやるんだな」

 

 シュートイベーションとは、なのはさんの攻撃を5分間逃げ切るか、なのはさんに一撃を与えると成功となる。しかし、なのはさんの攻撃を誰かが一度でも受けてしまったらもう一度やり直しだ。これだけ聞くと特に難しそうというわけではないのだが、問題はこの訓練をどのタイミングでやるかだ。それはなのはさんの鬼のような訓練を受けた後、訓練の締めとして行われるのだ。学校の体育でひたすら走らされた後、最後に全力疾走させられるのと同じような物だろう。なのはさん鬼だな。

 

「始まったな。最初に攻めるのはスバルさんか」

 

 スバルさんの魔法であるウイングロードがなのはさんの周りに張り巡らされ、その上をスバルさんが滑走する。滑走による速度を加えた協力なパンチを当てようとするが、なのはさんのバリアによって防がれてしまう。

 

「あっ! 危なかったな……」

 

 攻撃を防がれたスバルさんはなのはさんからいったん離れ、ウイングロードに着地する。しかし、着地の瞬間バランスを崩してよろけてしまう。今、スバルさんのローラの車輪(?)の部分がぐらついて見えたのは気のせいだろうか。おれのチャリみたいになっている。

 スバルさんはなんとか体制を立て直すが、なのはさんの魔力弾がスバルさんを追いかける。

 

「ふむ、ティアナさんがスバルさんの援護をするんだな」

 

 建物の影から狙いをつけているティアナさんの姿が見える。おそらく、スバルさんを追いかけているなのはさんの魔力弾を撃ち落そうとしているんだろう。

 

「ん?」

 

 ティアナさんが引き金を引いた瞬間、デバイスに集められていた魔力が霧散してしまう。ティアナさんの驚いた顔を見るに、あれは予想外の事だったようだ。デバイスの不具合でもあったのだろう。

 

「あんな使われ方を普段からされているのでは不具合が出てくるのは当たり前だろう」

 

 おれが思い浮かべるのは昇格試験の時に見た、デバイスが魔力弾の嵐に襲われる光景。

 

「それにしても、ティアナさんのこんな顔は珍しいな。ティーダさんに売りつけよう」

 

 スカさんの高性能双眼鏡には録画機能も付いているため、今の部分を切り取り、写真にしてティーダさんに渡す算段をつける。

 

「お、キャロちゃんとエリオくんの方に動きありかな」

 

 呪文を唱えるキャロちゃんと槍を構えるエリオくんが見える。今までのスバルさんとティアナさんは囮で、二人から注意をそらせようとしたのだろう。キャロちゃんは補助魔法を得意とする魔導士だ。エリオくんのスピードやパワーをブーストして一気に決めるだろう。

 キャロちゃんの補助魔法がエリオくんにかかり、エリオくんのデバイスがジェットのように火を噴きだす。あれ……エリオくん熱くないのか……

 

「あの構えは、やり投げか!」

 

 エリオくんが両手で構えていたデバイスを片手に持ち直して、肩の高さ辺りまで上げる。そして、次の瞬間にデバイスのジェットの勢いが強くなり、すごい速さで飛んでいく。

 

 エリオくんごと。

 

「えええええええええぇぇぇぇぇぇ」

 

 あれに片手で掴まることが出来るエリオくんの握力は恐ろしいことになっているに違いない。

 エリオくんのステミタックル(仮)がなのはさんにぶつかる(と言うか、なのはさんがぶつかりに行った)と大きな爆発が起きる。爆発によって生じた煙からはじき出されるエリオくんと煙の中、悠然と空中に浮かんでいるなのはさん。

 

「これはだめだったか?」

 

 そう思ったが、なのはさんがみんなに向けて笑いかける。どうやらエリオくんの攻撃は、なのはさんにしっかり当たっていたようだ。

 あんな鋭い槍がものすごい勢いで飛んできたにもかかわらず、バリアジャケットがちょっと汚れる程度で済むなのはさんは本当に流石である。

 

「よし、時間もいい具合に潰せたな」

 

 今日は友人と会うために有給を取っているのである。しかし、妙に早起きしてしまったおれは、二度寝すると昼まで起きないことは分かっているのでフォワード陣の早朝訓練を見学していたのである。

 

「行くとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 上っていたビルから降り、六課の隊舎の前の辺りでさっきまで訓練をしていたフォワード陣となのはさんと遭遇した。

 

「やあ、みなさんお疲れ」

「あ! 先生! おはようございます!」

 

 一番に返してきたのは元気いっぱいのスバルさんだ。さっきまであれだけ動き回っていたというのにすごい体力だ。

 

「先生、おはようございます」

「「おはようございます!」」

「公輝君、おはよう」

「はい、おはよう」

 

 スバルさんに続いてティアナさん、エリオくん、キャロちゃん、なのはさんが挨拶してきてくれる。

 

「お、なんだフリード。こうか? こうして欲しいのか?」

 

 おれの頬にすり寄って来たフリードを捕まえて、控えめになでなでする。これからまだ仕事があるのにフリードをベロンベロンにするわけにはいかないので、控えめのなでなでだ。

 

「もう、フリードは本当に先生が好きだね」

 

 キャロちゃんによると、竜と言う生き物はよく知らない相手に心を許すことは少ないそうだ。初対面のおれに飛びかかって甘えだしたフリードを初めて見た時は目を丸くして驚いていた。今ではもう慣れたものだ。

 

「公輝君、私服だけどお仕事は?」

「今日は有給を取ったので、これから友人に会いに行くのさ」

 

 有給だって立派なお仕事だ。なんて言ったって、ゲイズ氏に懇願されたんだからな。

 

「そっか。公輝君のミッドでのお友達ってちょっと興味あるな~」

「なーに、ただの中二病を患った変態さ」

「へ、変態さんなんだ……」

 

 ちょっと引き気味のなのはさん。なのはさんの中でおれのお友達(スカさん)の株がダダ下がりである。

 思い返してみると、おれのミッドでよくつるむ男友達がティーダさん(シスコン)、ヴァイスさん(シスコン)、スカさん(変態)、クロノさん(シスコン)、ユーノさん(常識人)って、ちょっと問題じゃなかろうか? まあ、そんなことはどうでもいいか。奴らと一緒にいて面白いし。

 

「そんじゃ、もう行くわ。なのはさんも根詰めすぎるなよ」

 

 おれはなのはさんの肩に手を5秒ほど置く。

 

「あっ……ありがとう、公輝くん」

 

 笑顔でお礼を言ってくるなのはさん。いやはや、照れるね。

 

 世間話を終えておれはウーノさんと落ち合う予定の場所に向かう。

 

 

 

 




休日終わったああああああああ

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