それが日常   作:はなみつき

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キンクリは1周遅れでやってくる

##この話は修正されました##


夢と現実と27話

 

 

 

 

 

 

 夢を見ている。

 空を飛ぶ夢だ。

 自分は転生を経験し、魔法に触れ、自力で空を飛ぶことができることを知った。しかし、自分は飛行の適性がないようで魔法で空を飛ぶことができなかった。そんな自分が今空を飛んでいるということはこれは現実ではない。つまり夢であるとわかる。

 夢であるとわかってしまえば面白いことができる。明晰夢というのを知っているだろうか? 夢であることを認識することができると、その夢の内容を自分の好きなように変えることができるのだ。たとえば、空を飛んだり、魔法を使ったり、性別を変えたりだとか。だが、思い返してみると前二つの例は今のおれにとってそこそこ身近なことであることを考えるととても面白い。

 ちなみに、かつておれが明晰夢を見た時、夢だから何でもしていいと思ったから、歩いている女性の胸を触ったら悲鳴を上げられ、タイーホされるという夢を見たことがある。あれは本当に明晰夢だったのだろうか? まあ、そんなことはどうでもいい。今おれが夢を見ているのは確定的に明らかだ。なら、どうするか?

 

 好き勝手やっちゃうぜ!

 

 

 

 

 

 

「む、起きたか。さすがに悪いと思ったのだが急ぎなんだ」

 

 目が覚めた。なんだかすっごい損した気分なんだけど、なんでだろう? 夢でも見ていたのだろうか。夢というのはそんなものだから仕方ないだろう。

 

「ん……シグナムさんか? ……ていうか、ヴォルケンズ全員でなんでおれのこと起こしに来てんの? ていうか、まだ起こされるような時間じゃないよね? 何? みんなで人生相談?」

 

 あー、まだ頭がぼんやりしてるのか意味わからないこと言ってるな。おれの感覚が間違ってなければ、まだ午前6時ですらないと思うの。つまり、なんでこんな時間に起こされてるのっと。ていうか、

 

「おい! なんで君達帰ってこなかったんだよ! 八神家条例2条の所為で夜ご飯食べることなく寝落ちしちゃったんだぞ!」

 

 八神家条例とは、はやての独断によって制定された八神家においてできるだけ守らなければならない約束である。2条は『ご飯はみんなで食べること』

 

「そ、それはすまないことをした。私達もいろいろあってな」

 

 おや、シグナムさんにしては珍しくはっきりしない言い方をしているな。それに、まだ気になることがある。

 

「まずここはどこだ? それと、そこにいる人は誰? そして、なんでおれはシグナムさんに俵のごとく抱えられている?」

「うむ、では現状に至るまでの事を話そう」

 

 え? このままの体勢で話すの?

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえずイスに座ってこれまでのあらすじを聞いた。ここはアースラという宇宙船みたいなものらしい。

 

「じゃあ、おれが病室を出てすぐになのはさんとフェイトさんが来て、やむなく戦って、いろいろあって闇の書は実は夜天の書ってやつで、夜天の書を闇の書にしてた元凶をみんなと協力してぶっ飛ばしたってこと?」

「うむ、その認識であっている」

 

 むむむ、おれが寝ている間にこんな大変なことが起こっていたとは……まあ、おれがいたところで何か変わっていたとも思えないが。

 

「そして、驚くことに、はやてにお金を援助していたグレアムおじさんが黒幕で、仮面をした猫だったってこと?」

「ちげー! その認識は合ってねー!」

 

 ヴィータちょっとうるさい。さっき気付いたけど、はやて寝てんだよ。それに、おれはこんな時間に起こされて眠いんだ仕方ないだろ。

 

「まあ、そんなことはどうでもいい。で? おれはなんでわざわざここに連れて来られたんだ? その話をするだけなら、確かに大事ではあるが後ででもいいだろ?」

 

 シグナムさんに俵のごとく抱えられて拉致られたからな。急用に違いない。

 

「うむ、それは」

「烈火の将、そこから先は私が話そう」

 

 シグナムさんの話を遮って話をすると言う白髪の女性。

 

「そうそう、そういえばあなた、どちら様?」

 

 ずっと気になっていた白髪(銀髪?)の女性。さっきの話の中にも出てきていたことには出てきていたが、名前紹介位でさらっとながしていた。

 

「さっきも言ったが、私の名はリインフォース。……主はやてから頂いた大切な名だ。私は夜天の書の管制人格だ。私は夜天の書の中から君の事を見ていたから知っている、坂上公輝。よろしく頼む」

「あ、ああ、こちらこそ」

 

 管制人格? 夜天の書のAIみたいなものか? つまり、夜天の書の中の人ってことか。……あれに中の人がいたのか。

 

「率直に言う、私を助けてほしい」

 

 

 

 『助けてくれ!』

「宿題がわからない!助けてくれ!」「ちねり作業が終わらん!助けてくれ!」「厳選ががががが!助けてくれ!」

 

 おれが思い出せるだけでも『助けてくれ』、と言われたことはこれくらいある。だが、助ける内容なんてものはいつもなんてことなく、誰にでもできて、くだらないことだった。

 

 こんな真剣にこのセリフ聞くとは今の今まで思っていなかったな。




自分には原作以上にあの戦いを上手くまとめることはできないと思っちゃったのね(言い訳)

寝過ごし系主人公

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