銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)   作:甘蜜柑

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第六十九話:ビッグサプライズ 宇宙暦796年5月初旬 惑星ハイネセン、ホテルユーフォニア及び統合作戦本部カフェルーム

 佐官というのは戦記ものでは、一山いくらの存在であるが、最下級の少佐でも駆逐艦艦長、歩兵大隊長に補職され、民間企業であれば、小規模支店長、大規模支店の次長クラスに相当する立派な幹部だ。公務中は身の回りの世話をする従卒が付き、ドライバー付きの公用車を移動に使用できる。尉官よりずっと広くて快適な官舎に住める。士官学校を出ていない士官の大半は少佐でキャリアを終えるが、それでも構わないと思わせる厚遇である。出来の悪い一等兵だった前の人生と比べれば、夢の様な身分だ。

 

 佐官の最上級は大佐。複数の大型艦数十隻、もしくは小型艦の百数十隻の隊を複数率いる群司令、惑星警備隊司令、歩兵旅団長に補職される。民間企業であれば、取締役を兼任しない本社部長、支社長といったところだ。士官学校を卒業して二〇年が過ぎた働き盛りのエリートというのが一般的な大佐。士官学校を出ずに大佐まで昇進できる者は、一般企業で言えばアルバイトやハイスクール卒のノンキャリア社員から本社部長に昇進したに等しい。

 

 大佐でも一般人から見れば、目もくらむような大幹部であるが、上には上がいる。全軍で五〇〇〇人程度しかいない将官だ。五〇〇〇万人の同盟軍将兵の中では一万人に一人、三五〇万の士官の中では七〇〇人に一人。同盟軍士官の大半は下士官兵からの叩き上げと徴用された専門技術者が占めており、士官学校出身者はわずか一三万人程度しかいないエリート中のエリートである。

 

 そんな彼らでも二〇人に一人しか昇進できない狭き門。実績、運、人脈のすべてが飛び抜けた者のみに用意された席。凡人には手が届かない聖域。それが将官である。実際になれるかどうかは別として、一度も「閣下」「提督」と呼ばれたいと思ったことがない軍人がいたら、それはよほどの変人だろう。

 

 将官の「司令官」は、佐官の「司令」とは比較にならないほどに広いオフィスを構えて、自ら選任した数十人の幕僚を従える専制君主だ。副官が常に付き添って秘書の役割を果たし、高級な公用車に乗って移動する。将官が通り過ぎるたびに、士官や兵士はすべて直立不動で敬礼しなければならない。幕僚職の将官は幕僚や副官を持たないが、王侯に等しい礼遇を受けることには変わりない。軍人であれば、誰もが羨む存在である。

 

 二〇代で将官の階級を得るとなると、アンドリュー・フォークやダスティ・アッテンボローのように士官学校を一〇位以内の成績で卒業した後に抜群の実績を示した秀才中の秀才、もしくはヤン・ウェンリーのように士官学校の成績は凡庸ながらも誰も真似できないような大功を立て続けに立てた奇才中の奇才ということになろう。そんな逸材が滅多にいるはずもなく、同盟全軍でも二〇代の将官は一六人しかいなかった。その一七人目となった人物が士官学校を出ていないというのは、驚天動地の事態だろう。当の本人である俺も仰天した。

 

 海賊討伐作戦「終わりなき正義」作戦において、第一一艦隊の第一分艦隊行政担当副参謀長として、治安面の調整を担当した功績というのが俺の昇進の理由であった。司令官ルグランジュ少将は中将に昇進し、他の主要メンバーも全員昇進を果たしている。最も不祥事が少なかった部隊だったことが評価されたのだろう。内示が来てないうちから、祝賀会用のホテルを予約していた作戦担当副参謀長クィルター大佐も准将への昇進を果たした。

 

 周囲にはいずれ将官に昇進できると言われていた。いかにネガティブ思考で自己評価が低い俺といえども、去年の秋に二七歳で大佐に昇進してからは、数年後に閣下と呼ばれる身分になる日が来るであろうことは予感していた。しかし、二〇代のうちにそれが実現するとは思ってもいなかった。

 

 ヤン・ウェンリー、ダスティ・アッテンボローといった歴史上の英雄と自分が肩を並べるなど、想像するだけで畏れ多い気持ちになる。同盟末期からローエングラム朝建国期の社会で過ごした者にとって、彼らの名前はそれほどに重い。早すぎる将官昇進、歴史上の英雄とリアルタイムで比較される立場が強烈なプレッシャーとなってのしかかってくる。

 

「第一一艦隊第一分艦隊行政担当副参謀長 大佐 エリヤ・フィリップス 准将に昇任させる 第三六戦隊司令官を命ずる」

 

 その辞令書を国防委員会人事部長パヴェレツ中将から受け取ろうとしたら、手が震えて床に落としてしまった。慌てて拾おうとして屈んだら、バランスを崩して転倒してしまった。

 

 俺だって無為無策だったわけではない。内示を受けてから、心の準備はしていた。将官の知り合いに心構えを教えてもらった。司令官業務の教本も暗記できるぐらい読み込んだ。辞令を受ける当日も腹痛に備えてあらかじめ胃薬を用意していたし、冷や汗をかいても大丈夫なように吸汗性のアンダーシャツを軍服の下に着込んでいた。それなのにこの醜態だ。何と情けないことだろうか。

 

 パヴェレツ中将は気の毒に思ったのか、准将の辞令を受け取った瞬間に失神してしまった例、人事部長室を出た直後に嬉しさのあまり飛び上がって転んで骨折した例をあげて慰めてくれたが、そんなのが救いになるわけもない。これからやっていけるのだろうかと先が思いやられた。

 

 辞令を受け取った後は、お祝いのメールや通信が怒涛のように押し寄せてきた。親しい人はもちろん、昔同じ部署にいたというだけでさほど親しくない人、面識がまったくない人からも送られてきている。

 

「先日、息子は名誉の戦死を遂げました」

 

 エル・ファシルで駆逐隊を指揮していた時の部下だったメイヤー少佐の母親から送られてきたメールの中にその一文を見つけた時、心に痛みを感じた。先日のアスターテ星域の戦いで戦死したのだという。あまり頼りにならなかったとはいえ、共に戦った者の死はショックだった。メイヤー大尉の一人息子ウィルはまだ六歳だが、軍人になって父の仇を取りたいと言っているそうだ。孫を励まして欲しいという老婦人の申し出に心を打たれた俺は、メイヤー家に直接通信を入れた。

 

「お父さんは立派な軍人でした。君もお父さんのような軍人になれるよう頑張ってください」

 

 今年で六歳になるというウィルに励ましの言葉を送る。俺の方を見ようとせずにずっとうつむいていた。父を亡くしたばかりでまだ心が不安定なのだろう。いつか、父の死を正面から受け止められる日がくることを願いたい。

 

 プレゼントも送られてきていた。同盟軍では軍人個人を指定したプレゼントを軍機関に送っても、受理されることはない。そのため、統合作戦本部や第三六戦隊司令部に送られた物はことごとく返送された。俺の住所は非公開だから、直接官舎に送られてくることもほとんどない。俺の友人知人を介して送られてきたものがわずかに俺の手元に届いた。

 

「これ、友達から」

 

 ダーシャから渡されたのは、フィラデルフィア・ベーグルのマフィン詰め合わせ五箱。俺の大好物だけど、高級品だから気軽に買えるような物じゃない。ダーシャの友達で俺のファンの「陸戦部隊の子」が送り主だった。

 

「こんなにもらっちゃっていいのかな」

「遠慮無くもらっときなよ。忙しくてお金使う暇ないって言ってたから」

「しかし、顔も名前も知らない子にここまでしてもらうって、申し訳なくないよ」

 

 ここまで、という中には、ダーシャと俺が知りあうきっかけを作ってくれたというニュアンスも暗に含んでいる。ハイネセン第二国防病院に入院した時に仲良くなれたのも、俺の熱心なファンである彼女がダーシャに布教してくれたおかげなのだ。ダーシャからの伝聞でしか知らない彼女は、俺の写真を携帯端末の待ち受け画像にしているという美的感覚の欠如、恥ずかしいから俺に名前を知られたくないという妙な羞恥心など、かなりの変人ではあることは間違いないが、足を向けて寝られない存在である。

 

 将官昇進の祝賀会というものも開かれた。幹事は第一一艦隊司令官から、国防委員会防衛部長に移ったクレメンス・ドーソン中将だ。会場はホテル・ユーフォニア。前の歴史では同盟滅亡後にオスカー・フォン・ロイエンタール元帥が新領土総督府を置いた建物だが、現時点では政財界の要人が良く利用する高級ホテルとして知られている。

 

 会場には、国防委員長ヨブ・トリューニヒトを筆頭に、トリューニヒト派の政治家、財界人、高級官僚が綺羅星のように勢揃いしていた。軍部の要人は、首都防衛司令官ロックウェル中将、国防委員会通信部長ルスティコ中将、地上軍副総監ギオー中将、後方勤務本部弾薬部長ジェニングス准将らトリューニヒト派ばかりで、ロボス派は一人も出席せず、シトレ派は派閥を超えた交友関係を持つ社交の達人グリーンヒル大将のみというという実にわかりやすい顔ぶれである。

 

 ドーソン中将は大はしゃぎで俺を要人たちに紹介して回った。海賊討伐の際の不祥事から、第一一艦隊司令官を栄転の名目で事実上更迭された彼にとって、自ら抜擢した部下が異例の昇進を遂げたというのは、再評価のきっかけとなる。私が育てた、私のおかげといちいち恩着せがましく言うドーソン中将に、誰もが苦笑気味だった。ちょっとはしゃぎ過ぎじゃないかと思うが、ドーソン中将の引き立てがなければ、俺はここまで来れなかった。純粋な感謝と、しょうがない人だなあという思いで自然と笑顔が浮かんで、「閣下のおかげです」と相槌を打った。

 

 巻き返しを狙うドーソン中将と、政界再編に向けて力を誇示したいトリューニヒトによる政治的セレモニーの性格が強い一次会に対し、二次会は俺と親しい人だけの小じんまりとしたものだった。ドーソン中将自身も顔を出さずに、トリューニヒト派色が薄い前第一一艦隊司令官副官のリーカネン大尉が幹事代理として取り仕切っている。組織内の空気を読むことに長けたドーソン中将らしい配慮である。

 

 ダーシャ、ルシナンデス准尉、ガウリ曹長、イレーシュ大佐、スコット准将、ベッカー中佐、ビューフォート准将、チュン・ウー・チェン大佐、ルグランジュ中将らハイネセン組はもちろん、クリスチアン大佐やバラット曹長のように遠方から休暇を取って駆けつけてくれた人もいた。その他、過去に勤務していた職場で親しく付き合ってくれた人も来てくれている。

 

 パトリチェフ大佐、リンツ中佐らは、アスターテで壊滅した第四艦隊と第六艦隊の残兵から編成された第一三艦隊の演習航海に参加していて来れなかった。トリューニヒト派と対立を深めるロボス派に遠慮したのか、アンドリュー・フォーク准将が祝文を送ってくれるに留まったのは残念であった。

 

 

 

 祭りが終わったら、次は現実に直面する番だ。俺が率いることになる第三六戦隊は、一個戦艦群、二個巡航群、三個駆逐群、一個揚陸群の合計六五四隻からなる宙陸両用部隊である。その幕僚を自分で選任する必要があった。佐官の司令は幕僚を選べないが、将官の司令官は選ぶことができる。部隊の能力を十全に引き出せる幕僚チームを作らなければならない。

 

 最初に選ぶべきは幕僚チームを統括する参謀長だ。司令官が常に主要事項を把握できるように絶え間なく報告を行い、方針策定を助ける。ゼネラルスタッフである参謀に指示を出して、司令官の出した方針を実現できるように業務を進めさせる。幕僚チームの各部門が連携して動けるように調整を行う。業務能力、リーダーシップの両面で司令官を助ける存在だ。参謀長次第で幕僚チームの方向性、ひいては部隊の方向性が決まる。

 

 俺が求めている参謀長は、第一に信頼できること。士官に任官してから五年しか経っていない俺は、業務経験が極めて浅い。幕僚チームの知識と経験に大きく依存することになる。事務的な関係に留まらず、俺のパートナーになり得る人物が望ましい。第二に作戦能力に長けていること。俺が積んできた経験は後方業務に偏っていて、作戦経験は皆無に近い。参謀長には、俺が持っていない作戦能力を補ってもらう必要がある。第三に性格がきつくないこと。これは完全に俺の好みだ。司令官、参謀、専門スタッフと激しくやり合いながら、業務の質を高めていく参謀長もいるが、とげとげしい空気が苦手な俺にはストレスになる。

 

 付き合いがある人間の中で戦隊参謀長になりうる大佐は、ダーシャ・ブレツェリ大佐、イレーシュ・マーリア大佐、ナイジェル・ベイ大佐、ジェレミー・ウノ大佐の四人である。信頼性と性格ならダーシャとイレーシュ大佐は抜群だが、前者は後方畑、後者は人事畑で作戦経験に乏しい。ベイ大佐は情報畑だが作戦経験もそこそこある。しかし、上昇志向が強くて性格がきつい。ウノ大佐は後方畑で作戦経験に欠ける。理想の参謀長はアンドリューだけど、彼は俺と同格の准将だ。

 

「というわけで、みんな帯に短し、たすきに長しなんですよ。ちょうどいい人がなかなか見つかりません」

「私も勤務地が変わるたびに、新しいパン屋を見つけるのに苦労したものだよ。堅過ぎもなく、柔らか過ぎない。濃過ぎもなく、薄くもない。そんなパンを売っている店は滅多にないからね」

 

 俺は統合参謀本部のカフェルームで、作戦参謀部企画課長チュン・ウー・チェン大佐と話していた。チュン大佐は形が崩れたサンドイッチをかじりながら、俺の話を聞いている。そんなにパンの味が気になるんなら、ポケットにじかに突っ込んでぐしゃぐしゃにするのはやめた方がいいんじゃないかと思ったが、突っ込んだら負けな気がする。

 

「俺は治安と後方の経験しかないですからね。作戦屋の知り合い少ないんですよ。士官学校出てたら、同期の友達から作戦やってる奴を引っ張ってくれば良かったんでしょうけど」

「だから、私に同期の作戦屋を紹介して欲しいということなんだね」

「ええ。直接の知り合いにいい作戦屋がいないなら、これから知り合いになろうかと思いまして」

 

 参謀長の人選に悩んだ俺は、苦肉の策として親しい人に作戦屋の大佐を紹介してもらうことにしたのだ。何人かと直接会ってみて、一番信用できそうな人を参謀長に選ぼうと考えた。チュン大佐の次は、人事参謀部補任課長イレーシュ大佐に頼みに行く予定である。

 

「それなら、ちょうどいい人がいるよ」

「どんな人です?」

「第七艦隊と第九艦隊で作戦参謀をそれぞれ二年、統合作戦本部の作戦参謀部に一年、宇宙艦隊総司令部の作戦参謀を一年経験している」

 

 今年で三四歳になるチュン大佐の同期ということは、勤務歴は一四年になる。そのうち六年を作戦畑、しかも正規艦隊で過ごしているというのは魅力的だ。

 

「他の参謀経験は?」

「情報を三年、人事と後方をそれぞれ二年。分艦隊副参謀長を一年やってるね」

 

 心の中で手を打った。作戦だけでなく、他の経験も積んでいる。副参謀長というのは参謀長とともに幕僚チームのまとめ役になる存在だ。参謀業務全般に通じていて、まとめ役の経験もあるとなれば、願ってもない人材である。

 

「性格はどうです?」

「まあ、悪くはないんじゃないかな」

「動かせるポジションの人ですか?」

 

 これほどの経歴を持つ人材なら、現在の勤務先でも重宝されてるはずだ。わざわざ俺なんかのところに行く必然性もない。どれだけ優秀でも、すぐに異動できる立場でなければ意味が無い。

 

「もうすぐ飛ばされるらしいよ」

「紹介してください!」

 

 優秀でなおかつ飛ばされる寸前と来れば、いつでも俺の参謀長になれるということだ。興奮を隠し切れず、大声を出してしまう。何事かと驚いた周囲の人が一斉に俺を見る。チュン大佐はまったく気にせずに、冷めたカフェオーレに口をつけた。

 

「そんなに慌てる必要はないよ。君の目の前にいるから」

「えっ?」

「私では参謀長には不足かい?」

 

 サンドイッチはいらないのか、と言うような口調でチュン大佐はとんでもない発言をした。彼が信頼性、作戦能力、人柄のすべてを満たす人物なのはわかっている。それなのにあえて除外したのは、前の歴史で民主共和制に殉じた英雄の中の英雄を自分の部下にすることが畏れ多かったからだ。チュン・ウー・チェンといえば、アレクサンドル・ビュコックの参謀長というイメージが俺の中には染み付いている。

 

「あ、いや、不足ではないですよ。むしろ、もったいないと…」

「先日のアスターテの敗戦があったろう?作戦参謀部の幹部全員の首を飛ばせって話になっててね。次のポストはどこかの方面管区の部長職か、星系警備管区の参謀長あたりだろう」

 

 うろたえる俺を無視して、チュン大佐は淡々と話している。こういう時の左遷先に指定されるのは、主要航路から外れていて海賊の脅威も少ない辺境管区と相場が決まっている。航路保安で功績を立てて、失敗を償う機会も与えられない。三個艦隊が壊滅したアスターテ星域の会戦では、統合作戦本部が宇宙艦隊総司令部を棚上げして作戦指導を行った。作戦参謀部全体で敗戦責任を償えということなのだろう。

 

「申し訳ありません」

 

 チュン大佐は知らないだろうが、第一一艦隊の人事部長だった彼を統合作戦本部に転任させたのは、俺の差し金だった。ドーソン中将と相性が悪い参謀を全員格上のポストに転出させて、みんなが満足できる結果にしようと思ったけど、チュン大佐については裏目に出てしまったようだ。

 

「まあ、ドーソン提督のせいじゃないよ。運がなかった」

 

 シトレ派と言っても、アレックス・キャゼルヌ少将のようなシトレ元帥の側近から、チュン大佐のように交友関係で何となくシトレ派に分類されている者まで様々だ。派閥との繋がりが緩い者は、自由だが保護も薄い。一度左遷されてしまえば、浮かび上がるのは難しい。宇宙艦隊の采配も振るえる人物を自分のせいで失脚させてしまうのは心苦しかった。

 

「参謀長をお願いできますか」

「よろこんで引き受けましょう、フィリップス閣下」

 

 立ち上がって敬礼するチュン大佐は、穏やかな笑顔を浮かべていた。行儀の悪い人なのに、敬礼は妙に端正だ。俺も立ち上がって敬礼する。伝説の英雄を部下にしたという事実に、手が震えていた。

 

 俺なんかの下にいるのはもったいなさすぎる大物参謀長を得て、提督エリヤ・フィリップスはスタートを切った。


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