真剣で私に恋しなさい! MA   作:x.i.o.n

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第7話です
今回は戦闘無いです
本編、というよりかは閑話に近いかもしれません


第7話~だらけ部~

 

「ということが今朝あっただけだよ」

 

「ふーん、そんなことがあったのか」

 

2-Sの教室内にて姉さんに今朝のことを話していた

 

やっぱりマスタークラスの人間には今朝の戦いに感付いていたらしい

 

登校した時も学長に呼び止められたし

 

まゆっちもオロオロしながらも気になった様子で聞いてきたし

 

「で、一応聞くけどどうして此処に?」

 

「今日の妹成分を補給するために来たんだ」

 

「妹成分ならワン子でもいいんじゃあ…」

 

「ワン子は登校した時や家にいる時に補給しているからな」

 

「あっそ……」

 

もう何を言っても聞きそうにない…

 

放っておくしかないでしょ

 

「モモ先輩に抑えられている今がチャンスなんだっ!」

 

ガラッと扉が開いたかと思ったら京が私に突進してきた

 

ここSクラスなんですけど

 

姉さんには抱きすくめられて動けないし

 

「はぁ……」

 

そのまま京のタックルを受け止める

 

後には姉さんがいるし幸いにも椅子が後ろに倒れることはなかった

 

「ハァハァ……スーハ―、スーハ―」

 

私の腰に抱き着いた京は息を荒げて深呼吸をし始める

 

心なしか段々目が血走っているような

 

「ユキー」

 

「あいさー」

 

「絶対に離れないんだっ!」

 

幾らユキが引っ張ろうとも離れようとしない京

 

そこまでして離れたくないのか

 

「義経ー」

 

「何だ姉様?」

 

「京を引き剥がして」

 

「いいのだろうか?」

 

「もちろん」

 

「分かった」

 

ユキと一緒に京を引き剥がしに掛かる

 

流石に2対1では京にも敵わないらしい

 

努力空しく引っぺがされてしまいそのままFの教室にまで連行されていった

 

「なんだかその内人目のあるところでも襲われそう」

 

「愛されてるじゃないか」

 

「京にはもっといい人がいると思うよ」

 

そも周りが許さないだろうし

 

天下五弓の一人で椎名流弓術の後継者たる京には血筋を絶やさないための努力も求められる

 

椎名流弓術を絶やさない為にも子孫を残すことは必須となってくる

 

「まぁ、京が決めることだからな」

 

「そうだけど……」

 

京の事だからなぁ

 

ホントに一生独身という結末も見え隠れしているし

 

そこの所は本人の意識に掛かってるから外野があれこれ言ってもしょうがないか

 

「そろそろHR始まるよ」

 

「むー、残念だがこの辺にしておこう」

 

名残惜しげに私から離れていく姉さん

 

本当に残念そうな表情をしながら教室から去って行った

 

「実際の所俺は助かってるんだけどねぇ。モモ先輩捕まらねぇし」

 

後の席に座っている井上準にそんなことを言われた

 

姉さんは井上準と学校の校内ラジオをしているらしい

 

その打ち合わせをしたいらしいが如何せん姉さんは中々定位置にいないことの方が多いため捕まえるのが難しいらしい

 

「朝教室にいればモモ先輩の方から来ますからねぇ」

 

「顔が近いよ葵冬馬」

 

「これはすみません」

 

それにしては悪びれた様子もない

 

確信犯だな

 

「姉さんからは私からも言っておくよ」

 

「そうしてもらえると助かるぜ」

 

あんまり朝に狙うと姉さんも学習してしまう可能性あるし

 

本人の自覚が一番でしょ

 

――この後、交換条件が姉さんから提示された

 

曰く「んー妹がその服で私に奉仕してくれるなら考えてもいいぞ」らしい

 

考えてもいいってことは実践してくれる気はないということだ

 

「強情だなぁ」

 

あれだけもみくちゃにしておいてまだ足りないと仰るのか

 

やるのにあまり抵抗はないからいいけど問題は京だ

 

見つかったら貞操が危ない

 

「いざとなったら糸で縛るけど…」

 

はたしてどこまで効果があるのか

 

下手をすると京は悦んでしまうから逆効果になる可能性もある

 

「その時になったら考えればいいか」

 

人はそれを現実逃避という

 

考えすぎてドン詰まりは嫌だしね

 

 

――放課後

 

 

さて、この時間帯は私も暇になってくる

 

義経達は決闘だしそも英雄様はあずみが紋様は師匠が付き添っている

 

で、私はすごく暇になる時間帯になる

 

どうしたものか……

 

そんなことを考えながら歩いていると気づいたら空き教室まで来ていた

 

「……懐かしいな」

 

ココは何の変哲もない空き教室だけど前の世界ではここでだらけ部が行われていた

 

命名は弁慶

 

部員は2名で顧問はヒゲ先生だった

 

「ちょっと寄ってみよ」

 

そんな軽い気持ちで私は教室の扉を開けた

 

教室は畳張りで和室となっており趣のある教室となっている

 

そんな教室の中心まで来て私は苦笑を1つ洩らした

 

「ここに来てもどうしようもないのにね」

 

この世界にだらけ部はない

 

そも私はまだここへ来たばかりで宇佐美先生との付き合いも担任の先生と受け持ちの生徒という関係でしかない

 

だらけ部なんて存在しているはずがなかった

 

「癖になってるのかもね……ここに来るのが」

 

それほどまでに代えがたい大切な場所だったのかもしれない

 

少なくとも私にとっては……

 

「久しぶりに横になってみるのもいいかもしれない」

 

そんなことを知らずの内に口に出して私は床に寝そべった

 

見えるのは当然教室の天井

 

何の変哲もない、しかしとても懐かしい光景でもあった

 

「何だかこうしていると思いだすなぁ」

 

だらけ部での活動のことを…専ら皆で将棋したりそれぞれ持ち寄って物を肴に川神水盛りしたりしていただけだけど

 

楽しかったのは今でも覚えている

 

「あーだるい」

 

そして同時に思い出されるのはここに来ると全てがめんどくさく感じるということだ

 

何でだろうか……

 

考えるのもメンドクサイ

 

いっそこのまま寝てしまおうか

 

そんなことを考えていたとき不意に教室の扉が開いた

 

「あれ…こんなとこで何してるの?」

 

「――弁慶」

 

入ってきたのは弁慶だった

 

何の因果かだらけ部の部員が揃ってしまった

 

「弁慶こそ義経についてなくていいの?」

 

「それはいいよ。私はここに極上のだら気を感じ取ってきたんだ」

 

あの時と全く同じセリフ

 

前もそんなことを言ってこの教室に入ってきたのを覚えている

 

「そっか。なら仕方ないね」

 

「そうだね。仕方ないね」

 

「弁慶もシエスタする?」

 

「するするー」

 

私の隣にごろーんと寝そべる弁慶

 

そして私の腕を枕にする

 

「美哉枕ー」

 

「ふざけないの」

 

私は抱き枕の一種なのか

 

妙にゴロが良いのが余計に腹立つ

 

「でも気持ちいいよ」

 

「それはどうも」

 

そんなこと言って弁慶とじゃれているとまたこの教室の扉が開いた

 

「お前たち、こんなところで何してんの?」

 

「あ、宇佐美先生」

 

類は友を呼ぶとはこのことだろうか

 

いや、この場合はだら気は友を呼ぶだろうか

 

ともかくこれでだらけ部メンバーが勢ぞろいしたことになった

 

なんという偶然…いや必然かもしれない

 

だって私たちは……だらけ部なんだから

 

「ねぇ先生」

 

「なんだ?」

 

「ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど……」

 

 

――九鬼ビル内 義経の部屋

 

 

「あれ? 姉様に弁慶一緒に帰ってきたのか?」

 

「あぁそうだよ」

 

「そうだね」

 

「何だか顔が赤くないか? 特に弁慶」

 

「気のせい気のせい」

 

「そうだよ義経。気のせいだ」

 

「うーん? 何だか二人とも嬉しそうだな」

 

「あぁそうだね」

 

「うんそうだね」

 

『だって……』

 

部活動…始めましたから

 

その日以来、あの空き教室には学校非公式ではあるもののとある部活動が活動をしているという

 

その部活動の名前は……

 

to be continued....





というわけで題名に続く、と
こんな感じでどうでしょうか?

今回は非常に短いです
申し訳ないです
具体的に1000文字くらい少ないです

意外に更新できるな
この調子でいけたらいいんですが…

それでは感想や誤字脱字の報告等お待ちしております
ではでは!

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