真剣で私に恋しなさい! MA   作:x.i.o.n

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皆さんありがとうございます

お気に入りにしてくださった皆様の期待に応えられるようにこれからも頑張っていきたいです


第5話~武神襲来~

 

双方の挨拶も終了してワン子達が自分たちの教室へ戻ろうとしたとき事は起こった

 

「……ッ(ゾクッ)」

 

何だろう、凄まじい悪寒がしたんだけど

 

気のせいかな?

 

「さ、さぁ挨拶も出来たんだし、そろそろ1時限目が始まるよ」

 

「もうそんな時間か…」

 

時間が差し迫っていることは事実であるのでそれを告げるとワン子達は撤退し始めた

 

先ほど感じた悪寒はやっぱり気のせいだったんだろう

 

「いーもーっうとー、あっそびましょー☆」

 

「私、用事を思い出したんでこれで失礼」

 

ガシィッと私の肩を素早く掴んで逃げられないようにされた

 

チィッ、いつの間に!

 

「ね、姉さん……久しぶり」

 

「久しぶりだなー。可愛い妹よ」

 

スリスリと頬ずりしてくる

 

ギューッと抱擁してくる姉

 

姉といっても当然、血がつながっているわけじゃない

 

何故だかこの世界でも舎弟契約を結んでしまった

 

何をトチ狂ってしまったんだろうか私は…

 

「ほ、ほら義経もいるしそっちに来たんじゃないの?」

 

「露骨に話題を逸らしにいった」

 

煩い弁慶、後でマジで師匠に突き出す

 

「確かにそれも魅力的だけど、今は可愛い私の妹を愛でに来たんだ」

 

「むぅ」

 

何となくされるがままになってしまった

 

何故だろうか、姉の絡みが以前よりも数段激しい

 

前の世界では私に執事服を気に入っていたし、もしやメイド服姿の私を気に入ったのかな

 

「あー、お姉ちゃんその姿でご奉仕してもらいたいぞ☆」

 

「はいはい、その内ね」

 

「ずいぶん素っ気ない返事だな」

 

というかさっきから何処を触って…ヒャンッ!

 

そこは……ちょっと!

 

「お、流石にタッチは駄目か?」

 

「ノータッチで」

 

「チェッ…でも」

 

――もにゅん

 

「ひゃっ……」

 

姉さんに胸を触られた

 

というか揉みしだくなぁっ!

 

「こうなったら……」

 

――もにゅん

 

「くぁっ……妹の癖に生意気じゃないか」

 

「ヤラれっぱなしは性に合わないんで」

 

姉さんに胸を揉みしだかれたのでお返しにとばかりに姉さんのたわわに実った果実を揉みしだいた

 

……大きかったです

 

「91…?」

 

「よくわかったな。んーそういうお前は90か」

 

「負けた→orz」

 

「フフッ、お前たち妹に勝ったぞ」

 

「ど、どんな勝負だっつーの、くっだらねぇ~」

 

「も、モモ先輩にも困ったものだね」

 

いつの間にか戻ってきていたガクトとモロが前かがみになっていた

 

元男だからその行動の意味は良く分かるけど、正直その対象が自分だと分かるとなんかヤダ

 

「というわけで義経ちゃん戦おう」

 

「姉さん脈絡が無さすぎるよ」

 

ほら、義経が慌ててるじゃんか

 

「というか姉さんは義経とは当分戦えないよ」

 

「むー何でだ」

 

実際の所姉さんには1つ受けてもらいたい仕事があった

 

それは義経の対戦相手の選別だ

 

「源義経だからね。外部からの挑戦者も相当なものになるでしょ?」

 

「確かに」

 

「で、義経は内部の人間とも戦わなくちゃいけないわけだ」

 

学校の人間と競い終わった後に外部挑戦者を捌くとなると相当な負担になる

 

それどころか数日で過労で倒れるでしょうね

 

「だから姉さんには外部挑戦者と戦って義経と戦ってもよさそうな人を選別してほしいんだけど?」

 

「おー、それなら退屈しなさそうだな。乗った」

 

即決……よっぽど欲求不満なんだね

 

「じゃあ、今の退屈を凌ぐ為に妹を弄ろう」

 

「その結論はおかしい」

 

何がどうなってそういう結論に至ったんだ

 

ジャイ○ンも真っ青な理屈展開だよ

 

「というか、あんまり京を刺激するようなことは止めてよ。さっきのでさえ飛び出て来なかったのが奇跡に近いのに」

 

「だが断る」

 

「何故!?」

 

「お前は私の物だ。だから拒否権なんてない」

 

私は物ですか……

 

人権は日本国民に皆平等に与えられた権利なんだぞ

 

「そ・れ・に・聞きたいこともあるしな」

 

「……基地で話すよ」

 

「分かった」

 

「油断したな! この愛は抑えられるものじゃないんだっ!」

 

いつの間に背後に回ったのか既にタックルを繰り出している京がいた

 

回避は既に間に合わない、ではいっそのこと…

 

繰り出されたタックルをしっかり受け止めた

 

避けられると思っていたらしい京は少しだけ驚いたような表情をしていた。

 

そしてそのまま抱き着いた京を抱えながら……

 

ズガァァァンッ! と凄まじい音を響かせながら京をそのまま床に叩きつけた

 

所謂ブレーンバスターという奴ですよ

 

「ノータッチってさっき言ったばっかでしょ」

 

「……柔らかかった…ガクッ」

 

「凄い根性してるね」

 

「義経も見習うべきかもしれない」

 

それだけは止めてください

 

京がもう一人増えるとか悪夢過ぎる

 

「ほら、ワン子。京を連れて教室に戻りなさい」

 

「分かったわ!」

 

しゅたっとワン子は京を抱え上げて教室から退散していった

 

色んな意味で危ない人間を教室へ送り返すことができたのは僥倖と言えるだろう

 

ワン子に続いてガクト達も教室から立ち去って行った

 

……で

 

「姉さんはいつまでいるつもり?」

 

「まだ妹成分が足りてない。補充してから行く」

 

またもや抱き着いてくる姉

 

先ほどのようにセクハラをしてこないことからこれ以上のことはしないのだと推測した

 

「フハハハ、仲の良い姉妹だな」

 

「英雄様……先ほどはお見苦しいところをお見せしました」

 

「良い。椎名京がお前のことを好いているのは報告で知っていた。気にするな」

 

「は、ありがとうございます」

 

「むー今はこっちを構えよー」

 

あ、ちょっと暴れないでよ

 

姉さんってば!

 

「よいよい。そのまま川神百代と戯れていろ」

 

フハハハと笑ってくださる英雄様

 

ありがたいことだ

 

これがあの陰湿な金髪不良執事ならば今頃姉さん共々蹴り飛ばされているはず

 

「姉様がああやって可愛がられてるのを見るのは義経は初めてかもしれない」

 

「いっつも義経がされてるからね」

 

「うん。とても新鮮だ」

 

あー義経にはあんまり見られたくなかったかも

 

何か生暖かい目で見られてるし……

 

結局始業ベルがなるまで姉さんは私から離れることはなかった

 

 

――放課後

 

 

「HRも終わりなのだー」

 

手を上に挙げて喜びの意を露わにするユキに思わず顔がにやけた

 

あー癒し系だ

 

「持って帰りたいくらいだ」

 

「それは困ります。ユキは我々の家族ですから」

 

「む、葵冬馬」

 

私の席の隣にいた葵冬馬に釘を刺されてしまった

 

因みに葵冬馬は私の左隣の席で右隣がマルギッテ、後が井上準で前が弁慶と中々濃い面子の中心にいた

 

「まぁ、私は貴女をお持ち帰りしたいですが」

 

「うーん、まだ知り合って間もないしお友達で」

 

「では、友達で良いので家に来てみませんか?」

 

「気が向いたらね」

 

何というか男の時の癖なのか葵冬馬の言うこと1つ1つに過敏に反応してしまう

 

これでは私が葵冬馬に気があるみたいではないか

 

「ほら、弁慶ダラダラしてないで早く支度する」

 

「へーい」

 

机に突っ伏していた弁慶を起こすととっとと身支度を整えさせた

 

これから義経は決闘の方へ赴くらしいので緒戦くらいは見届けさせないと

 

「じゃあ私たちはこれで……」

 

「残念です」

 

「若が女子につれなくされたのは初めて見るかもしれん」

 

教室から退散して下駄箱まで行こうとしたとき誰かが私の背後に立った

 

「いえいえ、貴女はこれからお説教タイムですよ」

 

「うぇっ? く。クラウディオさん?」

 

私、何かしたっけ?

 

おかしい、何にも思い浮かばないぞ(棒読み)

 

「白々しいですよ。今朝のことです」

 

「DEATHよねー」

 

そのまま私はクラウディオさんに連れられ空き教室でヒュームさんと一緒に1時間ほどお叱りを受けた

 

理不尽すぎる

 

「おー、いたいた。教室に行ってもいないから探したぞー」

 

「げっ…姉さん」

 

「そんな嫌そうな顔するなよー」

 

また背後に回って抱きしめられ私の頭の上に姉さんの頭が乗せられた

 

力は掛かってないから重くはないけど歩きにくかった

 

「ほら、基地に行くぞ。皆待ってる」

 

「あー、私には義経達の護衛という大切なお仕事があるんですが?」

 

「もちろん、さっきの執事さんに許可はもらっておいたぞ」

 

さっきの執事さん? クラウディオさんのことかな

 

ただ言えるのは事がどう転んだとしても姉さんは私を離す気はないらしい

 

「分かりました、行きますから離れてくれない姉さん」

 

「へーい」

 

そのまま基地まで行くことになった

 

いや、行くという名の連行に近かったけど

 

「(実際、こっちの基地に行くのは初めてなんだっけ。少しだけ緊張してきた)」

 

皆から送られてくる便りや写真に基地の事は書いてあったからあるのは知ってることになってる

 

でも、私はまだ一度もその目で見たわけでもなく、詳しい中身の構造までは知ってない

 

ひょっとすると前の世界と違う箇所もあるかもしれない

 

「ほら、着いたぞ」

 

「………」

 

連れて来られたのは廃ビルの正面入り口

 

前の物と変わらない私たちの基地だ

 

「で、どうして皆いるのかな?」

 

廃ビルの中へ入り、前の世界では私たちが主に使用していた溜まり場に案内された

 

金曜日でもないのに何故だか全員が集まっていたのは驚きだった

 

「そりゃもちろん」

 

『お帰りなさい美哉』

 

クラッカーのけたたましい音が部屋中に鳴り響いた

 

クリスからは花束を渡され、京からのキスは華麗にスルーした

 

「美哉のイケず…」

 

「一度でも許すと私のルートが確定するでしょ」

 

「寧ろ私はバッチカモンだよ」

 

「私が良くない」

 

「うぅぅーー!」

 

「唸っても駄目なものはダメ」

 

花束を置いてソファに座っているキャップの隣に座った

 

するとワン子が私の膝の上に座った

 

「うーん、やっぱりここが一番落ち着くわー」

 

スリスリと体を寄せてくるワン子

 

もはや完全に犬のソレである

 

「大きくなったねーワン子は」

 

「それは美哉もでしょ。私より大きくなってるし」

 

ワン子の目線は主に私の胸に注がれていた

 

小さいの気にしてたんだね

 

「ワン子もその内大きくなるでしょ」

 

「中々効果が現れないのよぅ」

 

一朝一夕にはいかないから直ぐには効果がでない

 

当たり前と言えば当たり前だけどワン子はそれがもどかしいらしい

 

そういえば忘れてたけど、まゆっちに挨拶しないと

 

「あー、そちらの子は?」

 

「あぁ、紹介するぜ。クリスと同じく我らが風間ファミリーに加わった…」

 

「ま、ままま黛由紀江とももも、申しますっ! 以後よろしくお願いします!」

 

本人は笑顔らしい表情とテンパりまくった挨拶をもらった

 

普通の人だったら間違いなく逃げ出してるわ

 

「ん、よろしく。私は直江美哉よ」

 

「は、はい。お話はキャップさんから聞いてます」

 

「そ、なら話は早いね。いちいち説明する手間が省けたよ」

 

軽く握手をすると彼女はよほど嬉しかったのか舞い上がって喜んでいた

 

彼女の孤独具合が窺いしれたような、そんな気がした

 

「で、何から話そうか」

 

「まずは義経ちゃんから姉様と呼ばれていた件についてだ」

 

「いきなりどうでもいいとこから行ったね」

 

「どうでもいい事なんかないぞモロ! 妹のお姉ちゃんとして知る義務がある」

 

激しくモロに同意するけど、姉さんとその他諸々が気にするのも無理はないか

 

あの源義経が姉様って呼ぶなんて思わなかったしね

 

「これはライバル出現……要チェックするんだっ!」

 

「いや、出現どころか同じ土俵にすら立ってないよ」

 

駄目だ聞いてない

 

どうして私の周りの女子は皆話を聞かないんだろうか

 

「深い理由なんてないよ。ただ手相占いの結果を義経に教えたら真に受けたみたいで」

 

「よし、明日義経ちゃんに会ったら俺様義経ちゃんのお父さんだったと伝えよう」

 

「それした場合、ガクトを月まで蹴り飛ばす。良かったねガクト、ムーンのプリンスになれるよ」

 

「冗談だよ、冗・談」

 

一応釘は刺しておかないと本気でやりかねないからな

 

後で姉さんにも釘を刺しておかないと

 

「美哉はかなり強くなったわよねー」

 

「そうだな、序列は何位なんだ?」

 

川神姉妹の興味はどうやら私の力と序列順位にあるらしい

 

らしいといえばらしい

 

さっきまで義経ちゃんがとか言ってた人とは思えない

 

「序列は1から数えて5番目だよ」

 

しーーーんと場が一気に静まり返った

 

あれおかしなこといったかな

 

「どしたの?」

 

「どしたのじゃないわよ! 九鬼の序列5位って相当だわ!」

 

あー、そういえばそうだったね

 

上が凄い人だらけだから鈍ってたけど外野から見れば凄いんだっけ

 

「序列5位か……」

 

「言っとくけどやらないからね」

 

「ちょっとだけ」

 

「ダメ」

 

「先っぽだけだから」

 

「AVか!」

 

「ケチー」

 

「ケチで結構です。そも許可だって下りてない」

 

川神入りした時に師匠達から川神百代との私闘禁止令が発令されていた

 

まぁ、周りがただじゃ済まなくなるしね

 

そんなこんなで私たちは夜まで基地であれやこれや話したりしていたのだった

 

to be continued....





というわけで第5話でした
1話ごとに徐々に文字数が増えている謎

8日から2週間程度の間、実家に帰省するので更新が滞るかもしれません
自分も時間を見つけては書いていきたいと思ってますのでなるべく更新はしていきたいと思っています

それではまた次回お会いしましょう
ではでは!

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