指摘があれば直します。
あと、もしかすると分かっていなかったかもしれないので一応、言っておきます。
恭弥くんの名前は「くげぬま きょうや」です。
面倒な名前で済みません。
第7学区の大学病院。
ここは恭弥が信頼できるという蛙顔の医者が勤務する病院であり、
――――上条当麻の運びこまれた病院である。
その病院の前に建つ建物の屋上に、三人の人間がいた。
金網に腰を下ろしてホットドッグを囓る鵠沼恭弥。
その金網に寄り掛かるようにして立つ神裂火織と別の場所に立ち煙草を吸うステイル=マグヌス。
現在、口を開いてグチグチとインデックスの処遇に対する愚痴を零しているのはステイルであった。
いい加減ウンザリした恭弥は神裂に話しかける。
「神裂、あのロリコンどうにかしてくんね?」
「済みません……彼は彼女の事となると……」
そんな返答に、はぁと溜息をつき空を見上げてホットドッグを食べ切る。
すると神裂が恭弥に尋ねた。
「貴方は……どう思いますか?彼女について上が下した判断について」
「知らね。
ま、考えられる限りでは様子見ってところが妥当な線だと思うけどね。
つっても俺は魔術側について殆ど知らないからな。
全く分からない、って言うのが正解だな。
俺の考えなんて当てにしない方がいいよ」
「そうですか………」
恭弥の返答はある程度予測していた物だったのだろう。
大して落胆した素振りも見せずにそう言って一旦言葉を切る。
そして改まった様子で彼女は続ける。
「貴方には何から何までお世話になりました。感謝してもしきれません。本当にありがとうございました」
「…………どうした、急に?
別に大した事してないと思うけど……」
突然の事に戸惑う恭弥。
当然の事だろう。本人としては何か手助けした記憶など何もないのだ。
強いて言えば教会側の嘘を見破った事と上条当麻の入院を手配した事ぐらいであり、感謝される程のものではない。というより途中で逃げようとしたのだ。むしろ責められるだろうと思っていた。
だが、それは彼の視点から見てのことである。
対して、神裂火織からは鵠沼恭弥はこう見えていた。
長い間自分達を苦しめていた嘘をいとも容易く見破り、教会の目的までも看破。
さらに危うい戦況を自分の命を賭けてまで覆し、上条の入院も瞬く間に手配したスーパーマン。
しかも上条当麻とは違い、インデックスと共に過ごした訳でも、彼女達の中に顔見知りがいる訳でもない完全なる部外者だったのだ。
故にどうしようもないほどの感謝の念で彼女の胸はいっぱいだった。
「……器の大きい人ですね…」
神裂にポツリと呟かれたその言葉は誰に聞かれる事もなく虚空に消えゆく。
恭弥は怪訝に思いつつも、感謝されているならそれでいいかと話題を変える。
「ま、いいや。
で?お前等この後どうすんの?ウチ来る?」
そんな軽く放たれた言葉。
実はかなりヤバいものである。
ウチ、というのはもちろん『アイテム』の拠点のことだ。
つまり現在、魔術サイドの暗部を科学サイドの暗部が拠点に招き入れようとしている。
彼はアホなのだろうか?
それを知ってか知らずか、神裂は恭弥の申し出を断った。
「いえ、遠慮させていただきます。
私達は今日中にイギリスへ戻るので」
後日、『
「あそ。ま、そんじゃお疲れ様。
………俺も知り合いが来たしサヨナラだ」
眼下にはふわふわしたニットのワンピースを着た絹旗最愛が歩いていた。
丈が短くかなり際どいが、本人により見えそうで見えない角度に調整されており、最近恭弥が最ももどかしく思うものの一つとなっている。
彼女を目で追いつつそう言う恭弥に神裂は別れを告げる。
「そうですか。では、また会えることを願って。
行きますよ、ステイル」
「ーーー。それでだね、ん?もうそんな時間かい?ならしょうがないね。
おい、くれぐれも彼女に手を出すなよ?」
「出さねぇよ、ボケ。じゃあね」
そしてカツン、と静かな音がした。
そこにはもう誰もいなかった。
****
恭弥達のいる大学病院と同じ学区には、学園都市の中でも一際奇妙なビルが建っている。
窓のないビル。
その言葉が示す通り窓はなく、それどころかドアや排気口など、外部と繋がる出入り口は一つも存在しない。
外壁は『
人が出入りする建物としては全く機能しないこのビルは、
まさに鉄壁。それ以外の形容が合わないほど、その言葉を体現した建物。
室内と呼ぶには広過ぎる空間には照明が灯っていないが、部屋の四方を覆うように配された電子機器から発せられる光である程度の明るさは確保されていた。
それらの機器のケーブルなどは全て部屋の中心に集められている。
部屋の中心にあるのは、人一人容易く収める事が可能な巨大なビーカー。
その中には、このビルの異質さが霞んでしまうほど、異質な人間が入っている。
銀の長髪で緑色の手術衣をその身に纏い、逆さまに浮いているその人間。
男にも女にも見え、大人にも子供にも見え、聖人にも囚人にも見える彼は、あたかも異世界から連れてきた人間であるかのような異質さをその身に纏っていた。
学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリー。
誰もいない空間に彼の声が響く。
「『
少し目を閉じて思考した後、彼はビーカーの壁面に映し出された幾つもの映像とグラフを見て愉快そうに笑うのだった。
アイターwww(/ ^∇^)/