「あー!楽しかった!!私としては満足かも!」
「そうだね!」
「恭弥、ホントに有難う!」
「ハハハ、良いって。気にすんな」
最先端の技術を盛り込んだ無駄にハイスペックなゲームの数々に魅了されたインデックスは、風斬を引きずって端から端まで全てのゲームに手をつけ始めた。
上条は号泣である。
そんな彼を流石に不憫に思い、恭弥が全額払ってあげる事にしたのだ。
上条は号泣である。
とは言っても、大分渋られたので、昼食を奢ってもらった事にするのと、レベル5で金はあるからという事で上条に了承させたのだ。
安っぽい昼食四人分と莫大なゲーム代。比べるまでもなくゲーム代の方が高いのだが、盗んだ金から出す恭弥にとっては痛くも痒くもなかった。
男前なのかゲス野郎なのかイマイチ良くわからない第八位である。
ちなみに、上条との関係は隙をみて全て伝えた恭弥。
それもあって上条は彼に非常に感謝していた。
やはり男前なのか。
閑話休題。
遊び終え、移動しつつこの後どうするか話し合っていると、突然インデックスと風斬が立ち止まり、辺りをキョロキョロと見回した。
「?……どうした?二人とも」
「今どこからか声が聞こえたような……」
そんな風斬の返答に首を
すると、恭弥が、多分あれじゃね?と前置きをして告げた。
「誰かの
聞き取れないか?と恭弥が続けようとした時だった。
「ちょっと貴方達!人がこんなに注意しているのにこんなところで何をしているの!?」
当然の如く、何も状況が分からなかったため、パチクリと瞬きをし、上条と恭弥は首を傾げて一言。
「「で、何か?」」
そんな二人の返答にガクッと崩れる彼女だが、聞こえてるんでしょ?と一言置いて、顔を真っ赤にして
そんな力んで能力を使うくらいなら目の前にいるのだから口頭で伝えろよと恭弥は思ったが、なんともバカらしい光景だったため、笑いを堪えて彼女の次の言葉を待った。
そして、伝えきったつもりなのか、彼女は肩で息をしつつ二人に尋ねる。
「どう?分かったでしょ?」
「いや、全然」
「何やってんだお前(笑)」
呼吸を整え、期待に満ちた目で二人に問うも、そんな返答に再びガクッと崩れる彼女。
おかしいわね、と呟いてから気を取り直し、口頭で伝えることにした。
「現在、この地下街にテロリストが紛れこんでいるわ」
「テロリスト?」
「ペロリスト?あの他人の顔をペロペロ舐めるやつ?」
「テロリスト!…間も無く隔壁を下ろしてここを封鎖します。速やかに退避してください。いいですね!」
他の仕事もあるのか、それだけ伝えると急いで来た道を戻っていった彼女を見送って、恭弥達は地下街を出るために近くの出入り口まで歩き始めた。
だが、暫く歩くと、
【フフフフ……見ぃつけた…】
そんな声が聞こえた。
「あん?
ッッ!!キッモ!うわっ!キッモ!」
目を向けてみれば、なんと壁から目玉が生えているではないか。
あまりに非科学的な現象。
ドン引きしつつも間違いなくこれは魔術だと恭弥が感付いたのと同時にインデックスはそれに駆け寄り、解析し始めた。
「土より出でる人の虚像。神殿の守護たるゴーレムを無理矢理、英国の守護天使に置き換えてる」
訳わからん。
この一言に尽きるな、と恭弥は感想を抱くが彼女が反応したことで一つハッキリした。
「ってことは……テロリストは魔術師!?」
「ペロッ………これは魔術……!!」
誰も突っ込んでくれないようなボケをかましつつ恭弥はモーションを開始する。
【さあ、パーティを始めましょう】
目玉から不気味な声が響く。
だが、それ以上に目玉が気持ち悪い、というのが恭弥の感想である。
マジで生理的に無理、と体が拒否反応を起こし勝手に動く。
【土の被ったd】ドゴンッッ!
「よっしゃ!ヒット!」
突如目の前に広がった瓦礫の山に、唖然とする上条、インデックス、風斬。
全力の蹴りで目玉を粉砕した恭弥だけが清々しい爽やかな笑顔を湛えていた。
いち早く硬直の解けた上条が恭弥に突っ込む。
「ちょちょちょ!?何やってるのかな!?恭弥さん?」
「うっせぇな。だってあの目玉キモかったじゃん」
「いや、まぁそうですけど!
話ぐらい最後まで聞いてやろうぜ!」
「ハハハ、なら本人がちゃんと俺の前に出てくるこった。礼儀も
「確かに正論だけど!!」