〈エルダー・テイル〉の旅行者たち   作:大倉花立

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10話

 ダンジョン入口の小ホールをクリアした後、順調に8個の部屋をクリアした俺たちはここまでで消耗したMPを回復する為に小休止を取っていた。

「今のところは順調かな」

 まきびさんが花藍の言葉を元に大まかに描いたダンジョンマップを確認しながらつぶやいた

 一つの部屋を6分程度で攻略しているペースだから突入から1時間少々といったところか。

 今のところは順調だが、それは俺たちがまだパーティーランクモンスターまでしか遭遇していないからだというのが大きい。つまり、80レベルの一般〈冒険者〉たちの1個パーティー6人でも難なく倒せる程度のモンスターということだ。

 それに90レベルのベテラン〈冒険者〉たち10人が当たっているのだから当然と言ったところか。

 

 

「じゃあ、あたしが小休止の間に、〈岩竜の洞窟〉の強敵について説明しますね」

 手持無沙汰にしていた花藍が〈岩竜の洞窟〉に生息するパーティーランクモンスターについて説明をし出す。

その説明で彼女が言うには、この〈竜岩の洞窟〉にはパーティーランク×2のモンスターが3体存在するらしかった。

 一匹は〈石灰岩竜〉(ライムストーンドラゴン)その名の通りこの竜岩の洞窟の主でこのダンジョンのボスモンスターだそうだ。

ただ、今回の攻略はダンジョン攻略が目的というわけではない為、ダンジョン最奥にいるのこのモンスターと交戦する必要はない。

 その手前の通路で〈大地人〉の少女ステラとヴィクトリアの仲間の〈冒険者〉ジョージナ、二人と合流し〈フリップゲート〉でダンジョンを離脱、そのまま帰還する予定だからだ。

 

問題となるのはその道中にいる2体だ。

 一体は〈洞穴人〉(トログロダイト)の酋長で普通の〈洞穴人〉よりも二回りほど大きい人型モンスターだ。

 物理攻撃力、耐久力を始めとしたステータスが他の〈洞穴人〉とは比較にならないほど高いため回復職の二人によるHP管理が重要となる。

 また、〈洞穴人〉特有の共鳴呪文を高い呪文妨害に対する抵抗をもって使用するため呪文の妨害が出来ず、周りの〈洞穴人〉を速やかに始末しないととんでもない威力の呪文を叩き込まれて大惨事となる。

 また、交戦中、常に〈洞穴人〉を呼び出し続ける特性を持ち、これで普通ならば取り巻きを掃除すると下がっていく共鳴呪文の威力を保ち続けるらしい。

 

 

もう一匹は〈岩膚巨人〉(ロックジャイアント)これは〈岩膚大鬼〉の上位種でダンジョン最奥手前最後の大部屋に単騎で出現する。

 〈岩膚大鬼〉が2メートル級のモンスターであるのに対し、〈岩膚巨人〉は4メートル級の巨人であり、リーチも膂力も比較にならない。

 ただ、〈岩膚大鬼〉同様呪文は使わないため、遠距離攻撃は基本的に出会い頭の投石のみだ。

 戦士職である、守護戦士、武士、武闘家などがしっかりとヘイトを稼いで盾の役目を果たせば比較的容易い敵であるとのことだった。

 

 花藍の話を聞き終え、俺たちは対応を練っていく。

「〈洞穴人〉の共鳴呪文の周期は5分だから、4分は酋長を攻撃して、残りの一分で取り巻きを削ってで周囲を掃討する感じかな」

 まきびさんが最初に大まかな方針の確認をする。

「そうだな、常に酋長に攻撃を集中させても、増援を呼ばれていたちごっこだ。

 基本的には酋長のHPを減らすことを意識しないといかん。

 だから大まかな方針はそれでいいと思うぜ」

 mikuriさんがまきびさんの方針を確認する。

「5分図るタイムキーパーは私がしよう

 私は詠唱に余裕があるしね、ゲーム本来の仕様なら付与術師が一番向いているんだがヤナはスプリンクラーだで詠唱をし続けないといけないから意思疎通の時間がないだろう」

 まきびさんがタイムキーパーを買って出る。

 

「接敵時の初撃の共鳴呪文はどうするっすか?

 そのままだと一番威力が高いと思うっすけど」

 接敵時は殆どの大型戦闘で一番の鬼門だ、相手の火力が高いスキルが飛んでくる。

 それにどう対応するかはそのスキルの特性によって異なるが正しい対応を取れるかどうかが大規模戦闘の明暗を分ける。

 最初に大打撃を受けてしまっては回復職の対応が後手後手の対応になってしまいHP管理が崩れ全滅してもおかしくない。

 そのため、なるべく威力を減ずる立ち回りを考えなくてはならない。

 

「ここは定石通り〈洞穴人〉の詠唱が始まる前に、通路の視認範囲外から魔法職が再使用規制の長い範囲呪文をヘイト稼ぐ前に最初にパナして、数を減らす。あたしはそれでいいと思うけど」

 〈洞穴人〉の共鳴呪文は共鳴数に応じた威力となる為、接敵時の対応としては最初に遠距離詠唱で数を減らすことが最も有効とされている。

 次点では武士の〈叢雲の太刀〉などの攻撃相殺特技で呪文自体を打ち消すことが有効だが、攻撃相殺特技は往々にして再使用規制時間が長いため来るとわかっている攻撃であれば事前に対策するのが望ましいだろう。。

「ああ、俺もそれでいいと思うぜ」

「兄ちゃんたち、任せてくれ、でかいの一発きめてやるさ」

「ああ、私もタイマー役をするために再使用規制の長い呪文を打ちたかったからそれで了解だ

 では、まとめると対酋長では最初に大きい魔法を打って、その後、5分刻みでルーチンを回す。

 火力は基本的に酋長撃破に回すってことで頼むよ。

 

「それで、〈岩膚巨人〉についてだけど」

「あ、その時は私がメインの盾になるよ。武士さんや武闘家さんに比べれば火力は少ないけどその分硬いしね」

「わかったっす」

「あたしも了解したよ」

 対〈岩膚巨人〉戦に盾役を買って出るヴィクトリアの言葉にムサシと花藍が了解する。

「リーチが長いだろうから、なるべく散らばって敵を包囲する形で戦闘ね。

 守護戦士に対する攻撃に巻き込まれたら盾の意味がないもの」

カンナの陣形の確認に了解の意を返し、ひとまず対応の方策は決め終わった。そろそろ皆MPも回復し終わり、用意を始める。

「じゃあ、そろそろ再開しようか。

 さあ、巻きでいくよ!」

まきびさんの号令と共に俺たちはダンジョン奥への探索を再開した。

 

いくつかの小部屋を攻略し終えたあと、進んでいた通路で花藍が静止の合図を出す。

「次は確か〈洞穴人〉酋長の大ホール。

 打ち合わせ通り行こう。

 範囲呪文打てる人、範囲呪文準備よろしくね」

「オーケー、じゃあ20秒後接敵を開始するから各自20秒後に合わせて呪文詠唱を開始」

「じゃあカウント、あたしがとります」

 そういって詠唱を開始するまきびさんから花藍がカウント役を引き受ける。

「ちょっと待って花藍姉ちゃん、ロバスト起動するから……〈ロバストバッテリー〉

 よし、オーケー」

伊兵衛がカウント式の呪文強化〈ロバストバッテリー〉を待機させる。

「じゃあ始めるわよ、20、19、18、17、16……」

 花藍のカウントを取り始めると共に張りつめた空気が俺たちの間に充満する。

「10、9、8、7、6、5」

 カウントにあわせて、まきびさん、伊兵衛、カンナ、うるうが範囲呪文の詠唱を開始する。

「4、3、2、1、状況開始!」

 

 

「〈神降ろしの儀〉……からの〈剣の神呪〉!」

 カンナの〈神下ろしの儀〉によって強化された〈剣の神呪〉によって大部屋に無数の剣が降り注ぐ。

 不意の攻撃によって統率が一瞬乱れた〈洞穴人〉だったが、すぐに持ち直して共鳴呪文の詠唱を開始した。

「行きます!〈コールストーム〉!」

 だが、そうはさせじとカンナに続いたうるうの〈コールストーム〉で大嵐が吹きすさび竜巻や落雷が〈洞穴人〉たちを襲う。

「〈ラティスシンタックス〉〈エンハンスコード〉ロバストカウント0!――これで最大威力の〈シルバーストーム〉だ!」

 妖術師の自己強化により最大まで拡張された〈シルバーストーム〉で大ホールに吹雪と氷塊が吹き荒れ、肉体すら凍てつく冷気が充満する。

 〈洞穴人〉たちがひしめく部屋の中は〈コールストーム〉、〈シルバーストーム〉2種類の嵐が吹き荒れ、異様な有様になっている。

「〈戦技召喚:ハンマーメイデン〉!」

 最後に追撃するまきびさんが呼び出したウンディーネの姿をした戦乙女が長大なハンマーを一閃し、残った〈洞穴人〉たちを吹き飛ばした。

この連打でとりあえず大ホールの敵は酋長を残してあらかた薙ぎ払えたようだ。

 

「ヴィクトリア、タウンティングよろしく!」

「了解! 〈アンカーハウル〉〈タウンティングシャウト〉!」

 大規模呪文に上がり切った後衛のヘイト値を超えるヘイトを得るため、ヴィクトリアはタウンティング特技を重ね掛けする。

そのおかげか、酋長はヴィクトリアに槍を向ける。どうやらヘイトは十分に稼げたようだ。

「攻撃対象固定、ヘヴィアンカー・スタンス〉起動確認、攻撃を開始しても大丈夫だよ」

ヴィクトリアと酋長をつなぐように鎖のようなエフェクトが発生した。これで、酋長は後衛を攻撃しにいくことができない。

「わかった、いくぞっ」

 mikuriさん、R.Pがその声に呼応して攻撃を開始する。

「ふっ、はあっ、だりゃあっ」

 盗剣士の特技を駆使して起爆すると追加ダメージの発生するマーカーをmikuriさんは攻撃と共に設置していく。

R.Pは地味ながら堅実な動きで遠距離からちくちくとダメージを与えている。

 

「共鳴呪文詠唱終了、単体向けだ!カンナ! ダメージ遮断」

 酋長はもはやこの共鳴数では範囲対象の呪文の威力が見込めないと判断したのか、呪文を単体へと切り替える。

 威力の減衰を一点に絞ることで抑えようと考えたようだ。

だが、それも通じない。

「わかってます! 〈遷却崇神の祝詞〉……〈禊ぎの障壁〉!」

 〈遷却崇神の祝詞〉は呪文の威力を減衰し、残った威力も宙へと逸らす対呪文用障壁。

 カンナは酋長の呪文を〈遷却崇神の祝詞〉で減衰させ、逸らせた呪文をダメージ遮断を張り、完全にブロックする。

 

「接敵段階クリア! これから私が言うまで酋長へ攻撃を集中させて!」

 第一関門である接敵中の共鳴呪文はクリアした、だが、まだまだ酋長のHPは減ってはいない。これからが本番だ。

「「「はいっ(了解)!」」」

 

「〈エレクトリカルファズ〉〈マインドショック〉〈パルスブリット〉〈パルスブリット〉〈パルスブリット〉〈パルスブリット〉〈パルスブリット〉〈パルスブリット〉」

 皆が連携攻撃を決めている中、俺はいつも通り、一通り妨害を入れてから〈パルスブリット〉を連射する。

何故だか疎外感を感じるがこのビルドにしたのは俺だ、仕方がない。

一応、戦闘前に支援呪文は入れているんだ。

 ここまで滑らかに接敵をいなし戦闘を有利に進められているのは俺の事前の支援呪文のお蔭だ、そう自分に言い聞かせる。

ただ、ひたすら詠唱を繰り返しながら少しこう思ったのは仕方がないことだろう。

 こんなことならサブの武闘家で〈大災害〉に会いたかった、と。

 そんなことを考えながら俺がひたすら〈パルスブリット〉を連射している間も戦況は激しく動き続けていた。

 

酋長がヴィクトリアに対し思いきり溜めの姿勢を取り、槍を突く。

ヴィクトリアが小柄なため、槍の穂先は首元へ向いていた。

ヴィクトリアはそれを〈ディフレクト〉、武器によって受け流し、前傾して反撃に移る。

「〈パワーアンカー〉!」

 振りおろし振り上げの2連撃が酋長に強烈に決まる、それによって背後に倒れかけた酋長にムサシ、花藍が追撃を加える。

「〈松葉突き〉」

「いち、にっ、のぉ〈ドラゴンアッパー〉!」

 ムサシが酋長に背後から二段突きを決め、再度それによって前に態勢を崩した彼に、花藍のジャブ2発からの強烈なアッパーが決まる。

花藍の攻撃によって吹き飛んだ酋長は形勢の振りをさとったのか、叫びをあげ〈洞穴人〉の援軍の集結速度を加速する。

その行動は予想済みだったが、ただ、事前に予想していた物よりも〈洞穴人〉の集結ペースが早い。

 

「予想以上に沸きが多いな、ヤナっ、頼んだ」

 まきびさんの要請にすぐさま俺は彼女の意図を把握し、〈パルスブリット〉の標的を酋長から集まってきた〈洞穴人〉に変更する。

「はいっ」

 俺とカンナは普段の戦闘スタイルから敵をトレインし、群れの動きをコントロールし、遠隔攻撃に当たりにくい軌道をとりつつ誘導することが得意だ。

 今回はカンナはダメージ遮断に集中しているため、俺一人だが一匹ずつ〈パルスブリット〉を当てていき〈洞穴人〉たちのヘイトを一身に集める。

「〈ナイトメアスフィア〉」

 そうして集まってきた〈洞穴人〉に移動速度低下バッドステータス付与の範囲魔法を打ち込んだ。

そして、ありったけの移動速度上昇呪文と速度補正のある装備で通常の二倍速にまで到達した俺はその足で〈洞穴人〉を連れまわし、次々と沸く〈洞穴人〉にも〈パルスブリット〉を当てて引き付け続ける。

 そしてムサシとヴィクトリアのタウント範囲に入らないようにして大ホールをひたすら周回し始めた。

追いつかれたり、遠距離攻撃や魔法が当たって硬直した場合、一瞬で俺はお陀仏だ。

 だが、カンナのダメージ遮断が痛みを失くし状態以上を防止している為、安定して逃げ続けることができる。

 取り巻きを俺とカンナが隔離し、ボスモンスターに残りの全員で集中する、これが、俺たち〈RRB〉のレイドにおける基本的な戦闘スタイルだった。

 

 ヴィクトリアがそんな俺の動きに気づいて少し唖然とした表情をしているのが見える。

 

 そんな中、まきびさんがタイマー変わりに使っているスキルのショートカットを見ているのか斜め下方向を見ながら指示する。

「そろそろ4分だ、掃除するよ。

 ヴィクトリアはそのまま酋長のヘイトを頼んだ。

ムサシ、花藍! 敵集団にタウンティング!」

 指示を受けたムサシと花藍が素早く行動を切り替えタウンティング動作に移る。

「〈武士の挑戦〉!」

「〈ワイバーンキック〉!」

 ムサシはオーソドックスなタウンティングスキルである〈武士の挑戦〉でヘイト値を稼ぎ、花藍は〈ラフティングタウント〉がまだ有効なのだろう、そのまま〈ワイバーンキック〉で敵群に突っ込んだ。

「ふっ、はっ、やっ!」

 着弾した花藍は〈ライトニング・ストレート〉をジャブなどに混ぜて使用し、次々と敵のヘイト値を稼いでいく。

 

「花藍姉ちゃん、大技いくよっ、避けてっ!

 〈ライトニングネビュラ〉!」

〈ファントムステップ〉で花藍が敵群の内から離脱したのを確認して伊兵衛が広範囲雷撃を放った。

宙を電撃が走り固まっていた〈洞穴人〉を打ち据え、まとめて麻痺させる。

「伊兵衛に続くよ。

 〈戦技召喚:ソードプリンセス〉」

先ほどのハンマーメイデンのバリエーションをまきびさんが放ち、カンナとうるうが続く。

「行くわよ、〈剣の神呪〉」

「これで、クリアです! 〈ライトニングフォール〉!」

 未だ、地形効果として残っていた〈コールストーム〉の嵐を利用し、うるうが放った〈ライトニングフォール〉で、〈洞穴人〉の集団は概ね倒したことを確認する。

 

「残敵は任せたよ、ヤナっ。

 酋長に攻撃を再開!

3度目の詠唱までには倒そう」

2度目の酋長の詠唱が終わり、攻撃が飛んできたが、〈洞穴人〉を減らしていたため先ほどよりは威力が高いものの簡単に受けきれるレベルだ。

 

「ラッシュをかけるぜっ」

 mikuriさんがマーカーを溜めるスピードを盗剣士の特技を駆使して更に上げていく。

「ジャブ、ジャブ、アッパー、浮かしてぇからのぉ、〈オリオンディレイブロウ〉ッ」

 花藍が〈エアリアルレイブ〉を入れて酋長を浮かしてから隙が大きいが威力が高い〈オリオンディレイブロウ〉を決める。

「これで終わりだ、〈エンドオブアクト〉!」

 mikuriさんの着火によって散々溜め込んだ追加ダメージマーカーが次々と誘爆していく。

 最後の一際激しい爆発の後、吹き飛んだ〈洞穴人〉の酋長は致死ダメージを受けて死んでいた。

 

 

 

 

 

「はぁ、ハーフレイド級の敵は初めてだったけど意外とあっさりなんとかなったわね」

 カンナが酋長の死体を眺めながら拍子抜けとでもいう風に呟いた。

「まあ、でも適正80だからな。こんなもんじゃないか?」

 そんなレベル80のモンスターが馬鹿程強くても困る。

「多分、もう一匹の〈岩膚巨人〉は単騎だってことだからもっと楽だと思うよ。

 でも、撃破にかかった時間は8分だから現実よりは時間かかってるんじゃないかな」

座ってMPを回復している間に先ほどの戦闘の反省を行う。

「そうですね、やっぱり生身になって〈冒険者〉の能力の活用具合が落ちてるんでしょうか」

「まあ、手元でキーボードを操作する方が動きが小さくて、行動間隔のブレがすくないもの。

 でも、スキルをモーション起動することで自由度が上がってディレイや隙やらが少なくなってる部分もあるし単純に習熟が足りないってことかしらね」

確かに、手元で〈冒険者〉を操作していたころは殆どスキルディレイ後の最短発動間隔を手で覚えこんでいたため、攻撃間隔は最適ルーチンをほぼ最速で回せていたが、今は生身の都合もあってかなりの無駄が生じている。

「まあ、最適行動は反復で体に覚えこませるしかないだろうし、そもそも生身の行動の最適行動が今までの最適行動でいいって保障もない。

 まあ、要研究ってことだな」

 これからも戦闘を継続していくのなら無駄をより少なくしていかなければならないだろう。

 その為にはコツコツと日ごろから反復練習を積み重ねていかなければならない。

 それは現実もゲームもこの世界もどうやら同じらしかった。

 

「じゃあ、そろそろMP回復も終わったしそろそろドロップ拾って先へ進みましょうか」




7巻ラストのシロエとデミクァスみたいな動きが主人公とヒロインの大規模戦闘における本業です
速度特化の付与術師と神祇官はレイド戦闘のダメージレースにおいて役目を持てないので自分たちがかろうじて役に立てることを探した結果がボス取り巻きの隔離というわけです
これは〈RRB〉や親交ギルド内でレイドダンジョンにお遊びに行くときの話なので高DPSなんて全く叩き出せない為ガチ戦闘ギルドなんかにこのまま入ったらとんでもない酷評を受けます
その為、ゲームの頃二人はレイド用にサブキャラを持っていました

〈洞穴人〉と〈岩膚大鬼〉の設定はwikiを参照しています
その他、〈石灰岩竜〉酋長、〈岩膚巨人〉、〈岩蜥蜴〉、共鳴呪文などは勝手に捏造させていただきました

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