そして唐突の魔理沙編、実はおまけで書いていたものですがうどんげ以上に長くなってしまい本編記載になりました。
多分次回こそ地霊殿
side霧雨魔理沙
「あぁぁぁぁぁ!!しつこいってんだろ!」
今、私は天狗に追われている。
「待ちなさい!あなたには天狗に対してのテロ宣言をした疑惑がかかっています。」
追いかけて来るのは白狼天狗と烏天狗の下っ端10匹か……。
「高々射命丸の書いた記事だろ!?信用するなよ!」
くそ、囲まれた。
「我々も一切、信用なんてしません!どうせ文さんの記事なんてデマしか乗ってませんから!」
「ちょっとぐらい信用してやれよ!」
あまりの信用の無さに思わず突っ込んでしまった。
「え、じゃあ本当にテロ宣言……?」
「あ、しまった。違うからな。」
「まあ、真偽なんてどうでもいいんです。要は我々天狗にとって面白ければ(記事になりそうなら)それでいいんです!」
別の烏天狗がのたまう。
「やっぱり最低だ!」
そうこうしている内に背後から羽交い絞めにされた。
「さあ、取りあえず天魔さまの所まで連行しますよ?」
「ぐわあ、離せ!」
思いの外、力が強くて外せない。
「あはは、すみません。今は大人しくしていてくださいね?」
こいつ、
「幻想郷なら幻想郷らしく弾幕ごっこで勝負しやがれ!」
「していいんですか?」
周りにぐるりと総勢30匹……さっきより増えてねえか?
「の、望むところだ!」
―――
――
ー
「ぜぇーぜぇー……、ごじゅ……っぴき……め。」
ここまでの集団戦は初めてだ(普段の妖精たちは知らん)。しかも続々と集まってくる。
「次は誰だ!」
「じゃあ、私が行こうかな?」
出てきたのはかなり幼い烏天狗?――違う!
「天魔か?」
「あれぇー?外にはあんまり出ないんだけど分かるの?」
けっ、やっぱりか大体の幼女は危険なんだよ。
「じゃー、私に勝てたらそーだねぇ。総数151人の内今いるのは123人かー……。ん!上位10人には勝ったことにしてあげよう!」
「上等!行くぜ!」
―――
――
―
「か、勝った……?」
「うわーん、負けちゃったー。」
弾幕ごっことしてはかなりお粗末な戦い方しかできていないにもかかわらずほぼ互角、泣きたくなるぜ。
「初めての弾幕ごっこだったのに!」
「初めて……?」
お粗末だとは思ったけど初めてかよ。
「じゃー、約束通りね。四天王と裏四天王と鞍馬ちゃんと千葉さん、帰るよー。」
千葉さん誰!?
「ああ、本当に帰っちゃいましたね。じゃあ次は私が相手になりましょう。」
「あ、思い出した。椛って言ったかお前。」
「はい、それと、勝負の前にイイ事を教えてあげます。」
なんだか嫌な予感が……。
「なんだ?精神を揺さぶろうとでも?」
「……魔理沙さんは以前に文さんにパンチラ写真を取撮られましたよね?」
嫌なことを思い出させる。
「ああ、言っておくが全部燃やしたぜ?特に家の親父のは念入りにな。」
ちなみにパンチラ以外にも充実していやがった。
「写真って大元のネガを回収しないといくらでも複製は可能ですよ?」
「なん……だと?」
―――ピチュン
「あっ!」
くそっ、被弾した。
「ふふん、ここまで動揺してくれていれば私にだってワンチャンあります。」
「うるせぇ
「え……私にいきなり全力ですか!?」
当たり前だろ。そのまま椛は光に包まれて落ちた。
「おっと、一応今のでちょうど半分か。次は誰だ?」
流れる様に前に出てきたのは私と同じくらいの背格好の烏天狗。
「そこそこまでよ!さっきの白狼天狗の作戦はあの文のお仲間とはいえ中々いい作戦だから私も利用させてもらうわ。」
「あん?何を―――」
写真を数十枚ばらまく、目の前の烏天狗。
「私の名は姫海棠はたて。念写をする程度の能力で誰かが撮ったことのある写真ならば再現できるのよ。」
「ま、まさか今ばらまいた写真は……?」
「さすがに兎の柄入りのパンツは幼稚すぎるんじゃない?」
「があああぁぁぁ!魔砲「ファイナルスパーク」」
全力の一撃を数十枚の写真に向けて放つ。
「はい、まず一発。」
「ガッ!?」
技も何もない単なる一発の魔力の弾に被弾、屈辱極まりないぜ。
「ぷくく、無様ね。はい、写真追加。」
またもや数十枚の写真が明後日の方向にばらまかれる。
「ぬおおぉぉ!魔砲「ファイナルスパーク」!」
またもや本気、この二発で天魔と戦った時と同じ程度に魔力を消費した。っと危ない危ない……、今度は弾幕も避ける事が出来た。
「あら、今度は避けられたわね。じゃ、次ね。」
スカートのポケットに手を入れて……今!
「恋心「ダブルスパーク」!」
「ーーー!!」
超広範囲のマスタースパークを前に写真とともに姫海棠ほたて?だっけかが沈む。
「よし、次!」
それを見ていた天狗たちが次々に挑んで来る。
「私は一度見た写真を複製する事が出来る。」
「私は相手が撮られた事のある写真を出せる。」
「私は近くで撮られた写真を複製する。」
「「「さあ、勝負。」」」
そういいながら写真を四方八方にばらまく烏ども。
「もういい、全員ぶっ飛ばす……。」
ミニ八卦炉に力を注ぐ、これが私の全力全壊だぜ。
「恋符「マスタースパーク」、恋心「ダブルスパーク」、魔砲「ファイナルマスタースパーク」!!!」
スペカが途切れた瞬間に次のスぺカを発動して続けざまに三枚、行為力広範囲に放つ。
「ちょっと、あれどうするのよ!?」
「これは避けられないわね。アーメン」
「どこの宗教よ?ああ、非殺傷になってればいいなぁ、あれだけ挑発したからなぁ。」
「ちょっ、今戦ってたのはあの三人組でしょ!?」
「まあ、四方八方で囲んでたら何人かは流れ弾に巻き込まれるのは仕方ないね。痛くないといいな。」
「防御系の能力持ちは妖怪の山を流れ弾から守るぞ!」
「「「「「応ッ!」」」」」
何も考えずに放ったからマスパの一部が妖怪の山に向かってったか。大量の狼と烏が飛び込んでいった。
「あれだな、飛んで火にいる夏の天狗だ……夏じゃないけど。ひいふうみい……30か、あんまり落ちなかったな。」
消費魔力から見るとだいぶ少ない。
「スペカ発動は無理だな。あとは……――!」
残った天狗たちが怒りに任せてか跳びかかってきやがった。
「通常弾幕のみだぜ!」
消費する魔力が極端に低い誘導性も何もない文字通りの魔力でできた弾。
「1匹か、これで残り30匹。」
はは、魔力持つかな。
「調子に乗るなよ?全員ばらばらに囲め!」
本来なら広範囲に弾幕を張るスペカを使うとこだけどな……。
「行くぜ!」
―――
――
―
「きゃー!」
最後にモブっぽい特徴のない白狼天狗を落ちた。
「終わった。ようやく終わったぜ。」
魔力もほとんど出ない中、手当てを受けているある白狼天狗の下に向かう。
「よお、こっちは終わったぜ?」
目の前の白狼天狗は途端に慌てだした。
「ま、魔理沙さん!?何かご用でしょうか?」
「そんなに動揺しなくてもいいぜ、椛。私は
「で、でもですね。流石に窃盗は……。」
そもそも盗撮自体が犯罪なんだけどな?
「じゃあこうしよう。
「で、でも……。」
「大丈夫、了承なら後でとる。」
弾幕ごっこという形で強制的にな。
「まあ、今回は射命丸さんにも責任はありますし……。仕方がないですね。」
そういって椛が目をつぶる。
「能力の行使か、今のうちに尻尾の毛とか剥ぎ取れないかな?」
「目をつぶっているだけなので全部聞こえてますからね?―――あっ!?」
「どうした?」
椛がだらだらと冷や汗をかき始めた。
「その、伊吹萃香様が射命丸さんの自宅に押し入り……。」
「ん?萃香か。」
紫の修行とやらで霊夢がどっかに行ってから適当にふらついてると聞いてたけど。
「その、日本酒とスルメと……、そのパンツのネガを取って行っちゃいました。」
どうしたら酒と
「ネガを透かして見てこう、ニヤッと笑って持って行きましたね。多分方向から見て永遠亭の方かと。」
あんの幼女、絶対泣かす。あ、魔力無いんだった。
「ともかく、永遠亭だな!」
「えっと、逝ってらっしゃい。」
今の言い間違いは多分わざとだな。魔力が回復したらモミモミしていじくり倒してやろう。
「行ってきます!」
待ってろよ。永遠亭に萃香!
side鈴仙・優曇華院・因幡
「あっ、これだめだ。」
沈んだ布団を手に取って見ると酒のせいで全体的にシミになっていた。
「いや、これを姫様とお師匠様にだしたら……想像だけで震えが止まらない。」
どうする、今から買いに行く?曲がりなりにも姫様の使うものは、そこいらの市井で買えるものではやっぱり折檻だ。
「誰かに譲ってもらう?……幻想郷でいい暮らしをしていて寝具を余らせていて、なおかつ私相手にも取引してくれそうな人?―――!」
うわぁー!
「い、行くしかないのか?そもそも私の少ない所持金で取引してもらえるのか?」
「布団かー、確かにレミリアだったら余らせてるだろうな。」
けど逆にレミリアぐらいしか余らせている人たちがいないんだよなぁ……へっ?
「よっ、久しぶりだなイナバの。」
見ると服を限りなくぼろぼろにした白黒の魔法使い、魔理沙が居た。
「ど、どうしたんですか!?手当てしますのでともかくこちらに。」
「いや、いい。服はボロボロでも被弾はそこまでしなかったしな。」
「被弾……?魔理沙さんだって弾幕ごっこはかなり強いはずですがいったい誰と?」
「ん?ちょっと妖怪の山の天狗たちとな。」
「大方忍び込もうとして椛さんあたりとやり合ったんでしょ。」
「いんや、
全員?ああ、妖怪の山の天狗全員―――え゛!?
「全員!?だってあそこには幻想郷最速の射命丸さんとかトップの天魔さんとかいるじゃないですか!」
「ああ、天魔は凄まじかった。でも弾幕ごっこにはそれほど慣れてなかったおかげで勝てた。あの
「何をしたんですか?テロ?」
「は……はは、あながち間違いじゃねえ。」
マジでか。
「えっと、一応
特にきまってはいないけどお師匠様が絶対に追い出す。
「テロリストじゃねえよ、逃亡者。射命丸の奴に新聞にされただけだ。」
「ああ、嘘ってことね。あと、逃亡者言うな。」
そこは触れてくれるな。
「っていうか治療じゃないなら何しに来たのよ。服でも借りに来た?」
「あー、確かに服も貸して欲しいけどな。それよりも、だ。伊吹萃香を知らねえか?」
「伊吹萃香……?」
その時、私の中で『伊吹萃香』と『霧雨魔理沙』というキーワードから先ほどもらった本気で要らない治療代+酒代を思い出した。
「あ、―――ネガ?」
「うおおおおぉぉぉぉい!何でだ!答えろ!答えてください!何で『ネガ』何て単語を出した?しってんだろ?あの童女の鬼が広めてやがんのか?畜生!一体何人が知ってやがんだよ!?」
ネガの二文字は魔理沙にとって鬼門だったらしい。
「ぐずっ、ぐすっ……、親父も一回ボコったけど絶対に後でもう一回ボコる。」
魔理沙のお父さん、何をしたんですか?
「あの鬼め、どこをどうしたらあの写真が酒の肴になるんだよぉー。たまたまドロワーズを穿いていないだけで……。」
ふふむふむ、試しにネガを電球の光にかざしてみてみる。
「へえー、兎の柄なんて魔理沙の印象と違うわね。」
「だから、たまたま他の……ん?」
「え?」
魔理沙がこちらの手元のネガを見て、目をこする。細かい事だけど目が傷がつくからこするのは止めなさい。
「なぁ、そのネガって……。」
「ん?さっき伊吹萃香が診察代(+酒代)として支払っていったわ。」
目の前でひらひらと振ってみる。
「くれ!もしくは燃やせ!」
跳びついて来た。
「あれぇ?いつもと違って全然力が出てないわね。」
何時もは魔法を使って少女と思えないほどの身体能力を持っている彼女だがデコピンで尻餅をついてしまった……やばい、はまりそうだ。
「でも
最後の台詞はわざとらしく語尾を上げて聞いている。
「あっ、ごめんなさい。そんな力は残っていなかったわね。」
手元は隠しているが笑いが止まらない。普段はお師匠様や姫様、てゐ、兎たちにまでからかわれる……今気が付いたけど永遠亭の全員にからかわれてないかしら?
「えっぐ、えっぐ……。てめぇ、いい度胸だ。表に出ろ、兎一匹ぐらい燃やじ尽ぐじでやる。」
「どうどう。わかった、わかった。ほら、ネガよ。次は取られないようにしなさいよ。」
十分に堪能したのでネガをあげる。
「おお!ありがとな、うどんげ!」
「うどんげ言うな。」
譲った瞬間、ネガが燃やし尽くされる。
「お礼にコレやるよ!」
これは―――魔道書?
「ああ、……あ、すまん。さっきの……ネガ燃やした火で魔力が……本気で切れた。」
しゃがみこんで動かなくなてしまった。
「ちょ、ちょっと、私は魔力切れなんて診察したことないからどうしたらいいのかわからないわよ!?」
取りあえずでボロボロ状態の服のボタンを数個外して緩めた後、体勢を横向きに寝かせる。
「う、あ……、取りあえず寝れば回復する。あれだ、すごい眠くなる。」
極度の疲労からの眠けってところか。筋肉疲労ならマッサージなんかが効果的なんだけど魔力疲労(?)は何をしていいのか分からないので素直に運んで寝かせておくか。
「よっと、軽いな……。」
改めて見ると手足は細そく肌は青白い、胸も背もない。
「今度何か作って持って行くか。」
決してからかいたいとか
補足:テロ宣言=『新聞記者、取材する』にて
あの時のイヌっころ=椛、50匹と戦った後に勝機を見て挑みました。
天魔=オリキャラ、東方で存在は指摘されているが容姿などの描写がないためこうした二次作品で出演する場合は狡猾な老人でもなんでもあり。
四天王と裏四天王と鞍馬ちゃんと千葉さん=四天王と裏四天王は数合わせです。鞍馬は鞍馬天狗から、源義経を育てた人物として有名。千葉さんは千葉栄次郎が元ネタ、千葉の小天狗と謳われた人物です。
姫海棠はたて=時系列的には当たり前ですが紅魔館に行く少し前です。魔理沙に落とされた後、手当てを受けながら手慰みに射命丸のカメラを念写して紅魔館に飛び込みます。
姫海棠ほたて=おいしそう
モミモミ=元ネタはもちろん『もみじもみもみ』
想像だけで震えが止まらない=普段のお仕置きでは数日間気絶して記憶がないそうです。
十分に堪能したのでネガをあげる=うどんげは出されている本を読むと割と優しい性格なんですよね。