偽物吸血鬼のお嬢様   作:温いうどん

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やばいです。週一更新ですら辛い…。
会社さんや、六時に働いて帰りが十一時って…。
書ける時間がなさすぎです…ぐふっ。


管理者、対話する

side人形

 

今日は洗濯の日だとかで咲夜は忙しそう…。

一日パチュリーか美鈴(みれい)とゆっくりと過ごすのも悪くはないかも知れない。

 

 

大図書館

 

「という訳でパチュリー!本貸してー!」

「……。」

え?なんでこっちを可哀想なものを見るような目で?

「えーと、レミリア様?大図書館の管理者はパチュリー様ですけど所有者はレミリア様で…普段は許可なんて取ってないんですよ。」

小悪魔だー。すごい可愛い、そして何気なく紅魔館で二番目に胸がでかい!できることなら飛びついて抱きつきたいがレミリアはしないだろうから却下。

「では小悪魔よ。時間の潰せそうな本を…。」

「はい。お待ちくださいね、レミリア様。」

何故か通り過ぎる一瞬に『よくできました』と言わんばかりに頭を撫でてくる。

「ふん、まあ下の者の振る舞いが多少無礼なものとしても甘んじて興じるのが主たるものの振る舞いか…。」

そのまま胸を張って待つ。

 

10分後

 

「お待たせ致し「遅い!」うう…大図書館でこれ以上早くは探し出せませんよ…。」

「それで探してきた本は…『サルでも出来る魔法入門』『奇跡のバストアップ術AAカップ編』『部下をうまく使えない人~カリスマアップ初心者版~』…小悪魔…。」

「なんですか?レミリア様!」

うん、すっごく屈託の無い笑顔を浮かべてはいるけど…。

「ぱちゅりぃ…小悪魔がいぢめる…。」

「ええっ!!い…いえ、そんないじめてないですよ!?」

「…はぁ…、しょうがないわね…。小悪魔、ⅡーⅤーⅧの棚に外で人気になったファンタジー小説が置いてあるはずよ。」

「はい!行ってきます!」

うう…、パチェリーさん…。

「ほら、泣かないの。紅魔館内だからまだいいけれど、絶対に外じゃあ言動に気を付けなさい。もう少し優雅に、貴婦人らしく振舞いなさい。」

やっぱり普段のレミリアもこんな風に注意されているのだろうか…?

「…分かっているわ。」

なんとなく…なんとなくだがアリスさんがお母さんっぽい雰囲気だとしたらパチェリーはお姉さんっぽい雰囲気だ。

「でも…《厳戒態勢・厳戒態勢・紅魔館内ニ侵入者有・紅魔館内ニ侵入者有》!?」

なになに!?今の変なアナウンス?

「…はぁ…最近はため息が多くなった気がするわ。レミリア、自分の部屋に戻って頂戴。」

「…侵入者…。もしかして魔理沙?」

「もしかしなくても魔理沙ね。美鈴(みれい)は所詮美鈴(みれい)か、こんな時でも役に立たないとは…。」

「私も会うわ。」

主人公組でしかも初期からいる二人のうちの一人、ここは何としても会いたい。

「ダメ。強制転移発動…。」

「え…!?ま…」

一瞬で自室まで戻された。鍵掛かってるし、いつの間にか手元に小説があるのはパチュリーのやさしさ…と思いたい。

 

 

 

sideパチュリー

 

 

それにしてもおかしいわね…。確か、人形のあの子は必要な知識がどこか欠けているように見えてならない。けれども魂の選別をしたのは、八雲紫。間違いなどはまずないだろう、ではなぜ?

美鈴のことも“みれい”と呼んでいるし、よくよく考えてみると恐らく私を前にレミリアの言う愛称“パチェ”でなく“パチュリー”と呼んでいたのも人形としての自覚があったからだと思っていたけれど違うのかも…。挙句は火を目の前にして気絶、月の頭脳に知られるなどもってのほか…。

「八雲紫…、一体何を考えているの?…!」

「呼んだかしら?」

目の前の空間が裂け、八雲紫が悪そうな笑みを浮かべて現れる。

「…勝手に入ってこないで、侵入者用の迎撃魔法も消滅させてるし…。」

「あら、思っている以上に反応が薄いわね。」

「一々驚いてられないわ。八雲紫、教えなさい…、あの子は、人形の中身の魂は何者?」

「そんな赤の他人のごとくフルネームで呼ばなくても気軽にゆかりんて呼んでくれていいのよ?」

「黙りなさい管理者。優先すべきはまず幻想郷の知識と人形であることの自覚、その立ち振る舞いのはずよ。あれでは吸血鬼の人形足り得ない、まがい物もいい所――答えなさい、何をたくらんでいる?」

八雲紫の周りに二十を超す魔法陣を出現させる。スキマで逃げないようにするものから攻撃用のものまでだ。

「あらあら、怖いわね…。」

そう言いつつゆったりとした動作で手に持った扇子で一薙ぎ、魔法陣をすべて消滅させる。

「ふふっ、そうそう怖い顔しないの。貴方が欲している情報は最初から教えてあげるつもりで来たのだから。」

私ではこの女には及ばないか…。

「まずは前提条件だけれど、魂と肉体の関係は分かっているわね?」

「ええ、魂の形は絶対に肉体の形と同じ、だからこそ魂の定着は理論上不可能とされている魔法の一種。」

細胞の一つ一つの形まで作りこまなければ魂ないし肉体は違う部分から徐々に崩壊する。魔法では不可能とされる偉業だが、魔法以外の者を織り交ぜて成功させた。その方法はすなわち――

「そう、今回は私が魂の選別をした。魂に合わせた肉体を作るのが不可能ならば肉体に魂を合わせればいい。それでも難しいならば両方を合わせればいい。」

「そうだったわね。私が聞きたいのはどういう選別をしたのか…。探すときには次元の壁を超えたと貴女の従者から聞いてはいるけれど?」

「中々に大変な仕事だったわよ。早々に都合よく私たちの知識を持っていてこの世界のレミリアに魂の似ている生物何て中々にイイ条件じゃない?」

それだけを聞くと不可能な気もしてきたがそれを行ったのは八雲紫、ある程度の事象になら干渉してしまうのが彼女。

「確かに難しいけれど決してできないわけではなさそうだった。」

「『だった』?」

「問題は幻想郷の秘匿性と閉鎖性、正直言って魂の類似性の妥協点は日を追うごとに下げていったのに全くと言っていいほどに見つからなかった…。」

そんな話は流石にあの狐からは聞かなかった。

「けれど、ある世界に入って状況は一変した。『東方project』と言う言葉が何かわかって?」

「東方project?」

「ええ、かなり面白いわよ?何せ私たちを題材にしたゲームですから。」

「…ゲーム…?」

「ええ、面白おかしく私たちの異変などが綴っているゲーム。凄く都合がよかったわ。限定的かつ曲解している部分もあったのだけれどそれなりに知識を持っている者たちに出会えたのだから。」

「その中でレミリアに似ている魂を持っているものを選んだと言う事?」

「簡単に言うとそうなるわね。そしてあなたの言う幻想郷の知識が足りないというのも仕方のないこと、ゲームによって部分部分の知識しかないうえに間違った知識は削ぎ落とした。でも流石の私でも正確に間違った知識だけを削ぎ落とす事は出来なかったわ。」

「それが美鈴(みれい)でありパチェであると言う事ね。」

それならば納得だ。…アレ?なぜ目をそらす?

「いえ、その…、美鈴に関してはそもそも覚える気がなくかつ美鈴(みれい)と呼ぶネタを真実だと思っていたみたいよ?」

「……。本当に残念な子なのね。」

あれは天然だったか。

「そしてもう一つの疑問、人形であることの自覚ね…。教えない方が元に居なった娘の行動原理がレミリアに似ると思ったからよ。」

「?」

「魂の色と言うのはその人物の性格が“色濃く”現れるもの。故に放っておけばレミリアと似た行動を起こすと踏んだのよ。もちろん、そうならなかった場合は文字通りの操り人形になって貰って紅魔館に引き籠ってもらう予定だったけどね。」

大凡、魔法使いと言う者達は非人道的である。それは知識の探求の為にそれ以外を切り捨て様とするからだが八雲紫もまた幻想郷の為ならばどんなにも残虐な人物である――そう話していたのは誰だったか…。

「…最後に一つ聞かせて、もしも…もしも人形が人形であることが今回欺くべき対象に知られていたら?」

「そうねぇ…。その対象にもよるけれどただの人間ならば死んでもらったわね、それ以外の重要人物などの場合は人形に死んでもらう予定よ。シナリオは『アリスの作った精巧なレミリア人形が紅魔館を乗っ取った。それに気が付いた妖怪の賢者と博麗の巫女が人形を退治…人形異変何て名前はどうかしら?」』

「最悪の趣味ね。」

「ふふっ…、それじゃあ主役が来たみたいだしそろそろお暇させていただくわ…今回貴女に話した意味、きちんと理解しているわよね?それじゃあ。」

要するに監視とストッパーの役割の一翼を担えと…ま、仕方ないか、私も一製作者としてあの子にはそれなりの愛着ぐらいは持っている。

「少しは守ってあげるか…、小悪魔…出てきなさい、もう管理人はいないわよ。」

そういうと同時、八雲紫を見て奥に逃げていた小悪魔が出てくる。

「うぅ~、怖かった~。よくあんな人と話が出来ますね、パチュリー様は…。」

「すぐに逃げるのはどうなのかしら…従者?」

「あれは無理です。」

そんな速攻で返事されても…。

 

ガチャン

 

唐突にドアの開く音がする。咲夜は今日は忙しいだろうから…。

「という訳でパチュリー!本貸してー!」

「……。」

思わずかわいそうなものを見るような目で見てしまった私は悪くないだろう。

先程までこの人形の正体は…、とか正体ばれたら殺す…などと話していた対象が呑気に羽をぱたぱたと動かしながら満面の笑みを浮かべているのだ。

「えーと、レミリア様?大図書館の管理者はパチュリー様ですけど所有者はレミリア様で…普段は許可なんて取ってないんですよ。」

小悪魔…胸を張りながら『パチュリー様が呆れている理由』を述べたつもりでいるけれどそんな理由じゃないからね?

 

その後も小悪魔と人形でコントのようなやり取りをしていると復活させた警報魔法(侵入者撃退魔法は復活させるのに時間がかかる)で恐らくは魔理沙であろうものを感知。ゲームの登場人物である魔理沙に人形が会いたがっていたが強制転移、転移させたと同時に魔理沙が入ってくるので内心は冷や汗ものだった。

 

「よ、元気だったかパチュリー!」

「…貴女が来るまではね…。」

冗談ではなく本心で、間一髪であることを考えると動悸が激しくなる。

「つれねーなー、ま、いいや。先週借りた魔道書の続きを貸してくれ!」

「その件の魔道書は?」

別に返してくれれば大人しく貸すことが出来るのに…。

「忘れた!」

「帰れ!…ごほっごほっ…。」

動悸が激しくなっているうえに叫んだせいで喘息が辛い。これも全部レミリア(本物)のせいだ。帰ってきたら存分にいじめるために先程、小悪魔が持ってきた三冊の本はしっかりと保管しておこう…。そう心に誓いながら魔理沙と弾幕ごっこをした…結果?疲れている私に勝ち目はなかった。

 

 




間に合わなかったエイプリルフールネタ

次回予告

私は巫女の博麗霊夢。好敵手で仲間の十六夜咲夜と太陽の畑へ遊びに行って、うさみみのあざとい女の怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた私は背後から近づいて来るもうひとりの赤青のツートンカラーの仲間に気つかなかった。私はその仲間に毒薬を飲まされ…。
目が覚めたら――妖精になってしまっていた。博麗霊夢が生きているとバレたらまた命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。
魔理沙博士の助言で正体を隠すことにした私は咲夜に名前を聞かれて、咄嗟に大妖精と名乗り、奴らの情報を掴むために主が吸血鬼をやっている咲夜の家に転がり込んだ。
所がこの主、とんだかりちゅまで、見かねた私は主に成り代わり持ち前のカリスマで次々と難敵を葬り去ってきた。
おかげで主は世間に名を知られたカリスマ吸血鬼、私といえば紅魔館の使いっぱしり生活。妖精仲間のサニーやスター、ルナと四月精を結成させられる始末…。
ではここで、魔理沙博士の作ってくれた魔法道具を紹介しよう。まずは時計型封魔銃、蓋についた照準器を合わせてボタンを押せば封魔針が飛び出し、瞬時にピチュらせることができる。
次にスカーフ型変声魔術機裏についたキノコを押せば大人から子供までありとあらゆる声を出せる。
必殺のアイテムなら御札飛び出しシューズ、魔術で威力を極大まで高めてくれる。
敵の追跡ならターボエンジン付きの箒、ただし動力源が魔理沙の魔力だから時間制限付きなのが玉に瑕だ。
おおっと、忘れちゃいけない4月精のZUN帽は超小型念話術式道具で追跡術式もついている超すぐれものだ。
他にもいろいろあるけど一番の武器はやっぱりここさ(カリスマ)。
小さくなってもカリスマは同じ、ゲームオーバーなしの主人公、生き残るのはいつも一人!

迷探偵霊夢の事件簿、次回始動


…四月一日に間に合わなかった~!

補足:洗濯の日=服とかは毎日洗いますが、枕カバーなどは週一で洗います。オリジナル設定
   本ズ=最早嫌がらせのレベル。小悪魔は悪くないんや、ちょっと天然さんなだけ
   八雲紫=今回語っている内容は嘘7割本当2割適当1割ぐらい
   うそ予告=ちょっと書きたいと思ってしまった。(すこしだけ息抜きに3000字ぐらい書いてしまった)

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