でも今回、忙しすぎてすごい難産でした。ギャグを入れるスキマがない…もしかしてBBAの仕業(ピチューン
さらになんと、この回で初めてレミリアを人形じゃないと思っている人たちとの出会い(笑)
「ふんふん、つまりは妹紅とはぐれたから永遠亭まで案内して欲しいということうさ?」
「うむ、流石の私といえどもこのただ広い中を無闇矢鱈と歩き回るのは少々骨が折れてな…。」
「それで私に頼むうさ?貸一つうさよ?」
「引き受けてくれる?」
「そんな不安そうな顔しなくても紅魔館にこんな簡単に貸しが作れるならお安い御用うさ。それよりもなんだか口調崩れてないうさか?」
「も、問題ない、てゐよ、助かったぞ。」
「…なんだか激しく不安になってきたうさ…。この貸しがどういったものか分かってるうさか?」
「…おかね…?」
てゐがあからさまに溜息を吐く。
「わかってない、わかってないうさよ~。」
「な、何!?じゃあ、一体何を…?」
「まぁ、世間知らずのお嬢様には分からなかったうさね。所で、紅魔館で仕事を取り仕切っている人は誰うさか?」
仕事を取り仕切る…妥当なところで咲夜?
「細々とした仕事は咲夜に任せている。」
「…じゃあ、今回の貸しもあのメイドに言っておけばいいか…。」
「?」
「大丈夫うさ!私に任せておけば万事解決うさ。さ、いつまでもうさぎ小屋に居ないで永遠亭に行くうさよ?」
「うん…じゃなかった。うむ、幸運の素兎よ永遠亭までの道中は任せたぞ?」
「そこはかとなく姫様と同じカリスマ(仮)の匂いがする人だうさね…。」
少女移動中…
ようやく永遠亭に着くことができた。
「お師匠様~お客様うさよ~。」
「話に聞いていたよりも面倒見のいいものなのだな、てゐ。礼を言うぞ。」
非常に困ったときに助けてもらったからだけではないてゐは凄く良い人だ。
「てゐは面倒見がいいな…。」
「…私の苦手な部類だ…。」
何かてゐが呟くように言っている…と、廊下の奥から誰かがやって来る。
「お師匠様うさよ~。…いいうさか、まずは私がお師匠様と渡りを付けるから黙ってるうさよ?」
「ああ、まかせたぞてゐ。」
なんて優しいんだ…この優しさは咲夜さんすら凌駕する。…同じぐらいか。
「…おひとよし…。」
またもや何かをぼそりとつぶやいたあと悲しそうな顔をして永琳であろう音のする方へ駆けていった。なにか悲しめるようなことをしてしまっただろうか?
しばらくして、ニコニコとした笑顔を浮かべながら生永琳が来た!
「こんにちは、紅魔館の主様。私は八意永琳、輝夜姫の従者にしてここ永遠亭の薬師をしています。本日はどのような御用でしょうか?」
「大した理由ではない、一度ここには来てみたかったものでな…うちの自慢のメイド長咲夜が今日は永遠亭に所要があるというので付いてきたに過ぎん。」
「そうですか咲夜さんが…。そういえば異変の際には咲夜さんに随分お世話になりまして、遅ればせながら御礼を申し上げますわ。」
なんというか…てゐも永琳さんもすごくいい人だ!
う詐欺とか呼ばれてたり便利屋扱いされていたりといったぐらいの知識しかないのが申し訳ない、本当はこんなにもいい人たちだったとは…。
「構わん、私も過去に異変程度は起こしているしな…。大切なのは今であり過去ではない。過去の行動を省みる程度はいいやもしれんが、
それによって行動を縛られては意味がない。」
どうせなら、過去に起こした異変を気にせずにどんどん異変起こしてゲーム化をして欲しいぐらいだ。
「お前はどうだ?これ以上の異変は起こさないと断言できるか?例えばお姫様が気まぐれで異変を起こそうなどは?」
「…断言はできませんわ。私にとっての至上は姫様のみ…勿論気まぐれで異変を起こせと言われたら協力などはしませんが、
理由があるなら話は別ですわね。」
あれぇ~?何で永琳さん、目がキツくなっているのだろうか?
まさか…またなにかやってしまった!?あ!異変を起こして反省させられたばかりなのに異変とか起こさないの~?とか言われたら気分を害するのは当たり前か…。
「いや済まない、不躾だったな。今日の本題は咲夜の買い物…、すまないが合流できるまで待たせてもらえないか?」
side永琳
最悪の日だ。
ようやく出来た薬をてゐのいたずらで使われてしまう、数ヶ月かけて栽培していた薬草を兎たちに食べられ、輝夜は気がついたら課金ゲームと言うものに手を出していた。
…取り敢えずうどんげで遊ぶか…。そう考え、うどんげの部屋に向かっていると、
少し…ほんの少しだけ不機嫌だった私はその理由の一端を担うてゐの呼ぶ声が聞こえた。
「お師匠様~お客様うさよ~。」
しかも語尾に『うさ』を付け加えてお客様を連れてきた?
管理者ほどではないにしても胡散臭すぎる。大体、あの子が『うさ』口調になる時はこれから人を騙しますと言っているようなものだ、そこにプラス客…。考えが透けて見える…いや、見せているのだろうが…。
「おっ師匠さっまー✩、ちょっとよろしいですか。」
とりあえずだがイラっときた。
「それで?私の薬をいたずらに使って逃げたてゐは私に何の用なのかしら?」
「嫌だなぁー、お・し・しょーさま。それ以上の極上の話をてゐちゃんが持ってきちゃいました。はーと」
「あらぁ、何かしら?私も暇じゃないのよね。主にあなたの使った薬品の補充で。」
「紅魔館の主、レミリア・スカーレットが訪ねてまいりました!」
「!…以前私たちの起こした永夜異変を解決した者たちの一人…。」
「はい、どういう意図があってこのごたついた中でトップ同士の会談をしようとしているのかは判りませんが兎達の報告の中ではここ最近、幾人かの力を持つ者たちが紅魔館に集合したという報告もありますね~。」
「…ハァ、どう考えても面倒事にしかなりそうにないわね。」
「うさ!」
とりあえず私が話すしかないか、輝夜はこう行った事には慣れていないし…。
「ま、お人好しさに免じて何かの吹聴は勘弁してやるウサ。」
レミリア・スカーレット、私の記憶ではそれなりに狡猾、ある程度の残忍性、吸血鬼らしい禍々しい力の波動をだす者…。
「こんにちは、紅魔館の主様。私は八意永琳、輝夜姫の従者にしてここ永遠亭の薬師をしています。本日はどのような御用でしょうか?」
…私には目の前の少女が吸血鬼に見えない…、こちらを見て、隠そうとはしているが嬉しそうな笑みを浮かべ、羽をパタパタと動かすゴスロリ少女にしか…。
「大した理由ではない、一度ここには来てみたかったものでな…うちの自慢のメイド長咲夜が今日は永遠亭に所要があるというので付いてきたに過ぎん。」
要するにこの時点で自分は何もするつもりはないしトップ同士の話ではなく偶偶寄っただけ…ということ?
「そうですか咲夜さんが…。そういえば異変の際には咲夜さんに随分お世話になりまして、遅ればせながら御礼を申し上げますわ。」
わざとらしく目の前にいる吸血鬼を外して礼を言う。非道い方法ではあるが喜怒哀楽の感情を揺さぶるのは最も素が出て最も本音を聞きやすい方法。
「構わん、私も過去に異変程度は起こしているしな…。大切なのは今であり過去ではない。過去の行動を省みる程度はいいやもしれんが、それによって行動を縛られては意味がない。」
挑発程度には慣れていると?紅魔館のトップとしてある程度の交渉の基礎は出来ているということか…。
どうすればいい?あまりにも意図が不明すぎる。そうこう考えているうちにあちらから切り込んできた。
「お前はどうだ?これ以上の異変は起こさないと断言できるか?例えばお姫様が気まぐれで異変を起こそうなどは?」
なるほど意図はわかった。先程のてゐが言っていた有力者たちが集まっていたということと当てはめれば簡単なこと…。今回の事態…異変とは呼べない程度とは言え未だにごたついた幻想郷を沈静化するためということか。だとすれば事実のまま言うしかない、下手に嘘を言うなればそれなりの理由があるとみなされる。
「…断言はできませんわ。私にとっての至上は姫様のみ…勿論気まぐれで異変を起こせと言われたら協力などはしませんが、理由があるなら話は別ですわね。」
そしてそれはまた異変を起こすかも知れないという答え。どちらに踏んでも結局は幻想郷に反旗するやもしれないという答え。ここに至ってようやく理解させられた。
コイツ…私に釘を刺しに来たのか。けれど、
「いや済まない、不躾だったな。今日の本題は咲夜の買い物…、すまないが合流できるまで待たせてもらえないか?」
本当に申し訳なさそうに謝るその姿は演技とも真実ともとれる。
どちらにせよ今、私たちが動くことはないだろう。ならば、出来るのは紅魔館と仲良くすることぐらいか、なら
「あなたとは仲良くなっていきたいわね。よろしくね、スカーレットデビルさん。」
永琳と握手を交わしていると一人の少女、それもとびっきりの昔ながらの大和撫子って感じの美少女がやってきた。
「ふふ、随分面白そうなことになっているじゃない。」
間違いない、この人が…、
「私は蓬莱山輝夜。よろしくね。」
頭のいい人ってたまに自爆する時ってあると思う
ちないに、次からはすごく書きたかったところ…物語が動きます!
もしかしたら過去編に突入するかも
補足:てゐ=元々、悪戯はしてもそれ以上はしない結構なお人好しだと思っています。うどんげにたいしてもやり過ぎて泣くと謝りますし
咲夜さんすら凌駕する=阿修羅すら凌駕する存在
輝夜=これまでの課金額は25万ほど
次回更新はできれば日曜日、遅くても月曜日です。