まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
一本で書ききろうかと思いましたが冗長になるので分けました。
人類が増えすぎた人口を
宇宙に移民させるようになって
既に半世紀が過ぎている
地球の周りの巨大な人工都市は
人類の第二の故郷となり
人々はそこで子を
産み
育て
そして死んでいった
宇宙世紀0079
地球から最も遠い都市サイド3は
ジオン公国を名乗り
地球連邦政府に独立戦争を挑んできた
この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は
総人口の半分を死に至らしめた
人々は自らの行為に恐怖した……
どうも、ジーン(転生)です。ようやっと機動戦士ガンダムの第1話にたどり着きました。コロニーまであと5㎞といった所です。そうです、三機のザクがスーハー言いながらコロニーに近付くあのシーン真っ只中です。
ちなみに出撃までの2時間は軽くミーティングをして待機室でゆっくりしてから出撃して約四時間のMSでの宇宙遊泳を楽しんでおります。予想通りゲリラとかに襲われる事も無くサイド7まで来れました。襲われてたら第1話無くなっちゃうもんね。
そろそろ独り言もこれぐらいにしてサイド7への着地の準備をする。ゆっくりとサイド7へ近付く。
クポォン
クポォン
クポォン
何とか成功する。いやぁ、緊張してきたね。
「スレンダー、ハッチ開閉用のツマミがあるはずだ。探してくれ」
デニム曹長の指示でスレンダーがハッチ開閉用のツマミを探して開ける。そうするとゆっくりとハッチが開き、ザクが入れるぐらいまで広がった。曹長を先頭にサイド7へと侵入する。少し進むとスレンダーのザクが作業用のアームにぶつかり、壁に跳ね返り自分達が元来た道へ向かっていった。
「おい、あまり物音を立てるなよ」
「す、すみません」
そうしてもうひとつのハッチの前まできてハッチを少し開ける。
「スレンダー、お前はここに残れ」
「はっ、曹長」
あのやり取りを見ている。本当にガンダムの世界に転生してきたのだと改めて実感する。二機のザクがコロニーの大地へ向けて下降を始める。遠くに見えるのはあの鬼畜天パと愉快な仲間達が住んでる居住区だ。人の気配はまるでしない。
ズササーッっと山(みたいな?)の斜面を降りる。機体を安定させたところでザクの左手をコックピットの位置に動かしてそこに乗る。
うわっ、高いな……実は高い所が苦手である。安全柵も命綱もない所での高所作業は本当にヒヤヒヤするものである。しかしビビるのもいい加減にして電子双眼鏡を手に取り、連邦軍の施設を探す。んーと、連邦の施設は……あったあった、右上か。
「曹長、軍の施設は右上のブロックのようです」
ジーン、記念すべき第一声。
「出勤時間のはずですが……車が一台行っただけです。人影はありません」
確か、あそこらへんがアムロの家のはず……
「ん?居ました!子供のようです!」
家に入っていくフラウ・ボゥを見届ける。確か軍艦が入港するから避難するように伝えるんだっけ?見届けた後、デニム曹長が声をかける。
「いったい、どうしてこんなに人の気配が無いんだ?」
「もしかしたら、連邦の軍艦の入港があるからかもしれません」
「どうしてそう思う?」
「連邦の新型軍艦は多分、サイド7にあるV作戦関連のMSを運ぶために入港したのだと思います。なので、その収容作業を住民に紛れ込んでいるかもしれないスパイに見られない為に住民全員を避難させていると考えると、辻褄が合います」
「確かにその可能性が高いな……とするとやはりV作戦の施設はここにあるという事か」
「そうでしょう」
連邦の施設を見ているが、まだ動きは無い。時刻は午前6時32分。まだ入港していないという事か?追手から逃げる為にあえて蛇行したりして遅れているのか?
「ホワイトベースにガンダムの部品を載せればいいんだ。地上の作業を急がせろ」
「はっ!」
連邦士官が外部観測所に移動する。
「ホワイトベースめ、よりによってジオンの船につけられるとはな」
観測所に着き、入港してくる戦艦を見る。
「おほぉ、これか」
「はっ」
「流石、我が連邦軍の新鋭戦艦か。この艦とガンダムが完成すればジオン公国を打ち砕くなぞ、造作もない」
真っ白な戦艦が入港してくる。その戦艦はまるで木馬のような見た目で、力強い白馬に見えてくる。その力強い白馬は本当にジオンを打ち砕く鉄槌に思えてきて、士官は満足そうな表情になる。
「連邦のMSらしき物が出てきました!」
「なに!本当か?よし、撮影を開始しろ!」
「了解!」
手に持っていた電子双眼鏡で撮影をする。何気に優れものである。倉庫から出てきたMSの写真を撮る。あれはガンタンクの上半身だな。パシャリ
あっちは、えーと……あっ、ガンキャノンか。これも上半身。パシャリ
肝心のガンダムちゃんが居ない。最優先で運び足しているはずなのだが……
「ジーン、MSの存在を少佐に知らせろ」
「はっ曹長。暗号を使います」
えーと、確か暗号は……
サイド7の遠く、そこには一隻のムサイ級戦艦ファルメルの姿があった。そこに、ヤツはいた。
「私もよくよく運の無い男だな。作戦の終わっての帰り道であんな獲物に会うとは……ふふっ、向こうの運が良かったのかな?」
「作戦って何です?V作戦の偵察ではなくて?」
「いやぁ、何となく言ってみたかっただけだ。気にするな。」
「はぁ……しかしシャア少佐、あんな僻地のサイドに連邦のV作戦の基地があるんでしょうか?」
「あるよ。我々のザクMSより優れたMSを開発しているかもしれんぞ」
「まさか。あんな僻地のサイドで……」
「……遅いな」
ピュゥーーージジジ
「来ました!……暗号 CC2です」
「みろ、私の予測した通りだ」
「で、では連邦軍もMSを?」
「開発に成功したとみるのが正しいな」
遥か遠くに見えるサイド7を眺める少佐。予想を的中させる少佐に半ば呆れている少尉。孤高の戦艦ファルメルはサイド7とルナツーの間で戦士の帰還を待っていた。
いよいよ本編突入
ジーン(転生)はちゃんと偵察出来るのか?
それとも……?