まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
何が起きたかは、後で活動報告にでも書こうと思います。
それでは約4ヶ月ぶりのお話をご覧下さい。
シャアとジーン(転生)はシャトルの発着場に来ていた。
宇宙から来る定期便を観に来たのだ。発着場周辺は見物に来た兵士でガヤガヤしている。まるでちょっとした観光地みたいだ。
「発着場って、こんなに賑やかなんですね」
「いや、今日は特別だ。"臨時便"がもう一隻来るからな。我々の目当てはそれだ」
へぇ、もう一隻か。物資特盛で~す!って奴かな。
沢山いる野次馬をかき分けて見えてきたのは、まさかの代物だった。
ザンジバル級が停泊していたのだ。
「……これ、ザンジバル級ですよね?」
「そうだ、木馬を追いかける為に使う艦だ」
「はひょー」
まさかザンジバルに乗れる日が来るとは……ってか、これじゃ実質ランバ・ラル隊じゃないか。しかもあのザンジバル、投光器が4つあるテストタイプだし。
「やっと来ましたね。ジーンさん、あの中にジーンさんの搭乗するMSが搭載されていますよ」
いきなり横から話しかけられたのでびっくりした。セキヤさんも観に来たらしい。というか俺達が乗るんだから、セキヤさんも乗りに来たのか。よく考えれば当たり前だな。
「そろそろ教えてくれても、良いんじゃないですか?」
「それは乗るまでのお楽しみで…」ニヤッ
ぞぞぞっと背中に悪寒が走る。まさか今キャリフォルニアベースで開発されてるというグフフライトタイプじゃねーだろうなぁ?万が一ジュアックとかだったら、その鷲っ鼻がへし折れるまで殴ってやるぞ???
ザンジバルから荷物が運び出された。と言ってもシャアへの受け渡しがメインだから量は少ない。どちらかといえば降りてくる人員の方が多いと感じる。
「おーいシャア中佐ー!」
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。声の主を探していると、二人組がこちらへ近づいてきた。
「デニム曹長とスレンダー軍曹!」
「おお、ジーンか!っとその前に、訂正してもらわねばな」
「?……あ!デニム少尉とスレンダー曹長でしたね、失礼しました」
「解れば宜しい」
おおよそ一週間ぶりの再会だ。
…え?たった一週間?なんか半年ぶりな感覚がある。中身が濃すぎる日が多かったせいなのか、大気圏突入作戦の日が遠くに感じるな。
「久しぶりだな、地球までのご足労感謝する」
「いやいや中佐、あの後衛星パトロールしていたんですけどね、もう暇で暇でしょうがなくて…呼ばれて嬉しかったですよ」
久しぶりの再会で饒舌になるデニム曹長…じゃなかった少尉。対照的にスレンダーは黙ったままだ。
「どうしたスレンダー?元気ないな」
「地球の空気が合わなくて、気分があまり良くないんです……ゲホッ」
「そうか、それはちとキツイな。まぁ、じきに慣れるさ」
ゲホゲホと咳をし始めた。やっぱりコロニー育ちだと地球の環境はキツイのかぁ。俺も地球に降りた時、少し違和感を感じたからな。今は慣れたけど。
「よし、二人はゆっくり休んで地球の環境に少しでも慣れてくれ。出発は現地時間で明日の朝6時だ。解ったか?」
「了解です」「はっ…」
二人が兵舎に消え、配給物資を観にきた野次馬たちもまばらになった頃にセキヤ技術少佐が声を掛けてきた。
「ジーンさん、見に行きませんか?貴方の新しいMSを、ね?」
どちらかというと、セキヤさんの方が観に行きたそうな雰囲気を醸し出している。まぁ、気持ちは分かる。自分が選りすぐったMSだもんな。ある意味「俺自慢のMS」だもんな。
セキヤ少佐について行き、ザンジバルの格納庫へと案内される。やっぱりザンジバルとMSの運搬がメインで、物資はオマケ程度の運搬だっようだ。荷物の置場所を固定する箇所が少なすぎる。中で作業している人はMSの調子を見ている整備兵ばかりで、荷下ろししていた人はもう殆どいない。
「こちらです!こちらがジーン曹長のMSです!」
元気な声で少佐が右腕がビシッ!と指す方向には
青い身体!
青い盾!
そして胸の白いジオンマーク!
どっからどう見てもYMS―07-B通称グフが鎮座していた。
……てっきりゲテモノMSを持ってくるんじゃ、と思っていたので、盛大に肩透かしを食らった気分だ。でもまぁ、うん、グフなら……うん、ねぇ?
……正直不安でしかない。
原作でのグフはランバ・ラルの大活躍により、とても強そうな機体に見える。しかし!あれはあくまでも歴然の猛者が乗った場合である!!一般兵が乗ったら「出力がちょっと上がったJ型ザク」になってしまうのだ!!
戦場の絆をプレイした事のあるジオニストなら多分解ってくれると思う。憧れていたグフに乗って格闘無双しようと思っていたら、気づくと4回も撃破されているあの衝撃を……お前だけだよ
連撃が決まらない……
ヒートロットが当たらない……
75㎜機関砲がカス……
相手のジムストライカーの方が強い…
エトセトラ……
↓曹長Lv.1が何か言ってるぞ
これは下手くその域ではない。そもそもの戦闘コンセプトが間違っているのである。
近接戦闘が強いのは良い。ヒートロットも悪くない(仕組みは謎だけど)。盾も必要だろう。なのに何故左手を機関砲にした!?ザクマシンガンじゃダメなのか?!
マニピュレーターはほぼ機能しないクソ!
腕全体が弾薬庫で補給に整備が必要なクソ!
核融合炉の次に被弾するとヤバい場所でクソ!
肝心の威力は牽制にしか使えなくてクソのクソ!
……素人お断りの機体は前世のゲームでもそうだが、こちらの世界でも嫌われている。上記の通りなので、パイロットと整備兵のどちらからも、だ。
よもやもよもやだ、まさか俺たちがランバ・ラル隊の代わりとなるとは……これが歴史の修正力というやつなのか……
「…聞いていました?私の話?」
セキヤ少佐が問いかける。不安で頭一杯になっていて正直聞いてなかった。
「一応ですが、命に関わる事ですからね?しっかりと聞いて貰わないと困ります」
「ごめんなさい…」
「いいですか?このグフは"特別製"ですからね?そんじょそこらのグフとは訳が違いますからね?」
まーたセキヤさんの"お手製"という訳か。
「まずこのグフのジェネレータにはゲルググ用に試作された物が使われています」
??????
初っぱなからなに言ってんのこの人?
「ゲルググに正式採用されたのはジオニック社製の出力1440キロワットのジェネレータですが、このグフに積んであるのはツィマッド社製の出力1520キロワットのジェネレータです。正式採用こそされませんでしたが、性能や安全性は私が保証します」
そんな代物どうやって手に入れたんだ……
「いやぁ~これもジーンさんが命懸けでV作戦の資料を手に入れてくれたおかげですよ」
「へ?」
「一階級特進して少佐になったので、色々と権限が増えてやれることが増えたんですよ。本当にありがとうございます」
「いやいや、頭を下げられても……」
「いやホントにジーンさんのおかげですよ。流石にツテだけでグラナダにある試作グフのジェネレータの積み替えは行えませんよ~」
…もしかして俺、とんでもない怪物を作り上げていた?
「あ!出力は1520キロワットですけど、グフの性能に合わせて引き下げているので、通常は1100キロワットですのでご安心を。出力を上げたい場合は三分だけ元に戻せるリミッター解除ボタンを付けましたので、そちらをお使い下さい」
すんげーな (語彙力)
…あれ?グフの出力って1100キロワットだったっけ?1034か64じゃなかったっけ??
「それでは機体の説明を致しますので、コクピットへ」
「あ、はい」
コクピット内に入り、説明を受ける。
うん、恐ろしい程にザクと変わらない。九割五分同じである。流石ジオニック社製のMSである。セキヤさんの丁寧な説明と相まって、直ぐに覚えられそうだ。
今日のところはシミュレータでしっかりと覚え、筋トレで肉体維持をして明日に備えた。数日ぶりにホワイトベースの尻を追っかける日々がまた続く……
10月6日午前6時
ザンジバルが北米の空へと旅立つ。
作戦目標は、地球連邦軍本部ジャブローの入り口の特定。その為、ホワイトベースを尾行する。
偵察部隊の情報によると、ホワイトベースはカナダ領の西海岸付近を飛んでいたらしい。原作通り、北太平洋を経由するみたいだ。
搭載MSはグフ、ザクⅡJ型×2、シャアザクの4機。尾行がメインになったせいか、MS関連の補給物資はカツカツだ。世知辛い。
というかこの作戦、シャア出ないってどういう事なのよ。あんた自分から「私は前線に立ちたい(意訳)」みたいな事抜かした癖に……
しょうがない、「目立たないように尾行するから出撃しない」と考えよう。聞いても無駄そうだし。何か原作の進み方とあんまり変わらないのが気掛かりだけど、目の前の事に集中しなければならん。ならんが……
「アムロと戦うのはなぁ……」
シアトルで天パの脅威を身をもって体感した。このままの成長スピードだと、もうそろそろ俺の技量を越す。絶対に。だから経験値を与えないという点で戦いたくない。何気にタンクとキャノンも戦力になりつつあるし。どうしたものか……
とにもかくにも、劇場版だと【哀戦士編】に突入する場面になった。ランバ・ラルの代わりをする事になった俺達。まだまだ息絶えない黒いガンダム。この先、起こるであろうオデッサの戦い。黒い三連星も関わるのかどうか……
ジーン(転生)は生き残る事が出来るのか?
ちなみに通常のグフの出力は1034キロワットです。グフカスタムでも飛行試験型でも同じ。
あと、ガルマ死んでないからイセリナも死んでません。やったねガルマ!恋人はまだ生きてるよ!
ガルマの暗殺を
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阻止すべき(生存IFルート)
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見逃すべき(死亡原作ルート)