まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ   作:ワッタ~軍曹

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やっと書き終わった……
えーと、前の投稿っていつだっけ?



……へ?3/31???


第31話 父親と息子

宇宙世紀0079年10月1日午後6時、ホワイトベースは、ガルマが身を引いた後にミデアからの補給を受けていた。リード中尉その他サラミス乗組員、避難民の病人35名を受け入れた。

 

「残りの避難民はまた後日の補給で受け入れをします」

「ありがとうございます、マチルダ中尉」

 

ブライトが敬礼をする相手は、赤毛で坊主頭のうら若き女性士官、マチルダ・アジャン中尉だ。敬礼を解き、マチルダが話を切り出す。

 

「よくもまぁサイド7からここまで来れたものだと、レビル将軍も大層驚いていました。ブライト少尉もさぞかし大変だったでしょう」

「えぇ、何せ正規兵ほほとんど残って居ませんでしたから……」

 

ここでふと、マチルダ中尉の話に違和感を持つ。

 

「……ちょっと待って下さい。マチルダ中尉は私の事をブライト少尉と呼びませんでした?」

「えぇ、そう呼びましたが」

「少尉って、私はまだ軍歴6ヶ月の士官候補生のはずですが?」

「上層部は跳躍昇進の措置を採られて、今月からブライト候補生は少尉に昇進しました。また、ホワイトベースも、連邦軍の正式な部隊として認められました。補給が来たのも、正式な部隊として扱うという本部の考えとして受け取って下さい。"ジオンに兵なし"とレビル将軍が唱えましたが、連邦もまた、人手不足に直面しているのです……」

 

自分の知らない所で話が進められて、いつの間にか少尉になっていた事をここで初めて知ったブライト。拳に力が入ったが、これも軍人の定めとして諦めるしかなかった。

 

 

そこにテムがやってきた。

 

「貴方がガンダムの開発者の?」

「えぇ、テム・レイ技術大尉です。よろしく」

 

お互いに握手をする。その光景に、ブライトは少し目を逸らした。

 

「あぁ、そうだ。忘れないうちに……」

 

テムはそう言いながら、右手に持っていたオレンジ色の小さなボックスをマチルダに渡した。

 

「RX-78-1の戦闘データです。お願いしますよ」

「ありがとうございます。この戦闘データは、責任をもってジャブローまで持ち帰ります」

「あぁ、それと……」

 

テムはマチルダに耳打ちをした。ブライトもその内容が気になったが、こちらまで聴こえる程の声ではなかった。気にはなったが詮索する程でもない、と思いまた目を逸らした。

 

「わかりました。レイ大尉の伝言は、レビル将軍にしっかりとお伝えします」

 

マチルダがテムのやり取りが終わった後、ホワイトベースの方から視線を感じた。そこには白スーツを着た少年、アムロがこちらを見ていた。

 

「あら、あなたがガンダムのパイロット?」

「は、はい!」

「話がしたいわ、こちらに来てもらえるかしら」

 

アムロが少し嬉しげにしながら小走りで来る。

 

「あなたの名前は?」

「あ、アムロ・レイです……」

「アムロ・レイ……レイってことは、もしかして?」

「えぇ、私の息子です」

 

少し照れ臭そうにするアムロにマチルダは質問をかけた。

 

「お父さんに頼まれてガンダムに乗ったのかしら?」

「い、いえ!ただ、その……サイド7にジオンが来て避難民としてホワイトベースに乗り込んで、そのあと成り行きで乗ることになったんです……」

「成り行きで乗って、シャアの追撃を3回も追い返したの?」

「いえ!あの、僕はただ、機械弄りが好きなだけで……MSの動かし方も最近になって分かってきただけなんです……」

「ふふっ。もしかしたらあなた、エスパーかもしれないわね」

「えっ……エスパー?」

 

 

二人に、つかの間の刻が流れる。アムロは初めて出会う大人の女性にときめき、マチルダはエスパーめいた活躍をする少年に興味を持つ。その光景を目の当たりにした父親はそっと、ホワイトベースに戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

そして補給が終わり、ホワイトベースは再び空へと戻った。補給中に修理も行い、エンジンの調子も戻りつつある。心もとなかった弾薬や部品も補充され、食糧も整った。避難民を含めたホワイトベース乗務員の心を潤した一時であった。

 

「マチルダさん、凄い人気だったなぁ」

「アムロ、写真は貰えたか?12枚しか印刷出来なかったと聞いたが」

「うん……何とか貰えたよ」

 

マチルダの補給部隊が帰る前に、ホワイトベースクルーと一緒に記念撮影を行った。来たのはマチルダの噂を聞き付けた男子ばかりだったが。なんとなく嬉しそうな声で話す息子に、父親も少し嬉しかった。

 

 

 

そして父親と息子が居る場所は独居房であった。

 

 

 

 

 

 

 

「アムロ、貴様は出撃拒否の命令違反で禁固刑に処す。独居房で頭を冷やしてこい」

 

補給が終わり、空へと戻った直後だった。

 

アムロは若干、嫌な顔をしたが何も言わなかった。

 

「けっ、自業自得だな」

 

カイが毒を吐く。すぐさまリュウが睨みを効かせ、カイはだんまりとする。他のクルーは自分の仕事をしてるか、声を掛けられず黙ってアムロを見ている。フラウだけは気に掛けている様子だった。

 

「ジョブ・ジョン!アムロを独居房につれて行け」

「はい」

 

ジョブに連れられて、とぼとぼと歩きかけたその時

 

「ブライト艦長、私も独居房に入れて貰えないだろうか?」

「れ、レイ大尉?」

 

いきなりそんな事を言われたので、ブライトは面を食らってしまった。

 

「私は職権を濫用し、艦長の命令を上官命令としてはね除け、無断でガンダムに乗って出撃。現場の兵士や指揮系統を混乱させ、ガンダムは危うく大破するところだった。……理由としては、十分だと思うがね」

「レイ大尉……」

 

みんなの視線が二人に向く。ブライトは少し考えた上で

 

「ジョブ、レイ大尉も独居房へ」

「い、いいんですか?」

「本人が志願した事だ。何より、はね除ける理由が無い。よって、テム・レイ大尉に独居房入りを命ず。罪状は職権濫用と無断出撃。……よろしいですね?」

「それでいい」

 

こうして二人はジョブに連れられて独居房へと入っていったのだった。

 

 

 

 

「こうやって、アムロと話すのは何年ぶりになるかな……」

「どうだろう……もう分かんないや」

 

ぎこちない会話が続く。外は暗くなり夜になっていたが、独居房には窓が無いので二人には分からなかった。

 

「そういえば父さん、何で僕の代わりに出撃したの?」

 

息子からの質問は想定内だったので、躊躇わずに答えた。

 

「成り行きでこうなったとはいえ、アムロがガンダムに乗ることになったのは私の責任だからな。親としても、開発者としても、何とか出来まいかと意気込んで乗ったはいいが……ダメダメだったな」

 

「そんな事……ないよ。だって、ちゃんとザクと戦っていたじゃないか」

「でもガンダムの頭を吹っ飛ばされたけどな」

 

父親の自虐にアムロは黙ってしまった。

 

「……すまなかった。父さん、少し意地悪だったかな?」

「いいよ、別に……」

 

相変わらずのぎこちない会話だったが、二人とも不満ではない。久々の親子の会話は意味があったと思う父と、父親の行動力にビックリしたが、久々に話せて少し嬉しかった息子。二人とも良い雰囲気で良かったと、思いながら出てくるリュウ・ホセイが告げる。

 

 

「さぁ二人とも飯の時間だ」




1ヶ月も待たせてしまい申し訳ない……

今後の更新ですが、休載はしない代わりに投稿頻度のムラが出まくると思われます。もう不定期更新万歳!と言わんばかりに開き直って、ゆっくりじっくり作っていきたいと思います。

更新していたら「まだ生きとんのかコイツ」と大いに呆れて下さい。

ガルマの暗殺を

  • 阻止すべき(生存IFルート)
  • 見逃すべき(死亡原作ルート)

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