まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
成歩堂「異議あり!!ウマ娘プリティダービーは先月23日火曜日のリリースです!月曜日は関係ありません!」
サイバンチョ「被告人、本当は何をしていたのですか?」
……ガンプラ買い漁っていました。すんません。あと会社のトラブルで凄く疲れ(ry
サイバンチョ「判決、被告人を有罪とする」
という訳で28話です。
「左翼後ろからMSだそうです!」
「なにっ!?」
「バッ、バカな……ッ!!」
9月27日 現地時間17時20分
ホワイトベース包囲網左翼後方、ミッド湖から進撃したガンダムはマゼラアタックの部隊を一掃。
同日 18時00分
ホワイトベースとガンダムが合流。ガンダムの活躍により、マゼラアタック隊全滅。討伐部隊撤退開始。
何故だ……なぜガンダムが出てきた。しかもホワイトベースの後ろから、どうやって?
まさか避難民を乗せて不時着した飛行船から出てきたというのか……?
位置からして、そう考えるのが筋だろう……
偵察機の通信が途絶えたのはガンダムに攻撃されたからと思われる……
クソッ!あの時はホワイトベースを落とすのに気を取られていたから気付かなかったが……連中、卑怯な事をしてきやがって!
しかし、シャアもこの奇襲を察知出来なかったとはな……これは、仕方のない事だな。私よりガンダムを追いかけていたシャアが気付かないなら、誰にだって気がつきやしないさ。
それに戦力的にはこちらが上なんだ。奇襲さえ無ければ、こちらが勝っていたはずなんだ。
そうだ……ガンダムの奇襲さえ無ければ……
自分の精神をなだめる為に自己暗示を掛けていく。次第に落ち着きを取り戻し、ある程度元に戻っていた。
「ダロタ、戦況報告をしてくれ」
「はっ。マゼラアタック隊は全滅、残った部隊は……約3割です」
この報告を受けたガルマは膝から崩れ落ちた
「そう嘆くな、私だって見抜けなかったんだ」
「同情はよしてくれ……」
基地に戻り、ガルマの部屋で二人は軽く酒を飲み交わしていた。
「同情だってするさ。まさか避難民を乗せた船にガンダムを乗せ、さらに気をそらす為に偽装工作をして不時着をしたのだからな。連中は着々と成長している」
「…………」
シャアからの目線を反らし、うつむいたまま酒を飲む
「お説教は性分じゃないがなガルマ、あまりメソメソするんじゃないぞ。君は北米を束ねる指揮官なんだ、作戦の失敗だって時にはある。その失敗を次に生かしてこそ、真の軍人になれるのさ」
「しかし、私は2回も取り逃がしてる……」
「そんな事言ったら私は3回も取り逃がしているぞ、気にするな」
「…………」
ウイスキーのロックを飲み干した。ガルマはグラスの中の氷をじっと見て、シャアの言っていた言葉を受け入れようとしていた。
「そろそろ私は寝ようとするとしよう。ガルマ、やけ酒だけはするんじゃないぞ」
「分かっている……おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
シャアは部屋を出て部屋がシーンとなった。ガルマは暫くの間、グラスの氷を見続けてしんみりと感傷に浸っていた。
(しかし私もあそこまで予測出来なかったとはいえ、あんなにもやられてしまうとは……やはりガルマは無能だったな)
カツカツと廊下を歩き、自分の部屋へと戻る。すれ違う兵士は特に居ない。
(……やはりこのままではジオンは腐るな。まずはガルマ、君から死んでもらう)
翌日28日の朝……
やけ酒はせず、あのウイスキーロック1杯だけにしたので二日酔いはしなかった。目覚めもそれなりに良い。身支度を済ませ、朝食を食べている最中の事だった。
「お食事中申し訳ありません、キシリア少将から通信が……」
思わず食べていたエッグベネディクトを吹き出しそうになったが、何とか吹き出さずに済んだ。そのかわりに気管に入り込んで噎せてしまった。
「だ、大丈夫ですかガルマ様!」
「ゲホッゲホッ……だ、大丈夫だ」
少し慌てながらナプキンで口元を拭き、髪型や服装、髪型等を整える。
「通信室だな?」
「はい」
「朝食は後で食べる、残しておけ。では行ってくる」
「はっ、御武運を」
ん?御武運をって何を言っているんだアイツは!私がこれから死ぬとでも言うのか!?
……いや、タイミング的に考えて昨日の件での呼び出しだろう。しかし、あんな悲しげな目で「御武運を」って言われても困る……
ぶつぶつ言いながら通信室に行き、通信兵にチャンネルを繋がせた。
「おはようございますキシリア姉様」
「おはようガルマ、わざわざ早朝にすまない」
「いえ、朝食は丁度食べ終えたので問題はないですよ」
「そうか、それなら良い」
画面にはヘルメットもマスクも外したキャストオフの紫BBAキシリアが椅子に座っていた。
「なぜ呼び出したかは……分かるな?」
「昨日の木馬討伐の件でしょうか……?」
「それもある」
「それも……?」
「まぁそれは先に木馬討伐の件を話してからだ。してガルマ、何故あれだけの犠牲を払っても木馬を討伐出来んのだ?」
ズバリと痛い所を突かれ、思わず苦い顔をするガルマ。
「そっ、それは……ガンダムが奇襲をしてきたからで……」
「奇襲されてなけれぱ勝てた、と」
「そ、そうです!」
「そうか……」
顎に手を添えて少し考え事をするキシリアに、ほんのりと恐怖を感じていた。
「ガルマ、功を焦って軍を疲弊させている暇は我が軍には無い。やるならもっと慎重に作戦を立ててくれ。分かったな?」
「は、はい!」
「ふむ、お説教はこれぐらいにして本題に入るとする。ガルマ、キャリフォルニアベースで生産しているゲルググの稼働はどのぐらい進んでおるのか?」
「ゲルググですか……現在はビームライフルの実証実験も終わり順次生産しています。ゲルググの量産型は先に生産し、1週間後には6機がロールアウトする予定です」
「そうか、予定より1ヶ月ほど早まったのか」
「はい、ジオニック社が懸命になって作りましたから」
「ジオニックも大したものだな」
キャリフォルニアベースに居たジオニック社の技術者達にV作戦の資料を渡して
「この資料を元に今すぐゲルググ用のビームライフルを一週間以内に作ってくれないか?」
って頼んだら、その場に居た技術者全員が卒倒して倒れたぐらいだからな。私にもそれぐらい無茶な事は分かる。本当に良く頑張ってくれたものだ。
「ふむ、予測より早く完成して安心しておる。要件は以上だ、早朝にすまなかったな」
回線が切れ、緊張の糸が切れたのと同時に近くにあった椅子にへたりこむ。いくら家族とはいえ、仕事では上官であるのでやはり緊張する。少しこのままの態勢でゆっくりしたいと思ったが、部屋に鳴り響くコール音が許してくれなかった。
「ええい!こんな早朝から誰なんだ!……ど、ドズル兄さん!?」
まさかドズルからの通信で思わず硬直してしまったが、出ない訳にはいかない。すぐさま通信を開始する。
「ガルマ、こんな朝早くからすまんな。どうしても聞きたい事があって話にきたのだが……」
「構いませんよ」
「すまない。それでは単刀直入に聞くが、木馬の方はどうなっている?」
ストレートを通り越してジャイロボールな質問を投げてくる兄貴に思わず眉毛をひくつかせるが、何とか堪えて質問に答える。
「ま、まだ落とせていません……」
「シャアはどうしたんだ?シャアとガルマがいれば……と思ったのだが」
「し、シャアも出撃しているのですが、奴らかなりしぶとくて……」
嘘は言ってない。 出 撃 はした。
まだ大隊と一緒には出てないと言おうもんなら「馬鹿者!!!」とカミナリが落ちかねない。
「そうか……しかしガルマよ、悪戯に兵を減らす物ではない。アフリカや極東では、マゼラアタック1輌でさえ欲するような過酷な戦線を繰り広げているのだぞ。あまり無駄にするんじゃない」
「申し訳ありません……」
「お前一人で戦っているのではない。MSパイロットから整備士、砲手に歩兵、衛生兵だってそこらへんの畑から取れるものではない!ジオンは今、MSより人の方が大切なのだ!それを分かっての事か!」
「す、すみません!」
どっちにしろカミナリは落ちてきた……
「む……熱くなりすぎたな。しかしガルマよ、ジオンは現状維持ですら厳しい状況に立たされているのだ。それだけは分かってほしい。お前にはもっと立派な指揮官になって欲しいと思っての発言だ、勘弁してくれ……」
「ドズル兄さん……」
分かってはいるさ……指揮官としてはあまり優秀ではないことぐらい。ドズル兄さんも僕が可愛くて仕方ないけど、あえて厳しくしている事も……
でも、奴らはおかしいぐらい強くてとても敵わない……親の七光りと言われないように反骨精神で頑張っているのが精一杯だ……
「ガルマ、お前にもプライドがある事ぐらい分かる。だがな、そのプライドを折ってでもシャアと協力してホワイトベースとガンダムを倒して欲しい。アイツは……かなりの実力者だ。頼む……」
巨体を前に倒し、頭を下げる。こんな事されたら、やらない訳にはいかないじゃないか……
「分かったよドズル兄さん……次はシャアと協力してガンダムを倒してみせる。約束するよ」
「本当かっ!!!ガルマなら理解してくれると思った!よし!ガンダムを倒したら祝賀会を開くぞ!!」
「気が早いって!」
「む?もうこんな時間か……時間を取らせて悪かったな。次に会う時は良い報告を待っているぞ」
「分かったよドズル兄さん、必ず仕留めてみせる」
「それでこそ、ザビ家の人間よ!楽しみにしてるぞ!ではまたな」
回線が切れる。とてもとても疲れたが、僕の事を思ってくれる優しい兄さんだ。何だか心がほっこりしてきた。さて、冷めきった朝食を食べ終えたらシャアと一緒に作戦を立て直そう。今は親の七光りやプライドがどうこう言っている場合じゃない。よし、朝食を━━━
プルルルルル プルルルルル
またコールか。今度は一体……
「お早う御座いますガルマ様」
画面に映っているのは茶髪に赤い総帥府の服を着た美女である。もうこの時点で鳥肌が立っている。
何を言おうがこの女性はギレン総帥の秘書、セシリア・アイリーンである。
「2分後の7時45分から10分間ギレン総帥との面談を行って貰いますが、宜しいでしょうか?」
「は、はい……」
答えはハイかyesの二択である。
「では宜しくお願いいたします」
「久々だな、ガルマ」
「お久しぶりです、ギレン総帥」
「フッフッフ……そう固くなるな」
この後原稿用紙2枚分の報告と40枚分のダメ出しを10分ぴったしに言われ、残した朝食が食えなくなる位疲弊したガルマであった。
読みやすく、かつダレないように最近はサクサク2000文字強で書いていたけど、4000文字越えたのは久しぶりだなぁ……
さぁ、ガルマが躍起してガンダムを倒せるか?
きみは刻の涙を見る……
ガルマの暗殺を
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阻止すべき(生存IFルート)
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見逃すべき(死亡原作ルート)