まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
※オリキャラと独自解釈が苦手な方はブラウザバック推奨です。
OKすか?
ガンペリーからガンダムが運び出され、ジオンのルッグン「ビッグジョン」と一悶着が終わった後らへんの時間。俺は、俺のザクを魔改造した整備士の元へと向かっていた。
確か、セキヤって名前だったよな。技術士官でサイド7での収穫品の解析をするために編入されたんだっけ?ぶっちゃけジーンの記憶を辿っても詳しくは分からない。まぁ、興味無かったんだろうな。それに原作に出てこないキャラクターなので、いっさいがっさいの情報が無いのは少し怖い。名前からして日系人っぽいけど……
彼が居る部屋の前に着く。少し緊張しながらノックをして「どうぞ」と声を掛けられた。ドアが開き、部屋の中には中肉中背の日本人が腰掛けていた。
「あら、どうされました?ジーンさん」
「いやぁ、整備長からよろしくと伝えてくれと言われまして……私からもお礼をと思いまして……」
「わざわざありがとうございます」
うん、日本人だこの人。どっからどう見ても会社の係長クラスに居そうな日本人だ。身長はだいたい俺と同じくらい。髪は黒で短髪。黒縁の眼鏡に鷲鼻で顔は四角い。中肉だがガタイはしっかりしており、太ってはいない。
うん、日本人だこの人。
「折角ですから、もし時間がよろしければ少しお話でもしませんか?」
彼からの提案を受け、部屋の中に入りもうひとつの椅子に腰掛けた。
「多分はじめまして、ですよね?私はシャア中佐の部隊に編入されたセキヤ・シモノと申します。階級は技術少佐です」
へぇ、技術少佐ねぇ……しょ、少佐ァ!?!
「どうされました?……あぁ、階級のことなら気にしないで下さい。別に取って食おうという訳じゃありませんし」
あまりにも唐突すぎて顔に出てしまったらしい。失礼なこと言うようだけど、ホントに歳が一回り上の係長みたいな雰囲気なのよ。
「いやぁ……でも少佐となると、階級がすべての軍人としては……」
「まぁ言いたい事は分かりますけど、この部屋の中だけはラフで大丈夫ですよ。お願いします」
「はぁ、ではそうさせて頂きます……」
なんとも日本人的な会話が続く。この後手後手に回る感じが少し懐かしい。
「整備したザクはどうでした?」
「完璧です。もしかして一緒に付きっきりで?」
「えぇ。昨日は仮眠しながら指示を出していましたね。ガウに乗ってからようやっと、まとまった睡眠が取れまして……さっき起きたばっかりですよ」
セキヤは右手で持ってるマグカップを口に持っていく。湯気と一緒にコーヒーの薫りが漂ってきた。
「いやホントに、ありがとうございました」
「いえいえ、これが仕事ですから」
少し照れながら軽く頭を掻く。やっぱり日本人だなぁ、としみじみ思う。
「どうされました?」
「いやぁ~セキヤさんって、やっぱり日本人だなぁ~と思いまして……」
「えっ?もしかしてジーンさんも日本人なのですか?」
ゲッ!思わず呟いてしまった!ヤバいぞ、ジーンの家族なんて知らんぞ!!えーと、うーんと……
駄目だ!設定されてないから両親の顔も名前も解らんぞ!!いやセキヤさん、そんなキラキラした目で見ないで下さい。心がとっても苦しいです。えーと、もう、こうなりゃヤケだ!
「え、えーと……た、確か私の祖父が日本人だった記憶がありまして……」
「そうなんですね!いやぁなんか、ジーンさんとは何となく波長が合うな~と思っていたんですよ!」
何とか誤魔化した……
「ちなみにご出身はどちらですか?」
オーバーキルはやめてくれぇぇぇぇぇ!!!!!
まずい。バンチの存在は知っているけど、詳しくは知らん!ズム・シティとハッテしか知らんぞ!えーと、これも適当で……
「あっ、えー、あー、えーと、6バンチだったかな?……です」
「ジーンさんも6バンチでしたか!いやぁ、もしかしたら私達どこかですれ違っているかもしれませんね!」
('ω')あっ
ヤバい地雷を踏んだかもしれん。
この流れだと6バンチの何処でしたか?って聞かれそうなので強制的に話を切り替えよう。それしか道はない。
「それでジーンさんはどこ地k」
「いやァ!セキヤさんも日系人とは奇遇ですねッ!もしかしてサイド3は日系人が多いんですかねッッ!!?」
「日系人……あぁ、そういえばこんな話を聞いた事があります」
よし!切り替え成功!
「サイド3は重工業コロニーとして建設が進められたというのは知ってますか?」
「はい、聞いたことはあります」
「それに伴ってですね、優秀な技術者を集めて移住させたみたいなんですよ」
それは初耳だな。とりあえず適当に相づちを返す。
「へぇーそんなんですか」
「サイド3の人口の割合としてヨーロッパ系白人が半数を占めていて、そのうちの3~4割がドイツからの移住らしいんです」
「確かに白人多いですよね」
「そんでもって北米移民が3割、日本からが1割。その他南米やアフリカ大陸などの色んな民族が1割で成り立っているみたいなんです」
「ほぉー」
「なのでジーンさんの言っている通り他のコロニーに比べると日本人の移民がそこそこ多いんですよね。私の祖父が町でベアリング工場の社長をやっていたのですが世界でも有数の真円に近いベアリングを作っていたみだいで地球連邦政府からも是非サイド3に移住してみませんかと聞かれたので新しい物好きの祖父はそれに応じて移民したんですよ。それでですね……」
「はえー、ふーん、凄いですねー」
やばい、この人オタク気質があるのか話に熱が加わると早口になる人だ。とりあえずこの後も適当に相づちをうっておこう。
にしてもサイド3の人種の割合なんて考えた事が無かったなぁ。原作だとアサクラぐらいしか出てきてないと思うけど、外伝作品やMSV、ゲームなんかだとそれなりにいるよな。そりゃ連邦軍にも日本人だろうなぁ~って人は沢山居るけど、ほぼサイド3出身で構成されているジオン軍とスペースノイドとアースノイドごっちゃになっている多国籍軍の連邦軍じゃ母数が違うもんな。
それと重工業コロニーに技術者を移住させるために人種の割合を考えた事がってのも凄いよな。貧困層やらを優先して送って自分達は地球に住む横着な奴らだと思ったけど、そこらへんはちゃんとしているのね。確か割合はヨーロッパ系白人の3~4割はドイツ人で、アメリカ系も3割居て、日系1割……ん?まてよ、もしかしたらジオン脅威のメカニズムが少し解明されたかもしれない。少なくともドイツ×日本は合わせちゃ駄目だろうな。これは素人でも分かる。
「……という経緯で私はシャア中佐が編成したA-12部隊に配属され職務を全うしている訳です」
「はえー」
大きな鼻息をして誇らしげにするセキヤさんに拍手を送った。
「おっと、もうこんな時間。そうだジーンさん、よかったら食堂に行って一緒にお茶でもしませんか?」
「いいんですか?お供します」
この後二人で食堂へ行き紅茶を飲みながら、セキヤがあらかじめ購買で買ってきたジャムクッキーを頬張りながら雑談をしたのであった。まぁ、どうせ原作的には[戦場は荒野]だから出撃は無さそうだからいいよな。
案の定、ガンダムの奇襲は成功してマゼラアタック隊は全滅。ガルマの木馬討伐部隊は約8割の戦力を落とされて撤退した。
ガルマたん、また大敗北の巻
[変更]独自設定タグを独自解釈に変えました。
ガルマの暗殺を
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阻止すべき(生存IFルート)
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見逃すべき(死亡原作ルート)