まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ 作:ワッタ~軍曹
…………
人って簡単に死ぬんだなぁ……
あぁ、どうも。ジーン(転生)です……
ガデムさん、死んじゃったね。あんまり関わりがないからそこまで感情的にはならないけど、目の前であんな爆発を見せられたら、ねぇ?皆さん、目の前で人が死んだら、どんな感情を抱きますか?
……なんかスミマセンね。そんな事聞かれても普通、分かりませんよね?メンドクサイ奴ですみません。でもね、私はこの転生がどれだけハードモードなのかを今、たった今思い知ったんですよ。
そう、この転生は
している事である。
皆さんお気づきかもしれないが、これは一年戦争という地球連邦政府とジオン公国という国家間の戦争なのである。実際に私は死線を潜り抜けてきている。連続出撃でヘトヘトになってるし、MSが爆発したときに来る爆風はかなり大きくて、サイド7やガンダムから脱出した時に結構煽られた。(そしてノーマルスーツ越しでも感じるぐらい熱い)そう、これは一歩間違えば死ぬ。オワタ式の戦争である。いや、普通戦争ってそんなもんだろ
しかし、もしかすると死んだら9月16日の転生の日まで巻き戻しになる可能性もある。そして一年戦争でジオンが勝つまで巻き戻しされる可能性だってある。まぁ、だからといって、わざと死にに行きたくはないよね。普通。
……
気分が晴れないなぁ。多目的室にでも行って星でも眺めてくるか……
多目的室には誰も居なかった。補給物資の受け入れなんかで皆忙しいのかな?とりあえず外が見える席に着く。ルナツー付近の小惑星帯なので岩みたいなのがゴロゴロしている。しかし、星が中々見えないので少しがっかりした。まぁ、連邦のパトロール隊が見えてくるよりマシだが。
…………
どうしようかなぁ……
この後はルナツーを爆発工作して、大気圏で戦うのは想定内だ。しかし、"その後"が問題なのだ。それは地球に降りれるか否かである。むざむざとガルマを見殺しには出来ないが、そもそも阻止出来るのは大気圏突入して地球に降り立たなきゃいけない。ファルメルで待機していたら絶対にシャアはガルマを殺しに行く。かといって「地球に降りたいです!」なんて言ったら下手をすれば……
どないせぇっちゅうねん……
「こんな所に居たんですね」
誰かと思えばスレンダーである。
なんか、久しぶりに見た感じがする。たった1,2日の事であるが、なんか、こう、久しぶりな感じがする(語彙力)
「どうした?」
「少佐から伝言です。『手が空いたらハンガーに来い』と」
「ハンガーか、分かった。」
ゆっくりしたい所だが、上官がお待ちとなれば直ぐにでも行かなければならない。私は水分補給してから多目的室を後にした。
「お呼びでしょうか少佐」
「あぁ、丁度良いところに来てくれた」
何か話でもするのかな?ハンガーって事はMS関連だろうけど……
「早速だがあれを見て貰いたい」
少佐が指を指した先にあったのは……ビームライフルとバックパック?
「少佐、あれは……?」
「君が持って帰ったビームライフルを、ザクでも撃てるように改良した試作機だよ」
「へ?!」
ちょっと待て。あの変態共、ついに自らの手で歴史をぶっ壊しやがったぞ!?
「驚くのも無理はないな。今作ってる次世代MSの武装がビームライフルなのだが……鹵獲品とはいえ、それよりも先に作ってしまったからな」
そういえば戦場の絆のザクⅠスナイパーもそんな感じだったな。あれよりかは若干、コンパクトに納められている。あれをザクにくっつけて稼働となると、ムサイ級だとギリギリ引っ掛からずに運用出来そうなサイズになりそうだ。
「少佐、あのバックパックってもしかすると、ザクのヤツじゃ……」
「あぁ、そうだ。ガデムがどうせ墜ちるならと、もう一機のザクを渡してくれたから、そこから取っている」
あぁ、ここでは原作通りに二機渡すのか。まぁ、「全部くれてやる!」って言ってたもんな。しかし、折角のザクを試作機用にバラすとはな……
「ザクをバラしたのですか?そんな事して大丈夫なのですか?」
「心配はいらないさ、ドズル中将も承認してくれた」
ちょっ、何してんすか中将殿!
……待てよ、この流れは……まさか……
「……私に使えと?」
「察しがいいな。次の出撃から使って貰う」
び、貧乏くじは引きたくない。よし、おべっかを使おう。
「しょ、少佐の方が使いこなせそうですが……」
「はっきり言おう、あれは重い」
「重い……?」
「あぁ。宇宙ならまだマシだが、地上となると厄介だな」
そんな厄介なもんを部下に押し付けるのかコイツ。……てか、さっきサラリと"地上"って言わなかったか?
「少佐?地上って……」
「木馬はこの後にルナツーに寄港して、その後にジャブローへ向けて大気圏突入をするだろう。私はそれを追いかける。だから地上戦も今のうちに慣れておかなければならん」
「はぁ……」
「しかし、この試作機をくっつけるとなると今まで通りの力が出せん。火力はいいのだがな、いかんせん重い。しかしな……」
「……しかし?」
「ドズル中将の命令で実地試験をしてデータを送らなくてはならない。だから誰かに運用して貰わないと許可を得た意味がなくなる。折角貰ったザクをバラして『やっぱり使いません』じゃ示しがつかん」
「……で、私に?」
「そうだ」
そうだ、じゃねーだろ!!!
畜生!何でうちの上官は……
いや、待てよ……
地上に行ける……?
「地上にも行くのですか?」
「そうなるな。地上のデータも取って報告せねばならん」
うーん……これしか道は無さそうだな。
「……分かりました、他に適任者が居なけ」
「よし!整備班はジーンのザクに試作機を取り付けろ!ちゃんと動作テストはしておけ!」
「「はっ!」」
……人権ってなんだっけ?
次回、ルナツー工作作戦
ジーン(転生)は生き残る事が出来るか?
タグ解放:オリジナル機体(ブロンズ)