まさかガンダム転生でジーンになると思わなんだ   作:ワッタ~軍曹

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Q.どうしてこんな連投するんですか?
A.四連休でスラスラ書けるから

Q.どうしていつもこの調子で書けないんですか?
A.仕事がキツイ。


第10話 宿命の対決 赤VS白

「じ、ジーン!!生きていたのか!!!」

「おかげさまでね……」

『……もしかして、脱出が間に合ったのか?』

「本っ当にギリギリでしたよ。あと1秒遅れていたらオダブツって所でしたよ」

 

そう、ザクⅡには脱出装置がある。これは旧ザクに脱出装置を設けなかった事により試験中に多大な死者が出て「やっぱ、脱出装置っているよな?」って感じで作られた。戦闘機にすら設けられているのに、どうしてザクⅠにはついてないんだろうね?まぁ、ザクⅡを設計してる時に思い付いてなかったら、私はここに居ないけどね。感謝、感謝。

 

「少佐、もしかしたら見ていたかもしれませんが、あの白い奴の強さは侮れませんよ。あのビームサーベルでザクの右腕が無くなりましたから」

『にわかには信じられんな……』

 

少しは部下を信じろよマザコン野郎。

 

「私はパラシュートで降下しています。地上に降りたらMSを奪いに行くのであの白い奴の気を引かせて下さい」

「正気か!?あまり無茶をするんじゃないぞ!」

「どうせこのままじゃ、スレンダーの元へも行けませんよ。だったらMSを奪う方が効率がいいですから」

『分かった。何とかこちらで奴を対処する。デニム曹長もジーンを援護してやってくれ』

「はっ!」

 

 

 

 

 

ザクの破片と斬られた右腕が辺りに散らばっている。どうやらジーンの言っていた事は嘘じゃないらしい。ふむ、ビームサーベルか。たしかドムの近接武器はヒートサーベルがあったが、まさか近接武器もビームとは……恐ろしいな。

 

 

 

 

 

な、何なんだあの赤いザクは!新型か!?でも他のザクと姿は同じだ……という事はもしかしたら指揮官機なのか?ぼ、僕で太刀打ち出来るのか?……そうだ、僕にはガンダムがあるじゃないか!これがあればあんなザクなんて!

 

 

 

 

 

さて、ジーンの脱出が無駄にならない内にあのMSを料理するとしよう。ジーンもいい線まではいったが、やはり実戦経験がものを言う世界だ。よし、やるか。

ジリジリと距離を詰める。奴もこちらに気づいたようだ。ッ!いきなり走ってきた!中々速い。そしてあのビームサーベルは……なるほど、確かに威力がありそうだ。私の後ろにあった10メートル程のビルが斜めに斬られている。侮れん。また来た。甘い!……何なんだ?連邦のパイロットにしては、いやそれ以前に戦い方が素人ではないか。どれ、一つ試してみるか。

シャアザクのお得意芸のキックをお見舞いする。無論、ガンダムは避けられず、もろに攻撃を受けて吹っ飛ばされる。続けざまにマシンガンを当てる。流石にここまですれば動けまい。

 

「どうだ!……バカな、直撃のはずだ!」

 

何というMSだ!コックピットに直撃したマシンガンを跳ね返しただと!?冗談ではない!こうなればヒートホークで奴の急所を狙うしかない。奴が立ち上がるのを待ってから討つ!よし、そうだ、そのまま立ち上がって……死ねぇ!

ガンダムが立ち上がるのと同時にシャアザクが追い討ちをかける。当然、アムロは対応出来る訳もなく、攻撃を許してしまう。首元から僅か30センチ離れた肩にヒートホークを受けてまたもや倒れこむ。ちいっ、ずれたか。

……奴が動かない。やったのか?いや、油断はするな。そんなヤワな代物ではないのはさっきの攻撃で分かった。基地守備隊は沈黙しているようだから戦いに集中出来る。あの二人には感謝しないとな。……遅いな。

 

 

 

 

 

はぁ……はぁ……はぁ……

 

い、生きているのか?

あんな攻撃を受けてまだ壊れないのか……

それは助かっているけど……

ただ、赤いだけのザクなのに、どうしてあんなに強いんだ?ザクがあんなキックをするのか?

勝てるのか……?

 

 

このままじゃ……

 

 

 

 

……勝てる、のか?

 

 

 

 

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

 

 

 

 

……このままじゃ、負ける。

 

 

 

早く脱出しないと……

 

 

 

僕は死ぬ……

 

 

 

ごめんよ、フラウ……

 

 

 

仇を討てなかった……

 

 

 

 

 

こんな僕を許してくれ…………

 

 

 

 

 

アムロは泣く泣くハッチを開けて外に出る。シャアもそれに気づいて降伏勧告をしようとしたが、それが出来なかった。アムロは軍人ではなく、民間人だからだ。そしてパッと見で歳は15,6に見えたので更に驚いた。こんな少年がジーンのザクを撃破したのか、と。それに気づいたシャアは知らず内に手が震えていた。呆気に取られていたが、やることをしなければならない。無線をスピーカーモードに切り替える。

 

「貴様、軍属か?」

「ち、違います……」

 

やはりか……

 

「ほ、捕虜になるんですか?」

「いや、君は軍人じゃないから南極条約は通用されない。このような場合、民間人はその国の法律が適用される」

「と、いうと……?」

「君は連邦軍のMSを勝手に乗って基地内で派手に暴れ回っていた。連邦軍の兵士にも死者が出ているはずだ。ただでは済まないだろう」

「例えば、どんな……」

「はっきり言おう。君は人を殺した。警察に捕らえられたら死刑は確実だ。しかも君は連邦軍の最重要機密であるMSに無断で乗った。いや、盗んだのだ。連邦軍に捕まったとしても死刑は免れないだろう」

「ひ、人殺、し……?」

「そうだ。君は人を殺したんだ」

 

アムロは酷く混乱していた。自分が人殺し?あの二機のザクと同じ事をしていたのか?僕が?どうして?何で?何で同じになったのか?

考えれば考える程、頭が締め付けられるような痛みに襲われる。一気に色んな情報と感情がごちゃ混ぜになって訳が解らなくなってくる。僕は……僕は、あいつらと僕は、僕は僕だ。僕は人殺しじゃ無い、でも僕は、僕は僕は僕は………

 

うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

 

「お、おい!何処へ行く!」

 

……行ってしまった。頭を抱えながらそのまま走り去ってしまった。MSから走り出したので地面に落っこちたが、態勢も何も気にせず何処かへと消えていった。ちと、やり過ぎたか?いやしかし、私にどうしろというのだ?流石に民間人を射殺するのはマズイからな。

 

『少佐!聞こえますか!』

「じ、ジーンか?聞こえるぞ」

『今から私はあのMSを奪います。無事に動かせたら私はビーム兵器を奪ってから撤退します。少佐は援護して下さい』

「あ、あぁ。分かった」

 

いつから居たんだ?守備隊が壊滅したとはいえ、そこら辺にはまだ連邦兵士だって居るだろうに……

 

 

 

しかしこの男も悪運が強いな。




勝者 シャア・アズナブル
決まり手 思春期少年の逃亡(恵まれ)

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