byとある管理者
エピローグ的な話をすれば、暁美達は日常というものを取り戻し、学校も再開された。
見滝原中学校で行方不明者が少数ながら出た事件だが、なぜか誰も『首謀者』を覚えていないそうだ。
不思議だなぁー。
「とか言いつつソラが記憶操作したからでしょ」
「あり? バレた?」
ま、敵とは言え、アフターサービスみたいなことをさせてもらったわけだ。
誰のことかって? わかってるだろ?
「ま、織莉子さんやキリカの記憶してここに転校させたからなぁ。キリカの魔女としての衝動も一般社会にはあんまり影響なさそうだし」
「それで結局助けたのね」
「あくまでオレの気まぐれさ。…………別にいいだろ」
オレはそう言ってほむらとまどかからそっぽを向いた。後ろにいる彼女達からクスクスと笑い声がしている。
…………笑うなよ。
「ごめんごめん。それでソラくん、次はどこにいく?」
「マミさん達がいるところさ。あいつらの居場所は異世界だ。…何が起きるかわからないが…………それでもいくよな?」
「「当然♪」」
彼女の返答を聞き、オレはドコでもドアを展開した。
屋上からオレはふと、暁美と鹿目達が織莉子さんとキリカにバッタリ遭遇する光景を見た。
そこには険悪な雰囲気はなく、仲が良さそうな光景を見てオレは呟いた。
「よかったな…………幸せになれよ、みんな」
――――それは前世のオレが求めた光景
――――果たせなかった結末を果たせたことにオレは満たされて、オレ達はこの世界から出ていった
『あ…………』
『どうしたの、ほむらちゃん?』
『…………いえ、誰かがこちらを見て笑っていた気がするの』
『うれしそうだね♪』
『うん…………だって笑っていた人はきっと…………』
彼女達の会話はオレには聞こえていない。だけどそんな会話をしているんじゃないかと思っている。
――――そんな終わりを迎えるのだった。
(??サイド)
真っ白な空間にて、大きなテーブルに席をつく三人の女性がいた。彼女達は水晶球からソラ達の様子を見ていた。
「ククク…………そう終わらせるというわけか。やるじゃないかい英雄」
「……………………」
「おや? 不服かい?」
「ええ…………あんなやりたい放題な外史を見せられたら気分が悪いわ」
「まあ、なぁ…………。そりゃあ、お前の分身みたいなもんだからなぁ。なぁ、
女神は不敵に笑いながら、どこか不機嫌そうな美国織莉子を見ていた。
そう美国織莉子と呉キリカは確かにほむらの世界にも存在したのだ。
彼女達はソラと遭遇しなかった理由はある事件でソウルジェムを破壊されて死を迎えたからだ。
そしてその死後、管理人として生まれ変わり、外史を見守る役割を持ったのだ。
ただ美国織莉子は名前を改名し、本来の名はプライベートでしか名乗らないようにしていた。
「その名は随分と懐かしいわね。今は別の名前で呼ばれているのに、なぜ今となって呼ぶのかしら?」
「単なる気分さ。にしても正史の暁美ほむらに『忘れ去られた』ってのは意外だったな。ま、数あるループのうちにあったたった一つの結末だったかしらねぇ?」
「知らないわ。そんなこと今はどうでもいいもの」
美国織莉子は席を立ち、扉があるところまで行った。
「管理人の仕事かい?」
「ええ。『
「おやおや、随分とお気に入りみたいじゃないかい」
「当たり前よ。だって彼は私達の『切り札』ですもの。おかげで安定した形で終末を迎えたわ」
「お前がそこまで言えるほど男か…………。ぜひとも見てみたいものだ」
舌舐めずりをする女神に織莉子は呆れながら嘆息を吐いた。
「あげないわよ。だからちょっかい出さないで」
「おやおや…………アタシは別にちょっかい出そうとは思ってないわよ?」
「捕食者みたいな目でどの口を言うのかしら」
やれやれと言いながら彼女はその世界から出ていった。
「うーむ、不機嫌だねー。全く別にいいじゃないかい。そちらの英雄を遊び相手にしても…………」
「まあまあ、織莉子にとって――――いや
「と言いつつテーブルに鍵爪立てないでくれないかい。それ、一応高いんだからキリカ」
鍵爪を立てながらキリカは歯を食い縛りながら涙をタパーと流す。
「うぅ…………だって織莉子が…………織莉子が知らない男に執心なんて…………」
「そういえば一目惚れとか言ってたわねー…………」
「これが…………ネトラレってヤツなんだね…………。美樹さやかはこんな感じだったんだ…………」
「いや元からアンタら付き合っても結婚とかしてないでしょ」
「だけどこの感じ……………………いい! こう虚無感があって、大切な者がスゥッて抜ける感じが!」
「アブノーマルだなオイ!?」
「なんでこうなったのかしら」と女神は嘆息を吐いた。
昔は普通だったのに、どこから現れたノエルという神器使いによってドMの変態化したそうだ。
たまに一人で縛って放置プレイを楽しむのが最近の日課だったりする。
余談だが当初、これによって織莉子は胃薬を大量に購入すことになったそうだ。
変態マジスゲーと苦笑していた記憶が今や懐かしい。
「つーか、さっさと追いなさいよ。アンタあの子のボディーガードでしょ」
「ハッ、いけない! このままでは織莉子にお仕置きされてしまう! …………あ、でもそれも…………」
「はよ行け!」
女神はそう言ってキリカを蹴り飛ばした。イスから飛ばされてそのまま扉にぶつかったが、彼女は息を荒くさせて興奮していた。
こうかはいまひとつのようだ。
というテロップが流れていたと女神は思いながらキリカを立たせる。
「ハァハァ…………なかなかよかった!」
「なんかソラの気持ちがわかってきたわ。…………そりゃ、大変よこれは」
「失礼な。でも織莉子が不機嫌になる理由はわかると思うよ」
どうして? と女神が聞くとキリカは答えた。
「ほら、私達って最期は不幸せだったじゃん。分身みたいな者が幸せになって自分が不幸になるってなんか気に入らないじゃん」
「それもそうね。わかる気がするわ」
「でも同時にこう思ってるじゃないかな? ――――――――もう一人の私を幸せに導いてくれてありがとうってね。私も実はそう思っているんだよねーこれが♪」
ニシシと笑うキリカがそう推測するが、女神もそう思っていた。
彼女はここに出るとき、最後は口元を緩ませていたところを見たから…………。
「んじゃ、行ってきまーす。お土産話を楽しみにしててね」
そう言いながらキリカは扉を開けた――――――――
「あ、織莉子からさっきラインが届いたんだけど。仕返しにソラの行き先をハイスクールなところに変更したって」
「あのヤロー…………」
キリカの発言に女神は拳を固くした。
(ソラサイド)
「で? それがオレ達が悪魔や堕天使や天使がいる世界にいる理由?」
『そーゆうこった。…………すまないねホント』
スマホから女神の謝罪の言葉を聞いて、ありがとうと答えて通話をきった。
なるほどねー。んじゃ、ほむら、まどか。
いっせーので言うぞ?
はい、いっせーのーで!
「「「あんのオリゴ糖めェェェェェェェェェェ!!」」」
冥界という場所の空でオレは美国織莉子が笑顔でサムアップする幻覚が見えた気がした。
ちなみにその世界から出れたのは約一年間である…………。
ここにも戦争があって参加するはめになろうとは……………………。
(??サイド)
とある少女が送還術により戻ってきた。その少女はソラがいた外史にて彼を見守っていた少女である。
外史では四、五歳前後の肉体だったが、実年齢は九歳だった。しかも前世の年齢を合わせるとそろそろ中学三年あたりである。そんな彼女の服装はフリフリの猫耳パーカの
「ただいまー。うーん、久しぶりに子どもの気分を味わえたよー♪」
「ごくろうさま。君のおかげでソラが無事なことがよーくわかったよ♪」
彼女と会話していたのは白衣を着た『混沌』をつかさどる神器使い――――天ヶ瀬千香である。
今の彼女はやや女性に近づいた体系であり、肩にかかる長さの短髪の髪型にしていた。
「それにしてもあのお兄ちゃん、強かったなぁ。どうやったらあんなに強くなれるのかな?」
「HAHAHA、その前に君は子どもっぽい口調を直さないとね。中学三年くらいの年齢でそれは恥ずかしいよ?」
「子どもじゃないもん!!」
ベーと少女は千香に向かって言った。そんなところを見て千香は「まだまだ子どもだなぁ」と微笑むのだった。
「それじゃあ、しばらくゆっくりしていいよ――――――――
――――――――『ゆま』ちゃん♪ もうすぐに『彼』は完成するから♪」
「はーい♪」
――――物語は止まらない。彼女の登場は必然である。
織莉子が管理者となった経緯は省きますが、彼女はある作品でも登場予定です。
え? どんな作品だって?
それはまだ秘密です。
一応その作品に関係しているキャラはストライカーズにでも登場予定です。
ちなみにソラ達がいる世界も自分が次に考えている作品だったり。
そしてゆまちゃん。彼女は千香の仲間です。ストライカーズでも出す予定だったりします。
次回、一年後で新たな異世界へ。そしてオリジナル展開のあのキャラも登場!!
――――さあて、次も暴れますか。