ではどうぞ。
ほむらに諭されたオレは
まさかベロチュウーされるとは思わなかった…………。オレのファーストがこんな形だなんて……。
うう、もうお婿に行けない。
「とか言いながら私にキスをしっかり返していたじゃない」
「仕方ないだろ!! お前にいいようにされるのが気に入らなかったんだから!」
「なかなか情熱的なベーゼだったわよぉ……」
「恍惚した顔でオレを見るな!!」
顔を赤くしてほむらに文句を言うが、そんなオレを彼女は『羞恥で焦る弟』を見る目でクスクスと微笑で返してきた。
くっ、恥ずかしい。いくら壊れていたとは言え、ほむらに弱みを握られるてしまうとは…………。
まあ、今のオレの心も怒りや憎悪はなく、ただ彼女がいるという安心感に溢れていたが。
彼女がなぜ無事だったのか一から聞くと眠らせる直前に時を止めて逆に返り討ちにしたそうだ。
返り討ちした局員は今頃、公共の場で真っ裸にされているらしい。
哀れ、局員。青い公務員に見つかれば事情をどう話しても変な人扱いで牢獄行きだろう。
「さりげなく、えげつないなお前」
「ほむんっ」
「いやえっへんじゃなくて――――ッ!」
オレ達に向かって魔力弾が飛んできた。それをオレは
どうやらオリ主くんが放った弾だ。立ってオレ達に手を向けてるからな。
「天宮! いい加減にせぬか!」
「うるさい! 俺の正義に踏み台が口出しがするんじゃない!」
衛の忠告を無視し、オリ主くんは再びオレ達に向けて魔力弾を撃つ準備に入った。
…………もういいだろうか。こいつの行いと言動にもう我慢できない。
オレの怒りを察したのか、ほむらはオレの手を握りじっとオレの目を見ていた。
オレはそれを笑みを浮かべて答えた。
「殺しはしないさ。でも…………殺すより残酷なことをする」
オレの憎悪は完全にオリ主くんに向かっている。止まることはない。
オレは放たれた魔力弾を切り裂き、そしてオリ主くんの身体に神器を刺し込む。
「ガッ!?」
「お前の特典は永久封印確定な。もう二度と力なんて触れさせない」
まず力を奪う。それなら抜いた神器をまた刺し込む。
「グッ!?」
「お前の身体の自由を封印した。これでお前はしばらくの間は身体が思ったようには動けない」
「て、てめぇ!! こんなことをして!」
「まだ終わってないぞ? これが最後だ」
オレはドコでもドア展開し、オリ主くんの首根っこを掴んで言い始める。
「お前には異世界に行ってもらうよ。この世の地獄と言えるくらいの」
「な、なんだと? どこの行かせるつもりだ!?」
オリ主くんが狼狽しながら聞いてきた。そんなもん決まっている。
「ニューカマー達が蔓延るカマランドという世界だ」
「どっかで聞いたことある単語!」
「お前にはイワンコフさん達を含めたニューカーマー達のいけに――――――――貢ぎモノとして向かってもらう」
「生け贄って言いかけたよな今!? いや、待て! 頼むからそこだけは…………」
「じゃあな…………クソヤロー♪」
笑顔でオリ主くんをその世界へ放り投げた。
するとどうだろうか、ドアの先にいたオリ主くんのニオイに釣られたのか、ニューカマーという名の変態達がどこから現れてヤツのいたるところに熱いベーゼを与えて、服を剥ぎ取られていき、最終的には……………………これ以上はR指定だ。
腐女子が好みそうな展開が行われそうなのでドアを閉じた。
『あらん、良い男…………お姉様とヤらないかしらん?』
『いやだ! 誰か、たすけ――――――――…………アーーーーーーーーッッッ!!』
断末魔が閉められたドアから響いてからオレはドアを消した。それから高町達に振り返り言い始める。
「こいつはもう二度とお前らには会えないよ。オレかまたはオレと同じ神器を持つ能力がないヤツでしかもうオリ主くんはもう会えないよ」
きっと彼は永遠とニューカマー達に貪られているだろう。
そして例え高町達が再会しても彼はもう普通の阿部さんになっているだろう。
これがこいつの罰。考えを変えなかったこいつの罪への代価だ。
生きることも死ぬことも許されず、ただ誰にも知られず、変態達に貪られ、自分が朽ちるのを待つ結末だ。
…………想像するだけで恐ろしいな、これ。
「なんで…………なんでこんなことをするの!?」
「ひどい! あんまりだよ!」
高町とフェイトはそう言って非難してきた。
オレとほむらは彼女達に振り向き言った。
「ひどい? あんまりですって? それはどの口言えるものかしら」
「お前ら管理局は正義とか言ってオレ達の平穏を乱した。そしてオレとほむらの大切な人を奪った――――――――これに対してお前らはどう答えるつもりだ?」
高町とフェイトは口をふさいでしまった。
そうだろ。どちらが先に出したのか明白なのだから。
「あと八神。お前もリンディ提督辺りからオレ達を捕縛するように言われているだろ? 道理で隙を狙って魔法を撃つ準備してるはずだ」
八神はオレの指摘された通りだったため、悔しそうに目を瞑り杖をしまった。
「よく聞け
オレはそう言って三人娘達に向けて言った。
「覚悟しろ。たとえ、友人だろうが知り合いだろうが関係ねぇ。向かい来る敵は老若男女問わず皆殺しにしてやる…………!!」
たぶん、オレの顔はとても恐ろしいものだったと思う。
オレは鋭い殺気を込めてそう言うと彼女達は萎縮してしまいへたり込んだ。
「リンディ提督に管理局への宣誓布告とそう伝えなさい。一応、知り合いとしてのよしみよ」
ほむらがそう言い終えたとき、ドコでもドアを展開してその場を去った。
――――しばらく、彼女達の顔は見ることがなさそうだな。
☆☆☆
とある廃墟にて、オレ達は身を隠して女神に電話をかけていた。
事情を話すと意外な事実が待っていた。
『天ヶ瀬千香の活躍で朱美妹や信号機姉妹が異世界へ転移したわ』
「ホントか!? …………あ、だけど肝心の千香は」
『なんかジェイなんとかっていうリリなの第三期のラスボスと仲良くなって無事らしいよ』
「ホントなにやってるのあいつ!?」
「どうやって仲良くなれるのよラスボスと…………」
オレ達は千香の予想外すぎる功績に思わず呆れて手で覆う。
たまに真のラスボスがあいつじゃないのかって思うときがあると思っていたが…………ゴッドよ、そこは願いを叶えなくていいです。
『いや神のアタシも予想外すぎて、あんぐりよ』
「心を読まないで」
『とにかく彼女達がいる世界世界をそれぞれメールで伝えておくから行き先をよく覚えておきなさい』
そう言って通話が切れて、メールが届いた。
マミさん、杏子、さやかは同じ世界にいるがまどかだけは違う世界にいた。
しかも、オレ達にとってかなり因縁のある世界だ。
「マジかよ」
「どこまでも縁が深いわね…………この町とは」
まどかの居場所は――――――――見滝原。
千香を除いたオレ達の生まれ故郷だった世界の町だ。
「おまけに平行世界だ。ほむら、これはちょっとステータスダウンも考えなきゃならないぞ」
「どういうことかしら?」
「オレ達はまだ中学生に上がる前だが神器使いだ。その身体スペックあるし、まだ人間であるお前は魔法少女としてのデメリットがないから存分に戦える」
「何が言いたいのよ?」
「平行世界に渡る場合はその世界の住人として憑依するということなんだ」
ほむらも気づいたようだ。
つまりほむらが平行世界に渡れば、その世界のほむらの身体に憑依して過ごすことになる。その世界のほむらはまだ魔法少女だから、そのデメリットを抱えることになるのだ。
「その世界の経験や記憶は共有されるけど、肉体はその世界のスペックになってしまう。つまり魔力なしではいられない身体にまたなるんだ」
ほむらとしてはもうゾンビみたいな身体にはなりたくないとぼやいていた。
だからオレは彼女が平行世界に渡ることを止めさせようと思っていた。
だが、彼女は言った。
「いきましょう」
「いいのか?」
「ええ。魔女になる可能性が秘めた身体にまた戻るのは怖いけど、まどかが待っている。もう離れたくない大切な人だから…………」
オレは震えるその手を握り、彼女に勇気を与えようした。
震えていた手は徐々に静まり、彼女は決意を秘めた目をしていた。
オレはドコでもドアを展開して、彼女の手を握りながら前に出た。
「いくぞ、相棒」
「ええ!」
さあ、冒険の始まりだ。
こうしてオレ達はこの世界に別れを告げたのだった。
リリカル編完結!! と言ってもこの小説は続きます。
時間系列的には空白期になります。ストライカーズはしますので安心してください。
では、平行世界にはルールがありますのでまず説明します。
1 同一人物は存在できないので、外の世界から来た人物はその人物に憑依するという形で世界に来訪したことになる。
2 憑依した人物は記憶と経験を引き継いでいるが憑依された人物のスペックのままである。つまりジャイアンがのび太に憑依した場合、ジャイアンの人格と経験はあるけどのび太の身体スペックのままである。
3 同一人物がいない場合、その人物は憑依せず、個人として存在できる。
以上が平行世界へ来訪するためのルールです。
ちなみにオリ主くんですがもう出ません。完全な退場です。
元々、いてもいなくてもどうでもいい存在でしたし、感想欄にあった外道的で無慈悲な結末させました。
まあ高町なのは達が仮に再会したとしても、ソラの言う通り彼はニューカマーとして生まれ変わっているでしょうけどね。
次回、それぞれの動向。
――――さてソラと別れた彼女達は何をしているのだろうか?